ウルトラギャラクシー 四人の姫と怪獣使い   作:幽明卿

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10話 VS 次元凶獣

 

 

「銀河皇獣、ギガロガイザ――」

 

 ゾゾギガ星人アンサーニの工房、その地下実験室に閉じ込められていた怪獣。アンサーニの端末からその名を知ったミクリアは、言葉を続ける。

 

「どうやら、この怪獣は失敗作だったようね」

 

「失敗作?」とディオーネが問い返す。ミクリアは頷いて、

 

「この端末は実験日誌になってるみたい。これによると、ギガロガイザはあいつが遺伝子操作で生み出した怪獣らしいわ。あいつの計画は、自分で創り出した最強の怪獣と一体化して、その力を自分のものにすることのようね」

 

「なるほど」とダルヤは得心した。リリアの身柄を手中にしたとき、アンサーニはそんなことを口にしていた。

 

「でも、このギガロガイザは、知能、運動能力、光線の威力、潜在能力、そのどれもが目標値に達してなかったみたい。この個体は処分して、新しい個体を創り出す必要があると書かれてあったわ」

 

 一同は改めてギガロガイザを見上げる。アンサーニの都合で生み出され、にもかかわらず失敗作として処分されてしまう怪獣。その巨大さから威圧感を醸し出してはいるものの、内実を知ると憐れさを感じさせもした。

 

「気の毒な子だけれど……今は、それどころじゃないわ」

「ああ」

 

 そのときだった。ダルヤはハッとして顔を壁のほうに向けた。膨大なエネルギーの奔流を感じたのだ。リリアの能力を利用しての実験が行われたとしたら、この感覚に説明がつく。

 

「あっちだ!」

 

 そちら側のドアへダルヤが駆け出す。ミクリアたちも彼の意図を飲み込み、その後を追った。

 

 

   ★

 

 

 アンサーニは警備システムのアラートを耳にして、モニターでそれを確認した。

 ダルヤらがギガロガイザの格納庫からこの実験室に近づいてきている。扉にはロックがかけられているが、侵入時のように壁を壊されると実験の完遂に影響が出る。

 

「残り75%か。邪魔はさせんぞ」

 

 アンサーニがバトルナイザーを構える。

 先端から放たれた白銀の閃光が一瞬、室内に満ち――

 

 

   ★

 

 

「扉があるわ!」

「間違いない! リリアはあの部屋だ!」

 

 廊下を進むダルヤたちは、角を曲がった先の突き当たりに扉を発見した。

 一目散に駆けるが、扉が目前まで迫った瞬間、目の前に閃光が広がった。

 

「なにっ!?」

 

 一瞬、体がぐにゃりと捻じ曲がった感覚がした。まるで水中に身を飲まれたかのようだ。

 その感覚はすぐに過ぎ去り、閃光も消える。しかし――

 

「ここは……!?」

「さっきまでの廊下は!?」

 

 姉妹たちが周囲を見回す。そこは走っていた廊下ではなく、だだっ広い部屋に一変していた。

 ギガロガイザがいた実験室と同様、天井まで100m以上の高さがある。四辺はさらに長く、400m×300mはありそうだ。部屋内には何もないが、壁には至るところにカメラや用途不明の機械が埋め込まれている。また、床から80mほど離れた壁には、四辺をぐるっと巡るように回廊が築かれていた。

 

「地下にあることは間違いなさそうだが、こんな広い空間があったとはな。だが――」

 

 エネルギーの奔流はまだ感じられる。何かしらの手段でワープさせられたようだが、さっさとここを抜け出してリリアを助けに行かなくては。そう、ダルヤが走り出そうとしたときだった。

 

「ハハハハハハ……!」

 

 高笑いと共に、正面の回廊にアンサーニが現れたのだ。空間に亀裂が入り、そこから出てきたように見えた。ダルヤたちをワープさせたのと同じ方法だろうか。

 

「アンサーニ……!」

「リリア姉さんを返しなさい!」

「それは無理な話だよ。君たちも分かっているだろう? 君たちはここで死ぬことになる。我が怪獣コロシアムでね」

 

「怪獣コロシアム……?」と疑問符を浮かべるフィオネに、アンサーニが答える。

 

「研究の一環として怪獣同士を戦わせることがあってね。ここは、そのデータを記録するための場所なのだよ」

「……ギガロガイザも戦わされたんですの?」

「ほう。見てきたのかね? その通りだよ。――折角創り出してやったが、奴は使えなかったな。失格だったよ。私が手にする宇宙最強の肉体には似つかわしくなかった」

 

「御託はもう充分ですわ……!」とディオーネ。

「そのとおりだ」とダルヤが後を継ぐ。ホルスターから引き抜いたバトルナイザーをアンサーニに向けて突きつけた。

 

「フフ……」

 

 アンサーニは不敵に笑い、彼もまたバトルナイザーを構える。

 そして、ダルヤに対してある提案を持ちかけた。

 

「ダルヤとかいったか。君に『真のレイオニクスバトル』を申し込もう」

 

