「勝者!!りみりんダディダーティーーーー!!!!!!」
うぉおおおぉぉぉおおぉおおおぉ!!!!!!!
己の滾る感情、譲れない信念をビートに乗せてぶつけ合い、最も熱いバイヴスを持った者が頂点に立つフリースタイルバトル。
抑圧された社会からの反動で弾けるかの如く、全国各地でマイクを通じた魂の殴り合いが女子高生の間で大流行していた。
まさに今は、大ガールズMCバトル時代!!!
オープニング
REP / ZORN
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父「蘭!こんな時間にどこに行くんだ!!それに華道の練習はどうした!!」
蘭「別にどこに行こうと関係ないでしょ!?それに何度も言うけど私は華道なんてやらない!!!!」
父「またMCバトルに行くのか?そんなものやっても何も身にならない。口汚く罵り合うだけで本当にくだらない。早く辞めてしまいなさい!」
蘭「MCバトルはくだらなくなんかない!何もわからないのに、適当なこと言わないでよ!!もういい。私行くから…!!」
蘭は逃げるように家を飛び出した。行き先はいつものクラブ。今日は月に一度のMCバトルイベント「ガールズバトルサミット」が行われるのである。
早くバトルをしたい待ち遠しさと、直前の父との諍いによる苛立ちに突き動かされるように蘭は早足で会場に向かった。
ギィィィ
クラブの重い扉を開け受付に向かうとそこには燃えたぎる炎を連想させるような赤い色の長い髪、スラリとしたスタイルが特徴の少女がいた。
蘭「巴、今日受付だったんだ」
彼女は宇田川巴。蘭と幼少期から行動を共にしてきた大親友の1人。そして、蘭を含む羽丘女子学園に通う女子高生5人組で結成されたラップクルー「AFTER FLOW」のメンバーである。
巴「よう蘭!!今日突然ヘルプ頼まれてさ〜。急遽入ることになったんだ。
それより!!バトル出るんだろ!!頑張ってこいよ!!」
蘭「ありがとう。いつも通り戦ってくる」
親友の見ている手前、絶対、絶対に優勝する。負ける気などさらさら無いがより一層蘭の闘争心に拍車が掛かった。
(今は、とにかくバトルに集中しよう)
控室の片隅で、蘭は誰とも話さず1人で心を燃やしていた。
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司会「赤コーナー!RAN the darkness 入場!!」
(負けない、絶対に勝つ。私の信念は間違ってない。それを証明するために、絶対に勝つ!!!)
蘭は己の存在証明の為に、ステージへと進む。
勝ちは譲らない。全てをかけて相手を叩き潰す。
溢れんばかりの闘争心が蘭の心に宿っていた。
司会「青コーナー ! ワニガメマシーン 入場!!」
ゆっくりとした足取りで入場したのは蘭よりも10cm程小さく、整った目鼻立ちの大人しそうな少女。月ノ森女子学園の制服に身を包み、クラブに足を運びそうにない、いかにもいい所のお嬢様ということが一目で分かるほどだった。MCバトルに似つかわしくないその風貌に違和感を感じる蘭。
(今まで戦ってきた相手と全然違うタイプの子。でも何となく落ち着きがあってただ者じゃなさそう…!でも私はいつも通り、どんな相手でも真正面からぶつかってやる!!!)
司会「それでは戦っていただくビートを聴かせてください!」
♪〜 真っ向勝負 feat. MC☆ニガリ a.k.a 赤い稲妻,KOPERU,CHICO CARLITO,晋平太
観客「うぉぉぉぉおぉぉおおぉぉぉ!!!!」
観客たちの熱が一気に上がる。しかしこのビートにヒートアップしたのは観客だけでは無い。
(よし!私が何度も何度も聴いてきた真っ向勝負!フリースタイルを始めた頃からいつもこのビートで練習してた!この慣れ親しんだビートでいつも通りの私を見せつける!)
運が味方したかのように、DJ Mayatakeが用意したビートは蘭に馴染み深い「真っ向勝負」。
勝つ。観客全員私に手を挙げさせる。自身の勝利を信じて疑わない。
司会「それでは先攻後攻を決めるじゃんけんをお願いします!」
蘭「…決めていいよ。」
じゃんけんをするまでもなく相手に選ばせる。余裕を見せつける。
ワニガメマシーン「どちらでも構いませんわ〜♪あなたこそ決めてくださっても良くってよ〜♪」
誘いに乗ってこない上に動揺すらしていない。登場したときから感じる違和感が増幅する。
(やっぱりこの子ちょっと変だ…!いや、呑まれるな。こんなこと、よくある事…!)
蘭「ははっ。じゃあいいよ。後悔しないでね…!
先攻で!!」
ワニガメマシーン「うふふっ。どうぞ〜♪」
司会「OK!それでは8小節3ターン!DJ Mayatake!か〜ま〜せ〜!!」
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前編 終了