俺の青春が田舎へ流された。   作:龍造寺

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原作開始前5話です。


原作開始前ー6ー5話ー文化祭。

2010・10・18・☀・15:30・八十神高校・1ー2組。

 

今日の授業も無事に終わり、帰る準備をしていた俺だったが、雪柳先生と吹寄が2人で並んで何か話し始めた。

 

「今日から放課後、文化祭準備期間となります」

 

はぁ〜そんなの聞いてねえよ。というか、俺の傷をえぐるような言葉を出さないでくれ。

 

文化祭、修学旅行、俺のメンタルがモロに減っていくから。

 

教室の雰囲気は早く帰りてという空気と頑張るぞという空気が入り乱れている。

 

あの文化祭の時もこんな感じだったか?

 

いや、平塚先生に無理やり文化祭実行委員を押し付けられたっけ。誰も立候補者がいないからって、それと自分の授業の時間が減るからって俺を指名すんなっつうの。

 

あれのおかげで俺はいらぬ悪役を買って出てしまったじゃないか。文化祭実行委員でなければ、そんなこともせずに地味に文化祭に参加してきただけなのにな。

 

「比企谷君」

 

雪柳先生が俺の名前を呼んだ。

 

「比企谷君が転入してくる前に文化祭は何をやるのは決まってたの」

 

「はぁ、そうなんですね」

 

「それで、うちのクラスはメイド喫茶をすることになったの」

 

メイド喫茶!?またクソめんどくせえことするんだな…海老名さんのあの BL演劇もどうかと思ったが、メイド喫茶も大概だぞ。今度は吹寄が話し出し

 

「今回私達1ー2組は、女子が活躍できる出し物で男子も裏方で協力しやすいということで決めました。それぞれ役割分担はもう決まっており、転校生の比企谷君の役割だけは決まってません。どのグループか彼を入れてくれませんか?」

 

こういう残り物をどこかのグループに押し付けるイベント昔に経験したぞ。どこのグループも手をあげずに人数の少ないところに強制的に入れられる。これはぼっちの辛いとこだ。

 

どうせ俺を入れてくれるようなところはないだろう、そう思っていた時

 

「吹寄委員長!比企谷は、俺たちのとこに入れてもいいか?」

 

「花村、比企谷君をいれてくれるの?」

 

「もちろん、まあいいだろ?里中、天城?」

 

「うん、いいよ」

 

「私も構わないよ」

 

なんか俺、花村チームに入れられるようになったんだけど。花村はニヤニヤしながら

 

「比企谷、一緒に文化祭頑張ろうぜ」

 

「あ、ああ」

 

「花村君、ありがとね」

 

雪柳先生にそう言われ、花村のやつはまたニヤニヤしながら

 

「いえいえ、俺たち友達っスから」

 

「恥ずかしいことを言葉に出すな」

 

「よかった、比企谷君がクラスに馴染めなかったらどうしようと思ってたから」

 

雪柳先生もそこまで心配しなくてもいいんだが。吹寄が腕を組みながら

 

「特に男子!さぼったりしたら分かってるわよね?」

 

男子の連中がなんか沈んだように返事をする。確かに花村が食らった吹寄DXを好き好んで食らうやつはいないだろう。

 

花村が俺に

 

「俺たちは看板作りだぞ、メイド喫茶のな」

 

「看板作り!?」

 

「そ、それで何の看板にするか、話し合うんだったよね?」

 

「うん、そう言ってた」

 

里中と天城はそう言ってきた。

 

「教室の看板もあるしな、あとは宣伝広告の看板とかな」

 

【で、まずは木の板…看板サイズの木の板が必要だろ?】

 

【そうだな。木の板の看板は生徒会室…に置いてあると、雪柳先生が言ってな…】

 

めんどくせえと頭をよぎったが、吹寄のおでこDXなんか食らいたくないから渋々俺は花村に

 

【仕方ない、生徒会室から俺が取ってくるよ】

 

【お、行ってくれるか?比企谷】

 

【まあな】

 

俺は仕方なしに生徒会室へ向かうことになった。本来ならやりたくないのだが、吹寄制理というクラスのボスがいるからやるしかない。吹寄DXというのを目の前で食らってるのを見たらやらざるを得ないだろう。

