ニチアサでよく見る敵組織の長に転生したんだが…科学とファンタジー両方かよ!?   作:平和推し

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 悪の組織に誘拐された少女…昏井暗奈。
 彼女の目の前に悪の組織の長が現れて取引を持ちかける。
 
 少女の選択は…


20話 復活のR(ロボ太)

 暗奈はロボ太を失い、その原因となったヒーロー達に憎しみを抱いでいた。許せない…いつか復讐を…

 

 しかしながら、そんな暗奈は現在…悪の組織に攫われていた。

 

 …何故かその根城は畳に座布団が置かれ、長机が置かれた田舎の集会所のような場所だったが。

 

 「どうぞ…冷えた麦茶です。」

 「こっちはカルピスです。」

 「個人的にはこのポンジュースです。」

 「瓶ラムネです。」

 「お茶請けのお煎餅です。」

 「動物◯ーチです。」

 「フルーツゼリー*1です。」

 「雪◯宿です。」

 「チーズアー◯ンドです。」

 「ル◯ンドです。」

 「ファ◯リーツナです。」

 「ミ◯クケーキです。」

 「しょうゆ飴です。」

 「クッピーラムネです。」

 

 そして何故だか構成員達が大量のジュースやお菓子を暗奈の前に置いていた。

 

 「(センスが古い…と言うか懐かしいヤツばかり…)えっと…悪の組織の方たちですよね?」

 「「「「「ハイ!!」」」」」

 「…田舎の祖父母の家では無く?」

 「「「「「違います!悪の組織です!」」」」」

 

 暗奈は1日の情報量の多さで目が回りそうだった。

 

 (親友のロボ太を失い、ヒーローを憎み、悪の組織を知り、誘拐され、お菓子を貰い、それが全部渋いセンス…何コレ?)

 

 暗奈がとりあえず麦茶を飲んでいると、廊下の方から足音と機械音が聞こえ、構成員達と暗奈がそちらに目を向けるとスライドドアを開けて入ってきたのは…どう見ても悪の組織の長としか形容できないツノが生えた男が紙袋を引っ提げて立っていた。

 男は開けた扉を閉めると自分の脱いだ履き物を揃えてから畳に上がり暗奈の前に座って話しかけてきた。

 

 「…君が…暗奈という少女だね?私の名はジルムート、“秘密結社ダークネスの長であり、ダークネス帝国君主だ。そして…この度は本当に申し訳ない!」

 「え、え?」

 

 困惑する暗奈の前で頭を下げたままジルムートは言う。

 

 「ロボ太君の事は私達の所為でもある。君の周辺環境をもっと良く監視しておけばこんな事には…」

 

 暗奈は慌て言葉を紡ぐ

 

 「いえ!私も迂闊でした…むしろロボ太が私みたいな地味で根暗な子と友達になってくれた事が…事が…うぅ…。やっぱり…寂しいなぁ

 

 俯いてしまった暗奈を心配する悪の組織一同。

 

 「…大丈夫か?」

 「お菓子食べな?」

 「ジュースあるよ?」

 「すいません…でも、もうロボ太と会えないなんて…」

 「会えるぞ?何なら来てるぞ?」

 

 ジルムートの発言に暗奈は顔を上げた。

 

 「え?それってどういう…」

 「ロボ太は人じゃなくロボット。つまりは記憶媒体(メモリー)があるわけだが…その媒体を幹部の一人が爆発したロボ太から回収して、新しい身体に入れると…」

 

 扉が空いて機械音を立てながら暗奈の前に見知った…しかしもう会えないと思っていた存在が現れる。

 

 「コウシテ五体満足、全くノ無傷デ復活するトいう訳デス。」

 「ロボ太!!」

 「暗奈さん!」

 

 親友はここに再会を果たした。

 

 「「「「「イイハナシダナァ…」」」」」

 「うぉ!?びっくりしたぁ…まぁ、そうだな。本当に…()()()()()()。」

 

 

 親友二人が再会をひとしきり喜びあった後、ジルムートは暗奈に取引を持ち掛けた。

 

 「そういえば暗奈くん、君には少し頼みたい事があるんだが…聞いてくれるかい?」

 「えっと…何ですか?」

 「クリスタレンジャーを潰したいから、我々秘密結社ダークネスに所属してくれないか?無論タダとは言わない。衣食住やらの面倒はこちらで見よう。」

 

 ジルムートの問いに暗奈は迷う、この提案は人類を裏切る事になるかもしれないし、結果多くの人が悲しむ事になるかもしれない…が、悩む時間はすぐに終わり、決意を決めた目で返答する。

 

 「私はもう学校とか親とかどうでもいいんです。ロボ太と一緒にいられるなら…喜んであなた方の仲間になります。」

 

 ジルムートは満足そうに笑うと立ち上がり、握手をする。

 

 「よろしく、暗奈くん。我々秘密結社ダークネスへようこそ。心より歓迎させてもらうよ。」

 

 

 

 ジルムートの執務室にて…

 

 椅子に座って報告書を読んでいたジルムートの背後から、手を伸ばしてきた者の手を軽く叩いて引っ込ませたジルムートは背後を振り返りつつ会話をする。

 

 「にゃんこクロちゃん(はぁと)か…悪いが遊んではやらんぞ?」

 「ボクのことはにゃーちゃんでいいですニャ。にしても…ジルムート様は上手くやりましたなぁ?」

 

 するりと現れてジルムートの膝に頭を乗せて撫でて貰いながら、にゃーちゃんは言う。

 

 「何のことやら…(喉がゴロゴロ言ってるな…)」

 「だってぇ…《《昏井暗奈の母の恋人の仕事を“聖律卿ライティ”の奇跡に夢中な信者達に上手く行かせる様にそれとなく指示をして、暗奈の母を羽振りの良くなった恋人が自宅に引き入れる為の下地を作り、同じく信者の警察の上層部を利用して周辺住民の通報を黙らせて、ロボ太と暗奈の友情が生まれるまでの時間を稼ぎ、クリスタレンジャー達にロボ太と同デザインの単なる戦闘目的の連中と前日に戦わせて戦いから引かない様にしたり、そのロボット達もあえて一般人相手に殺意高めの行動をさせてクリスタレンジャー達から容赦をかけない様にしたり》》…すごいと思いますニャ。」

 「俺は利用しただけだ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()…そんな単純な物を利用した割には…得るものはデカいな。何せ…クリスタレンジャーの正義を通す意思が揺らいだのだから

 

 ジルムートはにゃーちゃんを撫でながらニヤリと笑うのだった。

 

*1
オブラートに包まれた四角いゼリーのお菓子




 
 なにか懐かしいお菓子があればどうぞ
 次回も楽しみに!
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