GQuuuuuuX オレはザクで戦う    作:フォード2

2 / 15
1   サイド6へ行く 

0085年4月

 オレは茶色いスーツ姿に身を(つつ)み、空港に降り立った。

 

 今日、慣れ親しんだサイド3を出る。

 服と教本とドル札をスーツケースに詰め込んだ姿で。

 

 

 

 反転フラップ式案内表示機に宇宙船の行き先が表示されている。

 一番上は首都のバルダ、リボー、フランチェスカ、その次にイズマがあった。

 知らないコロニーばかりだが、フランチェスカは聞き覚えがある。

 確か、海があるリゾート地だったはず。

 

 

 イズマコロニー行きの乗り場がわからないときた。

 わからないことがあったら人に聞けって言うだろう。

 

 受付の清楚な黒髪のお姉さんにたずねてみる。

「イズマコロニーに行きたいんだが?」

「イズマコロニーへの乗船料金は1000ハイトでございます。一番安いエコノミーだと800ハイトになりますが」

 

 

 手持ちのドルをハイトに両替して、受付のお姉さんに渡す。

 お姉さんに「乗り場は6番線です、良い旅を」と言われて、オレは嬉しくなった。

 

 

 スーツケースを連れて、タラップに移動。

 スーツケースを添乗員に預け、シャトルに乗り込む。

 座席は狭く、機内食もない。

 快適な宇宙の旅とは言えないが、まぁ満足だ。

 

 

      ☆

 

 

 サイド6の空港に着いて、さっそく酒を頼んだ。

 (のど)がカラカラだ。渇き(かわ)が止まらない。

 カウンターにいるのは寡黙(かもく)な男のバーテンダー。

 ウイスキーの水割りを頼み、3ハイト5クールを渡す。

 

 

 空港を出ると、青色のザクが立っていた。

 注意深く観察すればモノアイの色が水色だ。あれは民生用だろう。

 ジオンは作業用だけではなく、軍警にもザクをばら撒いている。

 ジオンの大振る舞いってか?

 

 

 

 ネットで借りた安い木造アパートに着いた。

 6畳の空間にスーツケースを置く。備え付けの家具はベッドと机しかない。

 今日からここがオレの小さな家になる。

 

 

 

 肩にボストンバッグをかけて、繁華街まで外出する。 

 電気屋のテレビがハンバーガーショップ"マクダニエル"の宣伝CMを流している。 

『古き良き開拓時代に想いを馳せ、変わらぬ味をお届けするマクダニエル・ハンバーガーから新商品が出ました』

 

 

 テレビを遠い目でながめる少年がいた。

 腹をすかせてそうな少年に尋ねてみる。 

「クランバトルって知ってるか? 小僧」

 

 

 青い髪の男の子は黙ってうなづいた。

「クラバ…… 知ってるよ。場所も」

 

「クランバトルのチームを教えてくれ。教えてくれたら100ハイトやろう。

 

 

 札をチラつけると、男の子は即決した。

「一番強いのはTwelve Olympians。あとは、ザクのチームが」

「ありがとう」

「最後に聞いていい。地球に行ったことある?」 

「ああ。79年かな。地球のヨーロッパに行った」

 

  

 

 オレは少年から教えてもらった場所に向かった。

 さびたトタン張りの工場を見上げる。

 中では中年の男がザクを整備していた。

「推進剤タンクの色が微妙に違うな。足の色も胴体と違うし」

 オレがそう呟くと銃口を突きつけられた。

 

 

 中年の男の片手には拳銃が握られている。 

 連邦の拳銃に見えるが。

 

「ヒートホークは民生品のトメノスケか? ジオニック重工業の純正品じゃないな」

「アァン、知識だけの素人か!?」

 

 

 上下に青いツナギを着た男が頭ごなしに怒鳴ってきた。

 でも、オレには軍人として誇りがある。

 片手にジオン時代のIDを握りながら、必死に説明した。

 

「オレは素人じゃない。操縦者(スペシャリスト)だ。ここにIDもある」

「マ… マジか、あんたジオンのパイロットかよ」

「リック・ミューラー。リックと呼んでくれ」

 

 

 青いツナギを着た男と握手を交わすと、「セキヤだ。よろしく」と返された。

 

「ここに来たってことはクラバ志望か? 」 

「今日からでも働ければ助かる。実は貯金が少ないんだ」

「プチモビが操縦できるルウムのガキが辞めてな。実は困ってたんだ。今日から採用しよう」

 

 

 工場にはメカニックも1人いるようだ。

「おい! 明日から働くことになったリックさんだ。挨拶しろ」

 

 金髪の前髪を上げた青年が軽く頭を下げた。

 その青年も上下に青いツナギを着ていた。

「ポール・リズキーです」

「ポール君はうちに住み込みをしている」

 

 

 

 オレはサイド6に来て職場を手に入れた。

 

 

 

 

 






黒髪で口ひげをたくわえた30代の男リックが主人公です

今後の展開を考えてます

  • クラバ編を続行
  • 更新を休止
  • 設定資料集が出るまで待機
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。