俺の青春が田舎へ流された。   作:龍造寺

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原作開始前18話です。


原作開始前ー19ー18話ー告白、そして恋人へ。

2010・12・24・☃️・20:22・稲羽市内・ジュネス内。

 

制理を見送った里中千枝と天城雪子は、ジュネスの入口近くで彼女のことを考えていた。

 

【制理、絶対うまくいくよね】

 

里中が少し不安そうに呟くと、天城が優しく頷いた。

 

【そうだよ。うん、必ずうまくいく。比企谷君も、制理のことチラチラ見てたから】

 

その時、花村がジュネスの中に戻ってきて、里中と天城を見つけた。

 

【八幡、ちゃんと告白するかな?】

 

花村が少し心配そうに尋ねると、里中が明るく笑って答えた。

 

【絶対するよ!制理も待ってるし!】

 

【八幡!頑張れ!男を決めてやれ!】

 

花村が拳を握りしめて叫ぶと、里中と天城も笑顔で頷いた。3人は、八幡と制理の成功を祈るように、心の中で2人を応援していた。

 

2010・12・24・☃️・20:25・稲羽市内・鮫川河川敷

 

先に鮫川河川敷に着いた私は、最後の確認をするように、頭の中で何度も言葉を繰り返してた。私から告白するんだ。…今までずっと練習してきた。その気持ちを、今日実らせるために、ここまでやってきたんだ。

 

私は過去を思い出してた。

 

【……比企谷君が稲羽に来たばかりの頃、私のことちゃんと見てくれなかった。でも、一緒にイベントを企画して、バスケして…いつの間にか、私、比企谷君のことばかり考えるようになってた】

 

恋心の始まりを振り返りながら、私は小さく微笑んだ。…あの頃は、こんな風に自分の気持ちに正直になれるなんて思わなかった。比企谷君と過ごす時間が、私を変えてくれたんだ。

 

雪と霧が入り混じる中、私は比企谷君が来るのを待ってる。…ちゃんとプレゼントも用意した。青い手袋、比企谷君に似合うよね。…気に入ってくれるかな。…緊張で手が冷たいけど、私が我慢しなきゃ。比企谷君にこの手袋を渡すんだから。

 

向こうの方から足音が聞こえてきた。その足音はだんだん近づいてきて、私が見上げると、比企谷君がすぐそこまでやってきてた。

 

【吹寄、待たせたかな】

 

【ううん、全然待ってないよ】

 

私は告白するために、一歩前に踏み出した。…ここからだ。私の気持ちを、比企谷君にちゃんと伝えるんだ。

 

2010・12・24・☃️・20:25・稲羽市内・鮫川河川敷

 

いつもならなんてことない通学路も、告白するために歩いてると思うと、同じ道なのに全然違う気分だ。心臓がバクバクして、足取りもなんだか重い。…緊張してるんだな、俺。

 

叔母さんや花村のやつから、『女の子をあまり待たせちゃダメだ』って忠告されてるし、さっさと向かわねえと。…吹寄、待ってるよな。

 

それにしても、雪と霧が入り混じって、視界がかなり悪い。こんな中を吹寄は1人で向かったのか?…ちょっと危ない気もするけど、告白するには最高のシチュエーションだな。雪と霧が混ざり合った幻想的な雰囲気…。俺、こんなロマンチックな場面にいるなんて、信じられねえ。

 

【……総武高校にいた頃の俺なら、こんなロマンチックなシチュエーション、絶対『リア充爆発しろ』って呟いてただろうな。でも、今は…吹寄と一緒にいたいって、心から思う】

 

鮫川河川敷、もうすぐそこだ。吹寄が待ってる。下の方を見ると、彼女がそこに立ってた。俺は急いで河川敷の下の方へ降りていった。

 

「吹寄、待たせたかな?」

 

「ううん、全然待ってないよ」

 

吹寄がそう言って、俺の方へ一歩踏み出してきた。…その瞬間、吹寄が深呼吸して、真剣な目で俺を見た。

 

【私は、比企谷八幡君が好きです。わ、私と付き合ってくれませんか?】

 

…吹寄が、俺より先に告白してきた。俺から告白しようと思ってたのに、彼女に先を越されちまった。でも…吹寄も俺と同じ気持ちだったんだ。…めっちゃ嬉しい。俺は吹寄を見て、なんとか言葉を絞り出した。

 

【俺も吹寄制理さんが好きです。こんな俺でも好きになってくれて、ありがとう】

 

…先に告白されてテンパって、俺、何言ってるか自分でも分かんねえけど、気持ちはちゃんと伝えた…つもりだ。…緊張で頭真っ白だ。

 

【比企谷君!】

 

吹寄が俺に抱きついてきた。彼女の温もりが俺に伝わってくる。…俺もそっと抱きしめ返した。吹寄の体、めっちゃ温かい。…俺、今、吹寄を抱きしめてるんだ。…信じられねえ。

 

俺達が抱きしめ合ってる間、雪がだんだん強く降り始めて、遠くからクリスマスソングが聞こえてきた。まるで、俺たちを祝福してくれるみたいだ。…ホワイトクリスマスの中で、吹寄とこうやってるなんて…。俺、幸せだ。

 

しばらく抱き合ってたけど、時間も遅くなってきたし、そろそろ帰ることにした。でも、その前に…クリスマスプレゼントを渡さなきゃ。

 

