アバンの最初の弟子がタイムスリップ   作:キッチンハイター

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早くもカオス!あと誤字脱字指摘してくださった方ありがとうございます!


ハドラーからの試練

 日を改めてヒュンケルは昨日の出来事を話していた。バルトスはその話を聞き、両手を組んだまま悩むようにうーむと唸りをあげる

 

 「というわけだが、父さんどうする?」

 

 「こればかりはワシだけでは決めれん。ハドラー様に尋ねるしかあるまい」

 

 やはりそうなるかとヒュンケルの表情が曇る。あのハドラーが承知するビジョンなど見れるはずもなく、下手したら父がどうなるかわからない為、ヒュンケルも覚悟を決めていた

 

 「なら俺もついていく!」

 

 「な!いかんぞヒュンケル!いくらお前でもハドラー様と直接面会したらどうなるか・・・」

 

 「いや、それは多分大丈夫なはずだ」

 

 「何故・・・そう思う?」

 

 「いや、昨夜を思い返したら・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ーーーーーーーー昨夜の出来事ーーーーーーーー

 

 

 

 マミー達がおふざけ全開は変わらなかった。一度ハドラーが現れて凍ったように場の雰囲気は固まったが

 『ハドラー様!ついにバルトスのお子様ヒュンケル様が外に出て釣りに行ったのですよ』

 

 『見てくださいこの魚!脂身が違いますよ!』

 

 『ハドラー様もどうぞどうぞ』

 

 うっとしいから離れろと言いながらなんだかんだ付き合っていたハドラーを思い出していた。以前のハドラーはこんな真似はしなかった。何度かヒュンケルを見ていたがそれ以上は特になく、酒まで飲む始末

 

 「バルトスそいつが例の子供か?」

 

 「はい、ハドラー様恥ずかしくも私が今は育てているヒュンケルと申します」

 

 ワッショイワッショイとマミー達が賑わう中、胴上げされているヒュンケルを眺めていた

 

 「貴様が酔狂なのは別に咎める気もせん。クククッ」

 

 なにかおかしいのかハドラーが笑う姿にバルトスははぁ?とよくわからず頷きを見せ

 

 「それよりバルトス、あの小僧に剣術などは教えたか?」

 

 人間をゴミとしか思っていないハドラー様がそんな人間の子供に少しでも興味を持たれる事に驚愕してしまう

 

 「め、滅相もございません!あの子はまだ幼いのです。そのようなことをハドラー様の許可なくできません」

 

 「そいつは惜しいな。・・いや何でもない」

 

 ジロッと目つきが細く変わる。

 

 『3番アークデーモン行きますぜ〜クククッ見て驚け!』

 

 手をかざすと掌から球体が現れ

 

 『イオラッ!!』

 

 紫色の上位悪魔はそれを投げつけた。投げつけた先にあるのは無数の空の瓶であった。その中央に球体が触れると起爆するように爆発を起こした

 

 『どうだ!ストライクよ!』

 

 『呪文は卑怯だぞ!ノーカンノーカン!』

 

 『瓶だって無限じゃないんだぞふざけるなァ!!』

 

 骸達のブーイングの嵐を見ていた

 

 『なんだと?悪魔神官貴様だって死霊騎士の頭をバットで打っていただろ?俺様だけ文句を言われる筋合いはねぇ!!』

 

 「お主ら少しは自重せんか。ハドラー様が凄い目でこちらを見ているのがわからんか」

 

 ブラスの言葉に全員ハドラーの方に視線を向ける。当然胴上げされていたマミー達もそれは同じだった。

 胴上げをいきなり辞めたマミー達はヒュンケルを見ていなかったせいか、ヒュンケルは舞い上がった体はマミー達の手から離れ地面に背中から激突していた

 

 「お、おのれ!・・・俺が何故こんな目に」

 

 悔しそうにするヒュンケルは悲しいことに誰の目にも入っていなかった

 

 「そんなに暴れたいならこの俺が直々に相手してやる」

 

 ハドラーのその言葉に蜘蛛が散るように一目散に飛び散っていく

 

 ヒュンケルからしても魔王軍にいた時のハドラーとはやはり何処か違う気がしたのだった

 

