RE:召喚勇者の現代帰還〜それでも勇者は勇者としてあり続ける〜   作:MrR

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 予約投稿しました。
 スケジュール通りなら田舎のビジネスホテルでぐったりしてる頃です。


守衛学園とのコラボ合宿その5(完)

 

 Side 藤崎 シノブ

 

 敵のエース級が追撃してくる。

 全員ガンネクスタイプ。

 重火力のフルウェポン型や高機動型。

 それを亮太郎の二人で迎撃。

 場所はマップ北西部の山岳地帯。

 電子戦機と重火力型の砲撃支援を受けながら敵に対峙する。

 倒してもいいのだが、基地に死に戻りされても面倒だ。

 ここは頑張って敵を引き付ける。

 

『此方亮太郎。敵のエース級は退き付けた。後は君達の力で守り切れば此方の勝ちだ』

 

 と、亮太郎が指示を飛ばす。

 

☆ 

 

 Side 黒川 さとみ

 

 =琴乃学園側、自軍基地周辺=

 

 敵の最後の猛攻。

 二十機近い敵が基地にラストアタックを仕掛けて来る。

 こうして戦ってみて、守衛学園側の選手層の厚さを肌で感じ取っていた。

 

『スモーク!! 接近戦に備えろ!!』

 

『あいつら接近戦でケリをつけるつもりだ!!』

 

『敵さん意地になってやがるな』

 

 クラスメイトの強面三人衆が呼び掛ける。

 昭和のアニメに出て来そうな濃い顔立ちの生徒達。

 何だかんだで人当たりも良く、面倒見も良くて、気のいい連中である。

 

それよりも基地全体に広がるスモークだ。

視界が悪くなり、電子機器にも影響が出ている。

『最後は純粋な力と力のぶつかり合いか』

 

『見せ場は残ってたらしいな』

 

 クラスメイト達もやる気十分だ。

 この展開はシノブと亮太郎のお膳立てかもしれないが、二人が無双して暴れ回ってクラスメイトはオマケみたいな展開が良かったのかと言われるとうーんとなる。

 二人の好意だと思ってありがたく受け取っておくことにするさとみであった。

 

『来るぞ!!』

 

 敵が煙の向こうから次々と迫ってくる。

 守衛学園の必勝戦術であるのは知っていたが、こうして経験してみれば死なないと分かっていても恐怖感がある。

 その恐怖感は試合中で何度も感じた。

 ネクプラバトルと言う競技を甘く見ていたかもしれない。

 

『敵の電子戦機を破壊しないと勝負になんねえ。俺達も腹を括るぞ!!』

 

『おう!』

 

『ここまで来たんだ。キッチリやりますか』

 

 強面三人衆が敵集団の方へと特攻を仕掛ける。

 それに習って此方も近接武器片手に突撃。

 レーダーやロックオン機能が正常に作動しない状況下。

 シノブや亮太郎のように気配探知できればよかったのだが。

 だが最後ぐらいは自分達の手で勝利を掴んでみたい。

 さとみも腹を括った。

 

 

 Side 綾瀬 リリ

 

 敵味方入り乱れての乱戦。

 次々と見方も撃破されるが敵も撃破されていく。

 そんな中でリリはコアの方を見た。

 

「やばっ、止めないと!!」

 

 コアの方に敵が三体ほど突っ込んでいく。

 リリも体当たりして突撃した。

 

『最後ぐらい見せ場作んないとね!!』

 

 さとみも撃墜覚悟の体当たりした。

 それに影響されてか味方機は次々と体当たりしていく。

 

「まずい!!」

 

 新たに数機がコアに突撃していく。

 コアと至近距離過ぎて判断に迷う。

 その一瞬を突くように攻撃。

 激しい勢いで得点が加点されていく。

 

 やがて―—

 

『試合終了!! 得点は―—』

 

 試合が終了。

 得点が表示された。

 

『僅差で琴乃学園チームの勝利です!!』

 

