対戦相手が変わったと聞かされたのはクラバの2日前だった。
ポメラニアンとは実に1ヶ月ぶりの対戦だ。
ガンダムと戦うと、セキヤから聞いてワクワクしてきたぜ。
「対戦モビルスーツはジークアックス?」
「ジークアクスだろう。リック」
オレとセキヤはクラバの動画を見て情報収集していた
赤いガンダムとジークアクスが戦う姿を。
ガンダムはビームライフルを使用せず、代わりにハンマーを使っている。
オレが気になるのはジークアクスだ。
機体は機動力に優れ、パイロットの回避能力も高い。
ヒートホークだけで勝負するガッツのある奴だと思う。
接近戦に持ち込めは勝機はあると、セキヤが言っていた。
勝てなくても勝負することに意味がある。
☆
6月13日
カウントは80秒前から始まった。
今日もオレはグレー色のザク、セキヤは黒色のザクに乗っている。
ミノフスキー粒子の影響で接触回線でしか会話できない。
「気張るなよ。リック」
「セキヤさん、一撃入れてやりますよ。ガンダムに」
3・2・1・GO
クランバトルが始まった。
「カネバンにとってはリベンジマッチだな」
先に攻撃を仕掛けた方は位置がバレて不利になる。
だが、機動性の高いガンダム相手に
「直線上にミノフスキー粒子が撒かれている。レーダーは効かないか」
モニターがジークアクスの姿をとらえた。
オレは即座に操縦桿の赤いスイッチを押す。
ザクマシンガンの反動がザクの両腕に伝わる。
ジークアクスは白いシールドで弾丸を受け止め、AMBACで向きを変えた。
機動力では差がある分、テクニックで補うしかない。
幸い、動きが素人臭い。
「対戦相手は2戦目。まだ慣れていないはず」
突如、コックピット内に警告音が鳴り響く。
右の方向から接近警報。
赤いガンダムだ。
「相手のMAVが助けに来たか?」
赤いガンダムがハンマーを振りかざす。
ガンダムのハンマーを食らえば数秒動きが止まる。
あれを食らうのは避けたいところだが。
攻撃を仕掛けて距離を取るか。
オレがザク・マシンガンを連射すると、ガンダムの姿がモニターから消えた。
「速い。あれがガンダムか? まるでシャアのような動きをする」
再度、索敵チェックをかける。
赤外線センサーに反応があったので連射。
シールドを持たないガンダムに命中、命中。
「硬い装甲だ。軽キャノン以上か!」
元々、120ミリのザク・マシンガンは対艦用に開発されたもの。
対モビルスーツ戦では、弾速も集弾性も悪く、今となっては威力不足と言われるほどだ。
奴はザクに接近してもあの武器を使わなかった。
ガンダムの象徴ともいえる"頭部バルカン"。
なぜだ? まさか弾切れか?
その事を考えていると、黒い影が視界を横切った。
ガンダムが振るったハンマーが、自機の胴体に命中。
機体が激しく左右にぐらつく。
「クソッ、なんて! リーチの長い武器だ」
オレはすかさず、ザクの背面の小型追加ブースターを作動させた。
爆発的な加速で、一気にガンダムと距離を取った。
ガンダムの姿が、視界の端へと遠ざかっていく。
オレは接触回線でセキヤに呼びかけた。
いわゆる、お肌の触れ合い回線という代物だ。
『ガンダムに近づけない。ジークアクスを狙う』
『オレが赤いガンダムを狙う。後退しろリック』
オレは背面の追加ブースターを投げつけた。
白いMSは即座に反応し、ヒートホークを作動させた。
振り上げたヒートホークでブースターをぶった切る。
「思いっきりがいいヤツだ」
爆発でザクのモニターが見えない。
だが、その一瞬の隙をMSのパイロットは見逃さない。
巨体に似合わぬ機動で、一気にザクの懐に入り込む。
「なんて! 速さだ」
警告音が鳴るよりも早く、視界が閃光で白く染まる。
モニターはブラックアウトして沈黙したままだ。
オレは負けたことを自覚した。
メインカメラをやられたら普通のオールドタイプは戦えない。
戦えるのはニュータイプだけだろうよ。
試合には負けたがいい経験だった。
クラバで初めての敗北。
今後の展開を考えてます
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クラバ編を続行
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更新を休止
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設定資料集が出るまで待機