俺の青春が田舎へ流された。   作:龍造寺

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原作開始前22話です。


原作開始前ー23ー22話ー生徒会への推薦。

 

2011・01・11・☁/☃️・07:30・八十神アパート・2ー1・静江の部屋・リビング。

 

昨日の夜から随分冷え込んだな。…昼から雪が降るってんだから、当たり前か。冬休みの課題は全部終わらせたし、始業式の今日、ちゃんと提出できる。…こんなこと、今まであったか?

 

…のらりくらり過ごして、❝明日からやろう、明日からやろう❞って先延ばしにして、気づけば明日が学校って時に慌て出す…そんなことばっか繰り返してたな。特に夏休み。…❝8月32日が欲しい❞なんて母さんに言ったら、叩かれたっけ。

 

…今は違う。少しでも制理と釣り合うように、心がけてるつもりだ。そんなこと考えてたら、叔母さんが部屋から出てきた。

 

【先に出るわよ。八幡、戸締まりよろしく】

 

【分かった】

 

叔母さんはそそくさと新聞社に出社していった。…さてと、俺もそろそろ学校行くか。制理と一緒に行くって言ったし、迎えに行かなきゃな。

 

 

2011・01・11・☁/☃️・07:55・稲羽市内・吹寄家へ向かう道路。

 

制理の自宅の方に向かう道、道路がカチカチに凍ってるな。…滑ったら危ねえ。制理を守りながら登校か…。…それはそれで悪くねえな。

 

そんなこと考えながら歩いてると、反対側から小学生の女の子2人が歩いてきた。…ん?よく見ると双子だ。お姫様カットのロングヘアで、お嬢様っぽい制服着てる。…どっかのお嬢様かと思いながらすれ違おうとした瞬間、足元が滑ったのか、双子の片方が俺の方に倒れてきた。…その巻き添えで、俺も滑って転んじまった。

 

滑らなかった子がすぐに俺の方に駆け寄ってきて、

 

【すいません、お怪我はありませんか?】

 

サバサバした口調だけど、ちゃんとした言葉遣いだ。

 

【怪我?いや、俺は怪我してないけど、その子は大丈夫か?】

 

【すいません、お兄さん。足を滑らせてしまって、お兄さんまで巻き込んで…。私は大丈夫です。こういうことには慣れてますから】

 

大人しくて控えめな声。…お嬢様っぽい話し方だな。

 

【慣れてるって…】

 

【綸子は、何もないとこでも転ぶからね】

 

【杏子…】

 

【俺は大丈夫だから、凍ってるとこは歩かない方がいいぞ】

 

【はい、お兄さん、ありがとうございます】

 

【お兄さん、ありがと】

 

そう言って、双子の女の子たちは小学校の方へ歩いて行った。…それにしても、双子でも性格全然違うな。俺にぶつかってきた子、綸子ってのは大人しそうな子だったけど、杏子ってのは明るくてサバサバしてる感じだった。

 

…それにしても、最近の小学生って…ませてるのか?…黒い下着とか…。…って、何考えてんだ、俺!小学生の下着見てんじゃねえよ!

 

コホン。…さっきの双子、この辺の子供ってことか。…とにかく、制理を迎えに行かなきゃ。

 

 

2011・01・11・☁/☃️・08:00・稲羽市内・吹寄家・玄関。

 

吹寄家に着くと、制理がもう玄関で待ってた。

 

【待たせたか?】

 

【ううん。それじゃ、行こうか】

 

【ああ】

 

【お父さん、お母さん、行ってきます】

 

【【いってらっしゃい、制理、八幡君!】】

 

両親の【いってらっしゃい】がハモって聞こえた。…なんか、笑えるな。

 

 

2011・01・11・☁/☃️・08:05・稲羽市内・通学路。

 

制理に【滑りやすいとこあるから気をつけて】って言ったら、彼女、俺の腕を掴んで歩き始めた。…俺のドキドキが止まらねえ。…恋人なんだから、こういうの当たり前だろって自分に言い聞かせて、歩みを進める。

 

【あっという間に冬休みが終わったね】

 

【そうだな。普通だったら、❝もうちょっと続けばいいのに❞って思うんだろうな】

 

【そうなの?】

 

【世間的っていうか、大体の人間はそう思うかな】

 

【八幡も?】

 

制理がじっと俺を見つめて聞いてきた。…その表情に、俺、ドキッとした。

 

【俺も、制理と付き合う前ならそう思ってた。でも、今は違う。…制理に早く会いたいから、そうは思わない】

 