 ダルヤが眉根を寄せる。ミクリアが「真のレイオニクスバトル……?」と訝しげに言うのに対し、アンサーニは「見れば分かる」と尊大な顔をした。

 

 その挑戦にダルヤが応える。

 

「いいぜ。さっさとお前を倒してリリアのもとに行く。――来い!」

 

 両者が同時に怪獣の名を叫ぶ。

 突き出したバトルナイザーから光が放たれ、コロシアムに実体化する。

 

「いけ! アリゲラ!!」

「征け! カミソリデマーガ!!」

 

≪バトルナイザー モンスロード!≫

 

 此方、ダルヤの側に立つのは、戦闘機のようなフォルムに赤い甲殻を纏った宇宙有翼怪獣、アリゲラ。

 対峙する敵に向け、甲高い雄叫びを響かせる。

 

「キュァアアッ!!」

 

宇宙有翼怪獣 アリゲラ 
体長:55メートル 体重:11,000トン 

 

 そして彼方、アンサーニの側に立つのは、メタリックブルーの体躯を持つ次元凶獣、カミソリデマーガ。

 額に位置する金色の角を頂点として、背中から尻尾に至るまで無数の剣山を生やしている。さらに特徴的なのは、腕と一体化した巨大な刃。そして、背中から翼のように伸びる二対の刃だ。そのどれもが鋭く、照明の光を受けて白銀の反射光を放っている。

 

 何の誇張もなく、全身が凶器としての役割を果たしている。その見た目に違わず、少しの身じろぎをするだけで、ロボットの駆動音のような重々しい金属音が鳴り響く。それをBGMにして、カミソリデマーガは威嚇の唸り声をあげる。

 

「グクルルルルルルルッ……」

 

次元凶獣 カミソリデマーガ  
体長:60メートル  体重:70,000トン  

 

 睨み合う両者。その主たちが号令を発すると同時に――

 

「アリゲラ!」

「カミソリデマーガ!」

 

 ――決戦の火蓋が切って落とされた。

 

「キュァァアアッ!!」

 

 アリゲラのジェット器官が青白い光を放つ。床すれすれの低空飛行でカミソリデマーガに向けて突進する。一陣の風が吹き荒れ、ダルヤや姉妹たちの髪を靡かせる。

 

「ギギャァアアオオン!!」

 

 カミソリデマーガの咆哮と共に、金属音が重く鳴り響いた。

 その両腕が体の前で交差していた。すると、腕と一体化した巨大な刃が「X」字をした盾となる。アリゲラがそこに頭をぶつけたために金属音が鳴ったのだ。

 

 カミソリデマーガは床に爪を食い込ませていた。アリゲラの突進を受けて後退したことで耳障りな金切り音が響く。だがそれはすぐにやんだ。カミソリデマーガが突進を完全に受け切ったのだ。

 カミソリデマーガは腕を素早く動かし、アリゲラの首を上から押さえつける。同時に自身の膝を勢いよく振り上げ、アリゲラの顎下に膝蹴りを打ち込む。

 

「キュァアアオオン……!!」

「グクルルルルルッ!!」

 

 アリゲラは床に足をつけ、上体を起こす。すると、カミソリデマーガは空いた胴体へすかさずショルダータックルを叩き込んだ。たまらず、アリゲラが悲鳴をあげて後退する。

 両者に再度距離が空く。カミソリデマーガの角が熱気を纏い、生成した火球をアリゲラに向かって飛ばした。

 

「キュィィイッ!!」

 

 アリゲラも光弾を放ち、空中でそれを相殺する。火球は連続で発射されるが、その全てを正確に撃ち落とす。

 そうしている間に、アリゲラは尻尾の先端に光弾を形成していた。追尾性を持つそれを放ち、横手からカミソリデマーガを襲わせる。

 

「グォォオッグクルルルルル……」

 

 その目論見は成功し、敵の脇腹を捉えた。だが、想定外だったのはカミソリデマーガの頑強さだ。光球は確かに爆発を起こした。にもかかわらず、カミソリデマーガに応えた様子は一切なかった。

 唸り声も余裕を表しているように聞こえる。カミソリデマーガは悠々と歩を進め、両腕の刃を研ぎ合わせる。

 

「ギギャァァアオンッ、クルルルルルッ!!」

 

 刃が一閃する。アリゲラの胸を薙ぎ、摩擦の火花を噴き出させる。

 アリゲラが背後に倒される。――それに連動するように、ダルヤもまた仰向けに倒れた。

 

「ダルヤ様!?」

 

 その様子を目にしたアンサーニの高笑いが響く。

 

「ハハハハハ! 『真のレイオニクスバトル』とはこういうことだよ! レイオニクスは操る怪獣と感覚を共有する。怪獣が痛めつけられれば、レイオニクスもまたその痛みを負うのだ。つまり、怪獣が死ねばレイオニクスも死ぬ。レイオニクス同士の命を賭けた戦いなのだ!」

「そ、そんな……!」

 

「大丈夫だ」寄り添うディオーネたちを下がらせ、ダルヤが体を起こす。

 

「その痩せ我慢はいつまでもつかな? ――カミソリデマーガ!」

「アリゲラ! 刃ならお前にもあることを教えてやれ!」

 

