雪子姫の城編ー39ー1話ー次に狙われるのは……。
2011・04・15・☔・16:00・稲羽市・稲羽商店街・無料駐車場。
現実世界に戻ってきたら、俺たちは稲羽商店街の無料駐車場のとこにいた。…さっきのことでどこに傘置いたか分からなかったが、いつの間にか傘は手に握られてて、俺たちは急いで傘さした。
【ここは、私が車止めた無料駐車場…】
【現実世界は雨がずっと降ってんだな】
【今日は1日雨だからね、雪柳先生、大丈夫ですか?】
【ええ、何とかね。というか、あなたたちは平気なの?】
肩で息してる雪柳先生は、疲労困憊の表情してる。
【雪柳先生、このまま帰った方が?】
【一応、小西さんのお宅訪ねることにしてたから、行かないといけないわ。それにあなた達に聞きたいこと山ほどあるのよ】
【……やっぱり、先程のこととかですか?】
【……雪柳先生、今日はやめましょう。このことは明日の学校終わりに話しますから、それまで待ってくれませんか?】
俺は、俺たちの関わったことをこんな雨の中で話す内容じゃねえと思うし、雪柳先生も疲労困憊の中、全て聞けるとは思えねえからな。雪柳先生も一瞬考えて俺の話承諾してくれた。
【比企谷君、わかったわ。明日の放課後、生徒会室の横の空き教室で話しましょう】
【え?生徒会室じゃなくて?】
【さすがに今回のこと生徒会室で話すのはね、他に生徒会役員いたら話せないでしょ?】
雪柳先生は、ウインクしながらそう答えてくれた。確かに他の人間に聞かせられるような話の内容じゃねえ。たとえその話聞いたとしても、信じるような人間はいねえだろう。こういうことは経験しなければ分からねえことなのだから。
2011・04・15・☔・16:25・稲羽市・八十神アパート付近。
雪柳先生は、一旦自宅帰ってから小西先輩の家に再び訪れそうだ。元々の生徒会の顧問って立場からお焼香するため稲羽商店街やってきてたのだから。それがペルソナ能力の素養あるとか何とかで、あの声の主が雪柳先生を異世界の方へ連れ込んだんだからな。結果的に雪柳先生もペルソナ能力に目覚めたわけだが……。
俺たちは、雪柳先生と分かれてから自分たちの自宅へ歩いてたのだが、制理が何か思い出したように携帯を制服のポケットから取り出す。
【……私たち、千枝にジュネスに来てって言われてたよね?】
【…そうだっけ?あ、あー完全に忘れてたな】
雪柳先生のことで完全に頭から離れてたわ。あいつら確か鳴上と花村がジュネス行くとか何とか言ってて、里中が止めてるとか何とかメールが制理の携帯に入ってきてたんだよな。
【里中のやつ怒ってるんじゃねえのか?】
【うーん……怒ってるかも…ちょっと電話かけるね】
制理はそう言うと、里中に電話かけ始めた。里中も何コールかで取ったみたいだ。
【千枝……ちょっとごめんね、用事できて、そっちの方行けなくて】
頼むから怒るなよ、里中。俺たちだって意図的に忘れたわけじゃねえ。俺たちはちょくちょく覗いてる輩に向こうの世界に誘われてしまったからな。どうせ怒るならそいつに怒ってくれ。
【それでその2人は大丈夫だったの?】
鳴上と花村にも何かあったのか?いや待てよ、あいつも確か❝扉開く者にも仲間できたように❞とか何とか言ってやがったな。扉開く者が鳴上なら花村がペルソナ使いの仲間ってことになる。…まだ憶測でしかないが、多分そういうことになるだろう。
【アハハ、千枝…それで2人にビフテキ奢らせるってわけ?】
怒らせてビフテキおごってもらうって、あの2人は何したんだ?