【これ、俺から吹寄だけのプレゼント。…俺の手編みのマフラーだ。気に入ってくれれば嬉しい】

 

俺は鞄からプレゼント袋を取り出して、手編みのマフラーを渡した。

 

【こ、これ、比企谷君が作ってくれたの?】

 

【まあな。叔母さんに習って、なんとか自分なりに作ったつもりだ】

 

【ありがとう、比企谷君。…ずっと大切にするね】

 

…良かった。吹寄、喜んで受け取ってくれた。受け取ってもらえるまで、ずっと緊張してたから、ホッとした。…吹寄も鞄から何か取り出して、俺に渡してくれた。

 

【これ、比企谷君にプレゼントだよ】

 

【手袋!…マフラーの色と同じだ!】

 

【比企谷君みたいに手編みじゃないけど…】

 

【手編みじゃなくても、俺は吹寄からもらったものが嬉しいんだ】

 

俺達は互いにプレゼントを身につけることにした。俺は吹寄からもらった青い手袋とマフラーを、吹寄は俺が編んだマフラーを巻いてくれた。…吹寄、マフラー似合ってる。…俺、こんな可愛い子と付き合ってるんだ。

 

それから、2人で手を繋いで帰り始めた。…俺達の手、めっちゃ温かい。…こうやって手を繋いで歩くの、初めてだ。…俺達、正式に恋人同士になったんだな。

 

2010・12・24・☃️・20:40・稲羽市内・稲羽商店街。

 

稲羽商店街の中を、吹寄と手を繋いで歩いてる。雪と霧がさらに濃くなってきた気がする。商店街の明かりが、霧の中でぼんやり光ってる。

 

【雪と霧、めっちゃ濃くなってきたな。なんか不思議な感じだ】

 

【そうね。ここ最近、冬になると霧が出てくるのよね。それよりも、八幡が編んでくれたマフラー、めっちゃ温かい。これからずっと一緒にいられるんだよね?】

 

【ああ、ずっと一緒だ】

 

吹寄の言葉に、俺、めっちゃドキドキした。…これから、吹寄が恥ずかしくないような彼氏にならなきゃな。…とはいえ、いきなり変われるもんでもない。地道に頑張っていくしかないか。

 

…そうだ、正月のことを聞いてみるか。

 

【吹寄、正月の初詣、一緒に行くか?】

 

【うん、絶対行こう!】

 

吹寄が笑顔で答えてくれた。その笑顔見てたら、俺、生まれて初めて『本当に生きてて良かった』って思った。…こんな気持ち、初めてだ。

 

…母さんに手紙書かなきゃな。俺に彼女ができたって報告しないと。あの時、母さんが背中を押してくれなかったら、俺、稲羽に来てなかったし、吹寄とも出会えてなかった。…だから、母さんには『ありがとう』って言わなきゃ。…いや、母さんだけじゃなくて、叔母さんにもだ。

 

【そういえば、私達、お互いの番号って知らないよね?】

 

【あ、確かに…。花村たちとは番号交換したけど】

 

そういえば、花村や里中、天城とは何気なく番号交換してたけど、制理とはしてなかった。…なんでだろ、こんな大事なこと忘れてたなんて。俺と吹寄はお互いに携帯を取り出して、番号交換した。…制理の番号、俺の携帯に入ってる。…なんか、こういうの、恋人っぽいな。

 

もっと一緒にいたいけど、別れの時は来ちまうもんだ。俺は制理を家まで送ることにした。…自分の彼女を途中で帰すわけにはいかねえよな。

 

吹寄の家の前まで来て、俺は彼女に声をかけた。

 

【吹寄、結構冷えたから、体温めて風邪引かないようにな】

 

【ふふっ、比企谷君もだよ。…そうだ、恋人同士になったんだから、苗字で呼び合うの、なんか変だよね?】

 

【まあ、確かに】

 

確かに、苗字で呼び合ってたら、なんかギクシャクしたカップルにしか見えねえな。…そうだ、名前で呼ばなきゃって思った瞬間、

 

【八幡】

 

制理に名前で呼ばれて振り向いたら、彼女が俺にキスしてきた。…え、マジで?俺、頭真っ白になって、思わず制理を抱きしめて、目を閉じた。…制理の唇、柔らかくて、温かい。…俺、初めてのキスだ。

 

唇を離して、制理が微笑みながら呟いた。

 

【八幡、冬休み、いい思い出を作ろうね】

 

【ああ、そうだな。いっぱい作ろう】

 

【八幡、おやすみ】

 

制理はそう言うと、自分の家に入っていった。…俺、初めて異性とキスしちまった。…これが青春の味ってやつなのか?なんとも甘酸っぱいもんだな。

 

俺は制理の家の方を見て、小さく呟いた。

 

【制理、おやすみ】

 

俺はそのまま、叔母さんの家に帰ることにした。…頭の中、制理の笑顔とキスの感触でいっぱいだ。

 

もう一度、アンケートを取ります。鳴上悠のヒロインは誰がよろしいですか?

  • 1ー里中千枝
  • 2ー天城雪子
  • 3ー久慈川りせ
  • 4ー白鐘直斗
  • 5ー小沢結実
  • 6ー松永綾音
  • 7ー海老原あい
  • 8ー雪柳綾奈
  • 9ー麦野静江
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