クランバトル、通称クラバ。
この頃、サイド6で盛り上がっている非合法の賭け事だ。
2機のモビルスーツ同士による5分間のバトル。
オレもパイロットとして参加を決めた。
クラバのルールは簡単で、誰にでもわかる。
勝負は5分間、モビルスーツの頭を破壊したほうが勝ち。
若者が熱中するわけだ。
クラバが始まるまで、まだ時間がある。
セキヤは元連邦兵で、軽キャノンに乗っていたと聞いた。
もしかしたら、もしかしたらだけど、オレと同じ戦場で戦っていたかもしれない。
ジオンと連邦、つまり敵同士として。
真っ黒なザクがオレの後ろについた。
雇用主のセキヤが乗るザクだ。
その右手にはザク・マシンガンが握られていた。
『えっ、マシンガン?』
『前に言っただろう、リック。クラバは何でもありだって。クラッカーやマシンガンも使いたい放題さ』
『え……』
『命をかける戦いなんだぜ! クラバは。えっ、出し惜しみしてどうする。パッと行こうぜ。パッと』
オレの乗るザクはグレー色。
武装は右手にヒートホーク、左手にスパイクシールドを装備。
完全に近接戦闘へ特化させた形態だ。
『ポメラニアンズが自前で用意したモビルスーツは1機だけだ。連携プレイは期待できそうにないな』
『オレが先行して行きます
『俺が援護してやる。安心して突っ込め。背中は任せるぞ』
☆
ポメラニアンズvsゴリラズ
3・2・1・GO
戦いのコングが鳴った。
2機のザクが、回避行動を取りながらこちらに接近してくる。
あれが、戦後に主流となったという「MAV戦法」か。
独立戦争中には見なかった、馴染みのないスタイルだ。
緑色のザクがやや先行して進んでいる。
カネバンの、ポメラニアンズのモビルスーツだ。
『リック! ヤツらはヒートホークで接近戦に持ち込む気だ。まずはマシンガンで牽制する』
『了解。先行している機体に接近します』
セキヤが搭乗するザクがマシンガンを放った。
ザク・マシンガンには欠点がある。集弾性に優れていない。
『あれっ? 当たらないな』
『ポメラニアンズが回避しましたね』
『よし、俺が近づく。リックが援護に回れ』
緑色のポメラニアンズ機が接近。
ザクは岩を背に隠れて、様子をうかがっている。
セキヤがマシンガンをばら撒くと、慌てて出てきた。
「悪くない動きだがまだ若い。少しからかってやるか」
オレはポメ野郎をからかうことにした。
わざと前に躍り出で、反応を見る。
一体どれほどの腕前だろうか。
ポメ野郎は予想していなかった敵の襲撃に驚いていた。
ピンク色のモノアイが左右に激しく動いている。
パイロットは動揺しているだろう。
野郎はヒートホークを振り降ろしてきた。
オレは左手のマニュピレーターで柄を押さえ込んだ。
「接触回線で聞こえているか! ザクのパイロット」
「なんだよ! こいつ」
「あいにく民間人には負けられないんでね!」
そのまま、圧力をかけてホークの柄を押し返す。
ポメ野郎はそのまま離れていった。
オレはザクのコックピットに貼り付けた昔の写真に目をやった。
戦後、軍を続けた仲間も少なくはない。
まだ、ライバルには負けられねえな。
オレは小さい声で呟いた。
(続く)
今後の展開を考えてます
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クラバ編を続行
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更新を休止
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設定資料集が出るまで待機