 撃墜得点やコア攻撃得点。

 本当に僅差だった。

 ギリギリの勝利。

 だが勝ちは勝ち。

 嬉しいのはあるが、前半後半含めて休憩ありの二十分の戦い。

 予想以上に疲弊していたが、同時に満足感、達成感で満たされていた。

 

 

 =守衛学園、打ち上げ会、会場=

 

 場所は変わり守衛学園の打ち上げ会、会場。

 参加者は主に琴乃学園と守衛学園の生徒達がメイン。

 空調が効いていて、赤いカーペットが敷かれた豪華な部屋。

 今回のような行事のために使う部屋らしい。 

 

『えーと、この後自分達は個人的な合宿に移りますけど……一先ず皆さんお疲れさまでした!!』

 

 ここで藤崎 シノブが壇上に立ち司会進行を行う。

 傍には谷村 亮太郎もいた。

 動画のコメント欄も大賑わいだ。

 

『守衛学園の皆様にイベント会場の差し出しと、イベントを盛り上げて貰ったお礼として、ちょっと訓練をお手伝いするんですよね。守衛学園の生徒達とか、駆け付けた自衛隊の人達とか、なんか警察の特殊部隊の方とかに訓練つけるんですね』

 

 と、亮太郎がそんな予定を明かす。

 さとみ達はそれを耳にして守衛学園の人達とか自衛隊、警察の人達大丈夫かなと思う。

 

『あと、動画のコメント欄とかで今回みたいな催しを続けて行くんですかって言ってましたけど、ネクプラバトルとかそう言うのはまあ、クラスメイト達のスケジュールとかもありますしね』

 

『文化祭とかも迫ってるしね。あと各種イベントは目白押しだし。だけど勉強とか期末テストともあるから、しゅっちゅうは出来ないかな』

 

 シノブの説明に亮太郎が補足する。

 

『さて、そろそろ乾杯しましょうか?』

 

『ですね。では皆さん。コップは持ちました?』

 

『カウント三秒後に乾杯してくださいね。では行きますよ』

 

 二人ともこう言う場には慣れているのか、テレビ番組の司会のように話を進めて言く。

 

『『3、2、1……乾杯!!』』

 

 乾杯の声が響き渡る。

 

 

「本当に頑張ったなさとみも」

 

 シノブは紙コップ片手にさとみ達を労う。

 

「最初から最後までシノブが一番頑張ってたじゃない。亮太郎もそうだけど、戦いながら指示出しまくって。でも最後は私達に委ねたんでしょ?」

 

「いやいや。全力を出して色々と試行錯誤をした結果でして」

 

 人前ゆえか、シノブは分かり易い嘘をついた。

 

「そう言うのって逆に相手側とかにも失礼だと思うんだけど……世の中、正しいと間違いの二元論で回ってるわけでもないしね」

 

「何か色々とすいません」

 

 頭を下げるシノブ。

 

「でも、まあ、楽しかったわよ。色々と貴重な経験出来たし。文化祭とかもこの調子で盛り上げるの?」

 

「文化祭までにケリが付けばいいんだけどね」

 

 ハハハとシノブは苦笑する。

 

「異世界帰りの勇者らしく、速攻でケリ付けて帰って来なさいよ」

 

「それはWEB小説の異世界帰りの勇者であって……」

 

「いいから!! せっかく頑張って魔王倒して平和な人生を謳歌しようとアレコレやりたくない努力してんでしょ? 異世界でのアレコレとかもスピード解決しなさい」

 

「善処します」

 

 と、苦笑いするシノブ。

 

 

 Side 綾瀬 リリ

 

「お熱いな二人とも」

 

 シノブとさとみの仲をそう評するリリ。

 他の爆乳変身ヒロイン達も会話に混じり始めていた。

 周囲にあまり注目されていない、話しかけられないのは特定の人物以外には注目されない認識阻害系の魔法でも使ってるのかもしれない。

 今の亮太郎もそんな感じなのだろう。

 

