俺の青春が田舎へ流された。   作:龍造寺

57 / 60
ハッテン、僕の町編6話です。


ハッテン、僕の町編ー57ー6話ー完二を救いに。

 

2011・05・18・☀・16:25・稲羽市内。

 

俺たちはジュネスで一旦解散し、それぞれ話を聞くために散らばった。巽完二の情報って、母親以外に誰に聞けばいいのかと思ったが、一人心当たりのある人物がいるじゃねえか。そう、叔母さんだ。巽完二のことも叔母さんから聞いた話が多い。裁縫が得意とか、母親思いとかもそうだ。電話して聞くのもいいだろうが、なんて言って聞き出せばいいんだ? ストレートに『巽完二の情報が欲しい』と言って教えてくれるのか? 

 

いや、聞き出したとしても、『なんでそんな情報が知りたいのか』と聞かれてしまう可能性もある。うむ、あの探偵の白鐘に訊くのもいいか。ただ、こっちも同じようなことを聞かれそうな気がする。

 

「さて、どうしたもんかね……」

 

そんなことを考えながら市内を回っていると、ふと思い出した。おばさんが以前、『あの見た目のせいで、警察や何かにすぐ職質される』とか言っていた気がする。

 

母親のために暴走族を潰したことが原因で、警察からマークされていると。巽完二は、ただ母親を救いたかっただけだが、警察から見れば問題児のように見えるということだ。

 

そうなる前にも本当は裁縫とかが得意なんだが、クラスの女子たちから気持ち悪がられたことで、『裁縫が得意とかおかしいのではないか』と思ってしまった可能性もある。

 

自分が好きなこと・得意なことを否定されれば、そうなってしまうのもわからなくはない。俺だって色々とキモがられていたわけだからな。

 

しかし、母親以外に巽の事を誰に聞けばいいんだ? 巽の知り合いとか知らないし、マジでどうしたもんかと思っていたら、俺の携帯の着信が鳴った。

 

 

すぐにポケットから携帯を取り出し、番号を確認すると知らない番号だった。非通知じゃない分、番号をこちらに知らせているから変なやつではないと思い、通話ボタンを押した。

 

『もしもし、白鐘ですが。この番号は比企谷さんの番号でまちがいないでしょうか?』

 

「ああ、比企谷だ。間違ってねえよ、白鐘。それで何か俺に用か?」

 

『ええ、どうやらあなた方は、巽完二さんの事を調べているみたいですね』

 

「どうしてそれを!?」

 

『高校生の男女が、巽完二さんの事を聞き回っていると、ちょっと小耳に挟みましてね』

 

高校生の男女って、俺たちってことだよな。白鐘から何か聞き出せないか聞いてみるか。

 

「白鐘、巽と話した時に、何かおかしいところがなかったか?」

 

『……本来なら話すわけにはいかないですが、今回ばかりは話すとしましょう』

 

白鐘の言うには、最近のことを話したみたいだ。それで巽の方が何か挙動不審みたいなことになったようだ。だから感じたままのことを言ったらしい。

 

❝変な人❞と伝えたようだ。

 

それを聞いた巽は随分と顔色を変えたそうだ。白鐘はその豹変ぶりにびっくりしたらしい。当たり前だ。昔の俺たちみたいなものは、そういう風に言われるのを一番気にすることなんだ。

 

『それを踏まえると、普段の振る舞いも少し不自然だったような気がしましたね。何かコンプレックスを抱いているのかも……確証はありませんが』

 

白鐘は淡々と答えていたが、巽の心には結構なショックが残っただろうな。巽のアイデンティティそのものをけなされたようなものだからな。

 

「教えてくれてありがとうよ。向こうに帰るのなら材木座たちに伝えてくれ。俺は元気にやっている、手紙は必ず返すからな、と」

 

『わかりました。材木座さんたちにそう伝えておきます。比企谷さん、それでは失礼します。それといい忘れましたが、あなたの電話番号は、麦野静江さんから聞きましたから』

 

そう言って電話は切れてしまった。

 

白鐘のヤツ、叔母さんとも知り合ってたのか。まあ、探偵と新聞記者なら接点があってもおかしくはないか。

 

