俺の青春が田舎へ流された。   作:龍造寺

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原作開始前13話です。


原作開始前ー14ー13話ークリスマスイベントへ。

2010・12・24・☀/☁・07:45・八十神アパート・2ー1・静江の部屋・リビング。

 

とうとうこの日を迎えてしまった。今日は学校の2学期の終業式だ。まあ、学校行事は午後くらいまでで終わるし、クリスマスイベントは確か夜の6時からだったな。それまではどうするか…ってのは、まあおいおい考えるとして…問題はどうやって告白まで持っていくかだ。

そりゃ、叔母さん相手に告白の練習はしたけど…叔母さんと吹寄じゃ全然違う。叔母さんとの練習を思い出してみる。

 

【告白の練習してみなさいよ】

 

【え?叔母さん相手にか?】

 

【私じゃ不満だと言うのかしら?】

 

【そうじゃねえけど…ただ…こういう練習とかもしたことねえからさ】

 

【ほらっ、つべこべ言わずにやりなさい!】

 

【わかったよ…】

 

俺、意を決して告白の練習をすることにした。

 

【吹寄、俺…お前のことが好きだ……やっぱ無理だ…】

 

俺、顔が真っ赤になるのが自分でも分かる。…くそ、告白ってこんなに勇気と度胸とタイミングが必要なのか。中学の時、よくやれたなって今になって思う。

 

【それでよく中学の時にできたわね?】

 

【それは、何と言うか、雰囲気と言うか…向こうも好意があるんじゃねえかって…】

 

…まあ、向こうは好意どころか興味もなかったみたいだけどな。俺の告白、ただのお笑いネタにされただけだ。俺をバカにするための話として、学年中に広まった。…思い出すだけで胸が苦しくなる。

 

【そんな子のこと、忘れなさい。その振った子が羨むような男になればいいのよ】

 

【確かにそうなんだが…】

 

叔母さんが急に俺を抱きしめてきた。そして、優しく励ましてくれる。

 

【どんな結果になろうとも、私はあなたの味方だから】

 

【あ、ありがとな、叔母さん】

 

…叔母さんの言葉、めっちゃ心に響く。どんな結果になっても味方でいてくれるって…。俺、叔母さんにはほんと感謝してる。吹寄への告白、失敗するかもしれないけど…やってみる価値はあるよな。吹寄なら、俺の気持ちをちゃんと受け止めてくれるかもって、初めて思えたんだ。

 

まずは学校行事を片付けなきゃな。終業式ってやつを。

 

2010・12・24・☀/☁・11:30・八十神高校・1ー2組

 

終業式が終わって、クラスの中はもうクリスマスの話で一色だ。当たり前だろ、今日はクラスでクリスマスイベントがあるんだから。みんな何か大きな袋を持ってきてるけど、大方プレゼント交換用のものだろうな。俺も鞄の中に、プレゼント交換用のキーホルダーと…吹寄に直接渡す手編みのマフラーを入れてきた。…今から緊張してくる。

 

俺、チラッと吹寄を見る。吹寄が俺の手編みのマフラーを巻いてる姿を想像してたら、なんかニヤけちまった。…って、それを花村に見られてた。

 

【八幡、何ニヤニヤしてんだよ。このあとが楽しいのは分かってるんだがな】

 

【そ、そういうお前もニヤニヤしてんじゃねえか】

 

【まあな。こっちはバイトのついでに色々準備したんだからな】

 

【それは楽しみだな】

 

「忘れられないクリスマスイベントにしてやるさ。夜に雪でも降ったら、マジでホワイトクリスマスになるのにな】

 

【そんな都合よく行くとは思えねえが…】

 

花村の言う通り、ホワイトクリスマスになったら雰囲気出るよな。…吹寄と一緒に雪の中で過ごすクリスマス…って、俺、また妄想してんな。…やばい、俺、ほんと吹寄のこと好きだ。

 

吹寄は里中や天城と、いつも通りの会話を楽しそうにしてる。…吹寄の笑顔、ほんと可愛いな。昔の俺なら、こんな空間に1秒たりともいたくねえって嘆いてただろうな。『リア充爆発しろ』って呪いをかけて、教室の隅で孤独に耐えてた。でも、今は…このクラスの連帯感の中にいられるのが、なんか心地いい。

