RE:召喚勇者の現代帰還〜それでも勇者は勇者としてあり続ける〜 作:MrR
もうそろそろこちらにも投稿しておこうと思いまして投稿しました。
Side 谷村 亮太郎
谷村 亮太郎には色々と趣味がある。
変身ヒーローとか好きなのはまんま天照学園、ヒーローロード世界とかの影響もあるが、元々そう言う漫画や作品が好きなのだ。
仮面〇イダー〇PIRITSとかあの辺が好きだ。
そしてそう言うヒーロー物を題材にした小説を書きたかった。
それが最初の夢だ。
だから何を言いたいかと言えば、谷村 亮太郎はその気になれば小説を書ける。
元から国語の授業の読書感想文とか苦にならないタイプだった。
もっとも担任の先生はラノベの読書感想文を書くので顔を顰めていただろうが。
そんな亮太郎はふと思い立ったかのように異世界での物語を纏めている。
キッカケと言うのはテロリストの事件が始まる前に、クラスの本の魔法使い、夏目 リセの影響だ。
夏目 リセは対象の人間の記憶を本にすると言う魔法を持ち、亮太郎の手助けで超リアルな映画みたいな形にする事が出来た。
その時の雰囲気や臭い、感情なども本や映像を通して分かる。
そんな凄い能力なのだ。
それで夏目 リセは藤崎 シノブと谷村 亮太郎の記憶を見た結果、二人のファンとなった。
=放課後・琴乃学園・空き部屋=
現在はその夏目 リセと琴乃学園の部屋を借りていた。
学園内の私設なので簡素な雰囲気であるが、その実態は潜入工作員でも潜入不可能、戦車砲を撃ち込まれても大丈夫、盗聴器の類を仕掛けたりと持ち込むとすぐにセキリティが作動する防備が厳重な部屋になっている。
そこで黒髪のおかっぱ頭の少年、谷村 亮太郎は手作りの机と椅子に座ってデスクトップP‘Cに向かって作業していた。
異世界帰りの勇者のスキルを駆使すればホームセンターで材料を買って、素材をパワーアップさせ、好きなように家具を作った方が色々と安上がりだ。
しかも銃弾にも耐える高級仕様である。
シティ〇ンターとかも好きなのだ。
そんな谷村 亮太郎はアニメや漫画に出て来るスーパーハッカーみたいな指の動きでデスクトップPCに文字を入力していた。
思考加速や並列思考などのスキルも併用して亮太郎は文字を撃つマシーンと化している。
ちなみにデスクトップPCやキーボードも魔改造されている。
特にPCは日本橋のもう一人の何でも屋、闇乃 影司の手で魔改造されたモデルでそこらのスパコンなど凌駕してしまっている性能を持ち、その性能を異世界帰りの勇者の文字を打つ速度にちゃんと反応している。
その傍で後頭部両サイドお下げヘアーで横長の四角い眼鏡をつけた爆乳の女生徒、本の魔法使い夏目 リセがいた。
テンプレート的な地味な図書委員キャラ、委員長キャラみたいな背格好だが胸がとんでもなく大きい。規格外だ。
黒川 さとみとか愛坂 メグミとかに負けないぐらいの、何か大きな果物でも胸に仕込んでますかと思いたくなるぐらいのサイズだ。
潜在能力の解放をして、爆乳を支えるクーパー靭帯が強化され、さらに日本橋経由から特注のブラをするようになってから目に見えてスタイルがよくなっていた。(これは本作の他の爆乳ヒロインなども同様)
あとは垢抜けた髪型をするだけで学園トップ層の美少女の地位に仲間入りするだろう。
だが彼女は爆乳云々で色々と苦労して来た人らしく、これ以上は注目を浴びる姿は想像できないと言う事でしなかった。
「仲間ってどんな人がいたんですか?」
夏目 リセに協力関係を築く上で、谷村 亮太郎は夏目 リセから取材を受ける事にした。
ちなみに夏目 リセは小説家志望らしい。
「皆に自分達の旅路を明かした時は、アレでも結構絞ったからな。短期間のウチにソシャゲのイベント並にハードな日々を過ごしていたから。まあそれは今も変わんないだけど」
