モンハン、届いてくれました。
楽しいですね。生きててよかった。
痛みを伴う新感覚
破裂音がした方角へ走ると、脆そうな兜を被った連中と、少人数の軽装な少女が争っていた。
手に持っているのは...なんだあれ?クロスボウの類か?
兎も角、俺は身を隠す。なぜ身を隠すかって?そりゃ答えは一つ、
げに恐ろしき、なんて哀れな種族、不死人。
そういう訳で、俺は暫く戦闘を遠巻きに観察することにした。この完璧なステルス、分かるはずがない。
そう内心ドヤ顔を決め込みながら、遠眼鏡で戦闘を観察する、する...?
「なんかめっちゃこっち見てるんですけど...」
そう思わず口に出るほど、綺麗に、戦場にいるほぼ全員にガン見されていた。
その一方、対策委員会とカタカタヘルメット団。
「シロコ、そのまま前線を掻き乱してくれ!」
「ノノミ、セリカはそのカバーに!」
「いや〜、中々しつこいね〜。おじさん疲れちゃうよ〜」
「大して年変わらないでしょ!!」
そう騒ぎながらも、正確にヘルメット団共は数を減らしていっている。
「クソッ、厄介な連中だよ、本当に!」
「リーダー!このままじゃ全滅っすよ!!」
カタカタヘルメット団、窮地!!
その時であった、キラリと太陽光が何かに反射し、思わず戦場のほぼ全員が反射元の存在するであろう方角を向く。
そこには、全身を前時代的なフルプレートアーマーで包んだ人間が、双眼鏡の様なものを目に当てながらこちらを伺っていた。
(なんだあれ...)
先程までバラバラだった全員の意思が、その一点に集中する。
「なんかめっちゃ見られてね?モテ期?」
そんなフルプレート男にはあり得ない淡い期待を胸にしながら、俺はその集団へ手を振りながら近付く。
「あっ、どうも〜...」
そう遠慮しながらも、目を澄ませながら敵か味方かの判別を行う。
長年の経験か勘故か、敵意のある相手とそうでない相手が
兎も角、俺の勘と経験が導き出した結果は、全員敵。“殺せ“。
その刹那であった、俺の身体がほぼ勝手に動く。
右手には大剣を、左手には盾を。
「
そう言って、徐ろに踏み込み、腰溜めに剣を力任せにぶん回す。その攻撃は、脆そうな赤い兜を付けた少女にクリーンヒットした。
「ぐえっ!!!」
と蛙の潰れたような声を上げながら、その場に倒れる。おかしいな、あのレベルの相手であれば一撃の筈...
リーダー!!と有象無象共が群がる。
奴らは無視でいいな。そう判断し、奥で構えていた4人の方へ向き直る。
一人は銀髪で、犬の様な耳を生やした少女。
一人は女性的なラインの、重厚な武器を持った少女。
一人は黒髪の、これまた犬の様な耳を生やした少女。
そして、一人は大盾を持った、小柄な少女。
俺は少しの間、悩む。
(誰から殺ろうか...)
4対1となれば、恐らく相当に厳しい戦いとなる。俺は戦闘は得意だが、あくまでそれはタイマン。あるいは2体か3体くらいまでだ。
4人となれば、そこらの歩兵でも死ぬリスクが付き纏う。
しかも彼女ら、中々の手練れ。
特にピンク髪のあの小柄な少女。あいつがヤバい。
幾度も視線を潜り抜けていれば、本能で分かるものだ。
それに彼女には、極僅かだがあの“名を無くした王“と似たような威圧感を感じる。
まるで、あの燦然と輝く太陽のような...
それに、犬耳共も怖い。犬ってだけで怖い。
更にあの金髪の少女、武器が何をしてくるか全く見当が付かない。殴る?鈍器?それにしては形状が可笑しすぎる。先程もっと俺がステルス出来ていれば...ここで悔やまれる。
まぁ長々と講釈垂れたが要するに、「全員怖い」ってことだ。
不死人ってのは警戒に警戒を重ねるものなのだよ。特に初見では。
すると、銀髪が口を開く。
「ん、そこの騎士さん。私たちは貴方と争う気は無い。」
なんと!!なんたる僥倖!!避けれる争いは俺としても避けたい!!
その言葉を信じ、彼女達へ声を掛けようとしたその時だった。脳裏に走馬灯のように、数々の記憶が浮かんでくる。
道中を先導してくれ、エリアボス前でお辞儀をしたら後ろからバクスタ決めやがった
信じて良いのか?この少女は...
一抹の不信感が、俺の中に生まれる。
その不信感は、一瞬のうちに俺を支配する。
いつもであれば、冷静に思考できただろう。
だが、見知らぬ土地に飛ばされ、見知らぬ人間と関わらせ、そして何よりも、
数々の不安要素が、知らぬ内に俺のメンタルを破壊し...
俺は、その一抹の不信感を、直感を信じてしまった。
「信じられねぇなぁ!!貴公等の言い分なんてよぉ!!」
傍から見たら狂人かもしれない、傍から見たら俺も奴らと同じような外道かもしれない。
だが、それでも俺は、自分を信じたいんだ。
それしか信じられない世界に生きていたから。
「ん、会話は通じないみたい。先生。」
「“そっか、無関係の人間を巻き込みたくはなかったんだけど、仕方がないね...
皆、陣形を組んで!!アヤネは救援物資の手配を!“」
「無関係の人とは戦いたくないんですけどね〜、やるしかないみたいですね☆」
「も〜、おじさんそろそろ疲れちゃったよ〜?やんないとだめ〜?」
「言ってる場合じゃないわよ!ホシノ先輩!」
久々だな、初見の敵と戦うのは。
だが、パッと見たところあのピンク髪...ホシノと言ったか?
あれ以外は大した脅威では無さそうだ、それにあのホシノですら俺が今迄相対してきた相手に比べれば、ミジンコレベルだ。
それが俺の自信となり、糧となり、力となる!!
「かかってこいよ...」
そう呟き、俺は処刑人の大剣に力を込め、渾身の力で振るう。
振るわれた大剣を、ホシノが前に出て受け止める。
(重い...)
その攻撃は並大抵の防御では受け切れない、それはロスリックでも証明されている。
それを受け切ったホシノを、内心称賛しつつも二度三度斬り掛かる。
「防御だけじゃ勝てねえぞ!?」
そう叫びながら、重い攻撃を繰り出す。
「勝てない?それはどうかな、私は“一人じゃない“。」
その言葉を理解する前に、俺の背中に激痛が走る。
...いやなんだコレ痛すぎる!?なんだコレ痛ってぇ!!
先程までの威勢は何処へやら、俺はみっともなく辺りを転がり回り、叫び散らかす。
銃撃を叩き込んだシロコ本人もドン引きの反応である。
「ん、何この人...」
「強いと思ってたけど、おじさんの勘違い...?」
「凄く痛そうですね〜☆」
「いや、オーバーリアクションが過ぎるでしょ...」
そんな冷ややかな少女たちの視線が、俺の傷口に塩を塗り込む。
(ロスリックより辛いかも、ここ...)
そう心中大号泣しながら、俺は意識を手放した。
マジで対策委員会達の書き分けが難しいですね...
分かりづらかったりしたら言ってください、頑張って改善します。