 

【ところで八幡、クリスマスのプレゼントは買ったか?】

 

花村が聞いてくる。

 

【当たり前だ!買ってるに決まってるだろ。で、お前は忘れてねえよな?】

 

【忘れるわけねえだろ。ちゃんと女子に渡った時のことも考えて買ってるから】

 

【そうか】

 

花村とそんな話をしていたら、雪柳先生が教室に入ってきた。

 

【もう!みんな、クリスマスイベントが楽しみだからって浮かれてないで!ちゃんと話を聞いて!】

 

クラスのみんなが『はーい!』と元気よく返事をする。…このクラス、ほんと連帯感があるな。総武高校の1-Eとは全然違う。あのクラスじゃ、みんな自分勝手で、相模が仕切るイベントなんて最悪だった。でも、このクラスなら…吹寄がリーダーなら、楽しいクリスマスになるって、俺も心から思ってる。

 

【花村君と比企谷君にとっては、こっちで初めての冬休みだね。こっちでは雪が結構降るから、お家の雪かきとか手伝うことになるわね】

 

雪柳先生が言うと、花村と俺以外のみんながニヤニヤと笑ってる。…この笑い、嫌味とかじゃなくて、仲間だからこその笑顔だ。総武高校の時とは全然違う。…俺、こんなクラスに来られて、ほんと良かった。

 

「雪かきとか別に苦じゃねえし」

 

花村が軽い調子で言うけど、俺は首を振る。

 

【花村、雪かきとか馬鹿にしない方がいい。叔母さんに聞いたけど、めっちゃ大変だってな】

 

【そうなのか…】

 

冬休みの宿題も出るみたいだけど、総武高校でも出てたから、別に珍しくねえか。…まあ、宿題は後で考えるとして、今はクリスマスイベントのことだ。ふと窓の方を見る。さっきまで晴れてた空が、曇りに変わってる。…万が一、雪でも降ったら、ホワイトクリスマスだよな。…そうなったらいいなって、心のどこかで俺も思ってた。

 

2010・12・24・☁・12:30・八十神高校・1ー2組。

 

終業式が終わって、雪柳先生が最後の話を締めくくる。

 

【それじゃあ、私からの話は以上よ。あとは吹寄さんからお話があるみたいよ】

 

雪柳先生に指名されて、吹寄が立ち上がった。

 

【クリスマスイベントについてですが、前にも説明した通りにジュネスのフードコートを2時間貸し切ります。18時から20時までです。フードコートに入るのは17時30分からにしてください。それより前はまだお客さんが残っていらっしゃるので】

 

吹寄がハキハキと説明する。…吹寄、リーダーシップあるな。こういうとこ、ほんと尊敬する。花村も立ち上がって補足した。

 

【一応ラストオーダーが17時までってなってるから、30分でお客さんは帰ってもらうという計画だな。まあ、早めに来て他のとこにいるならいいんだろうけどな】

 

吹寄も頷いて、

 

【他のエリアで迷惑にならないようにするなら、すぐに向かってもいいでしょう。一旦家に帰りたい人は帰っていいですよ】

 

…まあ、色々荷物持ってきてるわけだし、家に帰るやつもいるか。俺も昼飯どうするか考えてたけど、愛家で牛丼でも食べようかなって思ってた。雪柳先生がニコニコしながら聞いてきた。

 

【みんな、お昼は予定ある?】

 

クラスメイトがそれぞれ答える。愛家で食べるとか、ジュネスで食べるとか、自宅で食べたいとか、色々な声が上がる。…俺、愛家で牛丼って言おうとしたけど、雪柳先生が驚くことを言い出した。

 

【実は私がみんなの分のお弁当を用意してます】

 

…は?クラスのみんなが驚きの声を上げる。雪柳先生がみんなの弁当を用意してるって…まさか手作り弁当?男子の誰かも同じこと考えてたみたいで、

 

【雪柳先生の手作り弁当ですか?】

 

【手作りもあったんだけど、さすがに30人の弁当作るのはね…。ちょっと奮発して、沖奈市のお弁当屋さんから購入したの】

 

クラスのみんなが歓声を上げてる。…俺と花村はちょっと分からない。沖奈市のお弁当屋さんって何だ?

