ニチアサでよく見る敵組織の長に転生したんだが…科学とファンタジー両方かよ!?   作:平和推し

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 前回のあらすじ!クリスタレンジャー達は謎の女性に導かれ正体不明の謎の教団へと足を運んだ!
 そこで彼らは何を見るのか!


8話 善意は世の為私欲の為。

 「申し訳ありません、そこのお方?少しよろしくて?」

 「おや?何用でしょうか?」

 「ここにライティという方は…ほぇ!?」

 

 プレハブ倉庫から出てきた白い牧師服にフードが付いた格好の男性に話しかけた黄桜崎だったが、こちらを向いた赤髪の男性の顔を見て驚いた。

 何せその顔はイケメンと辞書を引いたら出てくるような容姿だったのだ。多感な年頃の黄桜崎にとってそんな物を間近に見たのは、衝撃的過ぎて言葉に詰まるのも無理は無かった。

 

 「俺が代わりに聞いてもいいですか?俺たちライティさんにチラシみたいなものもらって、ここに来たんですけど…」

 「ああ、君はもしかして蒼井くんでしょうか?教祖様からお話しは聞いています。よく来てくれましたね。」

 

 信者らしき男性は合点がいった様子で、丁寧な所作でお辞儀をすると…

 

 「私は教祖様に仕える幹部のアルトと申します。歓迎致しますよ皆様。」

 

 そう人の良い笑顔で名乗った。

 

 『浄化世界教』教祖直属の幹部アルト…その衝撃的な正体は秘密結社ダークネスの普通戦闘員である。

 

 

 「「「ようこそ、『浄化世界教』本部へ!」」」

 「「「「「お、お邪魔します…」」」」」

 

 アルトに招かれて、教団の建物に招かれた赤石達だったが、外からは分からない温もり溢れる木張りの内装や、金色の教団マーク(地球を羽の生えた手が包んでいる)、アルトに並ぶとも劣らない美男美女の教団幹部達に、お嬢様の黄桜崎や動じる事の少ない岩井すらも圧倒されてしまった。

 

 「あら〜!赤石君たちじゃないですか!来てくれたんですね!」

 「うお!?ラ、ライティさん…ち、近いです…」

 

 そして奥の方から、何とは言わないが揺さぶりながら駆けてきた教団幹部を含めても頭ひとつ飛び抜けた美貌を持つ教祖…ライティが赤石の手を取って感激しているのか、ブンブンと上下に振ってきた。

 

 「そうですよ!赤石!ほら鼻の下伸ばして無いで放す!」

 「誰が鼻の下伸ばしてるだと!よく見ろよ桃井!」

 「伸びてんじゃない!このバカ!スケベ!」

 

 なんとも青春真っ盛りなベタすぎるやり取りを止めたのはライティだった。

 

 「2人とも仲が良いのは素晴らしいですけど…ここは主の見守る場所…もう少しだけお静かにね?」

 「「すいません!」」

 

 落ち着いたタイミングで蒼井が用件を切り出す

 

 「そういえばこの教団って幹部の人達とライティさん以外には誰もいませんけど…何か理由が?」

 

 その質問に答えたのは、赤髪に小麦色に焼けた健康的なオーラの女性(胸は控えめなのでボーイッシュ系)教団幹部だった。

 

 「それなんやが…勧誘とか一切合切やってないどころか、ここに本部を設立して1週間も経ってないからだーれも来いへん」

 「貴女は?」

 「ウチはアルファ、アル姐でええよ?ちなみにキャラ作りでこの喋り方や。」

 (((自分で言うんだ…)))

 「今、“自分で言うんだ”とか思ったやろ?嘘は良くないからな、早めにゲロったほうがええやろ?」

 

 どうやら此処の人達は善人らしいということが彼らにも分かった。

 

 「まぁ、はい…。でも普通新興宗教って家に押しかけての勧誘だったり、壁にビラを貼ったりするんじゃないですか?」

 「それは他者への迷惑…主はそのような事で得た信仰などお認めにならないでしょう。無意味な献金も、教団の上層からの支配も主はお望みになられていません。個人の判断による自発的な信仰を求めておられるのです。」

 「おいどんが思うにそれは自己啓発セミナーの類いでは?」

 「(内心悪のカルトと疑ってましたが…どうやら信じて良さそうですわね。)この内容なら多少のビラや勧誘はしても良いのでは?」

 

 それを聞いたタイミングで一瞬、教団の人間全員が怪しく笑った気がしたが、赤石達は気のせいだったことにした。

 

 「となると…アルトはん、手始めに動画配信サイトや、SNS(Social Network Service)での宣伝にしよか、この情報社会には便利なツール沢山あるしな」

 「そうですね、これは中々やりがいがありそうです。」

 「申し訳ありません赤石君たち、ちょっと忙しくなりそうだから数日後でも気が向いたらきてくださいね?」

 

 どうやら勧誘についての話し合いをするらしく、赤石達はお土産ですと言われて、さっき焼いたばかりだというドライフルーツの入ったしっとりとしたフルーツケーキを貰って、教団の人達に見送られながら帰った。

 

 

 『…なるほど。クリスタレンジャーは怪しむ事なくそっちの応援をしていたのか』

 「はい、我が主ジルムート様。信者獲得の為にまずは何を…」

 『インターネットでは藁にも縋る者達が溢れている…病然り、自信の喪失による無気力から何かに縋りたい者がな…。なに、簡単な動画と宣伝写真を住所付きで載せて見ればすぐだ…。インチキを暴く自分が正義の使者だと宣う馬鹿でもいい宣伝になるから拒まないようにな…。』

 「なるほど…では先日お伺いしたアレらの治療法も“奇跡”扱いで構いませんか?」

 『寧ろ大いに活躍してくれたまえ、期待しているぞ“聖律卿ライティ”』

 




 次回も楽しみにコメントもよろしくお願いします。
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