RE:召喚勇者の現代帰還〜それでも勇者は勇者としてあり続ける〜   作:MrR

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VSテロリスト編その7・終幕

 Side クロワシ

 

 =朝・異世界リブラリア、フロンティアシティ、クロワシの執務室=

 

 異世界リブラリア。

 フロンティアシティ。

 多額の資金と資材を投じ、現代のノアの方舟とするべく建造が進められている。

 原子力発電所だけでなく、核兵器の所持すらも視野に入れている。

 

 そこに日本の裏の勢力——天王寺派と呼ばれる人々の管理役を纏めているのがクロワシと言う男だ。

 

 オールバックの白髪にサングラス、黒服を上下で固める。

 この国を裏から守って来たと自負する老人。

 ただクロワシと言われ、恐れられていた。

 

「それを何とかしろと言っているのだ!?」

 

 怒りながらクロワシは執務室で怒鳴り散らしている。

 最近は失態が続いている。

 二年前の事件で邪魔者は大勢消えたが裏の世界のパワーバランスは完全に崩壊してしまう程の大惨事だった。

 あれだけの大ダメージは二年やそこらでは埋められない。

 少子高齢化問題、移民問題による国家としての劣化も避けられない。

 何か手を打たねば日本と言う国は崩壊するのではないかとすら考えた。

 

「クソッ!!」

 

 二年が経過してこれと言った手も打たず、そしてフュチャーテック事件が起きる。

 続いて宇宙犯罪組織ジャマルの事件で宇宙犯罪組織との繋がりが明るみになる。

 先走った人間が欧州の組織である財団にケンカを売り、事実上戦争状態に突入。

 代議士の政治家が裏の勢力を勝手に動かして破滅する。

 ハンドレッド事件で未だに宇宙犯罪組織だけでなく、並行世界の異次元帝国や異世界の侵略者との関係も続いていた事が暴露される。

 現政権に対する反対派の政財界の有力者はテロに襲撃されるが谷村 亮太郎や財団の手で阻止。

 体育祭を狙ったテロも阻止される。

 そして今回の事件、政財界の人間が通う学園に対するテロ。

 

 裏の世界と言うのは、何らかの繋がりを持っていると疑われた時点でしまいなのだ。

 ガーディアンズや財団とか言う世間知らずの偽善者どもに全て罪を擦り付ける筈がどうしてこんな事に。

  

(正直今の日本が、我々に靡かない人間がどうなろうが知った事ではないが、今全面戦争を引き起こすのはマズい!!)

 

 クロワシは今の堕落した日本がどうなるが知った事ではないと言う思考をしている。

 だが場所と相手がマズい。

 よりにもよって自分達の有力者やスポンサーのご子息も通っている学園へのテロだ。

 異世界リブラリアでの快適な暮らしも、日本政府と言う巨大な後ろ盾があってこそ。

 支援を停止されれば、あっと言う間に干上がる。

 

 補強も増援もない、孤立無援の城は時間と共に落城する。

 歴史がそれを証明している。

 

「消さねばならない!! 何としても!!」

 

 と、クロワシは子飼いの部下達に連絡を入れた。

 

 

 Side 火野 エイコ

 

 =朝・豊穣学園、講堂前周辺の広場=

 

 赤毛に赤い瞳、体育会系の女子らしく日に焼けた健康的な肌の爆乳美女、本当にもと自衛官なのかと疑いたくなる容姿の火野 エイコ。

 彼女は宇宙からやって来た巨大ヒロイン、アルティアスレオナとの一体化している状態だが、立場的なアレコレで好きに変身は出来ないらしい。

 

 今回は地球人同士がどうこうの事件なので、手を貸してはくれないようだ。

今は他の仲間達と一緒に講堂の見張りをしている。

講堂内の敵は片付け、爆弾の無力化にも成功。

人質の生徒や教員などに新たな怪我人は無し。

自衛隊の特殊部隊クラスでも困難なミッションをよくやり遂げたものだと感心する。

 

 思ったよりも敵の数は多いが―—

 

『スターバズーカ!! シュート!!』

 