地球に帰還して家族を大切にして日々を過ごす。
それが目的だったのに今や国の存亡とか世界の行く末に関わる人間になってしまっている事に自嘲する亮太郎。
「バリバリのオタク向けのソシャゲとか、特に女性キャラメインのソシャゲでふと男性キャラに熱意を注ぎたくなる時があるけど、ああ言う感覚って異世界で居た時もあったなって」
亮太郎も並行世界の自分自身と色々と共有している身の上であるが、彼も男である。美女や美少女に囲まれて悪い気はしなかった。
だが実際の異性の付き合いと言うのは色々と大変なのだ。
恋愛経験ゼロのオタクの妄想のようにはいかない。
そう言うのが嫌な人はもうガイノイドとか、AI彼女とでも付き合うしかないだろう。その方が異性に対する夢を失わくて済む。
「女性付き合いが大変だったとかそう言う?」
亮太郎の心中を察して気遣う様に言葉を選ぶリセ。
「うん。正直言って野郎同士とつるんでた方が色々と楽だった部分があるね。自分は女戦士とかアマゾネスとか女騎士に憧れてたけど、考え方が合わなくて苦労したなって」
谷村 亮太郎の女趣味と言うかストライクゾーンは広い。
特にジェイミー・ゴードンのような現代のアマゾネスのような女性が好みだとリセは耳に入れた事がある。
周りに現役アイドルの子とか周りにいるのに罪作りな男である。
「とにかく僕達の旅路は仲間が多い。知能を置き去りにした超脳筋武道家娘とか、ハンマーの鍛冶が出来るのなら、ドラゴンだってその場で加工してみせる鍛冶職人とか色々いたな」
「師匠枠でもナムさんとか和尚とか本職の忍者に魔物ハンター、剣聖、仙女、エルフの魔法使いとか色々いたよ」
軽い調子、明るい声色で思い出すように語る。
異世界の旅路は辛い事も多かったらしいが、楽しかった事も多いらしい。
「仲間に恵まれたんですね」
「僕が頑張ってジャンルを冒険ファンタジーから戦略SLGにしたからね。そうしないと異世界は救えなかった」
異世界の旅路は世界を救う旅でもあると同時に、魔王が作り上げた世界の均衡を破壊する物語でもあった。
百点満点の旅路ではなかったが、あれ以上の結果を出せと言うのは難しい旅路でもある。
夏目 リセはその苦悩を本の魔法を通して大まかな部分ではあるが知ってしまった。
「そ、そんな旅路だから―—その、気になる女性の方は居たんですか?」
「そりゃあね。地球で普通に暮らしてた居たらまずお目に掛かれないレベルの美女や美少女だらけだからね。だけど気になる人と言うか、関りが深かったのは……」
デスクトップPCにタイピング打つ手を止めて亮太郎は天井に目を向けて思い出し始める。
「サリア。地球の科学技術とかそう言うのに興味がある公爵令嬢。ゴーレムとか車とか船とか色々作ってて、魔王サラウスや賢者ヘリオスに目を付けられていた」
「魔王に命を狙われてたんですか? それにヘリオスって確か魔王と通じていた人ですよね?」
賢者ヘリオス。
魔王サイドの人間であり、壮大で傍迷惑な自殺に付き合った共犯者でもある。
最終的には巨大ロボットに搭乗してシノブや亮太郎達に挑み、その命を堕とした。
「ほら、異世界物とかでもよくあるだろ? 安易に現代兵器を持ち込んでいけないのとかそう言うの」
「ええ、あります。定番の話ですよね?」
「魔王サウラスの目的は世界の存続だったからな。ヘリオスもそれに共感して共犯者になった。その二人が安易な科学技術の発展を見過ごす筈がないよ」
「……科学の発展も良い事ばかりとは言えないですしね」
夏目 リセも地球の大まかな近代史は理解している。
科学の発展により様々な問題を引き起こし、遂にはその力で世界を滅ぼす力を手にし、それを洒落にならない量を保有して突きつけ合っているのが地球と言う世界だ。