さてと、今日はもうあっちの世界に行くことなんかできないし、帰るとするか。このことは明日あいつらに伝えればいいしな。

 

 

2011・05・19・☀・テレビの中の世界。

 

俺は昼休みに全員を部室に集めることにした。もちろん雪柳先生もだ。そこで俺は白鐘から聞いた情報などを教えることにした。鳴上も俺と同じような情報を持っており、それぞれ情報共有をすることに。

 

それ以外のみんなはほとんど情報という情報を持っていなかった。

 

そして放課後に再びジュネスから向こうの世界に行くことになった。おっとその前に、鳴上が『紹介したいやつがいる』と言っていたが、まさかキツネとは思わなかった。

 

確かこの狐、あの神社で見かけた覚えがあるぞ。ただ2、3回程度見ただけだから、キツネとは思わなかったがな。

 

鳴上は『お金を払ったら回復の葉っぱをくれる』ということだが……俺も含めてみんなが驚いていた。その時こういうやり方していた。

 

「な、なんかいる! キ、キツネ!? いつの間に……」

 

「キツネって……鳴上君……一体どこで」

 

「おわっ、こいつ……一体どっから入ったんだ!?」

 

「てか、地味に目つき怖ッ」

 

「あ……この前掛け……確か神社で見かけたことあるような……ねえ? 八幡?」

 

「まあ……2、3回見たような気がするが」

 

「辰姫神社の狐だ」

 

鳴上は狐との出会いからを俺たちに話し始める。

 

「え……? 葉っぱで回復……?」

 

「え……私達に協力?」

 

「キツネが協力? マジで?」

 

「マジかよ……見返りに金を欲しがってるってか……?」

 

「まあ、そうなんだが、探索中に雑貨屋には行けないからな。テレビの世界に狐が来てくれるだけで、全然違うと思う」

 

「コーン!!」

 

キツネは肯定の意味で鳴いたのか?

 

「なんだよコイツ。まるでこっちの話を分かってるみたいなリアクションだな……」

 

「コーン!!」

 

「また鳴いた……こっちのこと、ホントに分かってたりして……」

 

「で、でも、考えてみたら、警備の人とかにも見つからなかったって事だよね?」

 

まああの神社でも見つかってないし、それぐらいのことは容易いのか? クマといいキツネといい……何でもありだと思えてきたな。

 

「あたし達の後をつけてきたんだとしたら、大したもんかも」

 

「コーン!!」

 

「え……ホントに話、通じちゃってる……? どうしよっか……」

 

「でも……捕まえたりするのはかわいそう。悪さをするようには見えないし。リーダーの鳴上君はどう思う?」

 

雪柳先生がリーダーの鳴上にどうするか尋ねる。最終的な判断はこいつに委ねてるからな。

 

「俺は協力に期待する」

 

「うん……それに思ったんだけど、さっきの神社の話……❝回復❞って言うの、私達ほんとに助かるかもって思わない?」

 

天城がこのような提案をしてきた。

 

「え!? それって❝あっちの世界❞へ連れて行こうって話か?」

 

「鳴上が言っているのはそう言うことだろ?」

 

俺がそう言うと、花村が何か納得したような表情で言った。

 

「んー実は意外にアリか? 簡単には帰りそうもない雰囲気だし。それにヘソでも曲げられて、店内で暴れてもらうほうが困るしな」

 

キツネは満足そうにしているみたいだな。みんなの了承も得られたから満足しているのだろう。

 

確かに回復薬はこれからの戦いに必要になるだろう。回復役の制理たちにずっと頼ってばっかりはいられないからな。

 

キツネを仲間にした俺たちは、再びジュネスのテレビからこちらの世界へやってきた。

 

そして今に至るのだが。

 

もう一度、アンケートを取ります。鳴上悠のヒロインは誰がよろしいですか?

  • 1ー里中千枝
  • 2ー天城雪子
  • 3ー久慈川りせ
  • 4ー白鐘直斗
  • 5ー小沢結実
  • 6ー松永綾音
  • 7ー海老原あい
  • 8ー雪柳綾奈
  • 9ー麦野静江
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。