ニチアサでよく見る敵組織の長に転生したんだが…科学とファンタジー両方かよ!? 作:平和推し
その内容とは…
セブクリス研究所及び発電所は『クリスタレンジャー』の本部である。
世界の平和を守り、人々の笑顔を生活の為にこの施設では、日夜様々な人が…ほとんど休む事なく働いていた。
それは新年最初でも変わらない。
同施設作戦司令室にて、暗めの室内にあるパソコンやモニター前では、死んだ魚の目をした職員達が、クッション性を犠牲にデザインを重視した椅子に座って作業を淡々と行っていた。
もちろん作業中に様々な会話をしてはいるものの…
「なぁ…お前って何連勤目?」
「?悪い…なんて言ったか聞こえたけど、今ボーとして理解できない。エナドリ飲まなきゃ…」
「オイオイ…それは空の缶だぞ?」
「そうだった…」
「「アハハハハ…」」
「アレ?このプログラムってこれで良いよな?バグは…無い。無い?そんなはず…でも…、眠い…これこのままでいいのか?休みた…いや、そんなはず無い…バグがあるはず…やっぱり無い…、そんな訳無い!あるはず!ああああ!!」
「ブツブツ…フヒッ、ブツブツ…ヒヒヒ…」
「誰のイタズラだ?照明が黄色でしかも増えてるぞ?」
「ティッシュおいしい」
言葉では最早言い表せ無いほど悲惨極まりない状態だった。
そうしてデスマッチ…もといデスマーチしている彼らの後方では、所長の赤石博士が政治家と電話をしていた。
「はい…え?その日付だと…今年度からは防衛省の下に!?冗談はよして下さいよ。え?本当に?なんで…未成年者を利用して私的武力組織が生まれているって…このままだとテロリスト予備軍に…ちょっと待って下さい!?それに関しては前々から話し合いを…え?そんなの知らないって?何を…あっ!?切れた…クソが!!」
苛立ちながら電話を受話器に叩きつけた赤石博士に、恐る恐る部下が話しかけた。
「しょ、所長?今のは一体…」
「なんでも無い…」
「いや、それは流石に…」
「黙れ!私が問題ないと言ったんだ!お前風情が口を出すな!」
「…ッ!えぇ…わかりました。失礼しました。」
ヒーローの裏役である彼らが、いつものようなやり取りを繰り返していたその時、司令室の大型メインモニターが突然砂嵐に変わり、職員達は一斉にそちらの方に目を向けた。
「なんだ!?」
「故障か?勘弁してくれ…」
「違う!システムに侵入された!ハッキングだ!」
「「「ダニィ!?」」」
そしてメインモニターに1人分の人影が映し出された。
背景の光が強くてシルエットしかわからないが、その人物が何者かはすぐに明かされた。
『クックック…初めましてだな赤石博士と職員の皆さん』
「貴様は何者だ!」
『私は秘密結社ダークネスの長…とだけお答えしておこう。』
「な!?ダークネスって…」
「目的は一体…」
『目的?そんなもの決まっているだろう…』
職員達はゴクリと唾を飲み込んで、ダークネスの長の言葉を待つ。
これほどの事をして、様々な怪人や怪獣、改造人間などの脅威を振り撒いていた組織の長は一体何が目的なのか?と…
『新年あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。』
「「「は?」」」
それは…新年の挨拶だった。
「は?何を言っているんだ?」
『?新年の挨拶に決まっているだろう?日本人とは宗教のイベントはちゃんぽんしているし、こういう年中行事を大事にすると聞いているのだが…もしかしてあれか?カレンダー見てないのか?』
「どこに…どこに新年の挨拶をハッキングしてまで伝えてくる悪の組織があると言うんだ!!」
赤石博士が頭を掻きむしりながら、叫ぶがダークネスの長は特に気にした様子も見せずに続ける。
『本当は年賀状とかも送りたかったんだが、検閲されそうだからやめたわ』
「「「年賀状まで!?」」」
「敵なのにコッチに詳しすぎる…」
「もう半分は日本人だろこの長…」
職員達は呆れた様な口調で言ったが、次の長が言った言葉に驚愕することになる。
『それにしても新年から仕事とは…ウチとあまり変わらないんだな』
「やっぱ悪の組織だな!」
「労働環境も同じなのか…」
「(それはこの組織もブラックなのでは?)」
『因みに今ウチでは新年お年玉ボーナスの配布してから、みんな家族とか連れて社内の餅つき大会とかをやってるぞ?コタツに積むためのミカンもダン箱レベルで配布するし…年明け前は4日の休みと年越し蕎麦と鏡餅の配布もやってるぞ。希望者にはおせち料理とお酒の配布もやってる。』
「「「「は?ハァァァ!?」」」」
「なにそれクッソ羨ましいんだけど!?」
「どこが悪の組織だよ!?」
「労働環境同じじゃねぇし!?」
「こちとら年末年始も缶詰なんですけど!?」
「おうちかぇりたい…」
「お、お前たち!惑わされるな!相手は悪の組織だぞ!?虚言に決まって…」
「「「「黙れェ!!」」」」
「ゴミ上司が!」
「くたばれ!」
「もっと金払え!もしくは休ませろ!」
するとモニターから長とは別の人物の声が聞こえてきた。
『ジルムート様?まだやってるんですか?みんな待ってますよ?』
『え?勝手に始めても良かったんだけど?』
『それをするなんてとんでもない!ジルムート様は我々の誇るべきトップ!皆貴方様を心待ちにしております!』
『お前たち…フッ、と言うわけで今回はこのくらいにしておこう。さらばだ赤石博士とその部下達よ!あとアドバイスすると一斉に辞職届と訴訟起こせば逃げられないぞ!』
「「「「あざっす!」」」」
「お、お前たち!?」
こうして悪の組織との直接的なやり取りを終えた『クリスタレンジャー』の本部は大混乱に陥ったが、その内容が割とどうしようもない事だったのは関係者のみ知る事実であった。
仕事疲れには絶対気をつけましょう!(n敗済み)
次回も楽しみに!
あとだんだんガチな作戦やります。