無双チックな感じで。
では、タイトルコールを。
ソワレ「戦争その4 狂犬と宵闇のアンジュ来る!」
ビリー「始まるぜェッ!」
「AreyouOK!」
テリーが叫び声を上げてギースのクローンの一体の上半身に拳をめり込ませた。
「BUSTERWOLF!」
続いてめり込んだ拳から気を爆発させる。現在のテリーの1on1最強技、バスターウルフ。
それがギースの上半身を吹き飛ばす。後ろから飛びかかるギース達も振り返り様にライジングタックルで蹴散らし、そこへきりもみ回転しながらの飛び込み蹴り、超烈破弾でアンディが飛び込み、巻き上げられたギース達を行動不能まで追い込んでいく。
「やはりコイツら意識がない!」
「ha!大方あのロボット共と一緒なんだろうぜ!ジョー!任せたぜ!OK?」
言いながらテリーが首根っこをひっつかまえたギースをジョーに向かって放る。それを待ち構えたジョーは大きく屈み込んでパワーを溜め、
「タイガーキーック!」
跳躍しての膝蹴りを繰り出す。
勇躍するサウスタウンの狼達ではあるが如何せん敵の数が多い。暫くの後数に任せた猛攻に圧され始めた。
アンディは小柄故に一撃に重さが足りず、ジョーも竜巻の軌道を読まれ始めている。
テリーも拳を満足に引き絞ることができないでいる。
彼等の苦境は始まったばかりなのだ。
・・・・・
「サイコボール!」
「超球弾やア!」
アテナと拳崇が同時にはなった光弾がクローン京たちを吹き飛ばした。そこへアルバも
「行け!」
と気功波を飛ばして追撃する。
「アテナ!なんやったらお前も中で隠れとってええねんで!」
クローン京の顎をカチ上げながら拳崇が忠告するとアテナはムキになったように
「そう言う拳崇だって隠れてていいのよ!」
と言い返す。どうも退かせることが無理だと思った拳崇は苦笑未満の表情を浮かべて倒立、回転しながら飛び上がってクローン京たちをまとめて巻き上げた。
「しゃーないなあ…ほな、わいの近くから離れるんや無いで!ちょっと離れたら守りきれるかどうか分からんさかいなあ!」
叫びつつも精神が高揚しているのか口の端が上がっている。思い人であるアテナを守れる上にこの様な面白い戦い。
口元がほんの少しだけ笑んでいるのは彼の格闘家の部分がこの戦いを楽しんでいるからだろう。
「開門雷神拳!」
アルバの十八番がクローン京をまとめて吹き飛ばし、三人が固まる。
「アテナ、頼むで!」
「うんっ!シャイニングクリスタルビット!」
アテナの髪飾りからいくつかの部品が分離し、周囲を飛び回って彼等の身を守る。その中からの超球弾。
完璧なコンビネーションでクローン京を薙ぎ払っていく。と。アルバが何かを感じた。
「来る!」
焦ったように飛び回るビットの外に飛び出して両腕をクロスさせるとそこに革製のブーツが叩き込まれた。
ガードの上から吹き飛ばされたアルバが着地して蹴りを放った闖入者を見据える。
「来ると思っていたよ、ソワレ。」
青いデニムジャケットを素肌の上に羽織った双子の弟が一言も言わずに双子の兄に襲い掛かる。
兄が赤いジャケットの裾を翻して蹴りを受け止め、流麗な動きで弟に拳を繰り出す。
右頬をとらえた一撃でほんの少し後ろに下がった弟が兄とにらみ合う。
「さて、と…どうやって目を覚まさせるか…」
「……」
「一度倒すしか、なさそうだ、済まない。手加減は…」
「……」
「してやれそうもない。行くぞっ!」
「…!」
同時に踏み出した赤と青の兄弟の影がぶつかり合った。
・・・・・
テリーは何匹目か分からない苦虫を噛み潰していた。
「ハアッハアッ…くっ…POWERSTREAM!」
地面に拳を叩き付けて周囲を取り巻くギース達を吹き飛ばしたがエネルギーの余波でおぼつかない足取りのアンディとジョーも体勢を崩してしまった。
「うっ…斬影…ガハッ!」
「スクリューアッパー!ゴフッ!」
斬影拳を出そうとして烈風拳を喰らい崩れ落ちるアンディとビクトリーアッパーを繰り出した姿勢からそのまま倒れ込むジョー。
「しまっ…くそっ!ROUNDWAVE!」
周囲に気の壁を張ったがそれすら弾幕になり得ず、真空投げを喰らってしまう。その先で別のギースが待ち構え、羅生門の構えを取っている。
(くそっ!ここまでか…!?)
