アバンの最初の弟子がタイムスリップ   作:キッチンハイター

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初の投稿です。スマホでやっていると大変ですね。

みんなこんな大変な作業しているんだと改めて大変と実感しました


地底魔城と父との再開

勇者が大魔王を討伐して月日はそれから2ヶ月が過ぎていた。

かつての仲間達は今も勇者ダイの行方を探している。

 特に親友と近かったポップは他のメンバー以上に力が入っていた為、それを気にかけているマァムとメルルはポップと同行しており、今もダイの行方を捜していた。

 無論、ポップ以外にも熱が強い人物がここにいた。

 

 

 「クッ!ディーノ様、いやダイ様はご無事だろうか?今この時、何かあってはバラン様に何とお詫びをすれば!」

 

 静寂な森林の中で一人拳を強く握り締め、誓いを守れず後悔を抱くように口を開く男を目にふぅ~と大きなため息を吐いた。

 

 「ラーハルト落ち着け、各国からも探して見つからないんだ。すぐに見つかるなら苦労などしてはいない。ロン・ベルクも言っていたはずだ、もしかしたら魔界か天界にいる可能性もあるんだぞ」

 

「そんな事は知っている。」

 

 地図を片手にヒュンケルは誰から見ても焦っているラーハルトを静止させた。

 

 「私達は魔界や天界の行き方がわかりません。仮に行けても魔界の瘴気に耐えれないと思います。私達は私達が出来ることを探しましょう」

 

 

 ヒュンケルの少し離れた後方からハプニカの三賢者の一人エイミが口を開けた。

 

 最初は離れたとこからこっそりついてきていた彼女だが、最近は距離が物理的に近くなり、今では三人で行動していた。ハプニカは復旧と政治関係など忙しい時期に彼女はハプニカにいなくて大丈夫なのだろうか?と当時2人は気にしていたが、ヒュンケルはほっておいたら無茶するからと押し切られ、ラーハルトも「違いない」と頷いた為、渋々同行を許可したのだった。

 

 普段クールなラーハルトもダイとバランの事になると沸点も低く、感情面がすぐ表に表すなど魔族と人のハーフな彼だがその辺りは人間撚りの面が強くでている。

 このままだと、魔界が見つかったらラーハルトは瘴気などお構い無しに向かっていきそうでヒュンケルとエイミはその不安が拭えないまま、休憩を挟むように土の地面に座り込む。

 

 ギルド山脈を超え、下りの山道は人があまり通っていないせいか、獣道のように手入れはされていなかった。かつての魔王軍の拠点であった、鬼岩城の近くだったからか商人さえ、この付近では見かけなかった。

 

 ふと思い出す少女との約束。

 

 『大魔王が倒れた後にもし生きていたらまた来る』

 

 数ヶ月前に交わした言葉を今更思い出すのも近くを通ったからだろうとヒュンケルが顔を上げると

 

 「考え事か?」

 

 気にもたれたままラーハルトはヒュンケル向けてに目を細めていた。

 

 「約束を思い出したにすぎん」

 

 「約束?もしかしてその人は女の人じゃないわよね?」

 

 「女性といえば、女性にはなるがそれがどうかしたのか?」

 

 エイミの言葉にラーハルトは呆れながら瞳はヒュンケルに向けたままだ。それに対してエイミは少し頬が膨らみながらムッと表示を強ばぜていた。

女性という約束が気に入らなかったのか

 

 「何の約束をしたの?」

 

 「つまらない約束だ」

 

 「つまり、言いたくないと言うわけか」

 

 「言いたくない約束!?」

 

 「別にそんなつもりはない。全て終わったらオレが起こした罪を償うってだけの話だ」

 

 「「・・・・・・」」

 

 ヒュンケルの罪、それは大罪であり魔王軍にいた時、ハプニカで数多の人を殺めたという意味だと2人は知っている為、それ以上追求出来なかった。

 

 「死ぬ気か?」

 