 かくして、お祭り騒ぎは解散したのだった

 

 

 

 

 

 

         そして現在

 

 

 バルトスもその違和感は少しあったのか意外だと今思い返してもハドラー様らしくないと感じ取れていた

 

 「・・・確かに一理あるかもしれん。」

 

 渋るような声でバルトスは口元に手を当て昨夜の事を思い返す。ハドラーがヒュンケルに少しだけ興味を示していた事も思い出すが、内容が内容だけに喜べなかった。

 ブラスも今朝にはデルムリン島にとキメラと旅立っていた。目的は魔物育成、いわば、全体的な底上げを任されていたのだ。

 良き相談相手がいなくなり、ヒュンケルをどうするべきか考えたいが、本人の主張も大事かもしれないと渋々と納得してみせていた

 

 そして、開かずの扉がバルトスによって開かれる。

 

 日の光が届かないこの地に玉座の間に魔王は座っていた、と思いきや、胡座をかいてで精神統一でもしているようにハドラーは居座っていた

 

 魔王の瞳がゆっくり開き2人に向けらる。

 

 「何のようだ?バルトス。ここに誰も通すなと命じていたはずだ」

 

 低い声だが、威圧的な言葉ともに鋭い眼光は細く光る

 

 「失礼を存じ上げて参りました!ハドラー様にお話があって参りまして、処罰は受ける覚悟であります」

 

 腰を落とし、頭を下げるバルトスに反して、ヒュンケルはハドラーの威圧した態度にも臆することなく、ハドラーの様子を伺うもののそれ以上は特にない

 今のヒュンケルは特にハドラーを恨みなどはなく、ポップを助けた恩人でもあるため、居心地は悪く、敵対するなら場合どうなるか?と考えている

 

 子供の筋力で武器もない状態でハドラーと戦えばどうなるか理解している。闘気は全盛期であっても他はあの頃と変わらない故に、出来れば今は敵対するのは避けたかった

 

 「要件を述べろ。話はそれからだ」

 

 「なら単刀直入に言わせてもらう」

 

 ヒュンケルが一歩前に踏み出す

 

 「バルジ島で人魚にあった。その時に俺の父も今度は釣れてきてほしいと頼まれたから父バルトスを2日後に地底魔城を出ることを許可を頂きたい」

 

 「人魚だと?」

 

 1年前にとある村の男達が人魚に攫われていた事はハドラーの耳にも既に入っている。それは勇者アバン達が解決したことも知ってはいた。魔王軍でもない別の魔物の仕業だと

 残党か、或いは今度は本物かハドラーは知る由もない

 

 「いいだろ。好きにしろ」 

 

 「なっ!?」

 

 「え?ハドラー様よろしいのですか?もうすぐ勇者達がこの地に攻めてくるかもしれませんのに」 

 

 バルトスは耳を疑った、当然頼んだヒュンケルも絶句する。 怒るところか承知したハドラーに信じられんと呆気に取られていると

 

 「バルトス、貴様一人抜けたからこの俺が勇者アバンに負けるとでも思っているのか?」

 

 「め、滅相もございません!!そのようなつもりでは!」

 

 「俺は好きにしろと言った。2度も言わせるな」

 

 「はっ!」

 

 再び頭を下げるバルトスに反してヒュンケルの眉は歪めたままそっぽ向く形で背を向ける。

 

 「感謝する」

 

 「ありがとうございますハドラー様ワシもこれにて」

 

 感謝を述べバルトスも背を向け歩き出そうとすると

 

 「少し待て」

 

 ハドラーからの声に2人はピタリと足を止め振り返るとハドラーが立ち上がっておりヒュンケルを見て不敵な笑みを浮かべる。

 

 「小僧、いやヒュンケルだったな。貴様に用事ができた」

 

 「俺に?」

 

 「一体ヒュンケルになにを?」

 

 ハドラーのコートから刃らしき白銀が光ると右手で掴み、ヒュンケルの前に突き刺さる。それは鋼鉄の剣と鉄を鍛えた(つるぎ)

 

 「どういうつもりだ?」

 

 クククッとハドラーは喉を鳴らすように愉快に嗤う

 

