2010・10・12・☔・08:20・八十神高校・職員室。
八十神高校に着いたら最初に行かなくてはならないのは職員室だ。
俺の立場は転入生だ。クラスも何も担任が誰だかも分かっていないからな。総武高校時代のようにはいかない。
職員室と言ったら平塚先生に【高校1年生を振り返って】という名の作文を何かの犯行声明みたいなものを書いて、呼び出されて挙句に奉仕部に連れて行かれたっけ?
そんな過去話を思い出していると名前を呼ばれた気がした。
俺がキョロキョロしていると、1人の女性教師が手招きして呼んでいる。
「君が転校生君の比企谷八幡くんだね?」
「はい」
「確か千葉から来たのね、稲羽での田舎生活たのしみにしてる?」
「別に楽しみにはしてないから」
「あらら……でもきっと気に入ると思うわよ。コホン、私はあなたのクラスの担任の雪柳綾奈です。担当教科は現国よ、これからよろしくね」
現国、なんだか、また平塚先生を思い出してしまう。それにしても、平塚先生とは別の意味の感じの女性だよな。
転入の第一関門である担任の教師が嫌なやつではないってことだけは分かった。
「困ったことがあったらいつでも相談してね」
なんだかおせっかい焼きの先生か?それはそれでめんどくさそうになるような感じもしてくるんだが…。
「クラスは1年2組、私の暮らしの子はいい子達ばかりだから安心してね」
「あ、はあ〜」
いい子達ばかりと言われても、すぐさま納得するわけにはいかねえよな。この先生にとってはそうかもしれないが、俺にとっては違う可能性もあるんだから。
「それじゃ教室に行きましょうか」
先生は出席簿を持って座っていた椅子から立ち上がる。俺はこの先生の後ろからついて行くことに。
職員室から出る間際に職員室の中をぐるっと見たが、金◯先生の劣化したような教師と厚化粧を平気で職員室でやる教師、エジプトのツタンカーメンみたいな被り物をした教師を見てしまった。
ここってキャラの濃ゆい教師がいるんだな、ちょっと感心してしまった。
2010・10・12・☔・08:35・八十神高校・1ー2組。
俺は雪柳先生の後ろから1年2組の教室へ入る。クラスのガヤガヤしていた雰囲気が、俺の方にクラスの視線が変わることに気がついてしまう。
変わらぬ日常に転入生が来れば否をなくそれが気になるだろう。これが迎える側でもそう思ってしまう。
雪柳先生がみんなの方に俺が転入生でやることを軽く説明する。そして
「それじゃ、比企谷君、みんなに自己紹介をお願いします」
俺に優しく問いかけてきた。仕方なく。俺は自己紹介をする。それも簡潔にしか言わないが。
「比企谷八幡です。よろしく」
と最小限の挨拶しかしなかったそっけない態度で自己紹介とか済ませようと思ったのだが総武高校の時のようにはいかず男子からは
「都会からって、ちょっと前の花村と一緒じゃないかよ」
「そうだな、花村は東京だったけどな、それでも千葉って東京の隣だから都会なんだろ?」
前なら相手にもされなかった女子からも
「花村はチャラチャラしてたけど、比企谷君って誠実そう」
「千枝、またそんなこと言う」
「雪子、千枝にそれは言っても聞かないわよ」
なんか固有名詞の名前が出てきたけど、まあ俺は友達とか作るつもりもねえし、覚えるつもりもないんだがな。
「比企谷君は、ちょっと緊張してるみたいだから、クラスのみんなでサポートしてあげてね」
【はーい】
俺は孤独を好みたいんだ、周りに人が来てしまったら孤独になんねえだろ…俺のことをこのクラスに溶け込ませたいんだろうが、正直ウザいのもある。正直もう座らせてくれよと思ってしまう。
「比企谷くんの机は……里中さんの隣ね」
里中さんの隣?あー緑のジャージを着ている女子の隣か。俺はそそくさと指定された机に着席する。すると里中さんと言われる女子が
「よろしくね、比企谷君。あたしは里中千枝」
「よろしく…」
冷たくあしらったつもりなんだが、里中さんは
「まだ緊張してるの?根詰めてばかりだったら疲れるよ〜リラックスリラックス」
「は、はぁ」
別に根詰めてないから、ちょっと喋りかけないで来ないで欲しいだけだ。雪柳先生が
「里中さん、比企谷君の教科書がまだ届いてないから、しばらく教科書見せてあげて」
「雪柳先生、わかりました」
いいのかよ、とついつい口に出しそうになった。都会系女子と田舎系女子とは違うのかと、正直戸惑ってしまった。
そんなこと思っていたら、今度は後ろから男子が話しかけてきた。
「よぉ、転校生!同じ都会っ子だな。俺は花村陽介よろしくな!」
「そっちは東京だろ。俺は千葉の方だぞ。それによろしくされる覚えはない」
「ここから見ればどっちとも都会に見えると思うぞ、というかよろしくされる覚えはないって…」
この花村ってやつ、なんか馴れ馴れしいやつだな。葉山のやつとは違うタイプのイケメンか。
「まあとにかく仲良くしようぜ、比企谷」
花村に肩ををパンパンと叩かれてしまう。
この花村ってやつ、葉山と戸部が合わさったようなやつだなと鬱陶しくも嫌でもない何かを感じてしまった。
こんな感じで今日の授業は過ぎていくのだった。
しかし里中って、男子の机に普通にくっつけて、結構近づいてきてなんだよな。それも戸惑いとかそういうのがなくて。それどころか勉強がわかんないからって教えてくんない、って言われてしまった。
あれが田舎女子の距離感というものなのか?
