機装少女戦・フェアリーメイデン!~模型の国のプラスチック・プリンセス~   作:もにもに+マウンテンヘッド

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第一話 分話版 1-6

 

 

「…す、」

 

 

 

 

すげぇ、という言葉が漏れ出ていた。

 

 

 

 

 

目の前のそれが、まるで古代の伝説の王国の偉大なる遺産(オーパーツ)の、そのものに浩介には見えた。

 

 

 

 

 

 

「…な、」

 

 

 

 

なんと美しい!

 

 

 

 

 

ノン・パーティングライン、&ゲートレス出力成型されたペールオレンジの成型品。鮮やかな機械構成品の数々…ー

 

 

 

 

ごくり、と浩介は己の喉が鳴る瞬間を目撃した。いや、正確には見て確認した訳ではないが、それでも目撃だった。

 

 

 

しかし、まだ、この段階では完成品の予想が付かない。

たった今広げた取扱説明書のインストだって、あの埼玉県蕨市のマイクロエース社のプラモでさえもカラーCGなのが当たり前の今時にしては珍しい、不親切な二色刷りのそれだった。

 

 

 

当然、本来ならあったであろう化粧箱もなぜか目の前のこれにはないので、完成写真だなんて存在しない。

 

 

 

 

だが…

 

 

 

 

モデラーという人種は、ソソられるプラ・キットの中身を目にした時、目の前に据え膳として出された美少女の全裸にしゃぶりつきたくなるような、その衝動に襲われる。

 

 

 

 

つまり…ー

 

 

 

…ーだからこそ己の中に空前のヤル気が満ちあふれてくるのを、浩介は実感していた。

 

 

 

「………」

 

 

 

そんなただ中にあっても優秀なモデラーは、冷静に慌てずに、まず説明書の部品総覧とのチェック、続いて、この場合はブリスターのケースから構成各部品を摘出し、説明書通りに取り出したそれらを説明書通りに組み合わせていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ICM、インナー・チップ・モジュール。

 

 

まるで、ゾイドコア…ならぬ、なにであろう?

ずばりである。

ぱっとしたみてくれは、どこかのお菓子会社が出しているような、溶けにくいチョコレート菓子とかのなにかの粒のような大きさと形をしている。但し、大きさだけは、やや小さい。

 

 

ぱっとみでは、金属の色と質感である。だがそれは紛失時での発見をしやすくするため(アレックスやフェアリーメイデン本体とも同様に、ビーコンや発光をすることも可能)、これは後述の、オリゼリマというこの現代における汎用素材で、構造と成型が行われている…

なんならば、オリゼリマのエサを与えて富養状態下にあるならば、という但し書きであるが、アレックスロイドやフェアリーメイデンの体内で自己生成することができるものであり、

鳥が卵をうむように、排出することができる。

その上で、このICMを高富養環境下に…容器を用意し、オリゼリマパウチピューレゼリーゲルなどの、〈培養液ゲル〉…などに入没させておけば、なんと、ここからアレックスやフェアリーメイデンは、魚や両生類の卵のように、身体を構成し、復活や誕生することも出来てしまう!

なので、この能力を用いて、

アレックスやフェアリーメイデンは、自己複製や単為生殖も可能であるし、あるいはパートナーとの間に、子……を設けることができる。

 それ以外にも、アレックスやフェアリーメイデンは、コンピュータ上にも同様の事ができる……

この場合には物理的身体はないのか?と思われるが、しかしそれについても、技術と発想が、世界をさらに飛躍させつつある、そのさなかに現代はある。……

 いまだ法制上での定義は不安定であるが、しかし、消耗した人類にとっては、食料消費もなく生物としての生命活動の費用の用さないこの存在は、この上ない便利なものといえるだろう。

 

 

製菓材料のアラザンのように輝きを放つ、厚さ0.85ミリの強化積層構造防殻によって全周密閉と対電磁対熱対水対塵シーリングがされている小さなチップ・バルーン状のこれこそが、ALEXマイクロ・オートマトンに於ける重要基幹部品の一つ。平和島通商電子(有限会社)製、Sー11b。外殻には、バージョンは3.7、そのチューンナップ版だろうEX-p型と記されている。