科学全てが悪だとは言わないがその愚かさや負の部分を理解しているため、そう言う世界平和のために天才科学者を殺害しようと言う心理はリセも分からないでもなかった。
「サリアとは話が色々と合ってな。サリアも同じ年頃で自分と同じような考えを持つ相手に恵まれなくて寂しかったのもあるんだろうな。地球の事について色々と語って、まあ楽しかったよ」
「例えばどんな話を?」
「数年のお付き合いだったからな。自分の知っている限りの知識はほぼほぼ出し尽くしたよ。地球の良い所とか、悪い所とかも全部教えた」
そしてふと思い出したように亮太郎は語る。
「だけど発明云々と言うか、何でもかんでも素晴らしい発明だからと言って無暗やたらに広げると痛い目を見ると言ったら嫌な顔されたりもしたなぁ」
苦労話を語るが様子を見る限り仲は最後まで良好だったのだろう。
「同じぐらいよく会話してたのは大魔導師クロネだな。魔法の先生。よく魔法の話で盛り上がった」
と亮太郎は語るがどちらかと言うと、創作物の魔術や魔法をまるでこの目で見て来たかの様に詳しく語って大受けしたと言うのが真相だ。
並行世界共有能力があるので本当に見て来たとも言える。
特に女体化したアーサー王や織田信長とかか出て来るあのシリーズの話をよく語っていた。
「それとよく相談したよ。未来を知るのって辛い事が多いからな」
「あっ、それって」
夏目 リセは藤崎 シノブと谷村 亮太郎の旅路を知っている。
その時何を考えていたのか。どう言う心中だったのかも知っている。
並行世界の自分自身との共有能力は決していい事ばかりではない。
未来を知って、その未来に抗う力を持って、亮太郎の言葉を借りれば「命の選別をする事になる」からだ。
WEB小説の二次創作の主人公キャラとかが分かり易い例えだろう。
作品によりけりだが、彼達は大抵の場合原作キャラを助けたり、不遇な目に遭っているキャラを救済したりして行動したりする。
人が死なない類のジャンルの作品ならそれもいいだろう。
だが大勢人が死ぬ作品とかならどうだろうか?
普通の人間は、ましてや日本で平凡に生きて来ただけの人間に、人の生き死にを原作キャラだとかモブキャラだとか言って割り切れるだろうか?
「本当は全員救いたかった。全員救って誰もが笑顔で大円団を迎えられるようなハッピーエンドを。だけどね、現実ではそう言うのはあり得ないんだ。変に目指そうとすれば逆に目も当てられないような惨劇を引き起こすんだ。本来死ななかった人間も死んでしまう。今のこの状況だってそうさ」
「……」(谷村君の力を使えば他の並行世界とこの世界の比較も容易——)
亮太郎の語りに同情してしまう流れだが、今の状況と言う単語が引っかかった。
少し考えれば分かる事だが、並行世界共有能力を使えば異世界帰還後の状況がどうなるかも分かる筈だ。
もっとも未来視で死ぬよりも苦しい苦痛を味わってるから、細部までは比較しようとは思わないだろうが、谷村 亮太郎の精神性なら実行する可能性もなくはない。
(これ以上考えるのはやめておこう)
そこまで考えてリセは思考を放棄した。
世の中には知らない方が良い事も沢山あるのを目の前の人物から身をもって思い知らされたばかりなのだから。
「シノブには随分怒られたよ。他の仲間に散々言われた。未来が分かってるのにどうして教えてくれなかったんだって。魔王と変わらないとかも言われたな。まあ逆の立場なら僕も同じ事を言うだろうし文句も言えないのが辛いところだね」
と、飄々して返すが辛そうだった。
その時の亮太郎の気持ちや感情を知ってしまった今では痛々しさすら感じる。
