RE:召喚勇者の現代帰還〜それでも勇者は勇者としてあり続ける〜 作:MrR
実はと言うとメモ帳ではなく、カクヨムで直接書いて投稿したりしています。
Side 警察
=朝・豊穣学園周辺=
豊穣学園の周辺には豊穣学園を守るセキリティとして警察署が置かれている。
万が一に備えて海外の特殊部隊クラスの装備が許されていた。
軍用ライフルやロケット砲なども置かれている。
そんな彼達に出動要請を下す程に警察は追い詰められていた。
まさか日本国内でこんな非現実的なテロが起きるなど、自分達がその対応に当たるだの想像だにしなかったのだ。
まさか自分達にケンカを売る馬鹿が現れるとは思わなかった。
正直に言えば慢心も油断もあった。
装甲車を走らせてすぐさま鎮圧へ向かうが―—
『こいつは酷ぇ……』
『一体この学園は何に襲われたんだ?』
事態を把握する前に現場に送り込まれた彼達が目にしたのは地獄の様な惨状だ。
非現実的過ぎて実感がない。
ただ周囲に漂う戦場でしか嗅げないような様々な種類の臭いがミックスされた悪臭やまだ燃え盛っている炎の熱気に当てられた肌の感触などは、この光景が本物だと教えてくれていた。
『敵襲!! 敵襲!!』
そんな彼達に次々とテロリストが襲い掛かる。
少し離れた校舎の屋上に待機していたテロリストからの重機関銃による斉射、自爆ドローンによる攻撃、敷地内に侵入したパワーローダーによる銃撃、装甲車による発砲。
練度とか云々以前に装備が違い過ぎて逆に皆殺しにされかねない勢いだった。
重装備に身を包んだ警察官達が次々と人体の原型が留まらず肉片へと変わっていく。
「おい見てるか!? 平和ボケの日本国民ども!?」
「これが俺達パーフェクトピースが求める正義だ!!」
「お前達日本人は罪を犯した!! 次はお前達がこうなる番だ!!」
そんな様子をテロリスト達は面白おかしくケタケタ笑いながら、まるで正義の使者を気取りながら撮影を始める。
☆
Side パーフェクトピースのリーダー、ジェノス・ダスター
=朝・豊穣学園の講義堂=
生徒全てを収容できる講義堂。
学業のためとかではなく、格式高い演劇やオペラとか講演しても良さそうな雰囲気がある。
お金持ちの学園の私設なので空調設備もしっかりしていた。
その壇上にてジェノス・ダスター。
金髪の白人、丸眼鏡をつけた男がいた。
見た目は優しそうな、穏やかそうな外国人だった。
その実態はパーフェクトピースと呼ばれる過激な思想にとりつかれたテロリストだった。
周囲を見渡し、マイクの前でこう語りかけた。
『我々はパーフェクトピース、完全なる平和世界の実現に向けて活動する者達です』
『君達日本人は多くの罪を犯した。それは我々にとっても、世界にとっても許されない罪だ』
『地球侵略を目論む侵略者と手を組んだり、異世界にて嘗ての資本主義者どものように飴と鞭を使い分けて征服しようとしたり、自分達の国民を奴隷のように扱う政治家や官僚たち』
『その罪を誰に問いかければ良いのだろうか?』
『我々はその罪を分からせるために君達を全員皆殺しにする事で分からせる事にした』
『だが我々も悪魔ではない。この世に別れを告げる、覚悟を決める時間を与えようと思う』
『爆弾は正午——午前十二時ジャストで全部起爆する。無理やり全部解除しようとすればその時点で爆発する」
『尚、聞き分けの無い、逆らう人間がいれば例え女子供でもあっても容赦はしない。君達はそもそも平和の敵なのだ。許されざる大罪人なのだ。生かしておく価値もない連中だ。ただ死ぬ時間が早まるだけだ』
『きっと正午を迎えるまでに大勢の人間が死ぬだろう。関係の無い大勢がだ。それもまた君達や君達の親達の罪なのだ』
『だが我々は例え悪と世間に罵られようともやる事がある。世界平和の実現のために成すべき事がある。そのために何人かは人質として生かしてから殺す事にする』
言うだけ言って演説は締め括られる。
皆行ってる事の理解と、自分達に待ち受ける未来が把握しきれず、言葉が出ない様子だった。
お金持ちだとか、親が偉いとか言ってもまだ十代半ばの子供である。
重武装したテロリストに命を狙われ、人質とかそう言う定番をすっ飛ばして皆殺しを宣言する様なイ〇レ野郎どもの相手など、想定できる筈がない。
パニックが起こさないだけでもまだ十分だろう。
☆
Side 藤崎 シノブ
=朝・琴乃学園=
〇なあ、これ本当の映像だよな?
