RE:召喚勇者の現代帰還〜それでも勇者は勇者としてあり続ける〜 作:MrR
色々と迷走していてようやく完成させたのが本作品です。
Side 闇乃 影司
=昼・大阪日本橋、影司の私室=
闇乃 影司の事務所の私室。
完全な和風な畳部屋。
茶道の心得とかもあるのかお茶の容器とかもある。
ピンクの道着に赤い袴姿。
白髪ポニーテールで白い肌で赤い瞳の華奢な体格。
これで日本刀でも持てば深夜アニメとかに出て来る美少女剣士だろう。
そんな影司は現在耳かき嬢——耳かき屋のお姉さんその物と化していた。
相手は大宮 優。
黒髪白肌のボーイッシュな女の子、今では王子様系とか言われそうな感じの男の娘。
二年前に自衛隊の民間人大量虐殺の所業を間近で見てマジ切れして日本を滅ぼそうとした闇乃 影司を三日三晩死闘を繰り広げた仲である。
「痒い所は無いですか?」
「うん」
ちょっと優は影司のあまりの耳かきテクで眠たくなりそうになりながら影司相手に受け答えしていた。
「久しぶりに顔を見せたけど、元気そうで良かったよ」
「色々大変だったんだよ? 宇宙人が侵略してくるしさ。今じゃ異世界の帝国とか異次元の帝国とか。スパロ〇の地球じゃないんだから」
などと愚痴を言うが内心では影司は嬉しそうだ。
耳かきとか好きだし、マッサージとかメイクとか、紅茶とか淹れたり、お茶を淹れたりするのが好きなのもある。
先程は優の黒髪を手入れしたり、整体もしていた。
本当はされる方が好きなのだが闇乃 影司の体は常時健全状態が維持されるチートボディだ。
怖い生活習慣病まっしぐらな生活をしていてもそんな病気にはならない。
何ならタバコを吸ってもスグに辞められる。
危険なドラッグを吸っても後遺症とかそんなの全く無い。それどころか治療薬まで作り出す。
そんな体なので整体とかいらない。何なら髪の長さとかも調整できる。
だけど本当はめっちゃされたい。
その気持ちを誤魔化すように逆の側になったら思いのほかのめり込んでしまった。
「それでも街の様子は変わらなさそうだし……良くも悪くも何時もの日本橋って感じかな?」
遅すぎず、早すぎずのペースの耳かき。
感覚的に客が求める感触とかも分かっているのか不思議とむず痒さを感じない。
静かで心地よい空間の畳部屋の一室。
穏やかに耳かきの時間は過ぎていく。
「右側は終わったよ。次は左側だね」
優しいお姉さんのように影司は語り掛ける。
顔立ちと背格好が合わさり、男と言う性別が忘れてしまいそうな雰囲気。
「う、うん―—その、言い辛いんだけど」
「うん?」
優は顔を赤らめつつ、意を決したように口を開く。
「影司ってアウトローと言うか何と言うか、男らしいのとかそう言うの目指してたんだと思ってたんだけど」
実際のところはその辺かなりふんわりしている。
シ〇ィハ〇ターとかジョ〇ョの主人公とか、と〇るの主人公とか、具体的な例を出して優に教えてくれていたが、よくよく考えれば方向性は異なっている。
一時期のとある〇術の禁〇目録に出て来る最強の能力者みたいに感じなのに憧れてその道に突き進むんじゃないかと優は思ったりもしていたが、杞憂に終わった。
「優の前ぐらいでは、自分に正直になろうと思っただけだよ」
優しく微笑みかける影司
そう言えばと優は思い出す。
影司の今の姿はギャルゲーか何かの憧れの主人公がモデルらしい。
だが暴走した時の姿―—特撮番組のラスボス染みた姿が自分の本当の姿だと思い込んでいて、今の姿は全身整形の末に変異した感じの姿とか言っていた。
「僕としては似合ってると思うよ、その背格好も」
「そ、そんな風におだてても何も出ませんよ?」
嬉しそうでいて、ちょっとバツが悪い感じになって視線を反らす影司。
でも優にとって今の影司の姿が慣れ親しんだ姿なのだ。
影司の性格も世界を跨いでも変わらない。
何だかんだ言いながら誰かに手を伸ばせる強さと優しさを持った子だった。
だからこそ日本政府の所業は許せなかった。
「優さん? 怖い事考えてる?」
「分かる?」
「うん」
「……二年前の事を考えてた」
「うん」
「僕も世界を滅ぼそうとした事があるから。だから分かる。影司の言う事も全てが全て間違いじゃなかった」
「うん」
「でも。あの時、僕が影司を止めたのは正しい事だと信じてる」
「うん」
影司は優しく笑った。
続けてこう言った。
「僕は——あの時、あの場所で世界を滅ぼさなくて良かった」
とても綺麗な笑顔だった。
それを見れただけでも優はこの場に来た価値があったと言える。
☆
Side 闇乃 影司
=昼・日本橋、闇乃 影司の事務所前=
大宮 優は足早に事務所から立ち去った。
谷村 亮太郎みたいに、色々と一人背負い込むタイプの人だ。
(今日本は大変な状況だし、仕方ないか)
二年前に日本を滅ぼそうとした身だが、今の日本での生活は気に入っている。
皆口々に日本の不平不満を言うが、その不平不満を言えるのも日本と言う国だからこそだ。
だからこそ、この一カ月間の日本政府を許せないとも思う。
しかしテロなどの過激な行為では逆効果なのだ。
少し勉強すれば分かるが、今の日本と言う国を支えるために大勢の人々が頑張っているのだ。
下げたくない頭を下げて、プライドを捨てて頑張っているのだ。
日本政府のこれまでの行為は―—そう言う人達の頑張りや苦労を溝に捨てるよりも悪辣な行為だ。
邪魔だと思ったら、反対だと思ったら交渉の余地なく武力で黙らせる。
これではただの独裁国家だ。日本国は嘗ての日本帝国を否定したのではないのか?