 「先程の言葉は取り消す。好きにする前に小僧今の貴様の実力を見ておかねばな!」

 

 突き刺さった剣をヒュンケルは眺めている、すっとそれ右手で掴み

 

 「ハ、ハドラー様!?何故!?ーーーッ」

 

 異議を問うバルトスにヒュンケルが左手でそれを静止させる

 

 「父さん、ハドラーは実力をみると言ってるだけだ、だから大丈夫!」

 

 両手で剣を構え、その姿に満足したのか

 

 「それでいい!さあ来い小僧!」

 

 

 

 「!」

 

 ヒュンケルの体に火花が走る

 

 溢れださんばかりの、ハドラーの戦意は本気と感じだったのか

 バルトスは止める間もなく、2人は戦闘を開始した

 

 

 バルトスはもう見守るしかないが2人の戦いに驚愕する。

 

 両者の戦いは打ち合いではなく、剣と格闘

 

 戦いは呪文や小細工を使わない、純粋な身体能力だけの攻防になっていた。デタラメな、叩きつけるような拳の弾幕、ヒュンケルの手数が一ならハドラーの手数派三と力と俊敏性も上だとヒュンケルに襲いかかる。目まぐるしい位置を変える足捌き、間断なく振るわれる拳。

 

 強く、防がれるならより強く

 

 多く、捌かれるならより多く

 

 何処まで耐えれるのかとハドラーのギアは上がっていく。絶え間ない拳はことごとく弾かれていた。無論ハドラーが殺す気でやっていたらこのバランスはまた変わっていただろう

 急所を狙ってこないハドラーはヒュンケルからしたら放ってくる場所がおおよそ検討がついていく、そもそも足技すら使ってこない為、今のハドラーの動きは単純といえる

 

 言葉通りの様子見

 

 だから攻めに切り換える。ヒュンケルの切り上げを避けるが透かさず払うように横一閃それを左手で受け止めるハドラー

 鋼鉄を片腕で止めるハドラーは右腕で殴り飛ばそうとするが体を捻りそれを捌きながらハドラーの顎に飛び膝蹴りを叩き込み、膝蹴りの反動を利用をして距離を取るようにヒュンケルは5メートル後へ飛ぶ

 

 「いい動きだ」

 

 「・・・・・」

 

 ハドラーにダメージはない。ニヤリと笑みを浮かべ両手を前に出すと指を一つずつ広げていく 

 

 「こいつはどうする?」

 

 指先がまた一つ一つ開いていくとそれぞれの指から業火の炎が、指先から現れていく。

 

 「なに!?それは!?」

 

 「五指爆炎弾(フィンガーフレアボムズ)!!」

 

 指先から放れた5つの巨大な火炎、ヒュンケルはこれを見たことがあるフレイザードが使っていた魔法であり、メラゾーマが一度に5発同時に放たれるという荒業のような魔法。フレイザードは元々ハドラーから生まれた禁呪故にハドラーがその才能がないわけではないが、少なくともヒュンケルの記憶ではハドラーが使っていた所は見たことがなかった

 回避は不可解、海波斬で迎撃も一つならまだしも5つでは期待もできない

 

 故にヒュンケルの行動は

 

 「な、なにぃぃ!?」

 

 「ヒュンケルやめるんじゃ!!」

 

 まさかの突撃、避けれないなら自分から突撃とは誰も思いもしない行動に両手を十字にしてメラゾーマに飛び込むように跳躍する。3発は空を切るように目標から外れるが対空にいるヒュンケルに燃やし尽くさんと火だるまになっていく

 

 「アバン流刀殺法」 

 

 「!?」

 

 炎に包まれたその中、そんな小さな消えるような声をハドラーは聞き逃さなかった。メラゾーマに燃えるヒュンケルの刃にその炎が収縮するように集い刃が燃えていく、彼の手は逆手に握り締められ

 

 「灼熱斬!!」

 

 対空から放たれた灼熱、獄炎はハドラーを包み込むように火炎の刃が包みこまれながらヒュンケルは地面に落下する。

 

 ジューと肉が焼ける音、右手、両足の皮膚が溶けており、爛れる皮膚にバルトスはどうすれば良いのかわからなかった。ハドラーも炎に包まれたまま、どうなったかわからないバルトスは混乱するようにあたふたするが