「クロネも同じような悩みを抱えていたらしくてね。まあそれを言えばサウラスもヘリオスもそうなんだけど……二人とも敵側サイドで世界の敵だからな」
などとボヤく亮太郎。
本当はヘリオスもサウラスも救いたかったのかもしれない。
「後はそうだ。色々と大きくて潤しい女騎士とかともよく話したな。漫画とかラノベとか映画とかアニメとか色々教え込んだ」
暗い空気を変えるつもりだったのか、他の女の話題に移す亮太郎。
リセもその話題にあえて乗っかるように「教え込んだ?」と語った。
「単純な実力なら僕やシノブよりも上かもね。まるで戦うために産まれて来たような女性だったけど、文芸に興味があったと言うか、芸術的方面とかに挑戦していたけど何か違うとなって悩んでいたと言うか。助け舟を出したら仲良くなった」
「えーと具体的にどう言う風に悩んでたんですか?」
「早い話、ラノベとか漫画とかそっち方面を考えていた子だった」
「オタクに優しい女騎士?」
「うん。そんな感じだったね。自分も創作者だったりしたからね。キャラ立ての方法とか基礎的な物語の構成とか、参考がてらアメコミの物語構成とか色々語ったな」
「思った以上にガチですね」
「将来は考古学者にでもなって世界中駆け回るか、あるいはXYZな街の掃除屋でもやろうかと思ったりもしたんだけどね。まだ最初の小説とか漫画の未練とかも捨てきれてないみたい」
「最終的にどう言う小説を書くつもりなんですか?」
「そりゃヒーロー物とかかな? 変身ヒロイン物とかも考えたけどね。でもヒーロー物ってやり尽くされているジャンルでもあるからな。変化球効かせないと企画会議通らないっぽいんだよね」
(編集者経験のある世界からも記憶共有したのかな?)
などと勘繰るリセ。
「今の日常も大切だけど、学園島のヒーロー達の日々も捨て難いんだよね」
「そう言えばライドセイバーのコスプレしたりとかって、その学園島のヒーロー達の日々の影響? とかなんですか?」
「うん。そうだね。闇乃 影司もいたよ。大宮 優とかもいたし、倉崎 稜や天村 志郎もいる可能性も……だけど闇乃 影司がいるなら闇の女王とかゴウマ王とかあの辺りが出張って来る可能性もあるし……」
「何かいまとんでもない重要情報を喋りませんでしたか!?」
「ははは、今更世界の存亡に関わる敵対勢力が一つや二つ増えたところで変わらんよよ」
などと軽く笑い飛ばす亮太郎。
色々と痛い中学生の戯言とかではなく、ガチで異世界を救って宇宙からの脅威にも対抗している上に並行世界に精通している人間の言葉だ。
洒落にならないにも程がある。
この世界は呪われているのではないかとすら嘆いてしまう。
「言うても学園島の世界とかも似たようなもんだよ? あっちも宇宙人襲来したりしているし。日本政府が洒落にならない実験とかやってるし、異世界や未来から侵略者が来るし」
「パワーインフレが進んだ少年誌のバトル漫画の世界ですか?」
どんな魔境なのだろうかと絶句する。
「いや、それを言うならこの世界も大概だよ?」
「そ、そうだった……」
異世界やら異次元やら宇宙から侵略されているのだ。
宇宙刑事だの戦隊ヒーローだの巨大ヒロインだのニチアサの特撮物に侵食されているような状況だ。
今のところ大阪府内で収まっているのが奇跡のような状況である。
「さて、作業に戻ろうか。質問は引き続き受け続けるよ」
「あっはい?」
再び作業に戻る谷村 亮太郎。
激しくカタカタとキーボードを叩く音が再び響き渡る。
夏目 リセも気を取り直して質問を続けることにした。
ふと文章量みたら六千文字近く。
日常回で六千文字を隅々まで目に通すいるのかなと不安になりますね。
あともうちょい日常回続くかもです。
天川 マリネ編のお話、約六千文字の加筆修正の話も近い内に乗っけます。