俺の青春が田舎へ流された。   作:龍造寺

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初めての殺人事件編5話です。


初めての殺人事件編ー31ー5話ー運命は動き出した。

ーー

 

吹寄Side

 

2011・04・13・☔・??:??・??・??

 

時間は少し遡るけど、制理も霧の中で意識が目覚めた。…ふと意識を取り戻した。取り戻したのはいいけど、どうやら私の部屋じゃないことは確かだ。天井はなくて、霧のようなもので包まれてて、何になるか分からないけど、神社の境内みたいなものが見えた。

 

そこに、私は寝転んだような状態でいたの。すぐに立ち上がることにした。

 

【これって夢なの?夢にしてはやけにリアルな感じがする…】

 

そうだ、私、八幡に連絡しようとして携帯で彼の電話番号を呼び出してる時に、確か……意識がなくなって…気がついたらこんなところで寝てたってこと…。周りを見渡す限り、神社の境内の中ってことは分かるけど、それ以外は霧が濃すぎて何も見えない。

 

それにしても、私の身に何か起きたの?これって夢じゃなかったら何?再び周りを見渡すと、どこかに繋がってるみたいな道があって、その向こうは霧で出て見えない。…けど、道は続いてるみたい。

 

【このままここにいても仕方ない。行ってみるしかないわね】

 

怖い気持ちを抑えながら、道だろうってところを歩いて先に進む。道らしい道はあるけど、その先がどうなってるのか、全然見当つかない。…霧のせいで先が見えないのだから、どうしようもない。

 

『真実は霧によって隠されているわ』

 

【誰!?】

 

『わたしは、仮に諏訪の指し手とでも名乗っておきましょうか』

 

【諏訪の指し手?】

 

『仮にそういうことにしておきましょう。稲羽の指し手の君、貴女は孤独を求める者、扉を開く者の指し手となりて、稲羽の地、世界を救うことになる。そうしなければ君も世界ももちろん彼氏の比企谷八幡も破滅は逃れられない』

 

【私、稲羽、世界、八幡の破滅……それってどういう意味なの?】

 

『ある偉大なる何者かが、稲羽の地にて世界の命運をかけた戦いをある者たちにさせようとしているの』

 

ある偉大なる者?それって何なの?魔王とかじゃないよね?…それこそファンタジーか……

 

『わたしからその人物のことを言うことができない…吹寄制理、ここから心して聞きなさい』

 

【まだ理解するには時間がかかると思うけど、一応聞くわ】

 

私たちの世界は、その偉大なるものによって世界が無に返されそうになってるみたい。ただ単に無に返すだけじゃ面白くないから、私たち人間に滅亡か救済されるかの2択を運命づけられた者たちがいるらしい。

 

❝3人の扉を開く者❞

 

❝孤独を求める者❞

 

❝その両者を導く指し手❞

 

孤独を求めるものが、どうやら八幡のようで、指し手は私らしい。3人と八幡は、都会から来た人間ということで選ばれたみたい。…そして私は、八幡によって指し手にされたというか選ばれたらしいの。

 

それってどういう意味か聞いてみたら、こう言われた。

 

『指し手にもアナタの他にも候補者がいた。だが孤独を求める者に選ばれてしまったからだ』

 

【それって私の八幡が彼氏彼女の関係だからなの?】

 

『きっかけはそれだったかもしれないが、あなたが甲府に行ったことが運命づけたと言うべきなのかもしれないわ…………』

 

私と諏訪の指し手と喋ってたら、周りにホラー映画にも出てきそうな物体が複数現れてきた。

 

『……シャドウが湧いて出てきたわね。おそらくはもう始まったと見るべきか。おそらくあなたの彼氏の方でも戦いが始まってるかもしれないわ』

 

【た、戦いが始まったって私や八幡にどうしろって言うの!?】

 

『もちろん戦うしかない。けど、あなただけで戦うってわけじゃないの。甲府に行った時にとある人の声を聞いたでしょ?』

 

【諏訪御料人のこと?】

 

『そう、諏訪御料人…わたしはその諏訪御料人の欠片に過ぎない。あなたの口から私の名前を叫びなさい』

 

【叫ぶって!?】

 

そう言われても、いきなり叫べと?でも諏訪御料人の名前なんて知らないわよ!?そんなこと思ってても、シャドウって言われた物体は私に向かって襲いかかってくる。

 

それをよけながら、後ろの方へ下がった。確かさっき、八幡の方でも私と同じ状況になってるとか言ってたよね。…なら急がないと。

 

【な、名前を言えばいいの?】

 

『そうよ、名前を叫べばわたしは!』

 

私は覚悟決めて、彼女の名前を叫ぶことにする。1度深呼吸して、改めて彼女の名前を叫ぶ。

 

【スワヒメ!!】

 