「キュァアッ!!」

 

 立ち上がったアリゲラが翼を振るう。これまでゲランダやネオザルスの体を両断してきた翼だ。カミソリデマーガの脇の下を捉え――しかし、先に続かない。強固な体表に阻まれ、肉に食い込むことはなかった。むしろ、この怪獣に肉などあるのかと怪しむほどだ。

 

「無駄だ!」

 

「グクルルルルッ!!」

 

 アリゲラの反撃をものともしないカミソリデマーガが、己の刃で風を切る。一撃、二撃とアリゲラの胴体を捉え、その甲殻を超えて肉を裂く。ざっくりと開いた傷から青い血が噴きこぼれ、床にばら撒かれていく。

 無論、そのダメージもダルヤに直結している。今度は説明のために手を止めることはなく、カミソリデマーガは続けて刃を振るった。

 

「ギィィィイイ……ッ!!」

 

「ぐあぁぁぁあ……っ!!」

 

 ダルヤは胸を押さえながら膝をつく。アリゲラの胸に刻まれた切り傷が、彼の額に脂汗を滲ませていた。足腰に力を込めて何とか立ち上がるが、アリゲラに反撃できる体力は残されていなかった。

 

「グクルルルルルッ!!」

 

 カミソリデマーガが少し身を屈める。すると、翼のように生えている背中の刃が正面を向く。

 刀身が青白いエネルギーを纏う。次の瞬間、エネルギーが分離し、カッター光線となって射出された。

 真っ直ぐに飛ぶ光刃が二発。さらに、ブーメランのように回転しながら飛ぶ光刃が続けて二発。計四発の光刃がアリゲラを襲い、彼の体を爆炎で覆い尽くす。

 

「キュィィィィィイイ……ッ!!」

 

「ぐぅぅぅう……っ!! ――くっ! アリゲラ、戻れ!」

 

 アリゲラの体が金色の光と化し、ダルヤのバトルナイザーに戻っていく。

 

「フフフ。次はリザリアスかね? だが怪獣を変えても君のダメージは残されたままだ。なおかつ、リザリアスはネオザルスとの戦いで消耗していたね。まともに戦えるのかな?」

 

 アンサーニの嘲弄に唇を噛みながら、ダルヤはバトルナイザーを掲げる。

 

「いけ……! リザリアス!

 

≪バトルナイザー モンスロード!≫

 

「グゴォオオオオン!!」

 

レプタイルタイプビースト リザリアス  
体長:51メートル  体重:36,000トン  

 

 藍鼠色のスペースビーストがコロシアムの地に降り立つ。

 だが、ネオザルス戦では相当なダメージを負っていた。持ち前の攻撃本能によって瞳に闘志を燃やしているものの、体が保つかどうかは別の問題だ。

 

 その消耗具合を確認してか、カミソリデマーガは余裕綽々に刃を研いでいる。彼からすると、今のリザリアスは威勢のいい子犬も同然なのだろう。

 その子犬が熱線を放つ。だが、カミソリデマーガに油断はなく、即座に反応する。腕の刃を「X」状に組み、同形のカッター光線を飛ばした。

 

 青白く輝くそれが、熱線の奔流をあっさりとスライスする。ダメージに後退するリザリアスに向け、カミソリデマーガは背中の刃からの光刃を放つ。

 

「ビャギャァァアアオン!!」

 

 真っ直ぐに撃ち込まれた光刃をまともに受けるリザリアス。続けて飛んでくる回転光刃は身をよじって辛くも躱すが――

 

「リザリアス!」

 

 光刃はブーメランのようにカーブしてリザリアスの背中を襲った。前方にたたらを踏むリザリアスをカミソリデマーガが待ち構えている。腕の刃が一閃し、彼の胴体を切り裂いた。

 

「ビャァァァアアッ!!」

 

「ぐはぁ……っ!!」

「ダルヤ!」

 

 のけぞるリザリアスをカミソリデマーガは逃がさない。額から放つ火球で追撃をかける。リザリアスは体を丸くして堪えようとするが、カミソリデマーガは彼の首を脇の下に抱え込む。そうして密着した状態で自分の体に高圧電流を纏わせ、リザリアスへと流し込んだ。

 

「あ゛あ゛あぁぁああッ!!」

「ハハハ! 最初の威勢はどうした! 口ばかりで、まるで手も足も出ないではないか!」

 

「グォォグックルルルルル!!」

 

 カミソリデマーガが足を振り抜き、リザリアスの腹に爪をめり込ませる。その勢いのまま蹴飛ばすと、怪獣に連動してダルヤの体も吹っ飛ばされ、背後の壁に激突した。

 

「ビギィィィイ……」

 

「はぁ、はぁ、はぁ……っ!」

「ダルヤ様……」

 

 何とか立ち上がる彼を姉妹たちは不安そうに見詰める。それもそのはず、ダルヤは立ち上がっても上体を起こすまではできていない。膝に手を突いて支え、歯を食いしばってようやく直立を果たす。顔には滝のように汗が流れており、見ているだけでも痛ましい状態だった。