別部品のマイクロ・ホビー・リアクター━━仰々しい名前だが、要するに後述のキャップ式モーターを利用した、自己回転式ダイナモだ━━と同等に重要な、フェアリー・メイデンにとって欠かせない部品。

 

 

 

かつて、ALEXシステムの構築にはパソコン一台が要された時代があった。

その頃からパルムPC(手のひらサイズのマイクロパソコン、要するにミニPCの事だ)は存在していたが、しかしそれでも、とある目的を持つ者たちからすれば、大きすぎた。

 

 

それを、解決したのがこのICMである。

ALEXの稼働に必要十分な、CPU・メモリー・記憶領域・その他もろもろ、そのすべてがこの五ミリ四方にも満たない超高耐久性バルーン・チェンバーの中に内包されているのだ。

 

 

当時、発売されたこれを目撃した外国人は、“ジャパン・マジック”とさえ呼んだと聞く。

 

 

 

 

とにかく、これの接触相当部分に非端子式接触型配線ハーネスを組み合わせられていることによって、身体本体へのデーターバスの構築がされる。

 

この小さな妖精の身体の、電子の神経…四肢に内蔵された高柔軟性・供給電可能型複合光ファイバー人工神経線によって、全身の関節アクチュエーターへの命令伝達はなされている。それへの接続をするのだ。

 

 

 

 

 

 

マガキ・モーター社製・GA-030オフシャフト・キャップ形状型式マイクロハイトルクモーター。

 

 

内径二ミリ、外径三ミリそれぞれちょうど。幅は二ミリ。

例えるなら、プラスチックストローのような薄手のオリゼリマー樹脂材…それその物というわけではない…で出来た、樹脂ベアリング系状、

ないしは、入れ子式に大小二つのカシメが組み合わさった見た目と構造をしているが、これも立派なモーターの一種である。

モーターの外周六カ所に固定ボスも兼ねた二つづつの固定穴・供給電・動作命令系統複合線との連接部があり、はんだ付け厳禁であるが、内部的には、ここにプラスマイナスでハーネス線が連接させる事で、部品の内径部分がモーターとして作動する。

 

 

贅沢にも高級グラフェン由来高耐久素材の使用により、最大瞬間トルク出力においては、十五センチのフェアリーメイデンの華奢な片腕で350グラムの大荷物を余裕で担がせる性能を与えるに至る。なので、たったこれ一つで百円の原価がする。

 

工夫のこらされた構造としたことで、

ステッピング・モーター程度の特性とすることができる。アレックスシステムなどの場合、CPUからの多数集中制御によって、疑似的にサーボモーターのような利用を可能としている。

 

 

 

これが、このフェアリーメイデンの関節となる。

 

 

 

 

 

 

 

大都技研社製・インジェクション成型疑似ボーン。

 

 

 

このフェアリーメイデンの、骨となるパーツ。

 

 

後述のオリゼリマー素材でこれも構成されているのであるが、故に通電により超軟質~超高硬度、これらの自在な物性変化度を無段階に都度、設定可能

極めて軽量でありながら、同サイズ同寸法同形状の炭素繊維強化チタニウム合金よりも高い強度を持つ。

 

温度変化に対する耐候性が極めて強靱で、高電圧環境における電磁パルス・バーストへの抵抗性をも持つこの“骨”は、フェアリーメイデンの場合全身に高価なこれがインサートされているのではなく、脚や腰、肩胛骨、背骨…などの重要部位にのみ使用がされる。

 

 

それにより、フェアリーメイデンはコストパフォーマンスを維持しながら、高耐久性を得ているのだ。

 

 

 

 

 

北越化学工業製・ハイグレードオリゼリマ・エラストマー、

そして、それにより出来ている、オリザリマー製構成マイクロマシン

 

 

 

フェアリーメイデンの、肉と肌……それから、その他の全てにも、なる素材。

 

