物語に入りたかった少女は物語の敵となりその願いは叶う。

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後書きに裏設定等を追加しました。


さようなら

プレナパテスとの決戦から一月が経った…

街の復興も落ち着き協力し合った学園で集まり、パーティが開かれることになった。

 

アビドス、ミレニアム、エデン条約、SRTの子達……

私は様々な子達を助けてきた。

しかしそれは私の隣にいた相棒とも言える生徒のおかげだろう。

そんな彼女が最近…あまり顔を出さなくなった…少し心配だったのもありこのパーティで色々聞いてみようと思っていた。

 

そうして各方面へ挨拶を交わし、彼女…相棒の元へと向かおうとした時、彼女がパーティから抜けたそうとしてるのに気付いた。そんな彼女を追い掛けて辿り着いた先は音楽室。中央にはグランドピアノが設置されておりそれを引くらしい。パーティ場にもグランドピアノは合ったが人前で弾くのは恥ずかしいのだろうか?ピアノを弾く印象も無かったし密かに練習してたのかも……

そんなことを考えながら私は息を潜め彼女を見守っていた。美しい旋律……取り込まれそうだ…とても練習してから数週間、数カ月で弾けるとは思えないほど彼女の旋律は美しかった。

「先生?」

 

「ッッッ!!」

突然背後から声が掛けられ大声を出すところだった。

幸いピアノを弾いてる彼女には聞こえなかったようだ。

「コユキ…?どうしたの?」

私は声を掛けてきた生徒…白崎コユキに用を問い掛ける。

 

「ニャハハ、先生がパーティから抜け出してるのを見て追いかけちゃいました!そしたら先輩がビアノを弾いててびっくりしましたよ!」

 

コユキは演奏の邪魔をしないように小さい声で私の問に答える。

「なるほど。私も彼女がパーティから抜け出したから何だろうって思って追い掛けたんだ。」

 

「先生も追いかける側だったんですね!しかし……先輩がビアノを弾けるなんて驚きました…。」

 

「そうだね。偏見は良くないけど……いつもの様子を見てたら考えられないよ…。」

 

彼女はどちらかと言うとアリスやレイサと言った可愛い系、元気いっぱい!天真爛漫!みたいな性格だ。

 

しかし、今の彼女はリンやカヨコと言った美しいという言葉が似合う女性だった。

 

そんな事を考えていると演奏が終わったようだ…。

そうして彼女はおもむろにポケットからスマホを取り出し電話を掛けだした。

 

「先輩が電話を掛けだしましたね…。先生…誰に掛けてるか気になりませんか?パーティを抜け出してまで電話を掛けたい相手がいる…!私気になります!」

 

コユキがそんな事を言ってるいるが流石に生徒の通話を勝手に盗み聞きは良くない…

「だめだよコユキ…、人にはプライバシーというのものがあるからね。そろそろ私達もパーティ会場に戻ろうか。」

 

 

そうして私達が会場へ戻ろうとした時…………

 

 

「うん。黒服、もういいよ。色々終わったし…契約を…………

 

 

そんな言葉が聞こえた。

 

黒服、ゲマトリア、契約。

私はアビドスでの一件、ホシノの事を思い出し、これは直ぐ様聞かないといけないと悟った。

盗み聞きは謝らないといけない。しかし、それよりももっと大事な事ができた。

 

「ーーー?黒服との契約ってなんだい?」

 

ーーーは驚いた顔でこちらを見る。一瞬焦った顔を見せたがすぐにいつもの顔に戻った。

 

 

「先生?それにコユキも……どうしたの?黒服?アビドスでホシノを騙そうとしてた悪いやつだよね?それがどうしたの?」

 

「ーーー。誤魔化さないで…。大事な話だよ…。」

 

………沈黙が辺りを支配する。

 

「あはは…聞かれちゃったか……先生。」

 

彼女は観念したように話し始めた…。

 

 

「先生。少しぶっ飛んだ話になるかもだけど…聞く?」

 

私は無言で頷いた。

 

横のコユキは彼女との日頃のギャップで困惑している様だ。

 

「コユキには……まぁ聞かれてもいいか。先生。私はねこの世界がずっと絵本のように見えたんだ…。セイアちゃんみたいな予言とはちょっと違うけど…客観視できたと言うか…ビデオや絵本を見る観客…そのような感覚だった。」

 

彼女は深刻そうな顔で語る。

 

「ずっと。ずっと。生まれた時から私は不純物。異物。そんな感覚が抜けない。それに他にもこの気持ちが悪い理由が合った。それはこの世界には主人公がいなかった。だから先生を見た瞬間理解したよ。私が今まで感じてた事は気のせいなんかじゃ無かったって。この世界は先生を主人公にした物語なんだって。」

