俺の青春が田舎へ流された。   作:龍造寺

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雪子姫の城編10話です。


雪子姫の城編ー48ー10話ー雪子が仲間に。②

 

2011・04・30・☀・13:50・稲羽市・ジュネス・フードコート。

 

俺たちは先にジュネスのフードコートへ移動し、30分ほど待っていると雪柳先生が合流した。

 

カップラーメンの件で本当にビフテキを奢ることになってしまったが、もう諦めた。男子3人で女子4人分の奢りである。制理たち女子陣が嬉しそうに食べているのを見ると、まあいいかと気持ちが切り替わった。

 

「でさ、さっきの話だけど……結局犯人ってどんなヤツなんだろう?」

 

「山野アナだけ見れば、動機は恨みっぽいよな。不倫相手の奥さんとか」

 

「奥さんって柊みすずさん? あの人は旦那さんと別居中だってニュースで言ってたよね? アリバイもあるって話じゃなかったっけ?」

 

「叔母さんもそう言ってたしな」

 

「雪柳先生、詳しいっすね。でも、八幡の叔母さんが新聞記者でそう言ってるなら、間違いないんでしょう。じゃあ2件目。小西先輩は山野アナの遺体第一発見者だった。同じ犯人だとすれば、先輩が狙われた理由は……」

 

「口封じしか考えられないだろうな」

 

「鳴上、俺もそう思う。何か証拠を掴んじゃったとか」

 

確かにあり得る話だが、最後に小西先輩と話した時、そんな気配は全くなかった。本人が気づかないうちに何か重要なものを目撃してしまった可能性もあるが……わからない。

 

「でも、犯人はテレビに入れただけで殺してないよね? 警察に捕まるほどの証拠なんて、わざわざ残すかな……」

 

「普通は残さないでしょうね」

 

「うん……確かにそうなんだよな」

 

「警察でもない俺たちが、どこまで辿り着けるかだよな……」

 

俺たちが手がかりの少なさに頭を悩ませていると、近くから独り言のような声が聞こえてきた。

 

「しっかし、田舎は退屈かと思ってたのに、信じられないことばっかりだなぁ……おっと、新メニュー新メニュー発見伝!」

 

「あれ? この前の刑事さん?」

 

「刑事?」

 

「あれは足立刑事……」

 

足立と呼ばれた男がこちらに近づいてきて、鳴上を見て手を挙げた。

 

「あれ、キミ堂島さんの……あはは、えっと、そうだ。ちょうどよかった、堂島さん今日は定時で上がれるって。菜々子ちゃんにも伝えてくれる?」

 

「わかりました」

 

「ども、足立です。堂島さんの部下っていうか、相棒ね」

 

「相棒ね……」

 

「足立さん、どうも。お仕事大変そうですね」

 

「あはは、雪柳先生こそ大変でしょ。生徒を引率とかしなきゃいけないわけですし。世間は面白がってるみたいだけど、僕らはそういうわけにもいかないからね」

 

「あはは……私は教師として、やりがいのある仕事だと思ってますので」

 

足立刑事は相変わらずの軽い調子だったが、制理が真剣な顔で質問を投げかけた。

 

「あの、足立刑事。先輩が狙われたのって、口封じだったりしますか?」

 

足立刑事は『痛いところを突かれたな』という顔で笑った。

 

「あー、いいとこ疲れちゃったね。イタタタ……なんて、はは」

 

この刑事、本当に大丈夫なのか……?

 

「もちろん、その辺は僕らも考えてますよ。山野アナの遺体発見直後に小西さんが狙われたんですよね。もし口封じなら、彼女以外の人が見ても証拠だとわからないものが遺留品にあったとか……とすると、犯人は小西さんにかなり近しい人物かもしれない。柊みすずさんの周りからは何も出てこないし……あ、僕の推理、いい線いってるかも。あっと、また喋りすぎ? 今の内緒ね。まあ、犯人は警察が必ず捕まえますから! それじゃ!」

 

足立刑事は軽く手を振って去っていった。あの態度を見ていると、警察はまだほとんど掴めていないのが丸わかりだった。

 

「あー、やっぱり警察には任せておけないなぁ」

 

「里中さん、そんなこと言わないの!」

 

「まあ、あの足立刑事見てると、そう思ってもおかしくないよな」

 

「おあっ、しまった! 肉がげんなりしてる!」

 

「肉、肉、うるせえよ」

 

俺たち男子3人は、女子陣が食べ終わるまで待ってから、テレビの中へ向かうことにした。

 

 

2011・04・30・☀・??:??・テレビの中。

 

俺たちは天城を連れてテレビの世界へ入った。

 

「すごい……ここ、本当にテレビの中なんだ」

 

すると、どこからともなくクマが走ってきた。

 

「あ、あの時のクマさん。夢じゃなかったんだ……」

 

「ユキちゃん元気? クマね、ユキちゃんとの約束、いいクマにしてたよ!」

 

「そっか、えらいえらい」

 

クマの奴、天城が言っていた約束をまだ覚えていたのか。

 

「ま、まあ、このクマきちのためにも犯人を見つけようってことになってさ」

 

「私も、仲間に入れてもらったの。一緒に頑張ろうね」

 

「うん! 一緒に頑張ろうって思ってたクマ! だからユキちゃんに、用意してたクマよ!」

 

ああ、俺たちも以前もらったメガネか。これをかければ霧が晴れて視界が良くなる。一体どういう仕組みなのかはわからないが。天城はメガネをかけると、途端に知的な雰囲気になった。里中が

 

「なんでクマがメガネを持ってるの?」

 

と聞くと、クマ自身が作ったらしい。あの見た目で意外と器用なんだな。天城が

 

「クマはメガネしないの?」と聞くと、クマは

 

「クマの目はレンズになってるんだクマ!」

 

と自慢げに答えた。その後、花村とクマがじゃれ合っているうちに、クマが何か落とした。それはお笑い芸人が使うような、鼻メガネだった。なぜか天城がそれに興味を示し、自分から鼻メガネをかけに行った。今までは自分を抑えつけていた反動か、人目をはばからず大爆笑を始める。

 

里中と制理は『雪子が私たち以外の前であんな風に笑うの、初めて見た』と驚いていたが、それだけ俺たちを信用してくれたということだろう。

 

「みんながクマを置いていくから、暇すぎてこんなことになるクマ!」

 

「置いていくも何も、お前はここの住人だろ。俺たちの世界に来られるわけねえだろ」

 

「比企谷君の言う通りね。連れて帰ったとして、どう説明するのよ」

 

「ま、まあ、天城が元気になったみたいで良かったよ」

 

「そうだな、花村」

 

「はぁ……雪子がこうなっちゃったら、しばらくはこのままね」

 

「……制理、それで私はいつまでこれを付けていればいいの?」

 

「雪子が笑い終わるまで?」

 

「はぁ……雪子が元気になって良かったんだけど……なんで私がこんなことに……」

 

里中の嘆きも虚しく、天城の爆笑タイムはしばらく続いた。ようやく落ち着いたところで、俺たちは現実世界へ戻ることにした。

 

もう一度、アンケートを取ります。鳴上悠のヒロインは誰がよろしいですか?

  • 1ー里中千枝
  • 2ー天城雪子
  • 3ー久慈川りせ
  • 4ー白鐘直斗
  • 5ー小沢結実
  • 6ー松永綾音
  • 7ー海老原あい
  • 8ー雪柳綾奈
  • 9ー麦野静江
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