オリゼリマーとは、原材料の食品用米類から引用がされた意図としてのオリザニンというかつての用名と、物性を示す液晶性エラストマーポリマー、これらの由来意味を掛け合わせたカバン語である。

 

要するに、植物性素材由来……プラントベースでの汎用用途新材料、ということである。

 即ち原料素材は、米由来、サツマイモ由来、寒天由来、こんにゃく由来、味の素生成物由来、ノンアレルゲン模造人工卵隔膜由来物……プラントベースドグラフェン……

 細かい配合はその他にも類々存在するが、おおまかにはこれらの生成物質による調合を、

 現代日本国の誇る工業用核融合炉の高電力…と対外的には言っているが、実はレトルト食品の製造方法ノウハウをスピンオフさせた結果、レトルトパウチによる高温高圧工程を調合配合チェンバー工程とすることで、

 きわめて安価に手間のかからず調合と素材作れてしまえる…で、物性操作組み換えをはかる。

 それ故に一回の製造では少量しか作り出すことができない。

 さらに、現代の日本国はこのオリゼリマーを戦略物資に位置付けており、

 国内向けの流通には、かなり高額な賦課金を設定することで、

 国家の収入財源としつつ、需給のバランスとしている……のであろうか。

 当時の国内気運の時勢と、先のノイエペスト・パンデミック、続いての「赤い鳥事件」からの復興と莫大な赤字の補填を優先した結果、令和のこのご時世に復活してしまった物品税での取り扱いとして、

 フェアリーメイデンを始めとするアレックスロイドは、

 5000パーセントの物品税がかけられているのが今のところの現在であった。

 故にして、製造工場の工程に生産したアレックスロイドそのものを投入配置することで製造コストの人件費をコストカットした結果、製造原価自体は1000円もしないにも関わらず、

 もろもろの多重課税と賦課金の徴収と課税の結果として、フル組み立て済み完成品のフェアリーメイデンは、一庫数万円台後半ほどの流通段階価格とならざるを得ないのである。

 故に、メーカーや業界の苦闘は続いている…たとえばいまこうして作っているイミテーション・エンジェリックシリーズ・エリス型の組み立てキットバージョンのように、パッケージ内の一部を組み立て式…単純に、素体部位を、手足四肢頭胴体、といったように、関節部位でモジュールとし切り離してあるだけで分解させてあるだけの状態のを、

 お手軽にモジュール同士をスナップフィットで組み合わせていくだけ!というのが大体のおおまかである。

 要するに、半完成品というやつである。

 そうすることによって、税制法上の取り扱われ方は大分変り、

 結果として、安くて1000円台、高くても数万円以内、といったように、

 総組み立て済み完成品のものよりも圧倒的廉価に販売流通させることが可能であった。

 だが、現在の日本国はそれらを悪質な課税逃れ行為と糾弾する構えとなりつつあり…機運を醸成せんとしている、不定形めいたそれの蠢きがある…、

 今次国会においても、完成品の場合に合わせる形で半完成品も同水準の課税割合とするべきが妥当であろう、という方向で、話は固まりつつあるのである…

 ホビーメーカー、プラモメーカー、おもちゃメーカーに、抵抗する体力はない!!

 

 まあそれはともかく…

厳密には前時代でいうところのシリコンとかエラストマー樹脂とは根本を異にする素材で、されど、それらや、液晶性エラストマーポリマーとしての物性などを振る舞わせることができる。

日本国内のとある中小レトルト食品会社が、廉価な栄養非常食の研究をしている過程でたまたま生まれた…というのは笑い話としつつ、

米タンパク由来タリンの成分を強化したりした配合の場合には、

本来は軍用パワードスーツの装甲材/構造材として使える事すらもDARPAは認め、米国域外の発明品にかかわらず、ミルスペックのひとつとしてそのままが要目に採用された、分類としては水溶き片栗粉やカスタードクリームと同じ、半固体半液体の性質の素材だ。

 

食品用途グレードならば、ニンゲンの食品としての利用も大分以前から始まっている、

それ以外にも、工業用グレード、医療用グレード、などなど、各種の括りもある。

 なによりも、このオリゼリマーというのが、そのアレックスロイドや、ひいてはフェアリーメイデンの、その主・構成材料なのである。

 