 

 そんな様のダルヤに、アンサーニは嘲笑を込めて言い放つ。

 

「滑稽だねえ、無様だねえ。あまりにも弱すぎる。『真のレイオニクスバトル』ができる程度のレベルには達しているが、それだけだ。野良怪獣には勝てたかもしれないが、この私にはとても敵わない。それどころか、この宇宙で覇を競っている、そこらの有象無象にも負けてしまうだろうね」

 

 リザリアスがショルダータックルを叩き込む。しかし、カミソリデマーガは微動だにしない。まるで高く聳える城壁にぶつかっているかのようだ。反撃の刃が振るわれ、リザリアスの喉元が掻っ切られる。

 

「今、君の弱さが理解できたよ。――君には信念がない。渇望がない。心の底から追い求める野望がない。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()を、君は果たしていないのだ。それが君の弱さだよ」

 

 リザリアスが前方宙返りし、浴びせ蹴りの要領で尻尾を叩きつける。ただ、それもダメージになっている様子はない。鐘を鳴らしたように()()()と低音が響いただけだ。

 カミソリデマーガは、地面に横たわるリザリアスの尻尾を掴む。尻尾を振り上げ、その体を宙に浮かし、そして床に叩きつける。リザリアスの悲鳴が響くも容赦はない。次は持ち上げた彼の体を振り回し、壁に向かって放り投げた。

 

「ビャァァアアア……!」

 

「あ゛、ぐ……っ」

 

 リザリアスと並んで壁に叩きつけられるダルヤ。そのもとへカミソリデマーガが歩み寄る。その一歩一歩に伴って発生する揺れが、ダルヤの体に響く。

 

「ビャギャァァアアオオン……!」

 

 リザリアスが先に立ち上がり――カミソリデマーガへ突っ込む。

 全身から血が噴き出、床に飛び散る。無謀ともいえるその突進を、メタリックブルーの次元凶獣は泰然として迎え撃つ。

 

「トドメだ! 死ねい!!」

 

「グォォッグックルルルルルッ!!」

 

 振り下ろされた刃が、リザリアスの肉を断つ。

 降りしきる血の雨。力ない断末魔がコロシアムに反響する。

 リザリアスの動きが止まり、その眼から光が消失する。

 

 ゆらり、と傾き、そして――

 地響きの音と共に、リザリアスは斃れた。

 

「…………」

 

 決着、そして訪れる静寂。

 ダルヤの喉からは断末魔もあふれなかった。床に倒れ伏し、動かない。

 姉妹たちは目の前の事実が信じられず、何の言葉も出せなかった。

 

 しかし、現実逃避ともいえるその反応を嘲笑うかのように――

 

「ハハハハハハ!!!」

 

 ――アンサーニの哄笑が響き渡った。

 

「馬鹿な男だ。力も持たないのに虚勢を張って。だが所詮は、それまでの男だったということ。この私の計画を邪魔できる存在はいない! 私は至高の存在となり、この宇宙を制するのだ!」

 

 そのときだった。自分のほうへ飛んできた何かを、アンサーニは払いのけた。

 飛んできた方向を見やると、銃を構えるディオーネがいた。どうやらその銃が放ったエネルギー弾らしい。

 

「無駄だよ。君たち三人が束になっても私には敵わない。――それより」

 

 にやつくように、アンサーニは顔の発光体を点滅させる。

 

「カイルライト王国の王女たちよ。私は、君たちにまで危害を加えるつもりはない。どうかね? この私のもとに下らないか? フフフフフ」

 

 その厭らしい含み笑いを掻き消すように、ディオーネは「誰が!」と叫んだ。

 

「あなたに屈服するくらいなら、死んだほうがマシですわ!」

「何が『危害を加えるつもりはない』よ……! リリアを攫っておいて!」

「それに、ダルヤまで……! 絶対に許しませんわ!」

 

 ミクリアとフィオネも追随して銃を構える。

 

「いいねえ。勝気なプリンセス様だ。こういうじゃじゃ馬をじっくり調教していくのも、また乙なものだからねえ。――カミソリデマーガ」

 

 アンサーニが指示を出すと、怪獣が姉妹のほうへ巨体を向けた。

 その双眸に睨みつけられ、威圧感を直に肌で味わうと――三人はガタガタと震え出した。

 心は屈していない。だが、目前に迫りくる死の恐怖が、体を本能的に動かしていた。

 全身に汗が噴き出る。体温が奪われ、まるで裸で氷室に閉じ込められたように感じる。呼吸が乱れ、胸が苦しくなる。怪獣が一歩一歩近づいてくるごとに、体から力が抜けていく。

 

「フフフフフフ……!」

 

 アンサーニが満足そうにその様子を眺めていると――

 ふいに、「ピピッ」という電子音が鳴った。

 アンサーニは「ん?」と端末機器を操作する。画面に表示されていたのは、この部屋が記録しているデータに異常が見られるとの報告だった。

 

「エネルギーの、増大――……?」

 

 にわかに、体の表面がそそけ立つ感覚がした。

 アンサーニは咄嗟にその方角を向く。リザリアスとダルヤの死体が転がっているはずの場所だった。

 

