ニチアサでよく見る敵組織の長に転生したんだが…科学とファンタジー両方かよ!? 作:平和推し
オカン最強説。以上!
プリスタガール達との戦いが(強制的に)終わり、ジルムートは城のテラスで母と紅茶を飲んで反省会をしていた。
と言うより、お茶会ついでに反省会をしていた。
「母さん、その…前の戦いは正直言ってやりすぎだよ。確かにヤミーズが強くなり過ぎな所はあったけどさ?自分の方に来たからって横槍で倒すのはちょっと…」
「ごめんなさいね…ママどうしても息子にいい所を見せたくって…」
そう言いながら手を顔の前で合わせて謝るアルマリア、その様子は側から見れば若いカップルが仲直りする光景に見えるだろうが、実際はシングルマザーと息子である。
「母さんを責めるつもりは無いけど…やっぱり彼女達の成長する機会が失われたのは大きい…ん?これを心配するのって悪の組織長として正しく無い?」
「ママの意見を言わせてもらうと、人として大人として最低限子供達には丁寧に向き合う事が面子よりは大切よ。」
「じゃあいいか気にしないで」
全く良くは無いが、平均寿命千年のシャドウワールドの住人である彼らにとって、割と少ない若人の教育は大切との常識があるため、ツッコミは入らなかった。
「そういえば、ジルムート?ライトワールドの情報発信機関の把握ってどんな感じ?あのクリスタレンジャーとか言う奴らのシンパなんでしょ?」
マフィンをハムハムと食べながらアルマリアは尋ねる。
「シンパって…まぁ一応上層部に俺たちの事は知られているが、内部に潜り込んでる諜報の報告だと、上の連中に俺たちの開発した手術の話をチラつかせたら落ちる可能性は高いらしい。」
「手術って…怪人化?それともあの若返り?」
「後者の方、まぁ怪人や人体改造の研究でできた技術だから怪人化もあながち間違いでは無いんだよな。」
ジルムートは報告書を魔法で浮かばせながら、紅茶を啜ってクッキーを口に放り込む。
「どうして私より年下の人間達は若さにこだわるのかしら?」
ジルムートの浮かした報告書を手元に呼び寄せ、流し読みながらアルマリアは疑問を口にする。150歳過ぎの彼女にしてみれば、平均寿命80歳程度の人間が20歳頃の肉体に固執する理由が分からないのだろう。
シャドウワールドの住人達の肉体は800歳から老け始めるので、より理解が及ばないということも理由だろうが。
「まぁ、俺たちからしたら大した事では無いけど、人間達は何世紀にも渡って欲してきた正に垂涎の代物だからね。それ以外にも癌の完全治療法、白血病の治療法、狂犬病の治療法、ステージの進んだ糖尿病の治療法、後は要らないとは思うけどハゲとメタボの治療法とかも、上層部の人間を釣るエサになるから。」
「私は貴方を産んで良かったって心から思うわ。実際には…あの人の言っていた“しけんかんべいびー”?なんだけどね。」
「俺も母さんの子に生まれて良かったよ。」
2人はひとしきりお茶会を楽しむと、次なる作戦に向けて行動を始めた。
とある高校にて3人の男女が屋上で会話をしていた。
「ハァ…クリスタレンジャーとしての戦いって疲れるモンだな。」
「どうした赤石?お前らしくねぇ。」
「まぁ、最近野良と思しき怪人だけですぐに戦闘も終わっちゃうからね。やる気が起きなくなってきてるんじゃない?」
彼らの正体はクリスタレンジャーのリーダークリスタレッドこと赤石、クリスタブルーの蒼井、クリスタピンクの桃井である。
彼らは最近ぶっちゃけ暇だった。暇と言っても戦闘があまり無いというだけで、全国のファンに挨拶したりテレビに(コスチュームで)出演したり、アイドル的な活動はしているのだが、髪色から分かる通り熱い青春を楽しみたいお年頃の赤石は、もっとヒーローらしい事…敵とのバトルを望んでいた。
「ハァ…学校近くに怪人でも出ないかなぁ…」
「「アハハハ、そんな都合よく…」」
ドゴオォン!!
「ヒャッハー!俺は怪人デス・茶漬け様だぁ!」
ドクロのあしらわれたお茶碗から手と足が生えた怪人が爆炎をあげて学校近くに戦闘員達と共に現れた。
「「ウソォ!?」」
「よっしゃ!俺は行くぜ!」
いても立っても居られなくなった赤石は素早く駆け出して怪人の暴れる現場に走って行った。
「ヒャッハー!これでも食らえ人間!」
「ギャァァァ…?いやコレお茶漬け!?」
デス・茶漬けが手から米と野沢菜の漬物と緑茶の混合物(50℃)を発射して道行く人々に吹きかけ、その様子を戦闘員が『写◯ンです』で撮影するという
「クリスタレッド参上!覚悟しやがれ怪人!」
「ナニィ!?もう来たのか!ヤレい!戦闘員!」
「「「キェェェ!」」」
戦闘員達は特殊警棒を顔の横に構えると、猿叫をあげて突っ込んできた。
「チェステェェエ!!」
「危ねぇ!?」
波状攻撃となって薩◯ホ◯ワーツ式“ゑくすぺりあむず”がレッドに襲いかかって行くが、レッドは内心は冷静にその辺のパンピーとは違う身のこなしでかろうじて避けて行く。
「「クリスタショット!」」
「「「アバー!?」」」
そこに駆けつけたピンクとブルーの持つ『クリスタシューター』(よくある光線銃)から放たれたエネルギー弾を喰らった戦闘員達は見事な飛びっぷりで退場(帰還)していった。
「助かったぜ!」
「無茶するなリーダー!」
「そうよ!大人数相手に1人は無謀よ!」
そう言いながらピンクとブルーはレッドの隣に並び立つ。
1人となった怪人は怒りで頭から湯気を出しながらも、臆する事なく睨みつける。
「俺様を止める気か?やってみせろ!」
「行くぞ怪人!」
そしてレッドと怪人は互いに走って拳を突き出し…
ガチャン!!
陶器製のボディを持つデス・茶漬けは普通に砕け散った。
「こんなバカなァァ!」
デス・チャズケ=サンは断末魔を上げてしめやかに爆発四散した。
次回に主人公の作戦が始まります。