わからん、1日だけではとてもじゃないが判断できないし、ちょっと様子を見る必要があるってことか。
2010・10・12・☁・15:30・八十神高校・1ー2組。
今日の授業終わり、放課後になった。奉仕部に行かなくていい、これだけでも気分は上昇する。
さて、ぼっちはぼっちらしくさっさと帰りましょうかね。そう思ったが矢先花村に話しかけられてしまった。
「よぉ〜比企谷、一緒に帰ろうぜ?」
「は?」
「なんだよ、そのノリは?」
「……友達でもなんでもねえのに、一緒に帰るのか?」
「友達になったじゃんか」
俺はお前と友達になって覚えはないぞ?どこの世界線だ人間だよお前…
「なあ、転校生同士仲良くしようぜ」
花村の勢いに俺はドン引きする。なんだかんだ言ってこいつ友達いないのかと思ってしまった。花村に話しかける男子、ほとんど見かけないな。
「ここって何にもないけどさ、いいとこに連れてってやるよ」
「いいとこってどこだよ」
「そう、焦らずについてきなって」
ひとりぼっち放課後でも過ごそうと思っていたが、花村の強引さに俺はなすがままについてってしまった。
2010・10・12・☁・15:55・ジョネス・フードコート。
花村に連れて来られた場所は、大型ショッピングセンターのフードコートである。ここの名前はジュネスっていうのか?
外のテーブルに座ってる俺…4、5人用のテーブルだから1人でいるのがかえって目立つじゃねえか。花村のやつはどこに行ったんだ?
それにしてもよく郊外にある大型ショッピングセンターだよな。よく見ると八十神高校制服を着た連中もいるようだな。
花村は手に何やら持ってこっちに向かってくる。どうやらたこ焼きらしきものと飲み物を持ってるみたいだな。
「お近づきの印に、これをおごるわ」
「後で返せとかいうパターンじゃないよな?」
「そんなわけないだろ、どこまで疑い深いんだよお前?」
「親切心で近づくやつは大体騙してくるやつが多いんだよ」
「騙すって…どんな風なとこにいたんだよ」
俺は花村が奢ってくれたたこ焼きを食べながらそういうこともあると説明。
「俺はお前を騙すとかそんなんじゃないから、マジで友達になりたいと思ってるし」
「……そういうことを恥ずかしげもなく言えるとこがすげえな」
「それ褒めてんのか?」
「俺なりに褒めてるつもりだがな」
「お前本当面白いわ」
花村とたわいもない話をしながらたこ焼きを食べた。いつ以来のことだろうか、こんなに人と喋ったのは。
少なくとも
この後も、花村にジュネスの中を案内してもらい、買い物とかここですればいいなと思った俺であった。
というか後から花村がこのジュネスの店長の息子だと教えられた時はびっくりしてしまった。
なるほど。花村は転校してきたと言っていたから、父親の店長就任のともに家族でやってきたってとこか。
ジュネスの飲み物コーナーを調べてみたら、俺の愛用のMAXコーヒーがあった。心の中でテンションマックスになったが、花村が
「へえ、お前そんな甘いの飲むんだな、てっきりブラックとか好みだと思ってたんだけど」
「はぁ?俺はMAXコーヒーの愛用者だぞ」
「好みのものにはうるさいと」
花村は茶化してきたが、馬鹿にすることはなかった。今までのやつなら馬鹿にしてきたというのに。
この後、MAXコーヒーを5本買ってウキウキで叔母宅へ帰ることになった。
ー雪柳綾奈(26、担任、教科:国語)
容姿ー茶色のロングヘアに白いカチューシャをつけ、白井黒子(とあるのキャラ)大人の色気のある姿にしたような魅力的な女性。
性格も穏やかで誰にでも優しく、男女共に人気のある先生である。初対面の八幡にも優しく受け答えをし彼がクラスに溶け込むようと懸命にしている。
もう一度、アンケートを取ります。鳴上悠のヒロインは誰がよろしいですか?
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1ー里中千枝
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2ー天城雪子
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3ー久慈川りせ
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4ー白鐘直斗
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5ー小沢結実
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6ー松永綾音
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7ー海老原あい
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8ー雪柳綾奈
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9ー麦野静江