そう叫んだ途端、私を中心に渦が巻いて、なんだか高揚していく気分になってった。これって興奮してるってことなの?…でも、なんでもいいか?今はあのシャドウさえ倒せればいいのだから。

 

シャドウの攻撃はスワヒメの薙刀で弾かれて、どこかへ消えていく。…私は無我夢中でシャドウを攻撃して、そこら中のシャドウを倒したのだった。

 

「この辺のシャドウはあらかた片付けたわ」

 

さっきまで一緒に喋ってた諏訪の指し手の声がしなくなった。

 

「諏訪の指し手?どこに行ったの?私だけ残してどこへ?」

 

すると私の体の中から声がしてきた。

 

『あなたが❝ペルソナ能力❞を手にしたことによって、わたしはあなたの力となり、これから困難に立ち向かう刃となりましょう。わたしはスワヒメ、完全なる力を手に戻したわけではありませんが、これでも十分に戦っていけるでしょう。比企谷八幡や扉を開く者たちと絆を育み、その力がいずれわたしの力も取り戻すでしょう』

 

【八幡は分かったけど、扉が開く者って誰なの?】

 

『扉を開く者、すでにあなたたちは出会っています』

 

【出会ってる?】

 

このことをさらに聞き出そうとしたけど、遠くで爆発音が聞こえて

 

『アナタの彼氏さんの比企谷八幡がピンチかもしれません。急いだ方がいいですよ』

 

【え?】

 

私の意識にゾッとするものが一瞬流れた。

 

【まさか、八幡!?】

 

嫌な予感がして、私は爆発がした方に走り出したのだった。これが八幡と合流する前の話だったわけね。…合流した後は、八幡と瓜二つの何かと喋ったけど、すぐに意識が遠のきそうになった。…けど、八幡が手を握りしめてくれた。彼は「私となら戦っていける」って言ってくれた。…私も八幡と一緒なら、どんな困難にも向かっていけるとそう思ったのだった。…そして、私たちの意識は遠のいていったのだった。

 

2011・04・14・☔・05:30・八十神アパート・静江の部屋・2ー1・リビング。

 

目を開けたら、その先の景色はアパートの天井だった。…起き上がると、そのままで寝てたみたいだ。

 

❝マヨナカテレビ❞見た後に、そのままで寝てたのか?…俺から生まれてた瓜二つの偽物と、雪ノ下や由比ヶ浜モドキの化け物と戦ったよな?…あれを夢で片付けられるほど、能天気な無関心な俺じゃねえ。あの2人のモドキに首絞められた。…感覚がまだ残ってる。夢だったらそんな感覚ねえはずだ。

 

台所行って、コップ1杯の水をすぐ飲み干す。…なぜだか喉がカラカラになってた。…ふとズボンのポケットに違和感覚えたから、手入れてみたら、何かが入ってた。

 

【なんだこれ?】

 

俺が手にしたのは、お守りのようなものだった。昨日こんなもん買った覚えねえし、その前に神社でこんなもん買ってねえ。当然、総武高校時代にもな。

 

そのお守りをよく見ると、武蔵坊弁慶と書かれてた。これ、弁慶のお守りなのか?やっぱり昨日の出来事は夢じゃなくて現実だったってことだよな。

 

そうなると、制理もいたから、単なる同じ夢を2人で見てたわけじゃねえ。俺たちは精神だけ、何かの者によってどこかに連れてかれたってことか。

 

材木座がいれば喜びそうな出来事だけど、当事者である俺や制理には、人が寝てんのに勝手に連れてくんじゃねえって感じだな。

 

アレの話じゃ、俺は❝孤独を求める者❞だったか。別に俺、もう孤独なんか求めてねえけどな。

 

俺が❝孤独を求める者❞なら、❝扉を開く者❞って誰のことだ?❝指し手❞は、どうやら制理のことらしいけど……

 

今日は制理と2人で色々調べた方がいいかもしれねえ。この先何が起こるか分からねえからな。

 

ーーー

 

吹寄Side

 

2011・04・14・☔・07:15・吹寄家・制理の部屋。

 

あの『あの出来事(夢の中の出来事)』のおかげで、あまり眠れなかった。…寝られなくても、朝は必ず来るのだから。眠たい自分に気合い入れて、ベッドから起きる。

 

相変わらず朝から雨が降ってる。今日も傘は必需品ね。あの『あの出来事(夢の中の出来事)』考えないようにしてたけど、やっぱり頭に浮かんでくる。私と八幡と3人の扉を開く者が、この世界を滅びから救うしかない。

 

3人のうち1人はすでに会ってるって言ってたわね。…都会から来た人間が共通だってことだったかな。稲羽の人間をいちいち都会から来たかどうか調べろって言うの?