 ラーハルトが告げるとヒュンケルは首を横に振い否定した。

 

 「俺自身は死ぬつもりはない。この罪は死んで償えるほど安くないと言われたからな」

 

 「よかった。ヒュンケルなら自分から死ににいきそうでその言葉を聞いて少しは安心したわ」

 

 「そんなに俺が死にたがりに見えるのか?」

 

 エイミの言葉にヒュンケルは二人に尋ねると

 

 

 「自分の命が軽いのよ。自分より他人を優先するでしょ?自分では幸せにできないなんて私に言ってくるくらいじゃない」

 

 「俺は付き合いは短いが、お前は罪の意識が強いからか甘い奴だと認識している。自分の命より敵を助けるくらい甘い奴だとな」

 

 2人から命が軽いと判決が下る。

 

 「そいつはすまない。だが、今更直せそうになくてな。すまないがエイミ、ついでに水を汲んできてくれないか?まだ道のりは長いから今のうちに補給しておきたい。」

 

 考えより先に体が動く為、ある意味正義の味方みたいなものだろう

 

 正義の味方?

 

 それこそありえない

 

 とヒュンケルは嗤っていた。

 

 

 

 「今更です!いくら私が止めても治らないからそこは諦めたわ。とりあえず川で水を補給してくるわ」

 

 エイミは今ではきっぱりと意見も前より強くなっており、ヒュンケルはエイミについてはますます扱いには困り果てていた。

 彼女が横道を進み視界から消えていくのをラーハルトは確認しながら

 

 「どうやら狙いは俺かヒュンケルみたいだな。殺気が強くなったところを見ると」

 

 「みたいだな。俺はもう戦士ではないから任せていいか?」

 

 

 「貴様が死んだらダイ様が悲しむから嫌でも生きてもらう。」

 

 敵は自分がやるとラーハルトは槍を手に地面につけ、背後を向いた。

 

 「出てこい、数刻前からずっと付けていたのは知っている。」

 

 ガサッと草むらから出てくるように少女がゆっくり片手にナイフを握り締めたまま姿を現す。

 

 「女?しかも餓鬼?暗黒闘気か?」

 

 「お前は!?ラーハルトあれは暗黒闘気じゃない。また別のものだ。」

 

 「ではなんだ?てかヒュンケル知り合いなのか?」

 

 「約束した彼女だ。無論、あの時は薬剤を扱う少女だった。名前はティカだ」

 

 少女はゆっくり歩きながら

 

 「本当に生きて帰ってきたんだヒュンケル。随分ボロボロになってるみたいね。」

 

 瞳が紫色に妖しく光り、ナイフを一閃して彼女は

 

 「ヴェルザー様の命にて今度は殺す!」

 

 「ヴェルザーだと!?理由はわからないが操られるだけだ。ラーハルト殺すなよ」

 

 「ヴェルザーか、考え方次第ではダイ様の行方の手かがりになるなか、安心しろ女子供を殺しはしない。」

 

 ラーハルトが疾走する、槍を薙ぎ払う形で横一閃とティカに放つが少女を目を低くして掻い潜りながらラーハルトの懐に入った。

 

 「手加減かな?今度は私が見せてあげるよ。魔界の稲妻をね!」

 

 彼女が、地面にナイフを振りかざすと闇の魔法陣が地面に展開され、中央から空間が歪み黒い球体が生み出されていく。

 

 即座に後退するラーハルトは驚くように声を上げた。

 

 「本当に人間か!?ヒュンケル、操られているだけでこんな真似はできんと断言する。地上から魔界の一部を引っ張り出すなどハドラーでもできん。」

 

 ラーハルトは人ではないと確信した。大気が揺れその渦は辺りのものを吸い込むように急速に回転を始める。

 

 「俺があった時は人間だった。だが今はそんなこと言っている場合じゃない。まるでブラックホールだ。」

 

 魔界の稲妻(ジゴスパーク)はそれぞれのレーザー場の稲妻がぶつかり合い、爆発的な引力共に小型ブラックホールモドキが発生を起こしていた。使った本人もこれは予想外だったのか