「……な、に……?」

 

 彼は驚愕する。あるべきでないことが起きていた。

 死んでいたはずのダルヤが起き上がり、アンサーニを見上げていた。煌びやかな粒子を含んだ紫のオーラが全身に纏われ、炎のように揺らめいている。

 

「ダルヤ!?」

「ダルヤ様……!」

 

 希望の声をあげる姉妹たちに頷きを返して、ダルヤは再びアンサーニに目を向けた。

 

「アンサーニ。ひとつ言っておく」

「……!」

「全宇宙の支配がレイオニクスの使命だというのなら、オレはまっぴらごめんだ。オレはそんなことに力を使わない。オレがレイオニクスとして戦うのは、守りたいものを守るためだ」

 

 ダルヤの隣でリザリアスがゆっくりと身を起こす。その瞳が烈火の如く燃えると、内に秘める意志を表すかのように、その巨体に紫のオーラが纏われた。

 

『エネルギー増大。原因不明。エラー発生、エラー発生』

「まさか……! レイブラッドの因子が、こいつの秘めた力を覚醒させたのか……!」

 

 ダルヤがバトルナイザーを掲げる。リザリアスに纏われていたオーラが皮膚をすり抜けて体内に吸収される。集約されたエネルギーの迸りを抱きしめるように、リザリアスは体を丸め――

 

「ビギャァァアアアアアアッッ!!!」

 

 咆哮と共にエネルギーを解放すると――室内に嵐が吹きすさんだ。

 天井の照明が明滅し、消える。だが、室内が漆黒に沈むことはない。代わりに警戒灯が赤く光り、闇を照らし始めたからだ。

 

 血の霧が立ち込めたような真紅の空間に佇むリザリアス。その姿は、先程までのリザリアスではなかった。

 爛々と赤く灯る眼は左右三つずつ連なっている。肩のあたりに生えていた角は、その上にさらに一本増えており、悪魔の角のように捩じれながら前方に鋭く突き出ている。

 そして、その胴体。ぱっくりと裂かれたような形になっていたが、それは傷痕ではない。もうひとつの口が形成されていた。こちらの口も唸り声をあげながら、ぱくぱくと開閉する。

 

「何だ……!? その姿は!?」

 

リザリアスグローラー 
体長:51メートル 体重:38,000トン 

 

 怪獣の名は、リザリアスグローラー。

 リザリアスがダルヤと感応し、劇的な強化を果たした姿だ。

 

「いけ! リザリアスグローラー!

 

「ビャギャァォォオオオオオン!!」

 

 地響きを鳴らしながらリザリアス(グローラー)が歩を進める。

 アンサーニは我に返り、バトルナイザーを掲げる。

 

「征せよ、カミソリデマーガ! いかに力を増そうとも、この私に敵うはずがないのだ!」

 

「ギギャァァアッ、グクルルルルルッ!!」

 

 カミソリデマーガが刃を振るう。重たい風切り音がその場にいた全員の鼓膜を撫ぜる。だが、次に耳に届いたのはリザリアスGの悲鳴ではなかった。

 リザリアスGは迫りくる刃を手のひらで受け止めていた。のみならず、それを掴んでいた。これまで散々彼の体を裂いてきた刃であるにもかかわらず、手のひらひとつで制したのだ。

 

「グクルルルルルッ!!」

 

 ならばと、カミソリデマーガは反対側の刃も繰り出す。しかし、これも止められる。刃を抑えられれば、それと一体化している腕も自由が利かない。その隙に、リザリアスGの足がカミソリデマーガの腹部を蹴り飛ばした。

 

「ぐふぅっ!?」

「続けて浴びせろ!」

 

 アンサーニが腹を押さえる。それは、カミソリデマーガの頑強な体表を蹴りの衝撃が突き抜けたことを意味する。単純な身体能力だけでも、リザリアスGは進化前とは比べ物にならない力をつけているのだ。

 

 リザリアスGは体を回転させ、尻尾を横薙ぎで繰り出す。側面からそれを叩きつけられたカミソリデマーガは、その衝撃で大きく体勢を崩す。そこへリザリアスGはタックルを放ち、握りしめた拳を続けて叩き込む。

 

「グワァァァアアアン!!」

 

「ぬっ、ぐ、おぉぉお……ッ!!」

 

 体表は鈍い音を立てるが、一発一発の衝撃がカミソリデマーガの体を襲っていた。

 それは同時に、アンサーニの体をも襲う。彼は回廊の手すりにもたれこみ、「馬鹿な……!」と驚愕の声をあげる。

 

「カミソリデマーガァァ!! 撃て! 撃てぇぇええ!!」

 

「グックルルルルッ!!」

 

 両腕の刃をクロスさせて放つ「X」字のカッター光線。しかし、リザリアスGの眼がギラリと輝く。その胸部に開いた口が熱線を放つ。押し返した光刃もろともカミソリデマーガに命中し、大爆発を巻き起こす。

