2010・12・24・☃️・20:22・稲羽市内・ジュネス内。
制理を見送った里中千枝と天城雪子は、ジュネスの入口近くで彼女のことを考えていた。
【制理、絶対うまくいくよね】
里中が少し不安そうに呟くと、天城が優しく頷いた。
【そうだよ。うん、必ずうまくいく。比企谷君も、制理のことチラチラ見てたから】
その時、花村がジュネスの中に戻ってきて、里中と天城を見つけた。
【八幡、ちゃんと告白するかな?】
花村が少し心配そうに尋ねると、里中が明るく笑って答えた。
【絶対するよ!制理も待ってるし!】
【八幡!頑張れ!男を決めてやれ!】
花村が拳を握りしめて叫ぶと、里中と天城も笑顔で頷いた。3人は、八幡と制理の成功を祈るように、心の中で2人を応援していた。
2010・12・24・☃️・20:25・稲羽市内・鮫川河川敷
先に鮫川河川敷に着いた私は、最後の確認をするように、頭の中で何度も言葉を繰り返してた。私から告白するんだ。…今までずっと練習してきた。その気持ちを、今日実らせるために、ここまでやってきたんだ。
私は過去を思い出してた。
【……比企谷君が稲羽に来たばかりの頃、私のことちゃんと見てくれなかった。でも、一緒にイベントを企画して、バスケして…いつの間にか、私、比企谷君のことばかり考えるようになってた】
恋心の始まりを振り返りながら、私は小さく微笑んだ。…あの頃は、こんな風に自分の気持ちに正直になれるなんて思わなかった。比企谷君と過ごす時間が、私を変えてくれたんだ。
雪と霧が入り混じる中、私は比企谷君が来るのを待ってる。…ちゃんとプレゼントも用意した。青い手袋、比企谷君に似合うよね。…気に入ってくれるかな。…緊張で手が冷たいけど、私が我慢しなきゃ。比企谷君にこの手袋を渡すんだから。
向こうの方から足音が聞こえてきた。その足音はだんだん近づいてきて、私が見上げると、比企谷君がすぐそこまでやってきてた。
【吹寄、待たせたかな】
【ううん、全然待ってないよ】
私は告白するために、一歩前に踏み出した。…ここからだ。私の気持ちを、比企谷君にちゃんと伝えるんだ。
2010・12・24・☃️・20:25・稲羽市内・鮫川河川敷
いつもならなんてことない通学路も、告白するために歩いてると思うと、同じ道なのに全然違う気分だ。心臓がバクバクして、足取りもなんだか重い。…緊張してるんだな、俺。
叔母さんや花村のやつから、『女の子をあまり待たせちゃダメだ』って忠告されてるし、さっさと向かわねえと。…吹寄、待ってるよな。
それにしても、雪と霧が入り混じって、視界がかなり悪い。こんな中を吹寄は1人で向かったのか?…ちょっと危ない気もするけど、告白するには最高のシチュエーションだな。雪と霧が混ざり合った幻想的な雰囲気…。俺、こんなロマンチックな場面にいるなんて、信じられねえ。
【……総武高校にいた頃の俺なら、こんなロマンチックなシチュエーション、絶対『リア充爆発しろ』って呟いてただろうな。でも、今は…吹寄と一緒にいたいって、心から思う】
鮫川河川敷、もうすぐそこだ。吹寄が待ってる。下の方を見ると、彼女がそこに立ってた。俺は急いで河川敷の下の方へ降りていった。
「吹寄、待たせたかな?」
「ううん、全然待ってないよ」
吹寄がそう言って、俺の方へ一歩踏み出してきた。…その瞬間、吹寄が深呼吸して、真剣な目で俺を見た。
【私は、比企谷八幡君が好きです。わ、私と付き合ってくれませんか?】
…吹寄が、俺より先に告白してきた。俺から告白しようと思ってたのに、彼女に先を越されちまった。でも…吹寄も俺と同じ気持ちだったんだ。…めっちゃ嬉しい。俺は吹寄を見て、なんとか言葉を絞り出した。
【俺も吹寄制理さんが好きです。こんな俺でも好きになってくれて、ありがとう】
…先に告白されてテンパって、俺、何言ってるか自分でも分かんねえけど、気持ちはちゃんと伝えた…つもりだ。…緊張で頭真っ白だ。
【比企谷君!】
吹寄が俺に抱きついてきた。彼女の温もりが俺に伝わってくる。…俺もそっと抱きしめ返した。吹寄の体、めっちゃ温かい。…俺、今、吹寄を抱きしめてるんだ。…信じられねえ。
俺達が抱きしめ合ってる間、雪がだんだん強く降り始めて、遠くからクリスマスソングが聞こえてきた。まるで、俺たちを祝福してくれるみたいだ。…ホワイトクリスマスの中で、吹寄とこうやってるなんて…。俺、幸せだ。
しばらく抱き合ってたけど、時間も遅くなってきたし、そろそろ帰ることにした。でも、その前に…クリスマスプレゼントを渡さなきゃ。
【これ、俺から吹寄だけのプレゼント。…俺の手編みのマフラーだ。気に入ってくれれば嬉しい】
俺は鞄からプレゼント袋を取り出して、手編みのマフラーを渡した。
【こ、これ、比企谷君が作ってくれたの?】
【まあな。叔母さんに習って、なんとか自分なりに作ったつもりだ】
【ありがとう、比企谷君。…ずっと大切にするね】
…良かった。吹寄、喜んで受け取ってくれた。受け取ってもらえるまで、ずっと緊張してたから、ホッとした。…吹寄も鞄から何か取り出して、俺に渡してくれた。
