機装少女戦・フェアリーメイデン!~模型の国のプラスチック・プリンセス~   作:もにもに+マウンテンヘッド

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分話版 第五話
第五話 分話版 5-1


第五話 青く輝く炎の向こうに(完成版)

 

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対戦が終わったあと…

時刻はちょうど、正午ほど。

フェアリーメイデンのお弁当といえば、ヂェリカンなのである。

 

 

「ますたぁー/////」

 

「ほれーよしよし! 今日はいちごミルクのヂェリカンだぞー!」

 

「わーぃ!////」

 

 

 手元に抱き寄せたフェリと、初のバトル勝利を喜び合い……

 そしてお昼のおやつタイム、というわけであった。

 

 そして、

 

 

「いるか? 昼にしようぜっ」

 

 

“「おきゃくさまからの収賄は、規則により…」”

 

 

「じゃん、」

 

 

“「 ! あっ…」”

 

 

「レモングラスティーのヂェリカン、

 アソート袋に入っちゃってて、でもフェリはお子さま舌でさぁ、だから、ね?」

 

 

 

レベッカ型の基本の好物は、この“レモングラス・ティー”味と“泥のように不味いコーヒー”味である。

 

 

「……オーナーが、許していただける、なら、…「ばっちゃん! レベっちが、ヂェリカンのみたいって!!」あ、……////」

 

 

「にっ」

 

 

 こうして昼餉の時間は始まった。

 

 

 ***

 

 

「そっか、お前って、ここのおばあちゃんの持ち妖精なんだ。」

 

 

 

「 …ー」

 

 

 ……レベッカは逡巡した後に、ちいさく、こくり、…と頷いた。

 

「オレっちが生まれる前から、それとも同い年くらいだっけ?」

 

「たしか、……。ですね。「おおー」…ふふっ。

 思えば、…ここの地にて、わたしがこうして、役目を与えられてから……

 永い間だったのかもしれません、

 そして、その折に現れてくれたのが……

 ユウキさまと、その持ちアレックスの…」

 

「オレのグレッグなんだ!」

 

 なるほど……

 

 

「おもえば、レベちゃんは、手ごわかったなぁー……」

 

 

 「グレッグどのがわるいのです。

 出会ってすぐ、一戦したかしないかの時に、“すばらしい、君を尊敬(リスペクト)することにした”だとか、って……

 口説きの文句、というやつでしょうか?? まったく、本当に、変な方で……。……

 “君の手加減無しの、ホンキを教えてほしい。尊敬する君に、君のいる高みを、俺におしえてほしい”…って…。

 おかしい方でした。いまでもそうおもいます。

 そんなこと…いままで…いわれたことも、考えたことも無くて……わたし…」

 

 黒いレベッカは、己のグレッグとの…大切なエピソードたち……

 それを、ぽつりぽつり、と、述べるように語っていく。

 そして……

 

「 グレッグさまの、…

 健在であられたときは、わたしは、嬉しかったのです。

 たのしい、の、さらに前に来る、なんというか…含意(ニュアンス)が難しいのですが…」

 

「 グレッグ、れべちゃんと、仲良かったもんな…」

 

「はい。……かけがえのない戦友、好敵手(ライバル)、友達…親愛なる関係…親愛なる友達……親愛なる相手……無二の友人……

 

 今思えば、夢のような、たのしくて美しい、素晴らしい日々でした。

 ユウキさまがグレッグ様をつれて、このととに、このわたしのもとに、遊びに来てくれる、

 その日々が……本当に、大切だった……

 こうなるって分かってたら、もっと、大事に、大切に、メモリーのデータにもっと刻みつけるようにしながら、過ごしたかった…………

 

 だからこそ…

 許せません。

 

……ゆるせません。……グレッグさまをああした、下手人のことを。……

 

 

 わたくしに、涙を流すことが、そうすることというのがあるのなら……

 

 

 悼みの涙を、向けて、流す事を、できたのでしょう、けども、」

 

 

「わかるぜ、レベちゃん、……そういえば、さ。

 おれのこのタッパに、この、カーネーションのおはなちゃん、

 れべちゃんのオーナーのととばーちゃんに買ってもらって、

 それで、タッパにいっしょに入れてくれたの、れべちゃんだった、もんな、……

 

 すきでいてくれた、もんな、……

 だいすきだった、だいすきどうし、だった、もんな……

 

 だから、だからよぉ、だからよぉおお……

 

 

 ううっ、ううううぇええええええええ………」

 

「……泣かないで……」

 

 

