俺の青春が田舎へ流された。   作:龍造寺

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初めての殺人事件編8話です。


初めての殺人事件編ー33ー8話ー山野アナの残留思念。

 

2011・04・14・☔・16:35・稲羽市・ジュネス・衣服売り場。

 

俺と制理は、ジュネスの衣服売り場に降りてきた。…けど、すでに様子がおかしいのは見てすぐに分かった。なぜかっていうと、人が1人もいねえし、物音1つすらしない。この時間帯でこんなことになるはずねえ。誰かしら人もいるし、店員もいる。それなのに物音も人の気配もねえ。…ってことは、もうここはジュネスの衣服売り場であって、ジュネスじゃねえってことだ。すぐに霧が立ち込めてきた。

 

【八幡、これって絶対におかしいよね】

 

【ああ、店の中に霧が立ち込めてる時点でもうおかしいし、人が誰もいないことがおかしいだろ】

 

【そうね、店が閉店する時間じゃない限りはこんなに人が途切れるはずないわね】

 

【だな】

 

すでに俺たちは何者かに❝異界❞に引きずり込まれた可能性が高い。俺も制理も一段と神経を尖らせ、周りに気を張り巡らせる。

 

衣服売り場だからマネキンが異様なもんに見えてくるな。そう思った時、制理が

 

【八幡、後ろ!!】

 

【後ろ?】

 

制理に言われ、後ろを振り向くと、マネキンが何体かすでに動き出して、俺たちの方へやってくる。ただやってくるだけじゃねえ。明らかに俺たちを敵と意識して襲ってきてる。

 

俺と制理はベンケイとスワヒメを呼び出して、なんとか戦ってた。…ベンケイの弓とスワヒメの薙刀でマネキン集団を倒していく。

 

【このマネキン、壊してよかったのかしら?】

 

【ここってジュネスであってジュネスじゃねえだろ。風景や色々似てるけど、俺たちの記憶から作り出してる可能性は高いと思う】

 

【私たち記憶…】

 

【とにかく、俺たちをこんなところに引きずり込んだヤツを見つけ出さないとな】

 

【うん】

 

俺たちは衣服売り場をくまなく探し回ると、衣服売り場の中央エリアに人らしき人がいる。ズボンスタイルの女性が不自然にも立ってる。…こんなところに人がいることが、そもそもの不自然だ。

 

俺たちが警戒して近づくと、その女性がこちらを向いて歩いてくる。…は?あの女性、殺された山野アナ?俺も驚いてるけど、制理も驚いてる。当然だ、新学期早々に殺れた人物だ。全国ニュースで取り上げられたんだぞ、そんな顔忘れるわけねえ。

 

【そうか、驚いちゃうか…そうよね、私はすでに死んじゃってるもの。❝あのお方❞の力で、残った残留思念でこのようになれたけどね】

 

【❝あのお方❞だと!】

 

【そう、❝あのお方❞よ。この世に未練たらたらの私を残留思念集めて復活させてくれたんだから】

 

【……残留思念集めて復活…とても人間の技とは思えねえな】

 

【当たり前よ、人の力じゃないのだからね】

 

【人ならざる者か……なるほど。それで俺たちをこの世界に引きずったのは山野アナ、アンタなのか!】

 

山野アナは、俺たちを見据えてから喋りだす。

 

【そうね、❝扉を開く者❞があっちの世界に行ったみたいだからね】

 

【❝扉を開く者❞って…鳴上たちだな?あいつらをあちらの世界だって?】

 

【そう、あちらの世界へね……】

 

【八幡、私たちも鳴上君たちのもとに行きましょう!】

 

【そうだな】

 

俺たちは先を急ごうとして、来た道を戻ろうとしたけど、山野アナの見えない攻撃を受ける。…俺たちは背中から攻撃されて、吹き飛ばされ、衣服が置かれてる場所へ突っ込んでった。

 

【行かせないわよ。だから、あなたたちをあっちに行かせるわけにはいかないのよ。聞き分けのない子には躾が必要ね】

 

山野アナは、先までの姿から、雪ノ下や由比ヶ浜の時みたいな化け物な姿に変身する。…そして憎悪が増してきたみたいだ。

 

【………世間はみんな私たちの敵、私と生田目さんは本気で愛し合っていた!なのに!】

 

山野アナは、倒れてる俺たちに攻撃仕掛けてくる。俺と制理はすぐさま起き上がり、ベンケイの盾で防ぐ。…いやいや、愛するも何も、生田目は奥さんがいるんだぞ!柊みすずって演歌歌手の奥さんだろ。奥さんがいる相手で付き合って不倫になるの当たり前だろ!アナウンサーなんだから、それぐらい分かるはずだ。

 

「だから何!?綺麗事を言うガキは嫌いよ!」

 

山野アナは、イナズマを呼び出し、俺たちに放ってくる。俺と制理は、地面を転がるようにして、それを避ける。

 

【柊みすず!?売れなかった時に必死に支えてくれていた生田目さんを、売れた途端にないがしろにしてるような、奥さんは奥さんではないわ】

 

【あの人、記者会見の時はそんなこと言ってなかったと思うよ。一方的に旦那さんが悪いみたいに言ってたし】

 

【………あの女は、支えてくれていた生田目さんより、自分をもっと売り出してくれる業界関係者に靡いていったのよ】

 

【……アンタと生田目はどこで出会ったんだよ?】

 

【政治関係のインタビューがきっかけよ。◯◯議員の政策について話してた時の休憩中に、彼が妻から離婚を突きつけられるかもっと言ってた。私は理由を聞いた。すると先ほど言ったことを言ってたの。彼は離婚したくないと意思があるけど、向こうが一方的に離婚しかないと一点張り……】

 

生田目は、大いに悩んだそうだ。自らの不貞行為あった場合なら、離婚に応じないのはおかしいだろけど、何の問題もねえのに奥さん側が一方的に別れを切り出してることに原因何かって思ってたら、業界関係者になびいてる可能性もあるって仲間の秘書から聞かされ、柊側は議員秘書の生田目が邪魔になったってことか?