【八幡…】

 

…俺、朝から何言ってんだ?…話題変えよう。

 

【3学期って、あっという間に過ぎるだろうな】

 

【そうね。1月は行く、2月は逃げる、3月は去るって言うからね】

 

【そうだな】

 

さっさと終わる3学期だけど、女子にとっては一大イベントもある。…2月のバレンタインデーだ。…昔の俺なら、❝こんな日なくなればいい❞とか❝消え去ればいい❞って思ってた。…リア充のためのイベントで、陰キャにとっては惨めな日だったからな。

 

…まあ、今から言うことじゃねえか。

 

【3学期は、学年末テストだけで判断されるからね】

 

【ああ、そうだな。中間が悪かったからって、期末で挽回ってわけにはいかねえからな】

 

【とにかく、頑張っていきましょう】

 

【ああ】

 

制理の言葉に頷きながら、学校に向かって歩いていった。

 

2011・01・11・☃️・12:35・稲羽市内・八十神高校・1年2組。

 

無事に3学期の始業式も終わり、ホームルームも終わった。…さて、帰ろうかって思ってたら、俺と制理、雪柳先生に呼ばれた。

 

…何事だ?俺、別に悪いことしてねえし、制理もそんなことするはずねえ。…と思ったら、別の話らしい。

 

雪柳先生の話ってのは、俺と制理を生徒会に推薦するってことだった。…は?俺を推薦?何かの間違いだろって思って聞いてみたら、どうも間違いじゃないらしい。

 

文化祭や制理と一緒にやったイベントとかを考慮して、雪柳先生が俺たちを推薦したいって。

 

【あなたたち2人を生徒会に推薦したいの。どうかな?】

 

【生徒会にですか】

 

【っていうか、俺、中学でも生徒会とかやったことないですよ?】

 

【別に未経験でも構わないわ。大半が未経験の子たちが多いから】

 

…未経験でもいいって言われてもな。…制理はどうするんだろ?表情見ると、結構悩んでるっぽい。…まあ、制理はこういうのやりたいって言ってたしな。彼女がやりたいって言うなら、俺はそれを尊重する。

 

【すぐに答えを出さなくてもいいから。自分の意思で決めてちょうだい】

 

【はい、分かりました】

 

【返事はいつ頃までに出せば?】

 

【できれば2月、遅くても3月中旬くらいまでかな】

 

俺と制理は、雪柳先生に生徒会に推薦されたけど、返事は保留中だ。…2月から3月中旬までに出せばいいらしい。…制理、どういう返事出すんだろうな。

 

 

 

2011・01・11・☃️・12:55・稲羽市内・鮫川河川敷。

 

俺達は無言で鮫川河川敷まで歩いてきた。…制理、たぶん悩んでるんだろうな。…生徒会受けるか受けないかで、内申書って結構プラスにもマイナスにも働くからな。

 

内申書を気にしてる奴って、大体は生徒会に入ろうとする。…本気で何かをしようってわけじゃなくて、内申書のためだけに入る。つまり、自分自身のためだ。学校や他の生徒のために何かしようって人間は、ほとんどいねえ。

 

…俺が生徒会に推薦されたなんて、初めてだ。今まではそんな選択肢、俺に入ってるわけなかったからな。

 

【私たち、生徒会に推薦される候補に選ばれちゃったね】

 

【そうだな。俺なんか初めてだから、なんて答えていいかさっぱり分からねえけど】

 

【雪柳先生は、贔屓目で見てるわけじゃない。ちゃんと今までのこと見て判断してくれたってわけだから】

 

【それは分かってる。そんなことしないから、生徒たちに人気あるんだろ。…俺もそれは分かったからな】

 

俺もそれは分かってる。雪柳先生、親身になって俺のことよくしてくれたし。…恩返しのために入るとか、そういうんじゃダメだよな。雪柳先生もそんなこと望んでねえだろうし。…生徒会に入るなら、ちゃんと学校や生徒のためにやらないと。

 

…まだ時間はあるし、悩んで、ちゃんと結論出すか。…制理もそれは分かってるみたいだし、急ぐ必要はねえ。俺たちはゆっくり進めばいいんだ。

もう一度、アンケートを取ります。鳴上悠のヒロインは誰がよろしいですか?

  • 1ー里中千枝
  • 2ー天城雪子
  • 3ー久慈川りせ
  • 4ー白鐘直斗
  • 5ー小沢結実
  • 6ー松永綾音
  • 7ー海老原あい
  • 8ー雪柳綾奈
  • 9ー麦野静江
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