 大阪府I市の爆乳戦隊、スターレンジャー三人がフォーメーションを組んで大きな真っ白な星を基調とした大砲をかがげてエネルギー弾を発射。

 敵の一団が纏めて吹き飛ばされる。

全員死んではいないとは思う。

 

『それじゃあ白兵戦行くよ!!』

 

 星を象った派手なマスク。

 ちょっとレトロな感じがするスーツ。

 手には赤い刀身を持つ剣を握りしめてスターレンジャーのレッドが斬り込んでいく。

 その背後からは丸っこい小型バズーカのような射撃武器を二丁持ちのブルーが『了解』と両手に持った武器からビームを乱射し、斧を持ったツインテールのイエローが『おー』と斧を片手にレッドの後ろについていく。

 三人とも爆乳で美少女、スタイルもいい。

 まともな背格好でまともなアイドル活動すればもっと人気は出るだろうにとエイコは思ってしまう。

 

『ガーディアンズだ!! 抵抗を辞めて降伏しろ!!』

 

 そうこうしている内にガーディアンズが突入してくる。

 それでも抵抗を辞めずに暴れ続けるテロリスト達。

 アメコミヒーローはともかく、また新たな戦隊ヒーローの姿も見えた。

 このまま行けば鎮圧も時間の問題だろう。

 

 藤崎 シノブの方は大丈夫かなとエイコは思う。

 

 

 Side 藤崎 シノブ

 

 =昼・関東上空=

 

 関東上空を真っ赤な専用バイクに跨って飛行するシノブ。

 ヘルメット内のディスプレイで通信のやり取りをしていた。

 相手は北川 舞だ。

 

『場所は合ってるんですか?』

 

『ああ、間違いない』

 

 ジェノス・ダスターは埠頭にあるタンカーに向かっているらしい。

 既にガーディアンズも動いている。

 警察や自衛隊も動こうとしているが、生半可な戦力では豊穣学園の時と同じく返り討ちの二の舞になるので抑えるのに必死なようだ。

 

『色々と立て込んでいたが……どうにか間に合わせる事が出来た』

 

 微かに疲れの様子が見て取れる北川 舞。

 想像できないような苦労が現在進行形で進んでるんだろうなと舞の苦労を偲ぶ。

 

『衛星の画像や最新の報告によれば、まだ戦力に余裕はあるらしい』

 

 画面は切り替わり、タンカー周辺の画像に切り替わる。

 衛星写真や航空写真などがディスプレイ内に、視界の邪魔にならないように表示された。

 

『あんなのでも、人望あるんですかね』

 

『ああ言うのに感化されてテロに走る人間は一定数いると言う事だ。それも世界規模となれば相当だ』

 

 悲しいがそれも現実の一つなのだろう。

 

『手駒その物は幾らでも変わりはいる。我々ガーディアンズとしてはジェノス・ダスターの身柄を何としてでも抑えたいと言うのが本音だ』

 

 つまりジェノス・ダスターの身柄を抑えないと、また今回のようなテロが繰り返されると言う事だ。

 それでもシノブは『人質の身柄を最優先する形でも構いませんね?』と念押しする。

 

『構わない。君達には宇宙人の大幹部の身柄を確保したと言う実績もあるしな。信頼している』

 

 全幅の信頼を寄せてくれている様子の舞。

 ちょっとシノブは照れくさくなる。

 

『君の実力は把握しているが、流石に一人では色々と無理あるだろう。援軍を向かわせている』

 

☆ 

 

 Side ジェノス・ダスター

 

 =昼・港、タンカー=

 

 都市近辺の汚染された海や船独特の異臭。

 血と硝煙も漂っている。

 この場所をうろついていた警察官を射殺したらしい。

 

 今から学園から連れて来た人質と共にタンカーへと乗せる。

 味方に大勢の犠牲が出たがこれも完全な平和なための仕方の無い犠牲なのだ。

 タンカーに駆け付けて来た警察官だってそうだ。

 自分達が信じる平和や正義が間違っていたから死んだのだ。

 真の平和や正義の実現のために仕方のない事だ。

 

「おら、さっさと歩け!!」

 

 すぐ後ろでは人質を乱暴に扱う部下の姿があった。

 その中には豊穣学園の学園長の姿もあった。

 

