0085年4月
オレは茶色いスーツ姿に身を
今日、慣れ親しんだサイド3を出る。
服と教本とドル札をスーツケースに詰め込んだ姿で。
反転フラップ式案内表示機に宇宙船の行き先が表示されている。
一番上は首都のバルダ、リボー、フランチェスカ、その次にイズマがあった。
知らないコロニーばかりだが、フランチェスカは聞き覚えがある。
確か、海があるリゾート地だったはず。
イズマコロニー行きの乗り場がわからないときた。
わからないことがあったら人に聞けって言うだろう。
受付の清楚な黒髪のお姉さんにたずねてみる。
「イズマコロニーに行きたいんだが?」
「イズマコロニーへの乗船料金は1000ハイトでございます。一番安いエコノミーだと800ハイトになりますが」
手持ちのドルをハイトに両替して、受付のお姉さんに渡す。
お姉さんに「乗り場は6番線です、良い旅を」と言われて、オレは嬉しくなった。
スーツケースを連れて、タラップに移動。
スーツケースを添乗員に預け、シャトルに乗り込む。
座席は狭く、機内食もない。
快適な宇宙の旅とは言えないが、まぁ満足だ。
☆
サイド6の空港に着いて、さっそく酒を頼んだ。
カウンターにいるのは
ウイスキーの水割りを頼み、3ハイト5クールを渡す。
空港を出ると、青色のザクが立っていた。
注意深く観察すればモノアイの色が水色だ。あれは民生用だろう。
ジオンは作業用だけではなく、軍警にもザクをばら撒いている。
ジオンの大振る舞いってか?
ネットで借りた安い木造アパートに着いた。
6畳の空間にスーツケースを置く。備え付けの家具はベッドと机しかない。
今日からここがオレの小さな家になる。
肩にボストンバッグをかけて、繁華街まで外出する。
電気屋のテレビがハンバーガーショップ"マクダニエル"の宣伝CMを流している。
『古き良き開拓時代に想いを馳せ、変わらぬ味をお届けするマクダニエル・ハンバーガーから新商品が出ました』
テレビを遠い目でながめる少年がいた。
腹をすかせてそうな少年に尋ねてみる。
「クランバトルって知ってるか? 小僧」
青い髪の男の子は黙ってうなづいた。
「クラバ…… 知ってるよ。場所も」
「クランバトルのチームを教えてくれ。教えてくれたら100ハイトやろう。
札をチラつけると、男の子は即決した。
「一番強いのはTwelve Olympians。あとは、ザクのチームが」
「ありがとう」
「最後に聞いていい。地球に行ったことある?」
「ああ。79年かな。地球のヨーロッパに行った」
オレは少年から教えてもらった場所に向かった。
さびたトタン張りの工場を見上げる。
中では中年の男がザクを整備していた。
「推進剤タンクの色が微妙に違うな。足の色も胴体と違うし」
オレがそう呟くと銃口を突きつけられた。
中年の男の片手には拳銃が握られている。
連邦の拳銃に見えるが。
「ヒートホークは民生品のトメノスケか? ジオニック重工業の純正品じゃないな」
「アァン、知識だけの素人か!?」
上下に青いツナギを着た男が頭ごなしに怒鳴ってきた。
でも、オレには軍人として誇りがある。
片手にジオン時代のIDを握りながら、必死に説明した。
「オレは素人じゃない。
「マ… マジか、あんたジオンのパイロットかよ」
「リック・ミューラー。リックと呼んでくれ」
青いツナギを着た男と握手を交わすと、「セキヤだ。よろしく」と返された。
「ここに来たってことはクラバ志望か? 」
「今日からでも働ければ助かる。実は貯金が少ないんだ」
「プチモビが操縦できるルウムのガキが辞めてな。実は困ってたんだ。今日から採用しよう」
工場にはメカニックも1人いるようだ。
「おい! 明日から働くことになったリックさんだ。挨拶しろ」
金髪の前髪を上げた青年が軽く頭を下げた。
その青年も上下に青いツナギを着ていた。
「ポール・リズキーです」
「ポール君はうちに住み込みをしている」
オレはサイド6に来て職場を手に入れた。
黒髪で口ひげをたくわえた30代の男リックが主人公です
今後の展開を考えてます
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クラバ編を続行
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更新を休止
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設定資料集が出るまで待機