 それでも、カミソリデマーガは命令を忠実に実行する。背中の刃からカッター光線を飛ばす。リザリアスGの二つの口がそれぞれ熱線を吐いて撃ち落とすが、続けざまに放たれた回転光刃には対処しきれない。

 

 リザリアスGは何とか身をよじって躱す。その光景を目にしてアンサーニがにやける。先程と同様、光刃はブーメランのようにカーブを描いてリザリアスGを背後から襲おうとしていた。――だが。

 

「ギャァアアアッ!!」

 

 床を思い切り蹴り、リザリアスGが飛び上がったのだ。その巨体が華麗に前方宙返りを決める。一方、ブーメランのように飛んでいた光刃は敵を見失い、そのまま前方にいたカミソリデマーガの身を抉った。

 

「グワァァアアアアアアン……!!」

 

「がッ、あ゛……!! 馬鹿な、こいつ学習している……! たかが怪獣の分際で! ――がぐぁ!?」

 

 飛び上がっていたリザリアスGが落下に伴って腕を振り抜き、カミソリデマーガの角を叩き割ったのだ。

 アンサーニの頭を強烈な痛みが襲う。自らの顔を撫でると、顔面の発光体に罅が入っていた。

 半狂乱に陥ったアンサーニはバトルナイザーを通じて攻撃指令を出す。しかし、カミソリデマーガは思ったように動かない。

 

「何をしている!? この私に歯向かうというのか!? この出来損ないが! 貴様も処分してやろうか!?」

「やめろ」

「何ィ……!?」

 

 ダルヤがアンサーニを見詰める。その瞳には、ナイフのような光が宿っていた。普段の彼からは考えられない、冷徹な光だ。

 

「怪獣は操り人形じゃない。心を持ち、考えを持つ生き物だ。それでもレイオニクスに協力してくれる、大切な仲間なんじゃないのか」

「何を生っちょろいことを! 怪獣など、私の崇高なる目的のための道具に過ぎん!」

 

 ダルヤがバトルナイザーを構える。「――リザリアスグローラー!」

 

「シャアアアアッ!! ギャルルルルルッ!!」

 

 リザリアスGの両口からエネルギーが迸る。その赤眼は、疲弊して動けないカミソリデマーガを真っ直ぐに見据えている。その敵意が、殺意が、レイオニクスであるダルヤの中にも流れ込んでくる。

 

(……リザリアス)

 

 それを感じながら、彼は思う。

 

(オレは、お前に力を与えるのが怖かった。オレの手に余る存在になって暴れ出してしまわないか、心配だったんだ)

(でも、それは違った。お前はお前のルールの中で生きている存在。お前はただ、自らの命を全うしているだけだ。最初から、お前はオレの手の中になんていなかった。だから――)

 

「リザリアスグローラー!」ダルヤは目を見開き、叫ぶ。「解放しろ、力を!」

 

 暴れたいなら、暴れさせてやる。

 その凶暴性も、守るための力にしてみせる――!

 

「――いけえええ!!」

 

「ビャギャァァアアオオオオオオン!!!」

 

 二つの口が、毒々しい色調の熱線を吐く。

 カミソリデマーガの喉元と腹部に命中し、その体表を熔かしていく。

 内側の肉に抉り込み、内臓をズタズタにしながら背中まで貫く。

 

「がぁぁああああああ――――ッッ!!!

 ば、馬鹿……な……! この、私、がァァアアア!!!」

 

 カミソリデマーガの体表がドロドロに融けていき――

 貫いた二つの穴から外側へ走る衝撃に沿って、あらゆる体組織が無数の破片となって砕け散った。

 アンサーニの悲鳴を掻き消すほどの爆音が轟く。吹き荒れる暴風が姉妹たちの体を後方に吹き飛ばしたが、壁に激突するより前に、ダルヤがそれを受け止めていた。

 

「ダルヤ……」

「か……勝ちましたの……?」

 

 未だ室内に残り続ける反響を別とすれば、静寂が訪れていた。

 カミソリデマーガの巨体は砕け散り、リザリアスGが佇んでいるだけ。――否。回廊に倒れていた人影が、よろよろと起き上がっていた。

 

「貴方の負けですわ! ゾゾギガ星人アンサーニ!」

「負、け……だと……?」

 

 カミソリデマーガが受けたのと同じように、縞模様の肌が融け始めている。兜のように被った外骨格も損傷しており、端の方はボロボロと毀れている。立ち上がったはいいものの、手すりにもたれないと体を支えることもできなさそうだ。

 

『真のレイオニクスバトル』は使役する怪獣のダメージをレイオニクスも共有する戦いだ。カミソリデマーガが死んだ今、アンサーニの命も残り僅かだろう。彼の命運は尽きている。――にもかかわらず、彼は意味深な笑い方をする。

 

「フフ……フ……。最後に負けるのは……私ではない……。貴様らのほうだ……!」

 

 その指先が端末を操作する。すると、室内に合成音声のアナウンスが鳴り響いた。

 

『基地の爆破を実行します。設定は五秒後。五、四、三――』

「なに?!」

「ハハ、ハ……! 貴様らも、これで終わりだァァ!!」

 

