ニチアサでよく見る敵組織の長に転生したんだが…科学とファンタジー両方かよ!?   作:平和推し

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 特にレンジャーも魔法少女も出てこない回です。
 主人公側の視点?になります。


12話 ミリタリーはロマンだけど、苦労あり。

 ジルムートは転生者であり、それと同時に悪の組織の長であり、王位を継ぐ者である。

 そんな彼は正義の味方達と戦うための武器や技術の視察に赴いていた。

 

 シャドウワールド某所、大規模な製鉄所(魔法式の炉が使われている)を中心とした軍需工業及び、技術研究所集合地にて

 

 「ようこそジルムート様、第三番武器工場へ。私は責任者のガーハンです。こちらでは近接…つまりは刀剣に代表される武器の製造を全て担っております。」

 

 真新しい作業着を着てヘルメットと防塵マスクとゴーグル姿のジルムートに、炉焼け(溶けた金属の熱や光で日焼けした様なことになる)した使い込まれているヘルメットと作業着の立派な体躯の男性…ガーハンが挨拶をして、工場の見学橋を歩きつつ説明する。

 

 「なるほど…所でアレは包丁?武器以外も作っているのか?」

 「まぁ、我々刃物製造のプロ集団ですから武器以外にも日用品の刃物も作ってますよ。」

 

 見学橋から見下ろすと、ある一角ではプレス機が熱せられた鉄をゆっくりと押し潰し、それを転がして鉄を鍛えている作業員がいて、違う場所では形が出来上がっているナイフを研磨している職人の姿があった。

 

 「大体がこの道百数年の中堅から、数百年のベテランですね。新米も居ますけど、それでも10年も経てば日用品は担当出来ますね。」

 「ほうほう、所で新しく配備予定の刃物を見せてくれるらしいが…具体的にはどんな物になった?」

 

 ジルムートが聞くと、ガーハンはジルムートを事務所に案内して完成品を持ってきた。

 

 「コチラが近接戦闘用のナイフです。刃は特殊加工によりニューナンブM60(警察官の銃)の至近距離射撃程度では破壊不能の頑強さを持つ、粘り強いチタンと鋼の合金製です。機能としては切る機能が主で、刺突はまた別になります。」

 「なるほど…良い仕事だ。」

 

 ジルムートはナイフの取り回しを確認し、その肉厚で先端が僅かに重くなっている刃の出来栄えに満足げに頷く。

 

 「次にコチラ…刺突用短剣…所謂スティレットですが、コチラは頑丈さに特化したタングステン合金の芯材に、魔力との親和性が高い魔法金属のミスリルを被せた代物で、厚さにして50ミリのチタン装甲を貫通しうる性能を持っています。」

 「ほぅ…素晴らしい、ミスリルを厚すぎず、かといって薄すぎるという事も無い見事な仕上がりだ。」

 「光栄です。」

 

 ジルムートは次に軍刀を手に取る。

 

 「そちらの品は刀をベースに製作したサーベル風の拵えで、切断性能は折り紙付きでございます。もちろん柄の部分も手によく馴染み、威力の底上げとして、形を工夫しております。」

 「なるほど…ホッ!」

 

 ジルムートは空中にティッシュペーパーを一枚ふわりと投げると、軍刀を素早く抜刀して、紙吹雪のように格子状に切断した。

 

 「確かに…新品だが手に馴染む。良い物だ。」

 「マジか…全部キレイな正方形に切断されてる。流石はジルムート様です。」

 

 ジルムートはとりあえず斬ったティッシュを旋風で集めてゴミ箱に放り込んだあと、ハルバードを手に取る。

 

 「コレは?」

 「ハルバードにございます。やはり刀剣以外の武器では1番人気と言える程には使い手が多いもので、斬り払う、突き刺す、叩き付けるを実現する為、基本的に両手運用の重量になります。ジルムート様は片手で扱ってますけど…」

 「なんかすまない。だがコレは良いな。…私専用のハルバードも視野に入れておこうかな?」

 

 ジルムートは流れる様な動きで、ハルバードを使用した基本の型を試して元の位置に置いた。

 

 「所で…ずっと視界に入ってるあの武器は誰のだ?」

 「あの大剣ですか?」

 

 ジルムートは壁に立て掛けてある大剣“それは剣というにはあまりにも大きすぎた。分厚く重く、そして大雑把過ぎた…それは正に鉄塊だった”というテキストがピッタリの…ベルセルクな黒い戦士が愛用していたモノに近い…。

 その剣の説明を求められたガーハンは笑いながら答える。

 

 「あちらの剣の柄頭の紋章を、一目ご覧になればわかりやすいでしょうが…アルマリア様の武器でございます。重量200キログラム、刃渡り1.5メートル。タングステンを容易く砕く最強の金属アダマンタイトをふんだんに使用した代物です。更に鍔に魔宝晶を嵌め込み、破壊力を増幅させる魔法付与が施された逸品です。」

 

 ジルムートは驚愕する。

 

 「母さん!?え?何?母さん実は戦略級兵器に匹敵する魔法使いではなく、ガ◯ツとか、クラ◯ドとかの同類の剣士だった!?」

 「ハッハッハ、ジルムート様。アルマリア様は確かに魔法使いですが、それと同時に護身用で剣も使えるのですよ。なので剣の腕前は魔法程ではありません。」

 「魔法封じてもこんな剣使う奴が居たら怖いだろうな…」

 

 母はどんな時代も強し…そう心に刻んだジルムートであった。

 

 その後も高クオリティな武器を紹介されて満足したジルムートは見送りに来たガーハンに労いの言葉をかけて、次の武器工房へと足を向けた。




 
 次も主人公側の視点です。
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