「おい、私は―—」

 

「君も付いてきてもらおう。色々と喋られると困る」

 

「話が、約束が違うぞ!?」

 

 この学園長も悪だ。

 わが身可愛さに生徒を売った悪なのだ。

 だから殺さなければならない。

 

「余計な事を喋られても困る。始末しろ」

 

「そ、そんなっ!?」

 

 突然だった。

 視界がぐにゃりと歪む。

 ジェノス・ダスターの顔面に飛び蹴りが炸裂した。

 血飛沫を挙げて埠頭の硬い地面を滑っていく。

 

『とっ、つい飛び出しちまった……』

 

 藤崎 シノブだった。

 ジェノス・ダスターの顔面に飛び蹴りをかましたのだ。

 今の彼はライドセイバーではなく、本日デビューとなったブレイディア・ブレイズ。

 突如として現れた謎の仮面の戦士に茫然となる兵士達。

 

 

 Side 藤崎 シノブ

 

 適当な場所に潜んでから数を減らしていこうと思ったら、何か殺されそうになっていたので、つい条件反射で助けてしまった。

 

「た、助けてくれて……ありがとう……」

 

『どういたしまして』

 

 スーツの自動判別機能により豊穣学園の学園長である事が分かる。

 念のため鑑定魔法を掛けたが、どうやら汚職していてパーフェクトピースと繋がっていたらしい。

 つい反射的に助けてしまったが怪我の功名だと思う事にする。

(スモークミサイル、撃ち込みます!!)

 

次の瞬間、頭に声が。

闇乃 影司の声だ。

遠方から超小型のミサイルが飛来。

次々とタンカー側の埠頭に着弾し、見る見る内に煙が充満していく。

埠頭にはテロリスト側の人間が大勢いる。

タンカー側は攻撃出来ない。

埠頭にいるテロリストも遮蔽物がロクにない場所に密集しているので銃を撃てば同士討ちになる。

(シノブはタンカーの方へ。人質の救助は僕に任せてくれたまえ。君はジェノスを抑えるんだ)

 

 次は谷村 亮太郎の声が脳内に響く。

 彼も来ていたようだ。その気になれば色々と移動手段はある。

 シノブを目印にテレポートしたり、それが出来なくても超音速のスピードで移動もできる。

 マッハ二十ぐらい出せば大阪から東京まで1分半も掛からないと言うしそうしたのかもしれない。

 

 シノブは(了解、中の様子は逐一報告します)と返した。

 

 

Side ジェノス・ダスター

 

 =タンカー船内=

 

タンカー船尾に設置されている特注の耐熱処理が施されたヘリポート。

そこに置かれたステルス機で脱出するつもりだった。

タンカー内部の潜水艦で脱出する策は使えなくなった。

アレは人質を使って海域の封鎖を強行突破し、沖合までタンカーを移動させる必要がある。

完全なる平和社会の実現のためにもここは逃げ、再起を図る。

時間は掛かるが同士は幾らでも増やせる。

強力なパトロンだっている。

 

(このまま捕まってたまるか!!)

 

 必死にタンカー内を駆け回り、部下達には徹底抗戦を指示する。

 そして自分だけは逃げる。

 そう言う算段だった。

 

 

 =タンカー船尾=

 

 そこに居たのは真っ赤な特撮ヒーローだった。

 脱出用のステルス機の影も形もない。

 破壊された様子もない。

 ステルス機はどこに消えたのだろうか。

 

『これで終わりだ』

 

 谷村 亮太郎の読みがズバリ的中し、待ち構えていたシノブ。

 ジェノス・ダスターに素早く近づいて気絶させた。

 ハンドレッドのリーダー、赤霧 キョウマが所持していた変身用のバックルを所持している。

 これも重要な証拠として、逃走用のステルス機ともどもアイテムボックスに放り込んでおいた。

 確保も終わり、後はタンカーや倉庫を制圧するだけ。

 人質の救出も完了している。

 

『終わったな……』

 

 色々とまだやる事はあると駆け出そうとしたその時だった。

 

『自衛隊の戦闘機やイージス艦がミサイルを発射!! すぐに逃げろ!!』

 

 と、ここで北川 舞から通信が入った。

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