 アンサーニの言葉が言い終わるよりも先に、爆発が起こった。

 アラートが鳴り響く。爆音が連鎖し、壁や天井が崩れる。アンサーニの高笑いは、頭上から落ちてきた瓦礫の中に消えていった。

 

「急ぐぞ! リリアを助けにいく!」

「は、はい!」

「――リザリアスグローラー!」

 

「ギャァァアアア!!」

 

 リザリアスGが天井を向く。高火力の熱線が天井をぶち抜き、青空が見えるまでの穴を作り上げた。

 ダルヤはリザリアスGをバトルナイザーに戻してから、リリアのエネルギーを感じる場所へ急行した。

 

 

 

「――リリア!」

「リリア姉さん!」

「お姉様!」

 

 暗闇の奥から聞こえてくるその声に、リリアの意識は引き上げられた。

 鈍麻していた感覚が戻ってくる。瞼を上げると、ダルヤと妹三人が彼女の顔を覗き込んでいた。

 

「みんな……」

「リリア……! 無事でよかった……!」

 

 宇宙鉱石「マーポワ」にリリアの生命力を転送していた実験室である。その機械は止められ、部屋中央に安置されていたマーポワは光を失っていた。リリアの体はカプセルから出されている。実験を無理やり中断したため彼女への悪影響が懸念されたが、意識が戻ってきたことに皆は安堵していた。

 

 ただ、一息ついている時間はない。この部屋もアラートが絶えず鳴り響いている。いつ爆発が襲ってきてもおかしくない状況だ。

 ダルヤはリリアとディオーネを脇に抱え、両肩にミクリアとフィオネを乗せて部屋から飛び出した。

 

「しっかり掴まってろ!」

 

 火の手があがる施設内を猛スピードで駆け、コロシアムまで戻る。そこからリザリアスGが開けた穴に向けてジャンプし、地上まで移動する。

 荒野の地に戻ってきて建物から距離をとった途端、轟音が大気を震撼させた。五人の背後で建物が崩れ落ちる。地面に下ろされた姉妹たちがそちらを振り返る。今もまだ地下から爆音が響いており、火の手が噴き上がっていた。

 

「……何とか、なりましたわぁ」

 

 安心からか、腰砕けになってへたり込むディオーネ。そんな妹を見て姉たちは思わず笑みをこぼすが、ダルヤだけは険しい顔で工房に目を向けていた。

 

「……ダルヤ?」

 

 ミクリアがそれに気付き、彼に声をかける。ダルヤは一歩前に踏み出す。そして、

 

「忘れ物をとりに行ってくる」

 

 それだけ言って、脱出に使った穴に飛び込んでいった。

 

「ダ――……」

「ダルヤ様!?」

 

 

 

 ダルヤが向かったのは、最初に巨大な生命反応を感じた部屋だった。

 炎と煙の中を駆ける。脱出のときより状況は悪くなっている。下手をすれば、もう帰れないかもしれない。そのリスクがあっても建物に戻らなければならない理由が彼にはあった。

 

「――ギガロガイザ!」

 

 部屋に辿り着くと、ダルヤは奥に眠っているギガロガイザのもとへ走った。

 そして気付く。首や胴体を締め付けていた拘束具が崩落している。恐らくこの爆発の余波だろう。

 ダルヤの呼びかけに応じ、怪獣の瞳に光が灯る。首を軽く起こし、彼に目を向ける。

 

「オレはダルヤ。レイオニクスだ」

 

 ダルヤはバトルナイザーを掲げ、怪獣に語りかける。

 

「ここでお前を死なせたくない。オレの仲間になってくれないか」

 

 バトルナイザーが起動する。三つの液晶画面に光が灯り、マシンの先端から金色の光線が川のように流れ出す。その光がギガロガイザを包み込む。――最後にその体を転送すれば完了する、そのはずだった。

 

 だが、突然光が弾き飛ばされた。怪獣側から拒否されたということだ。

 バトルナイザーを介してギガロガイザと繋がった一瞬、ダルヤの脳内には相手の思考が流れ込んでいた。どうして拒んだのか、どうして仲間になれないのか、その理由を。

 

「……ここで死にたいっていうのか」

 

 ギガロガイザはアンサーニの期待に応えられなかった。能力値は平凡か、それより下。彼が求めていた「宇宙最強の肉体」には到底適うものではなかった。

 それが分かった後も、アンサーニはギガロガイザを戦わせたらしい。潜在能力を見極めるという目的もあったようだが、最たる理由は憂さ晴らしだった。この星に来てから計画が上手くいかない。何もかもが計算を外し、使い物にならない。その鬱憤を、ギガロガイザを虐待することで晴らしていたらしい。

 

 ギガロガイザは、生きていても仕方がないと考えている。

 自分には何もできない。何の能力もない。何の才能も眠らせていない。もしダルヤの仲間になるとしても、足を引っ張るだけ。ならば、ここで死んだほうがいい。――そう考えているのだった。

 

「ダメだ」

 

 だが、ダルヤはきっぱりと言い放った。

 

「そんな理由なら、ますます見捨てられない。オレについてこい。オレが必ず、お前を守ってやる」

 