 

【そっか。2人は分からないよね。この稲羽市の人にとって、沖奈市のお弁当屋さん、通称『あったか弁当さん』値段の割にいっぱい入ってるからね】

 

「ほっともっととか、ほっかほっか亭みたいなものなのか?」

 

花村が聞くと、俺も頷く。

 

【花村、そうなんじゃねえのか?】

 

雪柳先生と吹寄、それに男子の委員長の田中が、職員室まで弁当を取りに行った。…おごりの弁当か。…そういや、平塚先生にもラーメン奢ってもらったことあったな。平塚先生、元気にしてるんだろうか?…なんて、ちょっと懐かしく思ってると、弁当が教室に運ばれてきて、一気に教室が弁当のいい匂いで満たされた。

 

俺は無難に唐揚げ弁当にした。花村はカキフライ弁当にしてる。互いに机をくっつけて食べ始める。

 

【へぇ~、うめえじゃねえかこれ】

 

【そうだな】

 

花村がニヤニヤしながら、突然聞いてきた。

 

【お前さ、吹寄と何か企んでるだろ?】

 

…ぶっ!唐揚げを喉に詰まらせそうになった。

 

【な、な、なんだよ、企みって!?】

 

【クリスマスイベントって、お前と2人の立案なんだろう?だから、お前が何か隠し芸でもするのかなとか】

 

【誰が隠し芸をするかってんだ!】

 

【しないのかよ。…というか、何か企んでることは間違いないようだしな】

 

花村がニヤニヤしてる。…こいつ、意外と鋭いな。

 

【別に企んじゃいねえよ】

 

【企んではいないと言うんだな】

 

【ああ】

 

【まあ、とにかく楽しいクリスマスイベントにしようぜ、八幡!】

 

【ああ、そうだな】

 

こうして、クラス全員で『あったか弁当』を食べた後、それぞれ解散して、クリスマスイベントを待つだけになった。花村は「ジュネスの方が忙しい」って言ってさっさと帰ってしまった。女子達も大半はもう帰ってる。…まあ、帰るって言っても、ジュネス方面に行くんだろうけど。

 

俺も帰ろうとした時、吹寄が話しかけてきた。

 

【比企谷君、夜のイベント楽しみだね。プレゼント交換、どんなのが当たるか楽しみ】

 

【ああ】

 

…吹寄にマフラー渡すタイミング、どうしよう。ますます緊張してきたぞ。

 

【比企谷君、緊張してるの?】

 

【まあ…色々と】

 

【クリスマスイベント、絶対に成功するって。私と比企谷君が考えたんだもの】

 

【ああ】

 

…緊張しすぎて、俺、『ああ』しか答えてねえ。こんなんで大丈夫なのか、俺!おどおどしないように、俺は吹寄を見る。…吹寄、緊張してるのか、ブルブル震えてる。

 

【あのさ、比企谷君、クリスマスイベントが終わった後、時間あるかな?】

 

【終わった後、時間あるけど?】

 

【ジュネスの〇〇まで来てくれないかな?大事な話があるんだ】

 

【大事な話…うん、わかった】

 

そう言うと、吹寄は教室から出ていった。…すでに誰もいなくなった教室で、俺だけが残った。

 

吹寄の大事な話って何だ?俺だって大事な話がある。お互いに大事な話って…。今から心臓がバクバクしてきた。クリスマスイベント、楽しめるのか?…楽しまないと、逆に不自然になっちまう。…いや、楽しむだけじゃねえ。俺、吹寄に告白するんだ。…ちゃんと気持ちを伝えなきゃ。

 

…って、俺も教室出なきゃな。俺は急いで教室を出た。

 

もう一度、アンケートを取ります。鳴上悠のヒロインは誰がよろしいですか?

  • 1ー里中千枝
  • 2ー天城雪子
  • 3ー久慈川りせ
  • 4ー白鐘直斗
  • 5ー小沢結実
  • 6ー松永綾音
  • 7ー海老原あい
  • 8ー雪柳綾奈
  • 9ー麦野静江
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