(そして、このオリゼリマーは、マイクロマシンの原料にもすることができる。

 ノンアレルゲンで生体適合性がある液晶性エラストマーポリマーとして使用できるコレを用いて、

かつての「赤い鳥事件」……

 新冷戦の過熱の結果極度の緊張状態となった世界は、

 各核保有国が先鞭をつける形で、

 それぞれの仮想敵国の上空軌道に、「デリンジャー衛星爆弾」……

 その大質量によりミサイル防衛といった既存防衛手段では迎撃困難な、超質量・放射能物質放出爆弾搭載式静止衛星、

 それらの設置を行うことで、敵国に対するアドバンテージを得ようとしていた、そういう時代があった。

 だが……

 敵対する各国のデリンジャー衛星になぜか共通で用いられていたイスラエル製セントラルコンピュータに用いられていた韓国製RAMメモリに、韓国政府が諜報行為のために設定していた、バックドア箇所、

 これが不正規ネット…ダークウェブ…の暇を持て余した犯罪者たち(ハッキーズ、と彼らは己らを自称していた)に、なぜかタイミングよく、この上ない遊びのおもちゃとして突かれた結果、

 結果……史上最悪規模のサイバーテロとなった。

 各国が打ち上げたデリンジャー衛星が、その打ち上げた国自体や、

 或いは設定していた仮想敵の着弾ポイント座標に、一斉に降下し、落着。

 地球全域、世界は空前の規模の惨事と化し、

 先のノイエペストパンデミックに続き、今度こそ、世界は滅亡されるかと思われた……

 

 だが、広範にばらまかれた核物質や放射能を、オリゼリマはもちろん、それ以外の液晶性エラストマーで作ったマイクロマシンにMEMS器官として当該核転換機能のデバイス形質を与えての元素変換の作用で、放射能を“緩解”させる技術を、かつてのフクシマをなんとかするべくため、この時までに日本は発明していた。

 さらに、放射性降下物や放射能物質により被曝した、ニンゲンなどの生物についても、

 オリゼリマ・マイクロマシンや作用性オリゼリマペースト軟膏を用いての、

 体内・体外両面から作用した上で、

 要するに細胞組織や細胞内のDNAやミトコンドリアが放射能により焼損することで物理的な破滅となるのだから、

 細胞組織一つ一つ単位の隅々までやもっと粗い作用レイヤーで、インプラントとしてや、傷ついた細胞組織の回復・治癒・修繕、治癒、これらのその細胞生存を保護・介助する形での、オリゼリマのマイクロマシンやピューレペーストに有効成分や作用機能をデバイスとして生成させての、

 かつてのコロナ騒動の際のエクモに範をとっての、

 いわば、細胞エクモ…ともいうべき技術も、日本国は開発していた。

 これを、日本国は世界中に無償供与。世界の復興の為のマイルストーンとなった。

 そうして日本が発明したオリゼリマーマイクロマシンであったが、

 人間の食用可能なグレードの原材料を用いていることから、万人単位、都市ひとつ、国ひとつ……これらを何とかするべくには、あまりにもコストがかかり過ぎるのが根本的な難点であった。

 だが、生物相手ではない非有機対象相手ならば、放射能緩解マイクロマシン自体は、今の人類の基礎科学力であれば、オリゼリマではなくとも、一般的な液晶性エラストマーで作成したマイクロマシンならば、可能である、。

 その上で、より大規模に大量生産調達できるジャガイモやトウモロコシ、小麦のデンプンをベースに作ったのが、

 台湾・ウクライナ・インド・ベトナム・フィリピン・トルコ・他各国とが日本の協力と支援を得、合同の成果として発表し迅速にリリースした、

 有事省力生産型デチューンバージョン、通称「自由糖」「パーフェクライト」「フリーダマイト」etc……ということなのである。

 

