ニチアサでよく見る敵組織の長に転生したんだが…科学とファンタジー両方かよ!? 作:平和推し
彼らの進撃はこれからが本番だ。
【アメリカ合衆国ワシントンD.C.ホワイトハウス】
アメリカ大統領は地下のシェルターへと移動している中、先程の報告を聞いて恐れ慄いていた。
…ように見えたが内心は冷静に思案していた。
『太平洋にてアメリカ合衆国海軍艦隊及び、共同作戦に参加していた国家の艦船全て轟沈』
『敵組織は“魔法”を行使している』
「(何を馬鹿な…とでも言っておこうか?いやベタすぎるか?…現状としてダークネスは…いや、あの方々は私に提案してきた計画通りに艦隊を殲滅した。ならば私にできるのはここで最後まで国民思いの大統領を演じ切るのみ!それさえできれば不老不死化が…人間の永遠の夢が我が手に!)クソ…よくも我々アメリカの勇者達を…許さんぞ…」
「大統領…お気持ちはお察し…」
「黙れ!連中には“叡智の炎”をくれてやる!」
「「「な!?」」」
「お待ちください大統領!そんな事をしては…」
「そうです!この世界が注目するタイミングで核の使用に踏み切ればとんでもない事態に!」
アメリカ大統領は側近達に恐ろしい形相で凄むと史上最悪にして最強の兵器の使用に踏み切ろうとする。
だが、それは全て演技である。
彼がダークネスと交わした契約はアメリカの戦力を出来るだけ多く生け贄として捧げることである。
『君にとっては非常に苦しい決断となるだろうが…期待しているよ。大統領殿、成功の暁には若かりし君の肉体と不老不死、そしてダークネスの支配下になった北アメリカ全てを統べる大総督として、再びアメリカの覇者と成れこの我々…ダークネスの元に!』
「(そうだ!私はここにいる愚か者どもとは違う!私はあの方々のお力添えで神にも等しい絶対者に生まれ変わるのだ!)ならばどうしろと言うんだ!連中にまた船をぶつける気か!?却下だ!」
その時、国防省からの通信を聞いていた職員が血相を変えて報告しにきた。
「大統領!偵察衛星からの最新の情報です!敵が飛行船らしき物と共に基地から我が国目掛けて飛行を開始しました!」
「「「なんだって!?」」」
映像では巨大な飛行船が米国に向かって飛翔を開始している光景が映っていた。
「到達予想地点はアメリカ西海岸!サンフランシスコです!」
「なんだと…それなら好都合だ(聞いていた通りだ…此処で私がやるべきは…)アメリカ中から軍をかき集めろ!陸軍空軍全勢力を賭けて我々の国土を踏み荒らす賊どもを叩き潰せ!」
「りょ、了解!陸軍空軍に通達!米国の威信に賭けて奴等に後悔させてやれ!」
「「「了解!!」」」
こうして米国は大統領という恐るべき裏切り者の指導の元、ダークネスに捧げる生贄として海軍に続いて陸軍空軍が選ばれた。
【ロシア連邦モスクワ、クレムリン】
ロシア大統領もダークネスに買収されているため、アメリカ大統領と似たような事になっていたが、コチラの場合はもっと過激だった。
「国家非常事態宣言だ!我がロシアの国土を守る為にあらゆる戦力を用意しろ!これは命令だ!」
「ですが大統領…アメリカも我が国も海軍は壊滅です。原子力潜水艦はまだ残っていますが、他国の蠢動を許してしまえば…」
「黙れ!お前を前線指揮官にしてやろうか!?五階級は上げてやるぞ!」
大統領は側近の胸ぐらを掴み上げ怒鳴る。
「ッ…!わ、分かりました大統領!今すぐに出撃準備を進めます!スペツナズはどう動かしましょうか?」
「精鋭だけをクレムリンに残して出撃させろ。」
大統領は革張りの椅子にどかりと座って内心ニヤリと笑う。
(あの方々は“優秀な人材なら誰でも不老不死化させる”と言っていた…だが!選ばれた権利を享受するのは私だけだ!新たな人材など不老不死になればいつでも選べる。私以外にこのロシアで不死の皇帝となれる人材など出してたまるか!)
ロシア大統領はダークネスの取引で“今の側近の不老不死も可能”と提示されていたが断っていた。
全ては自分が不死の皇帝…ユーラシアの覇者、ロシアの絶対的支配者として君臨する為、今まで仕事を任せたりしてきた側近すら自身の輝かしい玉座を狙う邪魔者として考えている独裁者のような考えに取り憑かれていた。
「(私こそがこの国の王に等しい存在だ。私こそが選ばれた人間なのだ)早くしろ。我が国の為にな…」
【ダークネス帝国帝城】
ジルムートは母アルマリアとお茶をしていた。
「全く…あそこは技術力を見せつける場だったんだけど…母さん個人の方が注目集めてるじゃん。」
「ごめんなさいね。…はりきっちゃった!」
そう言ってペロっと舌を出して自分で頭をコツン☆!と叩くアルマリア。
外見年齢10代なのでギリ痛く無い…はず。
「そういえばジルムート?各国の権力者達に、不老不死化って言っていたけど、本当にやるの?」
ジルムートは母親の問いに答えた。
「まぁ近いかな?正確にはシャドウワールドの住人と同じ肉体になってもらう予定だよ。ライトワールド側で総督として活躍する為にね。」
「でも…本当にうまく行くの?」
「行くさ。何せ“記憶を消去して忠実な部下にする”っていう裏条件に質問されてないからね?彼らは上部の“不老不死化”と“総督”のワードは気になっているけど、裏に何がある?って聞いてないまま、我々との契約書にサインしてしまったんだから。」
ジルムートはそう言って笑うと茶菓子を噛み砕いた。
上手い話は良くよく聞いてから!
次回も楽しみに!