 再度、バトルナイザーを起動させる。その光でギガロガイザを包み込む。

 研究室の壁が爆発で吹き飛ぶ。炎が噴き出し、熱気と黒煙で室内を満たしていく。

 その中でも、ダルヤは真っ直ぐにギガロガイザを見据えていた。

 

 

 

「ダルヤ……」

 

 一方、地上では、姉妹たちが揃って浮かない顔をしていた。

 せっかくアンサーニを倒してリリアを助け出せたのに。これでダルヤが帰ってこないなんてことになれば、一体どんな顔をすればいいのか。

 

 何度目かの爆炎が穴から立ち昇った、そのときだった。

 穴から飛び出してくる巨大な影があった。それはぐんぐんと空中に昇り、鋭い両翼を太陽の下に広げた。

 

「あれは……!」

「アリゲラですわ!」

「ということは!」

 

 アリゲラから飛び降りてくる人影。

 地面に降り立った彼に向って、姉妹たちは駆け寄り、抱きついた。

 

 彼のホルスターに収められたバトルナイザー。

 その三つ目の画面には、鮮やかな群青色の怪獣が宿っていた。

 

 


 

≪登場怪獣≫

 

■次元凶獣 カミソリデマーガ

体長:60メートル

体重:70,000トン

 

『ウルトラマンR/B』第22話「異次元かあさん」に登場。

 

金属質の体表に覆われた怪獣。異次元に棲息している。

特徴的なのは、腕と背中に生えた巨大な刃。単純に近接武器として使ったり、収束させたエネルギーを刃の形状にして射出することも可能。

他にも、火球や電流といった多彩な攻撃手段を持つ。

 

なお、ゾゾギガ星人アンサーニがダルヤらをワープさせたのは、この怪獣の次元移動能力を応用したもの。

(原典に同様の能力があるかは不明)

 

 

■レプタイルタイプビースト リザリアスグローラー

体長:51メートル

体重:38,000トン

 

『ウルトラマンネクサス』第31話「鳥 -バード-」に登場。

 

リザリアスの強化形態。

従来のリザリアスをベースに、眼が六つになり、体から生えた角の本数が増え、胴体にもうひとつの口が開いている。

原典では、ビーストという種の特性故か、アンノウンハンドの影響か、高い学習能力も発揮し、ウルトラマンネクサスを追い詰めた。

必殺技は、二つの口から同時に放たれる熱線。

 

本作では、レイブラッド因子を覚醒させたレイオニクスと感応した姿として扱われる。

『大怪獣バトル』のゴモラにおけるEXゴモラのような立ち位置。

 

 

■銀河皇獣 ギガロガイザ

体長:61メートル

体重;48,000トン

 

『ウルトラマンデッカー最終章 旅立ちの彼方へ…』に登場。

 

本作では、ゾゾギガ星人アンサーニによって創り出された怪獣として登場。

アンサーニが求めた「宇宙最強の肉体」だったが、この個体は望み通りの力を持たない失敗作として処分待ちになっていた。

その後、ダルヤの所持怪獣となる。

 

原典では、ゾゾギガ星人プロフェッサー・ギベルスが変身した姿として登場した。

ゾゾギガ星人がギガロガイザへの変身能力を持つ種族なのか、ギベルスが後天的に能力を手にしたのか、ギガロガイザは元々別個体として存在するのか、などは不明。

本作では上記のような設定にした。

 


 

≪用語≫

 

■レイオニクス

かつて全宇宙を支配したレイブラッド星人の因子を受け継ぐ者のこと。

「バトルナイザー」を介して怪獣を操ることができ、怪獣同士を戦わせる「レイオニクスバトル」によって覇を競っている。

すべてのレイオニクスの頂点に立った者は、レイブラッド星人の後継者として全宇宙を支配することができるとされている。

 

レイオニクスは上述の因子の影響で強い闘争本能を宿しており、ほぼすべてのレイオニクスが宇宙征服の野心を持って戦いに臨んでいる。

また、レイオニクスとしてのレベルは、本人の才能や戦闘経験によって変わる。中には、レイブラッドの因子を覚醒させることで爆発的に潜在能力を引き出す者もいる。

 

 

■真のレイオニクスバトル

ある程度のレベルに達したレイオニクス同士が行うことができるレイオニクスバトル。

片方がその意思を示せば実行され、もう片方に拒否権はない。

このバトルが実行されると、レイオニクスと怪獣の命がリンクされる。バトルの中で怪獣が受けたダメージはレイオニクスに共有されるため、怪獣が死ぬとレイオニクスも命を落とすことになる。

 

なお、怪獣とのリンクを切る(=所有権を放棄する)ことで死を回避することは可能。

ただし、後続の怪獣がいなければレイオニクス本人へ攻撃されるので、あまり意味はない。また、後続がいたとしても、レイオニクス自身にダメージが蓄積しているため、その後の戦闘は不利となる。

その場しのぎにしかならない場合がほとんどであり、この方法を知っていても相棒怪獣と運命を共にするレイオニクスも多い。

 

 

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