RE:召喚勇者の現代帰還〜それでも勇者は勇者としてあり続ける〜 作:MrR
黒鳥中学校。
嘗て異世界帰りの勇者である谷村 亮太郎が通っていた学校だ。
どんな学校かと言うと悪い意味で平凡かつ普通の中学校だ。
同じ学校に通う妹のために亮太郎は多少心を鬼せざるおえなかったような学校であり、現役アイドルの天川 マリネも亮太郎がいなかったらさっさと転校していただろう。
卒業生の不良も畜生揃いであり、グループの金を持ち逃げして高飛びを企てようとしたら全裸にされて全身を蜂の巣にされたり。
薬物や売春などのあらゆる犯罪に手を染めた上に特撮番組に出て来るような凶悪な怪人への変身アイテムをばら撒くだけでなく、日本政府のヤバイ連中とか異次元、異世界、宇宙犯罪組織の下っ端になって日本を壊滅させようとするような前人未踏レベルの事件を引き起こした半グレだかカラーギャングだか分かんない組織で好き放題したりとか。
現在、黒鳥中学校は常にマスコミや動画配信者などの監視状態に置かれ、警察が常駐して網を張っている。
近隣の人々も最大限に警戒している状態だ。
全ての部活動や学校行事も禁止。
学校と言う名の刑務所状態になりつつあった。
どうしてこうなったかと言うと谷村 亮太郎が有名になり過ぎたせいもあるが卒業生の同級生、関りの合った不良の問題児が性質の悪い犯罪に手を染めていたのも有名になってしまったせいだ。
それで当然ながら黒鳥中学校は批判の嵐を浴びていた。
いじめをしていたとか、海外でつまらない万引きをしていたとかじゃない。
大勢の人間が死んだ大量殺人に加担し、国を揺るがしかねないレベルのテロまで引き起こしたのだ。
子供の犯罪で許されるレベルを超えている。
さらに事態は悪化する。
黒鳥中学校だけでなく、大阪府内の教育委員会とかも面目丸潰れになり、警察も警察の対処能力を超えているような在り得ない事件の連発だったとはいえ警察の存在その者を揺るがし、大阪府内の警察官の上の上の方、雲の世界の役職の人々の地位すら危ういレベルになっていた。
あの警察の人間が政府とグルになって昭和の悪の組織みたいな所業に手を染めていたフューチャーテック事件もまだ一ヶ月しか経過していない。
少女売春の常習犯だった大物政治家が当時の警察上層部と結託して自分の売春記録を抹消するために街一つを焼け野原にしようとした事件もそれ程経過していない。
日本のやんごとなきお方からも苦言を呈され、大阪警察——主に上層部は自分達の権力とか、派閥争いどうこうよりも生き残りを賭けて職務に没頭し、異世界帰りの勇者二人が通う琴乃学園近くの琴乃警察とかは再指導のメスが入ったりした。
その姿勢を見て「こうなるまで本気出せなかったのか」、「本気を出すのが遅い」と苦言を呈する声も多い。
その仮定で黒鳥中学校にも捜査のメスが入った。
教師のスケジュールとか、外客の出入り、 素行の悪い不良の調査。
使われてない教室とか体育倉庫とかに麻薬犬とかも投入される。
万引きや恐喝などで別件逮捕された不良もおり、スマホのデーター解析や家宅捜索までされていた。今の時代はネットやSNS文化の発達でどこでどう犯罪組織の繋がりがあるのか分からないからだ。
黒鳥中学校の教師達は強行な捜査体制に苦言を呈したが、少年犯罪の凶悪化や事なかれ主義、場当たり的で責任を取ろうとしない学校運営を数多く知っている世間には大受けだった。
こう言う時、日頃の行いとか世間をどう思われているのかと言うリサーチは重要なのだ。
不良達も少年法とかまだ未成年とか色々言って文句を垂らし、SNSで自爆して炎上する自殺志願者も出たりもした。
☆
Side 谷村 亮太郎
=昼過ぎ・黒鳥中学校の正門前=
(帰ってきてしまったか)
周囲に人だかりが出来る。
皆カメラやスマホを向けるが運悪く調子が出なかったり壊れたりしているようだ。
大衆の視線の先には谷村 亮太郎がいる。
黒髪のボブカット。
中性的な感じの顔立ち。
夏の制服姿から露出している首回りや露出している腕の筋肉が地味に凄い。
それでいて不思議な雰囲気で人当たりの予想さな感じの少年。
この世界において今や谷村 亮太郎は世界的有名人である。
将棋の藤井 〇太、野球の大谷 〇平とかあの辺に並ぶ勢いだ。
そんな谷村 亮太郎は動画配信をするために態々黒鳥中学校に来ていた。
琴乃学園、黒鳥中学校側にも撮影許可は下りている。
(ヴァンも太っ腹だよな。まあこれも上流階級の勉強だと思う事にするか)