 そして、

 ハッキーズの暗躍により、クラッキングと乗っ取りがされたことで、

 大陸中国では、同日同時刻に三峡ダムが暴走し、大水害が発生。

 これのタイミングに合わせる形で、その三峡ダム領域にデリンジャー衛星が落着。

 水害をなんとかしたくても人民解放軍有志志願決死隊のコマンド兵ひとり物理的に入ることが出来なくなった状態で、

 さらに、下流域に存在する複数の原発施設も、

 ダム崩壊による水害で罹災、

 五つの原発が、原子力災害状況となった。

 

 もはや、どうにもならないものと思われた。

 だが、そこで救いの手を差し伸べたのが、なんと台湾である。

 大陸中国に長年いじめられてきた台湾であったが、

「台湾は台湾で、大陸中国とはもはや別の存在だ。だが、人道に則った見地を以て、台湾は、傷ついた大陸の皆に、援護と支援を、全力で惜しみなくやる……」……

 台湾議会はその日のうちの発議により、日本国、アセアン、米国、などに支援と協力を要請。

 日本国は前述の放射能緩解技術と細胞エクモの技術を、無償供与・全面的に公開

 日本自身も韓国製の中型デリンジャー衛星が東京多摩地域に落着していたのも関わらず

 自国の被害や自国民よりも優先して、事の対処に尽力したのだ。 

……このことは後に続く禍根を日本国内に残す……

 

 そうして…

 尽力の引き換えに、台湾は、デリンジャー衛星のセントラルコンピュータ部位を確保することに成功、これの解析を試みた。

 すると、先述のバックドアの存在が露見した、

 台湾はぶちぎれた……世界はまっさおになった。

 この混乱と同時並行をして、「今回の惨事はすべて日本が黒幕だ!」とする、ハッキーズの繰り言も、それに同調し、ディープフェイク生成した怪情報をばらまいて疑心暗鬼をもたらさんとしたロシヤとその連携同調国各国も各団体組織個人も、それらと連携し、今回の件で起きていた、日本の多摩地域に自国の実験小型デリンジャー衛星がやけにタイミングよく、“事故”として落着し、そのデリンジャー衛星は多額の費用と税金を欠けたK-抑止力の無駄撃ちをさせられたのだから今回の日本にもたらされるだろう総計上利益は全額以上が全て賠償と謝罪として韓国に渡されるべきであり、

 なんなら細胞エクモマイクロマシン/補助塗布薬技術と放射能緩解マイクロマシンのパテントの権利も賠償としてよこすべき!とし、

 それを日本国が実施しなければ、ロシヤ・北朝鮮・中国・アメリカと連立して新・国連軍を編成し、日本へ懲罰的侵攻による懲罰的攻撃をかけるのだ! とやけにタイミングよく錯乱した当時の超左派過激派であった韓国大統領・ムンム・ンジョンや、その政治的バックボーンであった韓国内の左派進歩的勢力の蠢きも、両方とも撃破するための手掛かりを得た。

(当然とは言えない当時の韓国国内情勢のさなかであっても、流石に乖離を覚えた韓国国民は大多数であり、その市民らの総意と選択けっていとして韓国軍・警察・検察は動き、

 ムンム・ンジョンは精神病院送りとなった……国内に巣喰う赤派親和性勢力の根断ちには徹底しきれなかったが。)

 とにかく、これら一連の騒動を通じ日本の戦後以来の信義とその有言実行は改めて信頼に値する物とみなされ、

 大陸中国においても、中国国内の反日機運・対外拡張意欲は、完全に消沈した。

 台湾は「信頼と実績と裏切り小細工無しのメイド・イン・タイワン」と改めて自己プロデュース、

 結果、韓国製品のシェアを大きく削ぐことに成功した。

 

 

 これら一連の経過により、アレックスロイドというのは、

 まずは、限界環境労働作業用途型・高度知能化無人機械、として、市場と産業が確立。

 一時は世界の宗教界・信条左右問わずの活動運動家・団体の走力によって抹殺されかけていたアレックスAI、アレックスロイドというのは、

 “不本意ではあるが、まあ、役に立つときは役に立つ”