 

鳴上君…鳴上悠君

 

鳴上君も都会からこっちへ来たわけだから、条件には合うのよね。…分かったとして、なんて聞けばいいわけ?「異世界に行ったことある?」とか「変な声しない?」とか?…ううん、こんなこと聞いたら怪しい人物に認定されるわ。

 

じゃあどうしたらいいのかしら?八幡に相談してみるのもいいかな?とにかく、学校に行く準備しないと。

 

2011・04・14・☔・07:55・吹寄家・リビング。

 

お父さんと弟の制治は、もう会社と学校へ行ったみたい。…私はって、家にある歴史の本、お父さんの本棚にあるものを物色してた。歴史の方はあるけど、武田家に関係する本があまりなくて、織田家の関係する書物はあるけどね。…お父さん、武田家より織田家の方が好きだしね。…織田家の関係する書物から武田家のことを探してみるけど、長篠設楽原の戦いとか、甲州征伐とか…あと徳川家と武田家の戦い、三方ヶ原の戦いに関するものは結構あった。

 

ただ、武田家の内部情報が書かれてるもんがなくて、学校の図書室に行くか?市立図書館に行くか、四目内堂書店で探して見つからなかったら注文するとかしかないわね。もしかしたらジュネスの書店エリアにあるかな?そういうことは花村に聞いてみるのもありかも。花村のやつ、何か言ってきそうだけどね。

 

「ただ、体がなんだかだるい気もするのよね」

 

あの日じゃないのに、昨日の『あの出来事(夢の中の出来事)』が原因なの?…本棚で真剣に本読んでたら、お母さんから、

 

【『制理!八幡君が迎えに来たわよ!アンタ何してんの?』】

 

【ちょっと調べ物してて】

 

【『学校に行く前に何やってんだか…』】

 

私はお父さんの本を本棚にしまって、鞄持って玄関へ向かう。…玄関に向かう前に、制服のポケットに違和感覚えたから調べてみたら、お守りと小さな弓矢が入ってた。

 

【これって…まさか…】

 

八幡にちゃんと話そう。これはきっと絶対に夢じゃないってことを。

 

ーーー

 

2011・04・14・☔・08:10・八十神高校に向かう途中。

 

雨の降る中、俺と制理は並んで歩いてる。…おそらく他の人間から俺たち見たら、深刻そうな表情だっただろう。

 

なんでかって、昨日の出来事(夢か現実か分からねえ)を話したからだ。…それは制理も同じだった。…俺と制理、お互いに昨日のこと(夢か現実か分からねえ)を聞いてしまったのだ。…やっぱりお互い、あの夢みたいなものは覚えてて、さすがに夢とは思えねえくらいのリアリティだったからだ。それに武蔵坊弁慶のお守りが入ってたことも話した。すると制理も制服のポケット調べたら、武田家の家紋(武田菱)入ったお守りと小さな弓矢が入ってたそうだ。

 

やっぱり俺たちはすでにことに巻き込まれてるってこと意味するんだ。

 

【……こんなこと先生やクラスメイトに話せないわね】

 

【……だな。話したところで信じてもらえるわけがねえ…実際にあんな体験しないとな】

 

【そうだね】

 

【それにしても『扉を開く者』が3人もいるのかよ…それはどうやって探せばいいんだよ】

 

【❝あっち❞で聞いた話によれば、最近都会から引っ越してきた人間だって言ってたわね】

 

【都会から引っ越してきた人間か〜】

 

その法則からすれば、俺も含まれるはずだけど、俺はあくまで❝孤独を求める者❞らしいからな。だから外れる。

 

俺が知ってる限りで当てはまる人間は、制理も言った通り、鳴上悠と花村陽介。都会から戻ってきた人間なら雪柳先生も含まれるけど。

 

しかしどうやって調べる?そんなこと俺たちが体験したことを話したところで、信じてもらえるわけねえ。

 

【こんなことストレートで聞けないから、地道に調べていくしかないと思う】

 

【まあ……そうだよな……】

 

こんな話しながら学校へと歩いてると、パトカーのサイレンの音が朝の通勤通学の時間帯に響きわたった。

 

【パトカーのサイレン?また事件があったのか?】

 

【ま、まさか!?】

 

偽物が「すでに始まってる」とか言ってたけど、山野アナの死因と何か関係してるなら、第2の事件が起きたってことになる!

 

【……嫌な予感がする】

 

【ああ、俺もだ……とにかく今は学校に行こう。調べるならその後だな】

 

【そうだね】

 

パトカーのサイレンが鳴り響く中、俺と制理は雨の中学校へ急いだのだった。

もう一度、アンケートを取ります。鳴上悠のヒロインは誰がよろしいですか?

  • 1ー里中千枝
  • 2ー天城雪子
  • 3ー久慈川りせ
  • 4ー白鐘直斗
  • 5ー小沢結実
  • 6ー松永綾音
  • 7ー海老原あい
  • 8ー雪柳綾奈
  • 9ー麦野静江
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