 

これだけ聞かされると、世間に一般的に出回ってる情報が間違いだってことになるな?俺は制理にも聞いてみる。

 

【制理、あの話本当だと思うか?】

 

【わからないわ。けど、彼女が嘘ついてるようには見えないわ】

 

【だよな……嘘つくならもっとマシな嘘つくだろ…】

 

生田目は山野アナにそういうこと相談してる?…それでそういう仲になってったってことか。確かに優しくされると、男はコロッといっちまうからな。それでそうやってそういう仲になった2人を柊みすずがどこかで見たってことになるのか。

 

だからあんな会見開いて、全ての原因は生田目にあるとしたわけか。

 

【もういいでしょう。私は話したいことは話したわ。私は私自身に殺されてしまった。私は私自身を否定したばっかりに…でも残留思念があって❝あのお方❞にこうして、私を形成してもらった…あとはあなたたちを倒してその肉体を手に入れて…柊みすずとあの男を殺しに行くだけよっ!!】

 

化け物の山野アナは、攻撃再開とばかり俺たちにイナズマとマイクみたいなもんで、衝撃波を飛ばしてくる。周りの建物らしきもんは、その攻撃で壁が破壊されて、そのまま辺りが崩れていく。…俺、とっさに制理を引き寄せて、ベンケイを利用して反対側の通路へジャンプする。

 

【あんたに同情はするが、だからといって俺たちの肉体を渡すわけねえだろ!】

 

それにしても、山野アナが言った自分が自分に殺されたって……あの時の俺みたいか?あの時の俺は抗う力、ベンケイってペルソナを手に入れたから対抗できた。…でも山野アナは、その対抗する力を得られなかった。だから自分自身に殺されたってことか?この残留思念もそういうことでいいのか。あの男って誰のことだ?生田目じゃないのは分かってる。

 

【あの男って誰のことだ?生田目じゃないな?】

 

【当たり前のことを言わないでちょうだい。あの男とは

足立透、稲羽署の刑事のことよ】

 

はぁ?何て言ってるのか分からねえ。足立透、稲羽署の刑事、そこだけ言葉が遮断されたかのように聞こえねえ。どういうことだ?俺は制理の方見る。彼女も聞こえてねえみたいで、山野アナが何て言ったのか分からねえ。おそらく人物名なんだろけど、一体誰なんだ?山野アナの化け物は、何か大技仕掛けるつもりで何かをやりだした。…何か集まり出してた。

 

【八幡、山野アナの残留思念……何かヤバそうな感じがするわ】

 

【ああ、何かヤバいの、肌で感じてくるぜ】

 

【私のスワヒメで突破口を切り開くから八幡はとどめを刺して】

 

【突破口ってそんな危険なこと制理にさせられねえ】

 

【私のスワヒメじゃおそらくとどめはさせない。でも、突破口を切り開くことぐらいはできる。だから】

 

制理は何か決意したような表情してる。彼女が腹くくってるのに、彼氏である俺が腹くくらなきゃいけねえだろ。

 

【分かった、制理。でも無茶するなよ】

 

【うん、わかってる】

 

そう言うと制理は、前方に走り出した。…さすがバスケやってるだけあるな、俺と俊敏力が違う。その俊敏さで山野アナの化け物の攻撃をよけて、スワヒメの薙刀さばきで山野アナの化物を翻弄する。

 

俺もベンケイの武器を弓じゃなくて太刀選び、山野アナの化物に向かって斬りつける。攻撃を全て太刀で防いで、山野アナの化物を頭から叩き落とす。

 

叩き落とされた衝撃で、空中の方で飛び上がった山野アナの化物は、ベンケイとスワヒメの太刀と薙刀を振り下ろされ、けたたましい叫び声を上げながら、山野アナの化物は崩れ去っていった。

 

崩れ去る時に山野アナの残留思念が

 

【……柊みすず、あの男、許さない…】

 

と呟いて霧の中に消えていった。山野アナ、未練たらたらで死んでいったってことか……。

 

息を切らしながら俺と制理はハイタッチした。なんか初めての2人揃っての共同作業みたいな気分になってた。

 

すると再び霧に覆われ始める。

 

【この霧、また、俺たちはどこかに連れてかれるのか?】

 

【スワヒメ、ありがとう。八幡と一緒に戦えてよかった】

 

【なんか言ったか?】

 

【ううん、別に】

 

すると俺たちの意識が一瞬飛んだように見えたけど、目を開けたらそこはいつものジュネスの衣服売り場だった。




原作にない山野アナの残留思念との戦いでした。鳴上君たちが初めてテレビの中に入った時に八幡たちは、山野アナの残留思念と戦っているという構図になりました。

次は小西早紀先輩のシャドウと戦うことになるのかな……。

もう一度、アンケートを取ります。鳴上悠のヒロインは誰がよろしいですか?

  • 1ー里中千枝
  • 2ー天城雪子
  • 3ー久慈川りせ
  • 4ー白鐘直斗
  • 5ー小沢結実
  • 6ー松永綾音
  • 7ー海老原あい
  • 8ー雪柳綾奈
  • 9ー麦野静江
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