【うん、うん、また明日ね、千枝】
そう言うと、制理は通話終え、携帯を制服のポケットにしまった。そして俺の方近づいてきて
【千枝から重大な情報得られたわ】
【重大な情報?】
雨がひどくなってきたので、話の続きは叔母さん家の中入ってやろうとも言った。制理も承諾してくれたので話の時は家の中で。別にやましいことするわけじゃねえからな、これは嘘じゃねえ、本心だ。
2011・04・15・☔・16:35・稲羽市・八十神アパート・201号室・静江の部屋・リビング。
部屋の中は決して綺麗と言えるもんじゃねえが、雨の中でずっと話すよりかはマシだろう。
【おじゃまします】
【あんま見せられるもんじゃねえけどさ。その辺に適当に座ってくれ。何か温かいもん入れるからさ】
【うん、ありがとう】
と言っても温かいもんはコーヒーぐらいしかねえか。
【コーヒーでもいいか?】
【かまわないわ】
俺は炊事場ですぐに水沸かせて、ポットにお湯入れてからインスタントコーヒー作る。これは付き合い始めて分かったことだが、制理はコーヒーがブラック派なんだ。俺は砂糖入れるかな。…来客用のカップにコーヒー注いで、制理の前のテーブルに置く。
【ありがとう】
俺はすぐに自分のやつ作って、制理がいるテーブルの対面に座る。コーヒー一口含むと冷えた体が温まっていく。
【制理、里中から重要な情報聞けたってどういう意味だ?】
【それね、鳴上君たちテレビに入れるみたいなの?】
【テレビにか…】
制理は、里中から聞いた話話し始めた。確かマヨナカテレビだっけか見た時に鳴上がテレビに手突っ込めたとか何とか言ってたが、マジでジュネスのテレビに入り込んだって言うのかよ。
それで花村も一緒になってテレビの世界入ったと。2人は自身の命綱を里中に預けたそうだ。…けどその命綱が途中で切れて里中はどうしていいか分からずに混乱して泣いてたそうだ。…それで戻ってきた2人に怒りの矛先向けたってわけか。それは2人が悪いよな。
話は元に戻すが、俺たちが異世界の方に誘われるのと自らテレビの世界入っていく……それが俺たちのような異世界ってことなのか?確か鳴上も声したとか、何とか言ってたな。まさか俺たちに話しかけてきたやつと同じなのか?こればかりは本人に話さねえと分からねえだろうな。
【…厄はすでに落ち始めたってあの声言ってたね…】
【ああ、山野アナの死がスタートとか何とか言ってたよな】
【人の命は何だと思ってるのかしら】
【何にも考えてねえんじゃないか。なんだか楽しそうというか、遊んでるような感じで言ってやがったからな】
俺は砂糖入りのコーヒー飲みながら考える。山野アナ、小西先輩は、結果的には自分のシャドウに殺されてしまったのだろう。けど山野アナや小西先輩を異世界に誘なったやつがいるはず。俺たちを異世界に引きずり込んだあの声なのか?
いや、ヤツがその犯人なら俺たちになんで情報提供する必要ある?余裕からか?違う…何か別の力が働いてるような気がしてきたな。それが何なのか全く見当もつかねえがな。…この後、制理としばらく話して彼女は自宅の方へ送り届けたのだった。
2011・04・15・☔・18:55・稲羽市・八十神アパート・201号室・静江の部屋・リビング。
今日は、叔母さんは帰ってこねえと連絡受けた。だから簡単な食事に今日は切り替えて1人で食べたのだった。…夜ご飯の片付けも終わったことだし、テレビ見ようと思い電源入れる。もうすぐ7時だしニュースは、稲羽の事件なことだろうな。今じゃ全国的有名になっちまったな。いいことじゃなくて悪いことでだけど。
【では、今夜のトップニュース。稲羽市で起きた異常殺人の続報です。今朝7時頃、稲羽市の住宅街で、地元高校の3年生、小西早紀さんが遺体で見つかった事件。警察は、遺体の状況が極めて似ている事や、被害者が遺体発見者であった事などから…先の山野アナの事件から続く連続殺人の可能性もあると見て、捜査を進めています。警察の調べによりますと、小西さんの死亡は昨晩1時過ぎ頃と見られています。ですが現場は濃い霧で視界も悪く、発見が遅れたのではないかという事です】
くそっ、やっぱり分かってても胸くそ悪いのには変わりねえ。よく分からねえ力が働いて2人がそれに選ばれたってのか?マジであの声の連中……そもそも俺たちに力授けた奴らが……ずっと画面見つめながら考えてたらニュースが別の内容に変わった。
何か旅館みたいなのが流れた気がするが、どこの旅館か?…けど、なんか見覚えあるぞ
【鮫川の上流に軒を構える、地元随一の歴史を持つ高級温泉宿、❝天城屋旅館❞。源泉かけ流しのラドン泉の露天風呂を構え、遠方からのリピーターも多い高級旅館だ】
これってまさか天城の家の……天城屋旅館じゃねえのか?制理や里中たちと一緒に何度か行ったことはあるが、こんなにマジマジ見たのは初めてだな。
【えー事件後、女将が一線を退き、今はこちら1人娘の雪子さんが代わりを務めています】
は?天城の母親……女将さん、一線退いたってことか?そんな話、天城本人からも制理や里中からも聞いたことねえぞ。…ピンクの着物着てる天城がいる。確かこのピンクの着物は、天城が旅館で手伝いの仕事してる時に着てるやつじゃねえか。ま、まさかな………それはそうと現場リポーターが天城に変なこと言い出した。
【言ってみれば、❝現役女子高生女将❞…と言ったところでしょうか?なんともこう、惹かれる響きです。お話を伺ってみましょう…すいません!】
何が現役女子高生女将だよ。ただの趣味丸出しの変態野郎じゃねえかよ。こんなやつを現場のリポーターに派遣するなよ。放送終了後とかいや放送中にもクレームの電話殺到すんじゃねえの。
【えっ?私…私ですか?】
【女子高生で女将、ということですが】
【いえ、あの、私は代役で…】