 

 「な!?こんな事は一度もなかったはず!」

 

 一番近い本人が片腕が既に飲み込まれていた。

 

 それは大きな吸引器だった。重力なども全て無視して、周囲の者も飲み込み始めていく。ラーハルトが仮にアムドしていても何の意味もなかっただろう。

 

 光速より早く動く渦は三人に言葉すら発することを許さないとその周囲をすべて飲み込んで消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 意識がゆっくり覚醒していた。見知らぬ天井を見上げるようにヒュンケルの体は転がっていた。魔界の稲妻を呼び出していた彼女とラーハルトも飲み込まれたように見えていたが、どうやら先程いた場所とは随分違う場所にいるようだとヒュンケルは腕に力を込めて立ち上がる。

 

 「??」

 

 立ち上がる瞬間に凄い違和感を感じた彼はゆっくり立つとやたら視線が低く感じていた。思わず両手を確認すると誰の手だ?と疑問を抱く。

それもそのはず、まるで少年のような小さな手をしていたことにヒュンケルの表情は青ざめていく。

 

 

 「ま、まさか!?」

 

 ありえないと自身の足や体を確認すると肉体が縮んでいる事に気付いてしまった。周囲は洞窟のように見えたが改めて確認するとヒュンケルには少し見覚えがあった。

 

 「馬鹿な!ここは地底魔城!?地底魔城はフレイザードが火山を引き起こしてもう存在しないはずだ!」

 

 幻覚か?とヒュンケルは瞳を閉じる自身の闘気は変わっていない。体は軽くなり傷つき鉛のように重かった肉体から解放されたように調子は良かった。

 だからか、一体何がどうなっているのか全く理解できなかった。

 

 そんな困惑している中、少し離れた所から声が聞こえ、瞑っていた瞳を開けてゆっくり慎重に歩いていく。

 

 螺旋の怪談を上がっていくと2つの影が見えた。

 

 「おや?あの子がそうですかな?人間の子供を育てているとは聞きましたが」

 

 「ヒュンケル?ええ、この子です。恥ずかしながら私も今では嬉しくて」

 

 ヒュンケルに気づかず影達は話す。レンガ状の壁にヒュンケルは手を当てながらその声の方角へゆっくりと階段を登らせる。その表情は緊迫したように喉を鳴らせながら恐る恐ると足を運ばせていた。

 けして光が当たらない空洞の魔鏡のと呼べるこの地に似合わない会話。

 まるで、近所の世間話のように話す影を目開くようにヒュンケルは慎重にそれを目にする。いや、正確にはめにしたというべきだろうか?

 

 

(父さんとこの声は・・・確か、ハドラーの部下の鬼面道師・・)

 

 名前は遠い昔の為に思い出せないが見たことがあった氣がした。

 

 「父さん・・・」

 

 と無意識にヒュンケルはそれを口にした。その声に気づいたのか二人はヒュンケルに気づいたように首を

ヒュンケルを向けていた。骸と呼べる地獄の騎士は阿修羅のように6つの手と黒いフードをしている父はヒュンケルを見て、少しだけ驚いた表情をしていたが、すぐに微笑み返していた。

 

 「おぉー。ヒュンケル、どうかしたのか?こんな場所まで来てなにかあったのかね?」

 

 「これがバルトスどのが育てていると言われる人間の子でしたか。お初にお目にかかります。ワシはブラスと申します。バルトスどのにはいつも世話になっておりましてな」

 

 ブラスという鬼面道師は顔に似合わず腰が低いのか礼儀正しくお辞儀をしてくる姿にヒュンケルは呆気にとられながらも会釈を返す。

 

 しかし、何処かで聞いたことがあったような気がしたがすぐには思い出せなかった

 

 「俺はヒュンケルだ。父さんがいつも世話になっている」

 

 その言葉にバルトスは目を細めていた。

 