「何を難しい事を考えてるのボウヤ? そんな可愛らしい格好して」
色々考え事をしていたらスタイル抜群の金髪爆乳美女が声を掛けて来た。
金髪をポニーテールにし、白い肌の大人らしく整った魔性の顔立ち。
左目下に泣きホクロがあるのが特徴だ。
それでいてとんでもなく大きな爆乳、そしてヒップ。
背もあり脚も長い。
高貴的なオーラ。
非のつけどころが無い、あるとしたら胸が大きいどうこう文句言われそうなぐらいだが、ある種の美の到達点のような美女。
衣装は青いオペラ歌手のような清楚なドレス姿だ。
彼女はミサキ・ブレーデル。
ガーディアンズのエージェントでスター・アライアンスの所属ヒーロー。
いわゆるスパイ系ヒーローである。
「ミサキさん―—ここ最近色々忙しかったみたいですね」
「そうなのよ~ガーディアンズは日本ばっかり守っているワケじゃないからね。世界を守るお仕事だから」
そう言って抱き着いて大きな120cm越えの超巨大バストを影司の顔面に押し付けて来る。
影司は慌てて引き剥がす。
「誰かに見られたらどうするんですか? その、恥ずかしいです」
「え~いいじゃない。どうせこの周辺の監視カメラとか向けられたスマホの画像とかどうでも出来るクセに」
「それはそうですけど」
その気になれば闇乃 影司は宇宙人の施設や戦闘メカをハックできる。
地球の警備システムだのスマホの画像だの、どうとでも出来る。
「それで顔を見せに来ただけですか?」
「久しぶりだから体の調子とか見て欲しいな~お茶も入れて欲しいし~髪の毛の調子とか、お肌とかの手入れとかして欲しいなって思うのよ」
「は、はい。何時もの奴ですね」
ドキドキしながら影司は承諾した。
「じゃあ耳かきとかもどうですか? 先程までしてたんですよ」
「じゃあそれもお願い」
「分かりました」
「何かもうその手の人みたいね。金出すわよ? 何なら世界中のセレブ美女相手にすればいいのに~そうしたら日本政府への復讐も容易よ?」
などと悪魔の囁きをするミサキ。
「そ、そう言う理由でそう言う事はしたくないかなって……最近女の人と関わる事は多いですけど―—その、僕も男の子だし―—ドキドキしてしまって―—」
「相変わらずカワイイわね。中でその辺含めてじっくり聞かせてもらいましょうか?」
その時の様子を思い浮かべているのか怪しい笑みを浮かべていた。
「言ってもただ無理してHな気持ちとか抑え込んでるって言う話ですよ? そんなの聞いてどうするんですか―—」
「何時まで経ってもウブな感じ無くならないわね……もしかしてそう言う演技してる?」
「演技するならもっとこう、孤高のアウトローみたいな感じになりたいんですけど中々演じようと思っても出来なくて……」
などとやり取りしつつ二人は事務所へと消えていったのであった。
お久しぶりの更新です、MrRです。
頑張って前書きとか後書きとかも書くように心がけています。
今回は大宮 優さんとナオミ・ブレーデルさんの登場回。
元々はヒーローロードのキャラクターだったんですけど本作にも登場しました。
レギュラー、淳レギュラー化するかは今後次第……と言うか本作キャラクター多過ぎですからね。
一時のヒーローロード並かな?
なぜ耳かき嬢ネタかと言うと、作者がそう言う耳かきとかが好きで。
色々と見た中で一番好きだったのは同人誌の奴でしたね。
ともかく当時迷走していて「もう簡単な話を作ろう」と言う流れで今回の話は出来ました。
ご意見、ご感想お待ちしております。