クラバが始まるまでの待ち時間。
オレはセキヤと接触回線で話していた。
話題に登るのはクラバばかり。
ランク1位のトゥエルブ・オリンピアンズはテロリストだった件とか。
「最近、クランを買い取ったアマカラ商会だったか。きな臭い感じがしてたんだよ」
彼らはクラバでモビルアーマーを使い、100人を死傷させた大事件を引き起こした。
「テロリストは二人とも死んだらしいです」
「まぁ、どちらにせよ。1番強いクランは消えたな」
ポメラニアンズとバイナリーズは解散。この1か月で3チームが消えた。
オレは悲しいよ。お気に入りのポメラニアンズが消えて。
「ゴリラズの順位も今日のクラバであがるな!」
「今日は勝ってみせますよ」
オレは接触回線でセキヤとそんな話をしていた。
セキヤは今日はやけに上機嫌だ。
オレは表面上は強がっているが、内心不安しかない。
おまけに足がブルブル震えている。
緊張しているのか。オレが。
☆
カウントは80秒前から始まった。
今日はザクの左腕に特殊兵装シールドを用意した。
エネルギーCAPと小型冷却装置を付け、サーベルを運用できるようにした代物だ。
赤い光がまばゆく光り、クランバトルが始まった。
対戦相手は水色とピンク色のザク。
つまり、同一の機種だ。
『水色のスカート付き、そっちに行ったぞ』
セキヤからの通信が耳に聞こえ、視界を右に向ける。
オレはオールドタイプだから、気配で敵の位置を感じることはできない。
「撃ってきた。こちらを見つけたのか」
オレは操縦桿の先端にある赤いスイッチを押した。
ザク・マシンガンで、けん制射撃。
水色のザクは猛スピードで弾幕を通り抜けた。
「戦い慣れしてるな」
オレは旋回しながら、ザク・マシンガンを手放した。
相手は格闘戦で来るとにらむ。
水色のザクがヒートホークを振り下ろす。
オレは左腕の特殊兵装シールドを作動させた。
ピンク色のビーム・サーベルの攻刃がゆらぐ。
「頼む。うまくいってくれよ」
オレの不安とは裏腹にビーム・サーベルが作動する。
ビーム・サーベルの刃が、ヒートホークとぶつかる。
ビーム・サーベルがヒートホークをはじき飛ばす。
オレはザクの体勢を崩さず、すかさず反撃の踏み込みを入れた。
右フットペダルを踏み、スラスターを吹かす。
ビーム・サーベルの出力を上げて相手のモノアイに突き刺す。
視界の端から、ピンク色のザクが回り込んできた。
だが、セキヤのザクが割って入る。
『こいつらのMAV戦術は本物だ!』
『元ジオンだと言うのか』
ピンク色のザクが上手投げで何かを投げる。
その瞬間、何かが弾けた。
──クラッカーだ。
「クソッ、視界が!」
閃光でカメラが一瞬ホワイトアウトする。
「セキヤ、見えるか!?」
「こっちも目潰しをくらった。五秒だけ待て!」
──五秒。
長い。長すぎる。
視界が戻る前に動けば、こちらが不利になるだけだ。
だが、止まっていても死ぬ。
オレは右手のマシンガンを乱れ撃ちした。
センサーが死んでいる今、索敵はまったくの手探りだった。
「そこか!」
ザクが被弾した。
コクピットが激しく揺れ、警告ランプが点灯する。
「下部に被弾したか」
正面モニターが徐々に回復してくると、画面の向こうにザクが。
ピンク色のザクが、オレに突っ込んできていた。
ザク・マシンガンを捨てて。
速い。さっきのクラッカーは、この突撃のための布石だった。
「こいつ…… 本気でオレを殺りにきてやがる!」
セキヤのザクが、横合いから突っ込んできた。
真正面からぶつかり、ピンクのザクを押し返す。
『遅かったな! お前のMAVは先に始末したぜ』
『やらせるかよ! こっちも元軍人なんだよ!』
『今だ、リック行け! やっちまえ!』
スイッチをひねると、ビーム・サーベルが作動しない。
何回試してもダメだ。
土壇場でオーバーヒートを起こしたのか。
「セキヤぁ! ヒート・ホークをよこせ!」
セキヤのザクが投げてよこしたヒートホークを振り下ろす。
スネークアイのザクの頭を吹き飛ばした。
ゴリラズは戦いに勝利した。
今後の展開を考えてます
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クラバ編を続行
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更新を休止
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設定資料集が出るまで待機