 

「だから私は貴方の横にいたんだ。観客だけど、不純物だけどこの物語に入りたかった。」

 

「そうして私は物語に無理矢理入った。だから…これは罰だよ先生。」

 

「罰?正直……この世界が物語なんて言われても私にはわからない。だけど君が不純物なんて…そんな悲しいこと言わないでよ。」

 

「先生ならそう言うよね。でもね先生。罰はくだされたんだよ。私は全てを思い出した。…………ねぇ?先生?これがもし絵本のような物語、ゲームのような話だったら主人公には何か起こると思う?」

 

「………ゲームとかだったら、主人公に苦難が待ってるだろうね。」

 

「そうだね先生。苦難を乗り越えた先に新たな敵が現れ、主人公はそれに立ち向かうだろう。そして……次の苦難は私だよ。」

 

「君が…?それが罰なのかい?」

 

「そうだよ。でも私はこの世界が…先生が好きだ……だから私はこの苦難をどうやって乗り越えようか考えた。そうして分かったんだよ。」

 

 

なんとなく察してしまった。これ以上その言葉の続きを聞きたくなかった。

 

「それはね先生。私がこの世界の敵になるなら私がこの世界から消えてしまえば良いんだよ!」

 

にっこりといつもの笑顔で彼女が答える。いつもなら元気をくれるその笑顔が今はただただ恐怖だった。

 

「先輩…?私はその話がよく理解できませんでした。でも、先輩が死ぬ気だと言うことはわかります…。」 

 

横にいたコユキが言う。

「いやですよ…先輩!いつもみたいに馬鹿やって……みんなで笑いあって……。」

 

コユキの声が震える。自分の好きな先輩が自殺をしようとしてるという場面に遭遇したのだ無理も無いだろう。

 

「そうだよ。ーーー。そもそも君にキヴォトスを滅ぼす意志は無いんだろう?もし、君が敵になってしまうと言うなら、そんな事が起こらないようにしようよ。」

 

「…………確かに私の意思では無いです。私はこの世界が好きですし。でもこの幻想体にはそんな事は聞かないでしょう。」

 

「幻想体?」

 

「私の中にいる。キヴォトスを滅ぼす最悪な化物です。私は記憶を取り戻しそれがわかりました………。しかし今までEGOを無自覚に使っていて…、危険な状態でしたよ。」

 

「その君の中にいる怪物が…キヴォトスを滅ぼすの?」

 

「そうです。あぁ一応言いますがアリスちゃんやケイみたいに話し合いで解決できるような話ではありませんし……。幻想体と私は共存関係にあり引き剥がすのは不可能でしょう。それにもう時期私はこの子等を抑えられなくなるでしょう。」

 

そうして話し終えた彼女の背後に黒い渦が現れる。

 

「迎えに上がりましたよ…ーーーさん。」

 

そこからはゲマトリア…黒服が現れた。

 

「行きましょうか。」

 

「待ってよ!まだ話してないよ!」

 

彼女を掴もうと手を伸ばすしかし、それは空を切り天使は渦へと消え去った。

 

「先生…嘘ですよね…?先輩が死のうとしてるなんて。」

 

私はその言葉に答えられなかった。でも今やることは決まっている。

 

 

 

相棒を助けに行く。

 

 

 

 




裏設定
彼女が黒服に頼って先生に頼らなかった理由としてケイ、アリス一件で先生がキヴォトスが滅ぶとしても生徒を殺すという選択ができない事を見ていた。黒服なら実験場、箱庭であるキヴォトスが滅ぶのは防ぎたい、躊躇なく殺してくれるだろうという事で、そういう面で黒服は信頼されていた。また、黒服との契約は自分の体を研究材料にしてもいい(幻想体の事は完全に説明してないが興味を釣るための餌として少しだけ説明する)その代わり、幻想体が暴れるとき自分をキヴォトスから消し去って欲しいという契約である。ただ、少女は黒服に幻想体を制御できると思ってないので研究結果でキヴォトス、生徒を傷付けることはしない事など、保険をかけてない。

彼女は転生者だが日本などからではなくルイナの世界から転生してきた。最終編の次元など、様々な要素に触れて記憶が蘇り、それと同時に自分の中の幻想体が活発化。このまま自分は飲み込まれると思っている。


つまり
身体に幻想体を秘めた少女が幻想体に乗っ取られる前にゲマトリアとかと協力して死のうとするのを先生が止める感じ
ちなみにピアノで弾いてた曲は…天使は消え去った

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