 

あんなのを食らって喜べるのは相当の変態かドM 野郎だけだろう。

 

それにしてもどこのクラスも文化祭の準備に勤しんでいるもんだな。総武高校ならさぼってるやつもいたんだがな。

 

まあ俺は、クラスではほとんど何もしてないに等しいが。文化祭実行委員の方で適度に自分のペースで雑務をやっていただけだけど。

 

文化祭実行委員長の相模のアレで副委員長だった雪ノ下に色々とのしかかっていたんだよな。まあ1人で頑張ってることが悪いわけではない、無理に他人に協力を求める必要もないわけだが…

 

それであいつは体調を崩したわけだが。

 

それで俺は悪役は勝手に出たわけだ。それで文化祭実行委員会そのものの1つにまとめることはできたはず、俺を憎ませることによって。

 

あの時はそのやり方しか思いつかなかった。

 

生徒会室にたどり着いた俺は、中に入ることにした。

 

生徒会室は綺麗にまとまられていて、今は文化祭の道具置き場みたいになっている。

 

さてと看板用の木材でも探すか。さてとどんなもんがあるんだろうか。色々と探す俺。

 

【比企谷君、看板用の木材を探してるんでしょ?】

 

俺に話しかけてきたのは、雪柳先生であった。さっきまで教室にいたと思ったんだが、こっちにも来てたのか。まあ、生徒会の副顧問だったっけ?

 

【え、まあ、そんなとこですけど】

 

【どう?学校の方は慣れたかな?慣れる前に文化祭とかイベントがあるからどうかなって?】

 

【ま、確かにそうですね。ぼっちな人間にとっては辛いイベントがいきなりって感じですね】

 

【ぼっちって……花村君達と話してるじゃない?】

 

【向こうから一方的に来るだけですよ】

 

俺は看板用の木材を探しながらそんなことを話している。雪柳先生も何かをチェックしながら話しているようだ。

 

【辛かったら何でも言っていいのよ、私は強制はしないから】

 

【先生っておせっかい焼きなんですね】

 

【そうかしら?】

 

【絶対にそうですよ、普通の教師ならめんどくせえことには関わりたくないみたいですから】

 

普通の教師はめんどくさいことはしない、自分に不利益になるようなこともしない。いじめ問題とかもそうだ、大体教師はそういうことを把握していても知らないか知らないふりをしてることが多数だ。

 

【中にはそういう先生たちもいるのは確かよね。でも私はそういうのはダメだと思うのよ。何も問題のない生徒ならそこまで気をかける必要はないのかもしれない。でも何かの原因で傷ついた生徒は、放っておいてはいけないの】

 

雪柳先生はそう言って俺の両手をぎゅっと握ってきた。俺はとっさのことで驚いてしまう。俺の手をぎゅっとこうやって握ってきたのは母親だけだったから。

 

平塚先生の場合は、グーパンが俺の腹やなんやに食らわされてしまったことあったが。

 

雪柳先生から何かいい匂いがする。これって香水の匂いか?俺は何言ってんだ!?花村みたいなこと言ってんじゃねえよ。

 

【雪柳先生…その両手】

 

【え?はっ、ごめん、比企谷君、ついつい熱く語っちゃって】

 

【いえ、別に構わないっす】

 

【看板用の木材だったね、それはここにちょうどいいのがあるわよ】

 

【そこにですか】

 

雪柳先生がそう言ってくれた場所に看板サイズの木材が置いてあった。このくらいのサイズならちょうどいいサイズだろう。木材3つぐらい持っていくか。失敗とか色々とアクシデントがあるかもしれんからな。

 

後は、学校内に貼る画用紙は必要だな。各学年の廊下に2枚から3枚ぐらいか?実技棟にも1枚必要か。体育館周辺にも2枚ぐらいは必要だな。

 

9枚に1枚、2枚。計で12枚必要だな。

 

本来なら1枚宣伝文句など書いたやつをコピーして貼り付ければいいなんて思った時もあったが、そういうものに味気がないとか、由比ヶ浜のやつが言ってたっけ。

 

それにしても誰が絵を描くんだ?はっきり言って俺は描けないぞ?花村が描くのか?里中か?天城?