 

 その心配は無用だった

 

 「今のはいい一撃だ。この俺も驚いたぞ」

 

 ロープが焼け焦げ、姿を現すハドラーは満足そうに告げられる。その肉体は左腕全身焼けているようだがほとんどダメージではないのか軽く左手を払いヒュンケルを賞賛するだけだった。

 

 「バルトス貴様何をしている?」

 

 「え?」

 

 「貴様2日後小僧と行くのだろ?さっさと小僧を治療して支度しろ」

 

 ボケっとするなと命令していた。それは好きにしろと言いながら行かせる気だとわかりやすい命。

 

 「クッ・・・」

 

 ヒュンケルもハドラーからの施しに何も言い返せず、素直に従うように、立ち上がろうとするとバルトスがヒュンケルを抱える。

 

 「それでは失礼しますハドラー様」

 

 「小僧、その剣は貴様にくれてやる好きに使え。この俺の命が欲しいなら何時でも相手になってやる」

 

 完全に舐められていた、勝てないとは思っていたがヒュンケルは思う。自分が知るハドラーはこんなに強かったか?と大魔王に肉体を与えられる前からこれほどとは思いもしなかった。今のアバンにあのハドラーは勝てるだろうかという不安もあった

 

 バルトスに背負われながらそんな不安を抱いていると

 

 「全くヒヤヒヤしたわ。ヒュンケルとりあえず無茶はしないでくれ。心臓が破裂するかと思ったぞ」

 

 

 「父さん・・・元々心臓ないだろ?」

 

 「あ、ワシはアンデッドだから心臓なかったわ」

 

 アハハハと笑う。

 

 本当は聞きたいことは山程あるが、バルトスは思うそれはヒュンケルが話したくなったらきっと自分から言ってれると信じていただからこそ、今は何も聞かずにいようと決心すると

 ハドラーに一礼するが、既に興味を失せたのか石を食べているように見えた気がした。

 

 再び扉を閉じ、バルトスは回復呪文が得意なヘルコンドル場所に向かうことにした。

 

 

 

 

 ヘルコンドルは本来は山に生息する魔物であり、巣も作るし、鳥のような習慣を持っている為、本来こんな場所に適していない。つまり何が言いたいかと言えば・・・

 

 「クァァァァ!!」

 

 ストレスが溜まりきっている。つまるところご立腹であった。第一声が鳴き声、元々人語は話せないが知能は高く言葉の意味は理解している、バルトスが回復を頼んだのだが、不満全開で拒否をしていた。

 

 「困った。ここまで拒絶されるとは外の散歩をしてないのがやはりよくないのではないだろうか?」

 

 「コミュニケーションもここだと絶望的な環境だからな、こじらせているのかもしれない」

 

 ヒュンケルが言えるセリフではないが、他の仲間と孤立している為、ボッチスタイルを貫いているこのヘルコンドルは他者の頼みを素直に受け入れられないようだ。

 

 「なら、回復呪文をしてくれたら明後日ワシ達と外に行ってみないか?」

 

 チラッチラッと目線を配るとヘルコンドルはピクリと反応するものの、すぐにそっぽ向かれてしまう

 大きな翼はこの場所には狭いようで、そんなのは当たり前だと威嚇までしてくる始末

 

 「父さん俺は大丈夫だから気にしないでくれ」

 

 息子のヒュンケルは構わないと首を横に振るい、遠慮する姿にバルトスは選択肢が出てきた

 

 ①突然呪文を閃きベホマが使えるようになる

 

 ②ハドラー様が気まぐれで回復してくる

 

 ③現実は非常である

 

 

 そもそも呪文など契約もしてないから回復呪文が使えるようになることはあり得ない、2のハドラー様もそもそも回復呪文を使えない

 

 となると

 

 答えは3!現実は非常である

 

 思わずガクッと肩を落とす、そんな都合のいいことがあるわけないと結局ヒュンケルの火傷は包帯を巻いた応急処置で済ませる形で終わったのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 




ドラクエ11のダークスラッシュとかアバン系統かわかりませんが、オマージュっぽいからアリにしてみました。
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