トリニティの守護天使   作:N0re秋

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一応閲覧注意です。ちょいグロかも?


永夜

夜、補習授業部の4人と『先生』はある作戦を決行した。

『桐藤ナギサ襲撃作戦』アリウス相手に先手を打つことを目的としたこの作戦は成功となった。

補習授業部がアリウスとの戦闘を開始させたのと同時刻、彼女も動き出していた。

 

 

ふと目が覚める、起き上がると彼女達が入っている木箱が目に入った。

(そう、今日がその日なのね)

私はそう確信して準備を始める。

着慣れた制服に袖を通す、両腕に彼女達を着けると己の体の一部かのように馴染んでいく。

両親から贈られた銃を部屋に置き、扉の方に歩いて行く。

時が来たのなら仕方がない、そう己に言い聞かせ扉に右手を伸ばす。

ある少女とセリフが被るから言いたくないが、彼女を起こす言葉を口にする。

「光あれ」

そう口にすると彼女が私から何かを吸い出し始め、伸ばしていた右手のひらを爆発させ扉を開けた。

 

「おい、今の爆発音聞こえたか?」

「あぁ、確かに聞こえた」

牢屋付近、移動中のアリウスの部隊が爆発音を耳にした。

「全員警戒しておけ」

部隊長だと思しき生徒がそう口にする、彼女達が耳を澄ましていると1人の足音と金属音が近付いて来ている事に気がついた。

「ごきげんよう皆様、今宵は月が映える良い夜ね」

その言葉に銃を構えながら振り返るアリウスの生徒達、彼女の目の前には全ての翼を後ろにたたみ月光に照らされて佇むセラがいた。

「何者だ、今は外出禁止のはずだが」

部隊長がそう聞くとセラはくすりと笑い答えた。

「トリニティ総合学園3年生天熾セラですわ、今宵は我が名のもとに隠し子に裁きを下しに参りました」

「はっ!トリニティらしい傲慢なやつだな!殺るぞテメェら!」

そう言い引き金を引こうとした刹那、セラの姿が霧が散ったかのように消えた。

「各自散開!あの鳥やろうを見つけ出して羽を毟ってやれ!」

そうして散り散りになったアリウスの生徒達、彼女達の敗因はこの散開であった...

 

嗚呼、こんなにも楽しいのに

嗚呼、こんなにも恋しいのに

嗚呼、こんなにも愛しいのに

このまま踊り続けましょう、時を忘れるまで

楽しいでしょう?恋しいでしょう?愛しいでしょう?

踊りましょう?遊びましょう?

 

「おい...んだよこれ」

部隊長が駆けつけた時、事は終わっていた。

血溜まりと多くの首の無い死体の中心で鼻歌を歌いながら最後の1人と思しき生徒の首を掴んでいるセラがいた。

「何してんだって聞いてんだよ!」

部隊長が激昂しながら銃口を向けると彼女は慈愛に満ちた笑みを浮かべて答えた。

「言ったじゃない、裁きを下すと」

そう言いながらミシミシと首を絞めている手の力を強くしていくセラ。

「助け...」

セラに首を絞められながら掠れた声で助けを求めて部隊長に手を伸ばす。

「あら、助けが欲しいなら助けてあげますわ」

そう言うとセラは1度深呼吸をして口を開けた。

「主よ、憐れみたまえ」

そう口にすると首を掴んでいた手が輝き、掴んでいた首を吹き飛ばした。

首から血飛沫をあげて倒れる死体、セラの着ていた純白の制服は鮮赤色になっていた。

「最後は貴女よ、懺悔は終わったかしら?」

そう言い近づいてくるセラ、部隊長は恐怖のあまり腰が抜けて失禁をしていた。

「く...くるな!ばけもの!」

泣きじゃくりながら石をセラに投げる部隊長、マダムに抱く恐怖心を遥かに超えた恐怖心に対峙した彼女にはもう正常に物事を判断する事はできなかった。

「どうか、安らかに」

そう言い彼女の頭に手を当てるセラ、1息ついて口を開く

「主よ、憐れみたまえ」

 

全てが終わり1人になったセラ、膝をつき祈るように手を合わせ口を開く。

「灰は灰に、塵は塵に」

そう言うと彼女の周りにあった血と大量の死体が光の粒子となって両腕のガントレットに消えていった。

 

 

そうして1人になったセラはある場所へ向かった。

 

 

 

それは突然の事だった。

ミカが己を黒幕だと明かした時、体育館の壁が突然爆発した。

最初はアズサが仕掛けた罠だと思ったがアズサ本人も驚いていたためその可能性は無かった。

全員が白煙を見つめていると、中から足音と共に声が聞こえてきた。

「ごきげんよう皆様」

その声を、私たちは知っている。

「今宵は月が映える良い夜ね」

その姿を、私たちは知っている。

「...ここで来ちゃうか、セラちゃん」

ミカは、どこか諦めたような口で彼女に話しかける。

「先生」

アズサが小声で話しかけてくる

「セラだが、多分一度戦ってきている」

それはおかしい、彼女には傷が1つもついていないから。

「そして、多分だけど」

重い表情でそう語りかけてくるアズサ。

「彼女、誰か殺して来ている」

その発言に私は重い何かで殴られたような感覚になった。

そんなまさか、そう言おうとしたが口に出なかった。

シッテムの箱(アロナ)でも見つからなかった彼女に関する情報。

どこか()()のような雰囲気を感じさせる言動。

少女の皮を被ったナニカ、そう言う印象を最近感じていた。

そうして考え事をしているとある違和感に気づいた。

ミカと対峙しているおかげでよく目立っていた。

彼女のヘイローがどこにも無いことに。

「...先生?」

アズサが心配そうに話しかけたことにより、意識が現実へと引き戻される。

気づけば私の右腕は懐にしまっていた『大人のカード』に手を伸ばしていた。

そうして彼女達の方に目をやると今にも戦い出しそうな空気だった。

 

瞬間、爆発音が響き渡る。

「今度は何かな?」

ミカが不機嫌そうに言いながら見る先には、シスター服風の制服に身を包んだ生徒達が立っていた。

「これより我々シスターフッドは慣習に反しますが、武力介入をさせていただきます」

そう言いながら入ってきた生徒達を見て、ミカはこちらを向いて笑いながら口を開いた。

「あはは、セラちゃんにシスターフッド、もう勝てそうにないね」

『降参してくれるかい?』

そう彼女に聞くと彼女は諦めた表情で銃を地面に落とし両手を上に上げた

 

 

こうして、疑念を残しながらも一夜の騒動は幕を下ろした。

その後補習授業部が第3次特別学力試験に無事に合格するのは言うまでもない。




今回のなぜなにポイントは
1.ガントレットの力
2.どうしてヘイローが見えないのか
かな?
まぁ物語は始まったばかりだし、いつか明かされる時が来るよ。
次回は序章のエピローグ的なやつです。
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