「……レベっち……」

 

 泣きじゃくるユウキに、

 黒いレベッカは、そっ、…と、利き腕の手を、筐体の縁に突っ伏せられていたユウキのそのおでこに、触れさせた。

 

「あなたの涙というのが、グレッグ様が、いちばんに助けたかったもの……救いたかったもの。

 ……

 カーネーションの花言葉は、愛や、敬意。

 わたしは、グレッグどの、あなたのそれを、記念する…

 ……

 

 グレッグ様がこのようにされたときのあと、わたしは…目の前のすべてがまっくらになったようになりました。

 

 希望も、よろこびも、楽しみの感情も、うれしさの思いも、…もっと大事なのかもしれない、わたしが貴方だけにはじめて感じていた、不思議な気持ちも、その心地も………なにもかもが、わたしの心のその回路が、電源遮断されてブラックアウトしてしまったように。

 有機生命体なら、生きながら死んでいる、という言葉の意味とは、このような心地だったのでしょうか。

 

 でも……

…紛れもない言葉通りの現実逃避のようかもしれなかったですが、それでも無我夢中で、ネットの海をクローリングしたとき、

 そのときに今のシステムとなってのグーグルのサジェストの見出しを、あのとき偶然みただけですが、そうかいてあったのです。

 だから、…はじめて、わがままなおねがいをオーナー様に言ってしまいました。

 この商店街の花屋さんに。わたしのオーナー様…このととのオーナーである村木さま……

 から頂いて、いままで溜めてたお給金の貯金があったので、

 それをつかって……

 

 

 最初で最後の、たいせつなプレゼントを渡すそのことが、こんなことになるだなんて、

 わたしは…… 、…もっと早くに、もっと先に、こうなることがあるって、知ることができていたなら……わたしは………、……

 

 それでも、グレッグどのは、コウスケさまの手で、よみがえることができる。

 そうと聞いて、聞くことができて、わたしは、この機械の肉体が今滅びたとしても、構わないくらいのうれしさを、回路の中でときめくように感じているのです……

 

 待っててくださいね。グレッグ。

 貴方が健在だったころの間、言えなかった言葉があります。

 伝えきれなかったおもいがあります……たくさんあるのです……

 いままでも、いまでも、これからも、そして……

 いま、言っても、もう、おそすぎるでしょうか……けど……

 

 だから、修理されて、帰ってきてくださいね。

 その時に、…わたしは……

 

 

 あいしてます。…グレッグ……」

 

 

 

「……そうか……」コウスケも、あまり器用に言葉を使える人間では、なかったのだ。

 

 

 

  すると、

 

 

 

がちゃん、がらがら、……

 

 

「ぅーいー、、…ひっく! おふぅ、」

 

 

 すると、その時。

 

 

「あー、おいしい居酒屋がこんあ朝方から開いてて、

 しかも! ゲームセンターまで!…この商店街、さいこー!いえー!

 って……あああああああああああ?!

 えっ…神姫筐体じゃん!すげー!!!!

 ねえねええねえねえねえセレナったら、あれみて!」

 

「おお、あれは、」

 

「そうそう、あれは! すっごい!すげーや、すげーの! わっはは!

 …ん?」

 

 

 現れたのは、この真っ昼間だというのに泥酔しきった、若い……妙齢の、女性。

 どうも、アレックスを連れているらしいようだ。

 

 …すると…

 こちらに、近寄ってきた。

 そして、

 

「 ぶへー、……

 

 

 なあに、? お花と…

 

 あ、サージェントグレッグ系。

 

 ……

 

 …なるほど……なら……

 

 ……悼んで、あげるね…ふへ…」

 

 

「おきゃくさま、」「ふぁい???」

 

「 よっぱらいのアルコール臭い呼気なんかの状態のやつなんかの、

 そんな悼みなんてのは、それこそ寝ションベンにして、この、とと、の外のその辺で、垂れ流せておいてください。厳粛に、です。

 

 貴方の悼みなんてのは、 

 グレッグさまへの、侮辱です…!」

 

 

 

 ぱちゅり、と。。

 

 

 女の行動は、待ってくれなかった。

 腰のベルトバッグから何かを取り出したか、と思うと、

 次の瞬間には、

 グレッグ型が手向けられた朱いカーネーションを横に眠りにつく、

 タッパ―ケースの中へと、“振りかけたのだ”。……

 

 黒いレベッカがお断りの文言を言い立てるよりも早く、

 ユウキは理解できず、

 コウスケも、面食らった。

 

 

 

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