 

こればっかし戻ってあいつらに聞くしかないな。

 

【何かあったらまた言ってね】

 

【はい】

 

雪柳先生にそう言われて、俺は生徒会室を出て、自分のクラスの教室に戻ってくる。

 

花村達のとこへやってくると

 

【おお!いいのがあったんじゃねえか】

 

【本当だ】

 

【それでさ、誰が絵を描くの?】

 

【それだよそれ、俺は絵のセンスなんかねえからな。花村達の誰か描けるのか?】

 

【俺に絵のセンスなんかあるわけねえだろ】

 

【アタシもないからね】

 

【私も無いから】

 

【ど、どうすんだよ…これ絵のセンス皆無でこんなの受けちまったのかよ】

 

こんな時、材木座や戸塚…何気に絵が上手かった川崎とか…頼めるやつがいてくれたら…

 

どうするかで悩んでいると、委員長である吹寄がやって来て

 

【千枝や雪子、困ってる顔ね。なんか手伝おうか?】

 

【制理、絵を描いてくんない?】

 

【絵って…そっか。2人とも苦手だもんね。花村と比企谷君は?】

 

【俺が描けるわけねえだろ】

 

【右に同じ】

 

吹寄は、ため息を吐いて…

 

【絵に関しては私が描いてくるから、千枝と雪子はメイド喫茶の制服のモデルになって】

 

【制理、いいの?】

 

【メイド服、一度は着てみたかったんだよね】

 

【それと、花村と比企谷君は、クラスの看板をどこに設置するか考えておいてね】

 

【分かった】

 

【看板設置の場所か…】

 

【2人とも簡単そうに思ってるかもしれないけど、位置取りは大事だからね。うまくお客さんは誘導できるから】

 

【そういうのは俺分かるからさ、任せとけ】

 

花村は笑顔で吹寄に言う。

 

【任せたわよ】

 

吹寄も花村にそう言った。

 

花村は、ジュネスのバイトでそういうことを経験しているのかと思った。確かに分かりづらいとこに広告を出しても誰も見てくれやしないからな。いかに目立つところに目立つ広告を作るかだよな。

 

【比企谷、設置場所、ちょっと見に行こうぜ】

 

【今からかよ!?】

 

【当たり前だろ、先を越されたら話にならないからな】

 

花村は俺は引っ張るように看板を設置する場所候補をぐるぐると回ることになった。この日はぐるぐる回ってそれで帰宅時間になり帰ることになる。

 

翌日には、吹寄がメイドさんの絵を描いててきてた。画用紙の看板の絵とメイド喫茶の文字も描いてあった。

 

絵のモデルは里中と天城のようだったが。

 

木の看板には俺が

 

     【メイド喫茶】

 

と刻んでやった。雪柳先生や吹寄は俺の字が上手いと褒めていたが、そんなに俺のうまいのかと、逆に感心してしまった。

 

その後、学校に残れる時間の最大限を使って準備をしていたのだった。

 

俺も毎日何かに駆り出され手伝わされていたのだった。もちろん、自分たちの本来の作業だった看板設置もちゃんといいところに貼り付けられた。

 

 

こうやって10日間の準備期間はあっという間に過ぎ

 

2010・10・28・☁・20:00・静江の部屋・リビング

 

このところ、ほぼ定時に帰ってくる叔母さんが、俺が作った晩御飯を食べてる時に

 

【八幡、明日文化祭でしょ?】

 

【ああ、文化祭だな】

 

【明日休みだし、文化祭に行ってみようかな〜】

 

は?叔母さん、文化祭に来ると言ったか?空耳じゃねえよな?もう1度確認する。

 

【叔母さん、文化祭がどうしたって?】

 

【だから文化祭に行くって言ってるの。どうせ明日休みだからさ】

 

【休みなら家でゆっくり休んどけばいいんじゃないかよ】

 

【なんでそんなに頑なに拒むわけ?】

 

叔母さんの額の何かがピクって動いたような…そうだ、叔母さんって怒らせたら怖いんだった。

 

【あんたのクラスって何やんの?】

 

【メイド喫茶です】

 

【メイド喫茶か、って高校生がやっていいものなの?】

 

【学校側も生徒会も許可してんだからいいんじゃねえ】

 

【今頃の高校はそういうことも許されるようになったのか】

 

叔母さんは、なんだか遠い目をしていた。まさか叔母さん文化祭とかに参加してないのか?母さんから確か、学生時代の頃はやんちゃしてたって教えてもらってたけど本当のことなのか?