〇まるで現実感が無いんだけど……
〇本当にこれ日本国内で起きてる事なの?
ネットの世界ではまるで世界大戦でも起きたかのような騒ぎになっていた。
テレビも同じだ。
教員達も職員室に集められている。
琴乃学園で警備をしているガーディアンズの人々も慌ただしく動いていた。
警察官達も警察署へすっ飛んでいった。
〇いいぞ、正義の裁きが下された。
〇日本政府の悪魔達に裁きを!!
〇いいぞやれやれ!! 〇せ〇せ!!
ネットの中には平然と悪意を垂れ流す人間も一定数いた。
早速、これは正当な裁きだとか言っている人間も現れた。
見ていて気分の良い物ではない。
(こんなの狂ってる。間違ってる。こんなやり方で世界が変えられてたまるかよ)
この国の有様には流石に思う所がある。
それぐらいに悪い所を沢山見て来た。
だが、こんな人を大勢殺す様なやり方は間違えている。
自分達、藤崎 シノブと谷村 亮太郎の異世界での旅路はそう言う犠牲ありきの世界の変革、改革を否定するための旅路だった。
だが魔王のサウラスの気持ちや願い、苦悩の全てが間違いだとは思っていない。
それに比べてパーフェクトピースのやってる事、言ってる事は何ひとつ響かなかった。
ダブスタ、トリスタ上等の、ただ自分に酔いたいだけ、自分が可愛いいだけのペテン師の集団にしか見えなかった。
「恐い顔してどうしたの?」
と、ここで飄々とした態度を崩さない谷村 亮太郎が問いかけて来る。
クールな感じを装っているが、亮太郎も許されるのならどうにかしたい、この事件に介入したいと考えていた。
それでも冷静さを保つのはシノブが間違いだと感じたら止めるために必要だからだ。
「俺、東京に。豊穣学園に行くつもりです」
単なる正義感だけではない。
今回の事件は少なからず自分にも責任があると。
自分が自分なりの正しさと言うのを振り翳して好き放題に暴れ回った結果の末に起きた事件のように感じたからだ。
考え過ぎだと言われるかもしれない。
だが一応、敵はデビルズカードを使っており、今の日本の状況に当てられてこんな騒ぎを引き起こされたのなら、自分達にも責任はあると言う論法で亮太郎を説き伏せる事も考えていた。
「分かった。僕も行くよ」
「え?」
あっさりと亮太郎はシノブの事件への介入を認める。
「おや? 意外だったかい?」
「ええ。てっきり止められるかと」
亮太郎は「そうだね。僕もそうしようかなとも考えた」と前置きして次のように言った。
「だが今回の事件は、僕にも責任の一端はある」
そこでシノブはすぐさま「谷村さん。そう言うのはいいっこ無しです」と言葉を遮った。
「俺と亮太郎、二人がこれまでしでかした騒動の余波で引き起こされた事件です」
「シノブ……」
「罪も罰も背負う時は一緒ですよ、亮太郎」
異世界でもやったやり取りだ。
ユグドでの旅路は決して100点満点とは行かないものだった。
ああすれば良かった、こうすれば良かった。
今でもそう思いたくなる時がある。
並行世界の知識共有が出来る谷村 亮太郎の場合は余計にそうだろう。
だからシノブは言ったのだ。
信頼できる旅の仲間として。
「盛り上がっているところ悪いけど僕も行きます。僕も無関係ではないでしょうから」