しかしその時
「おらああああああああああああああっ!」
横合いから飛んできた赤い衝撃が構えたギースを吹き飛ばした。
「…ッ!」
一拍遅れて地面に叩き付けられたテリーにその影が言葉をかけた。
「らしくねえじゃねエかよ、サウスタウンヒーローさんよォ。」
「なっ…!?お前…」
「あんなまがいモンに手こずるたあな。おい、ギース様を冒涜したあいつらを倒すんだろ?手エ貸してやっから早く立てよ。」
「ビリー!」
ギースの右腕と謳われた狂犬、ビリー・カーンはそう言うとあまりにも無造作に2.3体まとめてギースのクローンを腰の高さで寸断した。
「言っとくがテメエを助けるんじゃねえ。奴らを倒すのに手を貸すだけだ。」
「だろうな。後ろだぜ。」
「知ってるぜ。」
いいながらビリーが三節棍を持つ手首を返して三節棍を回転させ、ギースの顎をカチ上げた。
その間にテリーも立ち上がる。ライバルの登場に気分が高揚したのだろうか。底をついていた気力が身体に充満している。
「さあ、さっさと済まそうじゃねエか、サウスタウンの餓狼さんよォ!」
「おうよ!GETSERIOUS!ド派手に行こうぜ狂犬!」
二匹の獣が大量のギースに飛び込んでいった。
・・・・・
ゴッと言う鈍い音と共にアルバの拳とソワレの蹴りがぶつかり合う。
一進一退の攻防にアテナの気が行っているうちにクローン京が大蛇薙の構えで飛びかかり、炎を手に溜めた。
「えっ…ッ!」
「アカン!」
咄嗟に拳崇が間に割って入って両腕をクロスさせてガードの構えを取る。
「……!」
そしてクローン京の大蛇薙が放たれた。
「ぐおッ…!」
拳崇の両手に炎が襲い掛かり、小さくないダメージを負わせる。しかしそれにかかずらうこともなく拳崇が両手を突き出して吠える。
「負けるかい!超球弾やア!」
全力の超球弾がクローン京を跡形もなく消し飛ばした。
「拳崇!」
アテナが心配して駆け寄る。もうクローン京は掃除し終えたようでそこで戦っているのはアルバとソワレだけになっていた。
「バカ!なんでこんなムチャしたのよ!」
「ハア…」
拳崇がため息をつきながらまっすぐアテナを見つめて言う。
「お前のことが好きやからにきまっとるやろ。」
「え…っ!?」
「嫌か?」
少し残念そうに発された拳崇の問いかけにアテナが赤面しながら答える。
「ううん…ちょっとびっくりしたけどむしろ嬉しい…」
「さよか。そら良かった。さあ!アルバさん達の方をしっかり見とかんとな!」
「うん。」
その視線の先でソワレが地面に両手をついて回転脚を放つ。ソワレの必殺技、ダブルウェンズデーだ。
凄まじい勢いで襲い掛かる右の蹴りをアルバが受け止める。続いてそのまま身を沈め左の蹴りを躱す。
そこから更に一発のジャブ。
「ッ!」
続けて思い切り蹴り上げてソワレの身体を宙に浮かせ、自身も飛び上がる。
左右のラッシュ。
「オラオラオラオラオラァ!幻影雷神ッ!」
続いて右拳をしっかりと引き絞り、電流が走るような衝撃を伴った鉄拳をソワレの顔面に叩き込んだ。
「流星拳ッ!」
思い切りソワレの身体が地面に叩き付けられる。
「ウガッ!いってえ~!やり過ぎだぜ兄貴!」
ソワレがアルバに向けて随分とフレンドリーな様子で悪態をつく。
電流にも似た衝撃がソワレを縛る心理コントロールを破壊したのだ。
「言ったろう。手加減はしてやれんと。」
「言ったけどさあ…ま、いっか!」
・・・・・
「GOTOHELL!!!!!」
ビリーがコンバーター三節棍から炎を吹き出させて頭上で回転させる。
続いて火柱を立てる。必殺のサラマンダーストリームが決まり、ギースが燃え尽きた。
テリーも拳を天にかざし、最初の正拳をショートカットして拳を突き出し、バスターウルフを放ってギースを塵にした。
「フウ…これで終わりか?」
「らしいじゃねエか。ケッ!こんなよええんじゃホントに冒涜だぜ。」
二人の後ろから一体ずつギースが飛びかかるが一向に動じない。
「ヘッ!テメエらなんぞに手こずってちゃなあ…」
「こんな悲しい生…」
ビリーが無造作に三節棍を回転させ、事も無げにギースを真っ二つにした。
「あの世で本物のギース様に合わせる顔がねエんだよ!」
テリーも振り返ると同時に腹に肘打ちをねじり込み、ショルダータックル、アッパーカットとつないで飛び上がる。
「許しておけねえんだよ!」
叫んで着地と同時にパワーゲイザーに繋いで見せた。綺麗にハイアングルゲイザーで決めたテリーはビリーに向き直ると
「さて、どうする?やるかい?」
「ああ、やるか!」
そしてライバル同士がサシでぶつかり合う。
「兄さん…」
「あのバカが…」
苦笑しながら汗を光らせて戦う二人を見ているアンディとジョーはやっと終わったと思った。
・・・・・
「さてと…ネームレス、これで終わりか?」
「待て、K'、こいつで最後だ。絶影。闇に散れ。」
白い制御用グローブから居合いのように左手を抜いて赤黒い炎を刀のように振るう。納刀するときには最後のクローン京が斬り捨てられた。
マキシマもゾディアックも自分に向かって来るクローン京を薙ぎ払った。
最後にクリザリッドのテュホンレイジがクローン京を倒すと襲い掛かるものがいなくなった。
その時、隻腕の男が歩いてきた。傷跡の残る左目を閉じたままに右目に憎悪をこめて歩いて来るその男の名を、K'が呼ぶ。
「テメエ…イグニス…!」
イグニスの様子は見ての通り。
重傷を負いながらも生きていたカンジで。具体的には左目が失明、左腕が欠損。
あとは…原作での拳崇があんまりだったんで決着つけちゃいました。
それでは次回予告を。
K'「次回、戦争その④ 光へと歩む影」
骸「死ぬ気で見てください。」