【これ、比企谷君にプレゼントだよ】
【手袋!…マフラーの色と同じだ!】
【比企谷君みたいに手編みじゃないけど…】
【手編みじゃなくても、俺は吹寄からもらったものが嬉しいんだ】
俺達は互いにプレゼントを身につけることにした。俺は吹寄からもらった青い手袋とマフラーを、吹寄は俺が編んだマフラーを巻いてくれた。…吹寄、マフラー似合ってる。…俺、こんな可愛い子と付き合ってるんだ。
それから、2人で手を繋いで帰り始めた。…俺達の手、めっちゃ温かい。…こうやって手を繋いで歩くの、初めてだ。…俺達、正式に恋人同士になったんだな。
2010・12・24・☃️・20:40・稲羽市内・稲羽商店街。
稲羽商店街の中を、吹寄と手を繋いで歩いてる。雪と霧がさらに濃くなってきた気がする。商店街の明かりが、霧の中でぼんやり光ってる。
【雪と霧、めっちゃ濃くなってきたな。なんか不思議な感じだ】
【そうね。ここ最近、冬になると霧が出てくるのよね。それよりも、八幡が編んでくれたマフラー、めっちゃ温かい。これからずっと一緒にいられるんだよね?】
【ああ、ずっと一緒だ】
吹寄の言葉に、俺、めっちゃドキドキした。…これから、吹寄が恥ずかしくないような彼氏にならなきゃな。…とはいえ、いきなり変われるもんでもない。地道に頑張っていくしかないか。
…そうだ、正月のことを聞いてみるか。
【吹寄、正月の初詣、一緒に行くか?】
【うん、絶対行こう!】
吹寄が笑顔で答えてくれた。その笑顔見てたら、俺、生まれて初めて『本当に生きてて良かった』って思った。…こんな気持ち、初めてだ。
…母さんに手紙書かなきゃな。俺に彼女ができたって報告しないと。あの時、母さんが背中を押してくれなかったら、俺、稲羽に来てなかったし、吹寄とも出会えてなかった。…だから、母さんには『ありがとう』って言わなきゃ。…いや、母さんだけじゃなくて、叔母さんにもだ。
【そういえば、私達、お互いの番号って知らないよね?】
【あ、確かに…。花村たちとは番号交換したけど】
そういえば、花村や里中、天城とは何気なく番号交換してたけど、制理とはしてなかった。…なんでだろ、こんな大事なこと忘れてたなんて。俺と吹寄はお互いに携帯を取り出して、番号交換した。…制理の番号、俺の携帯に入ってる。…なんか、こういうの、恋人っぽいな。
もっと一緒にいたいけど、別れの時は来ちまうもんだ。俺は制理を家まで送ることにした。…自分の彼女を途中で帰すわけにはいかねえよな。
吹寄の家の前まで来て、俺は彼女に声をかけた。
【吹寄、結構冷えたから、体温めて風邪引かないようにな】
【ふふっ、比企谷君もだよ。…そうだ、恋人同士になったんだから、苗字で呼び合うの、なんか変だよね?】
【まあ、確かに】
確かに、苗字で呼び合ってたら、なんかギクシャクしたカップルにしか見えねえな。…そうだ、名前で呼ばなきゃって思った瞬間、
【八幡】
制理に名前で呼ばれて振り向いたら、彼女が俺にキスしてきた。…え、マジで?俺、頭真っ白になって、思わず制理を抱きしめて、目を閉じた。…制理の唇、柔らかくて、温かい。…俺、初めてのキスだ。
唇を離して、制理が微笑みながら呟いた。
【八幡、冬休み、いい思い出を作ろうね】
【ああ、そうだな。いっぱい作ろう】
【八幡、おやすみ】
制理はそう言うと、自分の家に入っていった。…俺、初めて異性とキスしちまった。…これが青春の味ってやつなのか?なんとも甘酸っぱいもんだな。
俺は制理の家の方を見て、小さく呟いた。
【制理、おやすみ】
俺はそのまま、叔母さんの家に帰ることにした。…頭の中、制理の笑顔とキスの感触でいっぱいだ。
もう一度、アンケートを取ります。鳴上悠のヒロインは誰がよろしいですか?
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1ー里中千枝
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2ー天城雪子
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3ー久慈川りせ
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4ー白鐘直斗
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5ー小沢結実
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6ー松永綾音
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7ー海老原あい
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8ー雪柳綾奈
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9ー麦野静江