 

【おばさん、実は文化祭に出たかったのか?】

 

【は?何の話?】

 

【昔やんちゃしてたんだろ?それじゃあ参加してないんじゃないかって思ってさ】

 

【それって姉さんから聞いたのか?】

 

【まあ、総武高校の文化祭の件でさ、色々あった時に話してくれたんだよ】

 

【私とあんたじゃ文化祭の件、全然違うと思うわよ。私は喧嘩に開けくれていた、あんたは文化祭を成功させようと思って色々と奮闘してたんだろ。ま、それが空回りしたような気もしないわけでもないけど。で、今回の文化祭は楽しめそうなの?】

 

【ま、少なくとも前よりはな】

 

【そう、それは良かったわ】

 

【というか、喋ってばっかだと飯が冷えるぞ】

 

【そうだった】

 

少なくともあの総武高校の文化祭の時よりはるかにマシだな。

 

ただオムライスを作る係になるとは思わなかったが。

 

吹寄から家事をできるかと聞かれたから、まあ人並みにできると答えたのが仇になったな。そこから作らされて、まさかそこの誰よりもうまいもの作ってしまったとは思わなかったが。

 

こんなところで主夫スキルが光ってしまったとは…

 

まあ作るだけだし、接客作業するわけじゃないからいいんだけどな。

 

ーー

 

2010・10・29・☀・08:30・八十神高校・文化祭

 

第〇〇回八十神祭が開幕する。今回は雪柳先生の提案で、ジュネスや隣の沖奈市まで宣伝活動をやったおかげで、かなりのお客さんが見込める感じになった。

 

やはり3年生は飲食店が多いようで、1年は八幡達以外のクラスは、展示物になった。2年生は演劇と飲食店が並ぶ。

 

そんな中、1ー2組のメイド喫茶は宣伝効果回り最初からお客さんが集まってきていた。

 

クラス女子全員によるメイドさん、特に里中、天城、吹寄の人気が高く、それだけではなく、オムライスもとてもうまいという評判が広がり、どんどんとお客さんがやってくることに。

 

八幡は休むこともできず、ずっとオムライスを作っていたのだ。しかし、途中で卵が足りなくなり、急遽、花村がジュネスに買いに行く事態にもなった。

 

花村も何かが足りなくなることを予測して、卵やケチャップ類を全て揃えて買ってきていた。

 

そんな中、八幡の叔母の静江もやって来て、メイド姿の里中達を写真に収めたり、裏方で作業している八幡の姿も写真に納めるのだった。

 

そして15時頃には全て作り終え、メイド喫茶の役目を終えてしまった。八幡達3人は、全て男子だがなぜだか互いに褒め称えていた。それぐらい結束力が出た。戦いでもあったのだった。

 

そして最後は生徒会主催のあの人はかつては高校生だったという企画で、なぜか叔母静江(OG推薦)と雪柳先生(生徒会推薦)、柏木先生(自薦)

 

疲れ果てた八幡達1ー2組の面々から見れば雪柳先生が天使のように見えた。

 

八幡も雪柳先生、まだまだいけるんじゃねえと思ってしまった。叔母静江に対しても同じような感じに思った。

 

しかし花村は八幡の叔母の静江を見て何かが走ったのは花村自身にも分からなかった。

 

この後花村は、小西早紀先輩に行くのだから。

 

それが、約半年後に悲しい結末になろうとは、この時の誰もがそう思わなかったのだから。

 

 

こうして文化祭が盛り上がり、楽しい1日があっという間に過ぎていったのであった。

 

文化祭は大成功に終わったのだった。

もう一度、アンケートを取ります。鳴上悠のヒロインは誰がよろしいですか?

  • 1ー里中千枝
  • 2ー天城雪子
  • 3ー久慈川りせ
  • 4ー白鐘直斗
  • 5ー小沢結実
  • 6ー松永綾音
  • 7ー海老原あい
  • 8ー雪柳綾奈
  • 9ー麦野静江
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