 として、…だがラディカルアクティビストたちは次のタネの仕込みを始めていた。

 

 

 もとより、アレックスロイドを労働力とすることで、

 ほかの世界各国と同じように、大陸中国は人口年齢、労働力問題を解消しつつあっていた。

 これというのにより、

 外縁部中国の辺境地に過酷な待遇と労働を強いる必要は薄れ、

 さらにノイエペストの惨事により人口数にダメージを受けていた大陸中国は、各辺境の諸民族の自主性を担保とした上での中国国民の人口数の増加とそれを可能とする各種前提要件の整備と実施と準備に、ようやく手が届くところまで来ていたのだ。

 

 つまるところ国内諸問題は大部分は解決してきていた訳だが、

 それによって得た余力や余剰リソースというのをなにに注ぎ込み使ったかというのが、

 何を言わんや、イスラエルと合同で研究室食った中国独自のデリンジャー衛星「火鳥(フェニックス)」であったのだ…

 

 長年敵国として宣撫していた日本という国も、ここまでやってくれたのだ。

 

 そもそもからして、

 数十年前からは前提と事情が変わっていたのだ

 国内問題はやれるところまで解決できていた。

 ならば、覇権のための展望というのも、また話が変わってくるのでは。と。……

 

 中国は後悔した。

 ならば、後悔なりに、身をあらためるべし、…と。

 

 ある程度復興したその途上で、アレックスロイドはトイとして、

 中国人に思い出させるものを感じさせた……

 かつてのトイのメッカ・香港やそれに連なるその他玩具ホビートイ製造関連都市も、

 メイド・イン・チャイナのアレックスロイドトイを生産し、

 これというのに、除染作業・被爆者介助医療行為用の労働力として、アレックスロイド……ひいてはフェアリーメイデンの需要がある、として、

 国内向けの特需というのがかみ合った結果として、

 これら中国の玩具産業は一気に活性化。

 

 かつてからの、日本・台湾・中国、これらを取り巻く緊張状態は、永久に解決が為されたものとして、関係各国にて確認と合意がなされた。

 

 これらの国々が主導する形で、世界でプラントベースド液晶性エラストマーとマイクロマシンによる放射能緩解/細胞エクモ用途マイクロマシン、これらの製造技術が確立したのである。

 

 

しかし全てを積層なりでやるには手間と時間がかかり過ぎる!

なのでバインダー材にハイドロゲルを用いた状態でそれによる射出成形を行うことで、そしてその上からオリゼリママイクロマシンをインクジェット塗布、スプレー塗布し、噴きつけ中に最終形状をナノマシンに指示し、

 余剰箇所分はサポートとして分離するとして、完成形が速やかに製造可能とする。

 従来の3Dプリント品とはまた異なる、量産性能を持たせることもできる。。

その上、形状変化への高追従性とそこからの絶対の原型維持の性能を持ち、2ミリ厚の成型品で、標準的なアサルトライフル想定の5.56ミリNATO弾による連射直撃三発にも傷一つ付かず、ツンドラの大地で火焔放射器に炙られようが対戦車地雷の直撃を受けようが無事で、その上、十年間アリゾナ砂漠の直射紫外線に晒され続けても劣化の兆候一つ起こさない、絶対ともいえる高い防御性能を誇る。

 

 

なによりも基本技術のパテントを、自衛隊での35式倍力服のライセンス独自改良型国産の際に確立した北越化学工業社の企業努力により、このフェアリーメイデンの外装材に最適配合のなされたTRH-60ならば、まるで人肌以上の…最高級のくずもち、わらびもち…かのような感触を獲得しているのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

拍子抜けする事に、浩介のすることといえば、予めこれらが複合インサート成型…システム・インジェクション…されたコンポジット・ブロック・モジュールの四肢を、簡単おてがるにつなぎ合わせていくだけ、最低限の組み合わせのみ、なのであった。

 

 

 

 

 

 

 

しかし、これというのが、さらなる悩ましさを浩介にもたらす。

 

 

 

 

 

ヒントは、手足、頭、胴、の各部品が、それぞれ一体成形されている事にある。

 

 

 

 

 

…一例としては、つまり、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嘘だろ、こうなってんのかよ!?