白髪のポニーテール、白肌、赤い瞳の可愛らしい、古き良き童話のヒロインのような華奢かつ儚さを抱えた美少女に見違える容姿を持つ少年、闇乃 影司が呼び掛ける。
既に豊穣学園についての騒動については耳にしているようだ。
谷村 亮太郎の言葉を聞いて自分にも今回の責任はあると思っているのかもしれない。
だがそれは、いじめられっ子は全員ガンジーになっていじめを受け入れて生きればいいと言う論法にもなりかねない話だ。
確かに闇乃 影司の力は欲しい。
だが安易にアレコレと巻き込んで良い物かと思う。
「私も現地に向かいます。なんなら私の宇宙船で現場に送りますよ?」
白髪、白肌、北欧系の可愛らしい顔立ちの爆乳の美少女、宇宙刑事リリナが呼び掛けた。
彼女の管轄は宇宙人の犯罪とかであって、地球のテロ組織は相手ではない筈だ。
「敵はデビルズカードを使っているし、日本政府は宇宙犯罪組織と繋がっていたし、ある程度の無茶は効くだろうね」
と、リリナを擁護する亮太郎。
デビルズカードは地球外の侵略者三勢力分の技術が注ぎ込まれて産み出された悪魔のアイテムだ。
それを使うパーフェクトピースも宇宙犯罪組織の関係組織と言う体で捜査が出来ると言う話なのだろう。
「僕も行きます。僕はファイターレンジャーのファイターレッドとして、何の罪もない人々を助け出すのが使命ですから」
背がある王子様系爆乳女子、桜井 あきらも話に乗っかる。
「私も行くよ。こう言うのほっとけないし。状況が状況だから流石に配信は後日編集しての流れにするけどね」
長い金髪爆乳ギャル、キャロル・アイビリーブも楽しい女子会にでも参加する様なテンションで話に入って来た。
ノリは軽いがこれでも巨大化した怪人相手に立ち向かう程の戦闘力と胆力を持っている。
『話は纏まったみたいね。私が現地まで送ってあげるわ』
周囲にまだ幼く、それでいて大人びた感じの女の子の声が響いた。
メイド喫茶の店主、ヘレン・P・レイヤーの声だ。
異世界帰りの勇者二人の後ろ盾の一人であり、大阪日本橋を統べる魔女であり、裏で色々と手を回してくれている二人の恩人でもある。
ワープゲートがシノブ達の前に出現する。
『後、豊穣学園は広いみたいだから色々と送り込むわ』
との事だった。
「あ~あ。私は何も出来ないのよね。力が無いって」
そこで黒川 さとみ―—背がある爆乳で長い黒髪のクールそう、大人びた感じの女の子が駆け寄って来る。
話の流れを大体悟っていたらしい。
彼女もこの1カ月間で色々とあった。
共に戦った事もあった。
だが今回は人質を取って学園に立て籠っている洒落にならないレベルのテロリストが相手なのだ。
ちょっと戦えるかな程度の高校生の出る幕ではない。
それを分かっているのだろう。
「ほら、さっさと行って事件を終わらせて来い。助けを求めて待っている人は大勢いるんでしょ?」
「さとみ……」
「ほら行った行った。あんまりヒーローを待たせちゃダメなんだからね」
そう言って、さとみは走り去った。
彼女の想いを見届けたシノブは「行くか」と歩み始める。
今日は金曜日なのでカレーでも食べます。
あと、今回は掲示板回も一緒に投稿です。