ニチアサでよく見る敵組織の長に転生したんだが…科学とファンタジー両方かよ!?   作:平和推し

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 一般の人などから見た『浄化世界教』についてです。
 大体こんな感じに受け取られてるんじゃ無いかなぁと描きました。

 戦隊や魔法少女は出ません。


25話 ニチアサ世間における、とある新興宗教について

 とある総合病院にて、病室に横たわる老人の周りには、老人の娘である女性、担当医と思しき白衣を着た男性、そして病院ではなく教会が似合いそうな神官服を着た二人の男性と老人に掌を翳している美しい女性がいた。

 

 やがて女性が手を翳すのをやめると、老人はパチリと目を開いて自分の身体を触って確認する。

 

 「おお…身体のあちこちにあった痛みが消えました!」

 「信じられません…末期がんであった筈の患者が健康体に…」

 「ありがとうございます!父の体にあった病巣が無くなりました!」

 

 そう言われてニコリと慈悲深い笑みを浮かべた神官服を纏った女性は頭をゆっくりと下げる。その姿は格好も相まって祈りを捧げる敬虔な信徒の宗教画の様だった。

 

 「いえ、私は己に出来る事をしたまでの事…それよりもお父様を大切になさってください。今まで我慢させていた事なんかを家族の皆様と思う存分に…」

 

 自分の奇跡としか表せない偉業を誇る事なく、コチラを気遣って“家族との思い出を沢山作って幸せに過ごして下さい”と声掛けするその姿勢に、老人と娘、そしてその女性の奇跡をその目で見るまで懐疑的だった医師は“聖人とはこの様な人なんだ”と思った。

 

 

 

 『浄化世界教』と呼ばれる新興宗教団体が存在する。

 

 よくありがちな勧誘活動、布教という名の迷惑の押し売り、高額な会費や商材なども存在せず、ひっそりと設立されていたその宗教団体は女性教祖の元、幹部と呼ばれる設立メンバーのみの小さな団体であった。

 

 そんなすぐにでも無くなりそうな団体を有名にしたのは、SNSにて投稿された動画だった。

 種や仕掛けをいくら考察しても不可能としか判断できない瞬間移動、生まれついての肌トラブルに悩んでいた青年の肌を一瞬で卵肌に変えるなど…。

 合わせて十分にも満たない様な動画は人々の好奇心や関心、そして猜疑心を掻き立て、真実を追い求めた人々は、なんの偉業も特異な力も無く数十年を生きているだけの詐欺師と変わらない、世の中の新興宗教の教祖とは一線を画した文字通りの“奇跡”を操る教祖とその配下である幹部の力を目の当たりにした。

 

 人々がその偉業を見る、体験する、語る、広める。まるで神の子の再来の様に誰もがその奇跡を語り広めた。

 

 例えば…

 

 毛根が壊滅して絶望的なハゲが治ってフッサフサになった。

 

 辛かった花粉症の症状が消えて検査したらアレルギー体質が治っていた。

 

 無くなった腕が生えた。

 

 事故で足を切断したサッカー選手が復帰した。

 

 生まれついて光を見ること叶わぬ目が光を感じて物が見えた。

 

 糖尿病完治した。

 

 メタボが解消された。

 

 余命宣告されていたガンが治って、妻ともう一度ちゃんとした結婚式を挙げられた。

 

 イジメられる原因だった顔の火傷痕が消えて彼氏と大勢の友達ができた。

 

 安楽死を視野に入れる程の怪我をした競走馬達をヘリで飛んで来て治してくれて、もう一度彼等と自分達に(レース)を見せてくれた。

 

 酷い日照りを止ませて雨を降らせた。

 

 脊椎損傷して動けなくなった若いスポーツ選手を治して、もう一度試合をさせてくれた。

 

 ボロボロになってしまった祖父母ゆかりの品を時間を巻き戻したかの様に綺麗にしてくれた。

 

 などなど…まさに“奇跡”としか形容できない偉業ばかりであった。

 

 そんな“奇跡”を行使する彼女の名は…ライティ。

 

 人々は彼女と、彼女と同じ奇跡を行使する幹部達に夢中になった。その熱気は音楽活動をしているアーティストやハリウッド俳優などに並ぶほどであり、なんならアーティストやハリウッド俳優達も夢中になっていた。

 

 本拠地である日本だけでは無くロシア、アメリカ、中国、ヨーロッパ諸国、そこに住む人々すらその奇跡を受けるためだけに日本へと渡った。

 

 入会の強制も無い、厳しい戒律も、無理な献金も存在しない教団であっても誰もがその恩恵にあやかろうと改宗した。

 教祖や幹部に嫌われたく無い、見捨てられたく無くての一心でどんな人でも親切であり困った他者に手を差し出せる様な、日本の規律を乱さぬ様に生きる外国籍を変えて日本国籍になった人々によって日本の少子高齢化すら変化が起きた。

 

 信徒となった人々の献金額は世界から集まった事もあり、大企業にも負けぬ程の金額で、そのお金で『浄化世界教』は全国に支部を作成し、孤児院や養護施設などの資金援助や、さまざまな難病研究所に惜しみない支援を行い、その活動や活躍はクリスタレンジャーすら霞んで見えた。

 

 無論彼女達に良い感情を抱かない者もいる。

 

 その筆頭とも言えるのがクリスタレンジャーを擁する『セブクリス研究所』である。

 セブクリスエネルギーの負の面である“ダークリスエネルギー”より産まれた怪人、怪獣退治と『秘密結社ダークネス』との戦いなどから世間から尊敬されていたこの研究所は、現在では批判が多数寄せられる程に落ちぶれていた。

 

 よくわからない税金を使いこんで何をしているのかが、一切分からないので不気味。

 

 被害者への補填が少なく、訴えてもあらゆるところから圧力がかかってきたので棄却をせざるを得なかった。

 

 下手くそな倒し方で怪人による被害が拡大した。*1

 最新の技術が一般向けに実用化と宣伝しているのに利用は大量の手続きと金が必要なので一般人には受けたくても無理。

 

 そもそも未成年を戦わせているのが理解できない。

 

 ダークネスとか怪人対策とか理由付けて金が欲しいだけの贋物。

 

 かつてであればあらゆる方面のお偉い方々に頼むことで、消してきた様々な批判はそのお偉い方々が『浄化世界教』に入信していった事で、消していくのが困難になり表面化してきた。

 そんなわけで『セブクリス研究所』は『浄化世界教』を一方的に恨んでいるのだ。

 

 

 尚、研究所の所長は自分の息子がその教団の教祖と仲がいい事や、自分の事を尊敬してくれなくなってきていること、教団が悪の組織の一部である事、そもそもこの一連の流れが秘密結社ダークネスの長期的な策略である事を一切知らず、知ろうともせずにチヤホヤされている教団の教祖へ恨みを積み重ねている事を気付く事は無いのであった。

*1
花粉四天王の一件




 ヒーローは勝つために正々堂々気合いと全力で勝負します。
 悪の組織は勝つために、負けを研究し、相手を知り、己の組織の力量を図り、努力し、相手の影響力を削ぎ落とし、周囲を味方につけ、暴力に頼らない盤外戦術を仕掛け、罠を張り巡らせ、相手に疑心を植え付け、急所目掛けて一気に畳み掛ける。

 ジルムートはパワー頼りだった祖父や父とは違って、臆病者らしくコレらを最低ラインとして活動しているので、多少有利です(当社比)

 次回も楽しみに!
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