 

 

すげぇ、ここまで造られてんだ、…おぉっ、

 

 

 

 

 

 

 

 

うっ

 

 

 

 

 

 

 

…ふぅ。

 

 

 

 

 

 

 

ーーとにかく、妖精のスーツだとかタイツだとかが別部品になっている理由が、判った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピノコを組み立てるブラック・ジャックの気分であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして今、オペは完了しようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…できた」

 

 

 

 

すべてのパーツをくみおえた状態の“妖精”が、今、カッティング・マットの方眼の上で完成していた。

 

 

 

アイ・カメラ…両の瞳を、長いまつげの瞼の裏に閉じた状態だ。

それが、緑色のマットの上で仰向けに横たわっていてスタンドライトに照らされているから、その白いボディー・スーツと脚のタイツをプラスチックの質感に輝かせている。

 

 

「…ははは、」

 

 

料理をし終わった後なのに、まな板の上の鯉、などという言葉が己に過ぎった。それから、南君の恋人、だとか、というのも思い出してしまう…ような。

 

 

しかし、一つ重大な差異がある。

 

あれは確か女子高校生だったとおもうが、この今目の前の“妖精”は、うーむ…ー中学生というか小学生高学年中学年というか…穏当にふさわしい言葉としては、実にフミカネ的な外見だった。初潮前、だとかと思った訳ではない。

 

 

 

クリーム色のセミショートジャギーの髪。

 

瞼に閉じられているが、その下には碧色の瞳。

 

白磁のように透き通る肌。

 

プラスチックの密着スーツ。

 

 

 

「ふふぅ、」

 

 

全て、コウスケの属性にジャストだ。

 

 

 

 

 

「よし、」

 

 

 

 

 

天国の父と母にこの上ない敬意と感謝を払いつつ、

 

後は、初期セットアップ…パソコンや手持ちのスマート端末のALEXとの認証…を済ますだけだ。

 

 

 

 

 

既に、愛用の松下レッツノート・パソコンとスマートフォンやら、自分の常に着用している“眼鏡”…東芝製LMー80スマートグラスなどは、全て電源を入れて机の上にそろえている。

 

 

 

 

まず最初に、このフェアリーメイデンのキットに付属のDVD-Rかネットのメーカーサイトから、対応のALEXダイバー・アプリケーションを落とす。

そしてそれらを各機器にダウンロードしてプログラムのインストールの完了を確認した後、説明書に記載されているシリアルNo・IDコードをそれぞれに登録。最後にフェアリーメイデン本体を起動させ、仕上げの認証を行う…ー

 

 

 

 

 

 

 

 

あと少しだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

あと少しで、妖精をこの手の中に目覚めさせることができる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なのだが、それはもしかしたら永遠に等しいことなのかもしれない、と浩介は思うに至った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なぜなら、

 

 

 

 

 

 

 

「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…いつまで経っても起動しない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………、」

 

 

 

もしや、配線をしくじったか?

 

 

 

 

 

分解してからの再組み立ての必要もあるかもしれない。

 

 

 

 

 

そう思い、妖精の身体をつかんで確かめようとして、

不意に、体温のような物がそれに宿ったような、次の瞬間、

 

 

 

 

 

 

 

 

「わ!?」

 

 

 

 

 

 

ぺろ、という感覚。自分の指の腹を撫でた、とても小さくて、なのにすごく愛おしいような、そんな感触の正体…ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                ・・

この“妖精”が、こいつ…ーいや、彼女を握る自分の指の腹を、小さな舌で舐めた瞬間だった。

 

 

 

「 ♡ 」

 

 

 

 四肢と胴体のモジュール分割線が、ぱちり、というスナップフィットな音と共に、

 電磁式密着ジッパーレスファスナー結合がなされ、

 外見からはその結合の境目が見えなくなったのが、その次のタイミングである。 

 

 エリス型、フェアリーメイデン。

 その人工の妖精天使の…起動…ブート…が完了したのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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