 「らしくないなヒュンケル。いつもは元気でそんな畏まった態度などしなかったはずだが?何かあったのか?」

 

 バルトスの背中の剣が光る。その反射する剣先から自分の顔を映し出していた。

 

 (やはりか)

 

 自身の子供姿に予測はしていたが今の自分が子供だと確信をした。だが、同時にヒュンケルは思った。

 子供の頃の自分はどんな感じだっただろうか?恐らく8歳くらいまでに戻っているが当時の出来事は覚えていてもどんな感じで接していたかまで覚えておらず、今更無邪気を演じるなどそんな器用な事は俺には出来ない。

 

 「少し緊張していてな」

 

 バルトスから見たら別人に見えるのかもしれない。バルトスの目つきは変わっていない。明らかにおかしいと疑惑を抱いているが確信がないからか追求するわけでもなく、ふむと相槌を叩いていた。

 

 「まあまあ、バルトスどの無理もありますまい、ゆっくり慣れてもらえばワシも構わんよ」

 

 そんな2人の会話は今のヒュンケルにはほとんど届いていなかった。

 幻覚にはしてはおかしい。まさか本当に時を遡ったとでもいうのか?

 なら近くにいたラーハルトとあの子もあの黒い球体に飲み込まれたが2人はどうなったのか?

 そもそも何故過去に戻った?離れていたエイミは無事なのか?

 

 

 など、そちらの方に思考と言う疑問が次々と浮かび上がっていく。

 だが、考え方によってはこれは罪の精算の機会でもあった。かつて、俺は魔王軍で不死騎団長として、特にハプニカでは数多の人間殺めた大罪人だ。だが、もし過去ならやり直せるのでは?ダイも今度は助けれるのでは?

 

 だが、それは同時にそれは今まで皆がやっていたことの否定でもある。みんながやっていた事を全て否定したと同じだ。俺なんかにそんな権利などあるのか?

 俺はどうしたらいいのだ?

 

そんな不安を抱いている中、頭に手を乗せられ

 

 「え?」

 

 見上げると父が笑っていた。

 

 「何を悩んでいるなわからないが、ヒュンケル。迷うなら自分が思った通りにすれば良い」

 

 

 「父・・さん?」

 

 「ワシは見ての通り人ではない、人の考えがほとんどわからんが、これだけは言える。悩むことはいい、じゃが、焦ることは何の役にも立たない。後悔はなおさら役に立たない。焦りは過ちを増し、後悔は新しい後悔をつくる」

 

 

 「流石、地底魔城最強の戦士。考えさせられる言葉ですのう。しかし、このような子供にその意味が果たして伝わるとは思えませんが?」

 

 「今はまだわからなくて良い。大きくなった時にワシがこんな事を言っていたと頭の片隅にでも入っていたらワシは充分だ」

 

 バルトスの言葉にグサリとヒュンケルは刺さった。同時につくづく不甲斐ない気持ちが込み上げてきた。

 だからせめて、父の子供として恥じないように生きていこう。自分の父は偉大だだったと胸を張れるくらいにそれが今の俺にできるせめての恩返しになればいい。

 

 「やっぱり俺は父さんの息子でよかったよ」

 

 バルトスの腰に両手で抱きつきながらそんな誓いをする子供を見て2人は目を合わせる。

 

 「こう見るとバルトスどのとヒュンケルどのを見ているとワシも人の子を育ててみたいと言う衝動が少し湧いてきましたな」

 

 「お恥ずかしい限りですが、ブラス殿の知識と経験ならワシよりきっと上手くできるしょうな」

 

 「いやいや、バルトスどのにそのような言葉を頂けるとは機会があればやってみても良いかも知れませんな」

 

 

 そんなやりとりをしている姿を遠くから誰かが見ていたことにこの時は誰も知らなかった




ティカって?ヒュンケルを刺そうとして刺せなかった女の子。

 ブラックホールから逆行とかどうなんだろうとツッコミはなしでおにゃさす。
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