「まあ今ぐらいは好きにさせないとね」

 

 シノブを様子を見て亮太郎は複雑な顔をしている。

 

「異世界での厄介事関連?」

 

「ああ。スグに決着を付けたいけど、スグには帰れるとは思ってない」

 

「そう言うと時は無理でもスグに終わらせると言うんだぞ? 女の子を待たせるのは男としてどうなのって言うのが本音」

 

 リリは自分の意見を言う。

 異世界での活躍を知った。

 異世界勇者の苦悩、苦難を知った。

 それを知った上での発言だ。

 

「出来ない約束はしない主義なんだけどね。ここは男らしくスグに片を付けると言っておこう」

 

 と、亮太郎は返してくれた。

 

「この後も守衛学園で色々とやるの?」

 

 リリは話を切り替える。

 

「まあね。お礼として訓練で鍛えるって話だし」

 

「大丈夫? 相手側死なない?」

 

「変に手を抜いて反感を持たれるのも嫌だしな……彼達の今後のためにも、ある程度嫌われる覚悟して挑むつもりじゃないとな。宇宙人とか異次元人とか出現した世の中だし」

 

 数々の戦いを、強敵との死闘を潜り抜けた亮太郎。

 今の地球現状を、日本の現状も理解している。

 日本人が平和ボケでいられる時代はもう終わっているのかもしれない。

 

「だけど今ぐらいは楽しんでもいいと思う。二人とも頑張りすぎて心配になる」

 

「ははは、楽できたら良かったんだけどね」

 

 飄々とした語り口で返す亮太郎。

 

「分かったら頑張って恋愛ラブコメしようよ。今は百人と付き合う主人公とかもいるんだし」

 

「チート勇者のフルスペックでも過労死するよそれ。それ以前に現実で百人と付き合ったらそれもう地球だと異常者扱いだろ。二人、三人でもヤバイ扱いされるのに」

 

 女の子が言うのはどうなのか、海外のやかましい人権団体が発狂しそうな提案をするリリに亮太郎は困惑する。

 

「そこは無敵のチート勇者パワーでどうにかですね」

 

「えーと僕がおかしいのか? 何でこう周りの女の子達はそう言う変な方向に覚悟決まってんだ?」

 

 リアクションに迷う亮太郎。

 ハーレム願望持ちの主人公なら泣いて喜ぶところだろうが、亮太郎に今の所その気はない。

 

「あと、異世界で死を偽装したり、行方不明ムーブをかましてラブコメ展開から逃げ出すのも無しだからな。シノブや影司を使い倒してでも足取り追うからな」

 

 あらかじめ逃げ道を潰しておくリリ。

 観念したように亮太郎は「善処します」と返した。

 

「と言うか今回の合宿、まだ続くんだよな?」

 

「そうだね。元々は1年A組の罰則と言う感じから始まったけど、明日は今回のイベントに付き合ってもらった礼をする形になるかな? んでその次が本番。本気で強くなりたい人のために合宿する感じ」

 

 予定をスラスラと語る谷村 亮太郎。

 シノブと亮太郎がある種の体力お化けでなければ成り立たなかっただろう。

 

(守衛学園や自衛隊の人達大丈夫かな?)

 

 お付き合いする事になる守衛学園や自衛隊の無事を祈るリリ。

 異世界帰りの勇者でその旅路を見届けた今となっては亮太郎の心配は無用。

 亮太郎は自分や妹、身内に対しても厳しいところがあるらしく、敵に洗脳されたフリをして鍛えるためと称してシノブや妹達に襲い掛かった事もあるのだとか。

 ちょっと不安になったリリであった。 

 

「大丈夫大丈夫。彼達もプロだから」

 

「それが怖いんよ」

 

 マリネやジェイミー、舞やレッカなどを呼んでちょっと強めに歯止めを掛けた方が良いかなとリリは不安に思った。

 




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