【でも跡継ぐワケでしょ?て言うか和服色っぽいね。男性客多いでしょ?】
現場のリポーター、話ちゃんと聞け、今は代理でやってるって言ってんだろうが。それ以上しつこく聞くなよ。というか公共の電波で変態みたいな言い方する方が問題と思うがな。
【え、や、あの…】
天城、こんな変態なリポーターからインタビューされてさぞ嫌だったろうな。普通にインタビューすれば天城も多少なりは答えられたろうに。
【天城やつ、大丈夫だろうか】
天城はクラスメイトだし、色々世話になった1人だからな。だから心配にもなる。…というか現場リポーターも変態だったけど、スタジオにいるコメンテーターもコメントが変態じゃねえかよ。大丈夫なのかここのテレビ局。
そう思ってたら、俺の携帯がメール受信した音したので取ってみると制理がメール送ってきたようだ。
『私たちのアレも気になるけど、マヨナカテレビの方も気になる。だから今夜も見てみよう』
マヨナカテレビか。鳴上も妙な声聞こえたと言ってたな。ま、俺たちも妙な声に振り回されてる気もするが。制理にメール返信しないとな。
『わかった。確か午前0時に電源入ってねえテレビの画面見るでよかったな』
送信ボタンポチッとな。…今は19時20分か。それまではゆっくりしてるか。
2011・04・15・☔・23:55・稲羽市・八十神アパート・201号室・静江の部屋・リビング。
今日はずっと本当に雨降り続いてるな。まあ降ってねえとマヨナカテレビの見れる条件満たされねえわけだが。最初の頃に向こうの世界入った頃は疲労感すごかったけど、今となっては慣れたのか、そこまでの疲労感はねえ。それは制理も同じこと言ってたな。ただ雪柳先生は、力に目覚めたばっかだから相当の疲労感あって、今日は大変だろうな。
【明日、雪柳先生に俺たちのこと話すわけだが。まああそこまで関わったのだから信じてくれるだろう】
それにしても山野アナ、小西先輩も自分の内面から出たシャドウに殺されてしまった。ペルソナ能力に目覚めるには素養がどうとかとアイツ言ってた。もし2人にペルソナ能力の素養あったのなら死せずに済んだのか?
【分からねえ…2人にあったかどうかなんて今となっては分かりやしねえからな】
それにしても2年生になった新学期早々、ハードスケジュールだな。…もうすぐ午前0時だな。テレビの前に行かなければ。…午前0時になると、マヨナカテレビが映り出した。そこに写ってる人物は着物着てるように見える。ただ、誰なのか見当つかねえな。…けど、どこかで見たような気する着物だよな?まさか!
【あれって天城じゃねえよな……】
俺の中に嫌な予感よぎった。台所行って水1杯飲み干して、冷静に考える。
【山野アナ、小西先輩まではつながりある、が天城に何の繋がりあるって言うんだ?】
山野アナが天城屋旅館に宿泊してたからか?いや、いやいや、接客は天城の母親やってるはずだろ?天城は手伝いに過ぎねえと言ってたんだからな。客商売である以上、素人が出るわけねえ。そこの責任者は天城の母親だ。けど代理とあのインタビューで言ってたな。どういうことだ?天城の母親に何かあったのか?…分かんねえ!俺は再びコップに水注いで、その水眺めながらしばらく考えてた。…けど、考え浮かぶわけじゃなく、明日に備えて寝ることにしたのだった。
吹寄制理Side
2011・04・16・☔・00:25・稲羽市・吹寄家・制理の部屋。
私はマヨナカテレビ見て、そこに映ってたのは間違いなく雪子だと分かってしまった。映ってた女性はピンクの着物着てた。あのピンクの着物は、雪子が旅館のお手伝いする時に着てる着物だから。私や千枝は、その姿は何度も見てるから分かる。おそらく千枝もマヨナカテレビ見てんのなら分かるはずよ。…ただ、私の中で決めつけるのは良くないって気持ちもある。だからみんなに連絡するのはやめた。もう1回八幡たちと話から考えることにした。それに明日雪子来たら、本人に気をつけるように言う事だってできるし、彼女おかげだから守れるはず。
【それにしても今日は色々あった…】
小西先輩があんなことになって、色々調べようとしたら雪柳先生の過去話聞かされることになったり、内面から出たシャドウと戦うことになったり、最後にはペルソナ能力にも目覚めた…。…これからは雪柳先生も入れて話し合う必要もあるわね。鳴上君たちとも話せればいいのだけど。そう思いながら私のまぶたは閉じるのだった。
もう一度、アンケートを取ります。鳴上悠のヒロインは誰がよろしいですか?
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1ー里中千枝
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2ー天城雪子
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3ー久慈川りせ
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4ー白鐘直斗
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5ー小沢結実
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6ー松永綾音
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7ー海老原あい
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8ー雪柳綾奈
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9ー麦野静江