近くには財団の友人が手配してくれた車が置かれていた。VIP仕様の防弾車で護衛体制も厳重、護衛対象を真ん中にしてサンドイッチにするように前後から防弾仕様の護衛車が走行。
亮太郎は今回スマホやカメラ撮影を妨害しているが、ある程度認知される必要もあると考えて認識阻害とかの暗示は外してあった。
(正直嫌な思い出の方が多いんだけど、自業自得でもあるんだよな)
正直黒鳥中学校には悪い思い出が多い。
だからと言って見捨てるのも何か違うと思うし、このまま世間のサンドバッグにされ続けるのも違う事だと感じる。
偽善者呼ばわりされるかもしれないが、偽善者だの何だの考え過ぎると何も出来なくなってしまう。
(さて、とっとと撮影を終えて帰るか)
短い動画だ。
ただ黒鳥中学校叩きなどを諫める動画を撮って帰る。
それだけだ。
(学校側にも問題合ったけど、自分も問題児だし、これぐらいの助け舟は出していいだろう)
思えば黒鳥中学校に辛い思いをしたが、学校を運営する教師も人間なのだ。
教師はブラックな職業であり、他国はどうか知らないが日本の場合はブラック企業と大差ない。
琴乃学園とかは例外だ。
まあ、あの学校も中妻や白王寺とか織姫とかみたいな生徒が居たり、鎌田みたいな教師もいたが。
危うくレ◯プ魔扱いされて、不良を嗾けられ、殺し屋に命を狙われたりして退魔師と戦う事態になった。
シノブはもっと悲惨だ。異世界帰還してから一週間も経ってないのに政府暗部と全面抗争するハメになったのだから。その遠因を作ったのが中妻と言う女子生徒だ。
(考えるの止めよう)
最近ネガティブな事を考える時が多い。
色々と疲れてるのかもしれない。
とっととやる事やって、あんまり褒められた事ではないがノンビリ時間の流れが調節されたジオラマ内でじっくり休みをとろう。
自撮り棒にスマホを装着して撮影を始める。
「突然生配信して申し訳ありません。今回は自分が通っていた黒鳥中学校について視聴者の皆様にお願いがありまして」
撮影を開始。
あらかじめ考えていたセリフを述べる亮太郎。
この手のスピーチは異世界生活や度重なる記憶の継承などで慣れっこだ。
「現在この黒鳥中学校は先日のハンドレッド事件を発端に世間的に叩かれているのが現状でして。気持ちは分かりますよ? 許せない気持ちも分かります。ですがここは広い心で、寛大な心で自制して欲しいとお願いしたいのです」
同説数がどうなっているのかは分からないし、どう言う扱われ方をするのか分からない。
きっとまたどっかの誰かが偽善者呼ばわりされるのだろうか、有名人にアンチが湧くのは宿命なのだ。そこはもう出来る限り対策して覚悟するしかない。
「正直に申しますと見ていて気分が悪いのもありますし、ただ真面目に勤めてくれている学校関係者の皆様や何の関係もなく普通に生きていただけの生徒達にもとばっちりを受けている状況でもありまして」
などと言っていた最中だった。
ギャラリーの周辺から敵意を感じる。
目に見えて分かる不良の一人。
手にはデビルズカードが握られていた。
(間に合うかな?)
一体どう言うつもりなのだろうか。
取り合えず暗示系の魔法を飛ばして黙らせる。
気絶させたり眠らせたりすると騒ぎが大きくなるからだ。
今の自分の仕事は黒鳥中学校に助け舟を出す事であって学校にトドメを刺しに来た訳じゃないからだ。
「とにかく良識的な対応を心掛けて欲しいと言うのが僕の願いです」
半ば強引に放送を中断。
異変を察知して周囲の人間に取り押さえられている。
谷村 亮太郎はハァとため息をついて事態の収拾を図りにいく。
☆
結論から言うと、デビルズカードを使おうとした不良は谷村 亮太郎のせいで大目玉を食らった逆恨みした不良だ。
あのハンドレッドの構成員からも声を掛けられていて、教師にマークされるレベルの問題児だった。
酒やタバコ、ケンカの常習犯で他校とも揉め事を起こし、万引きやカツアゲもしている。
そんな問題児に今の黒鳥中学校の人間は誰も助けてくれなかった。
大人でも、教師であっても匙を投げてもう卒業まで辛抱して放り出すかどうかと言うレベルの奴だった。
そんな半グレ予備軍は警察に身柄を確保された。
デビルズカードを取り出して使おうとしたのがまずかった。
法律の規制が追いついておらず、どう言う扱いになるのか決めかねている宙ぶらりん状態の代物であるが、今や特撮番組に出て来る怪人になって巨大化も出来る魔のアイテムと言うのは世間中に知れ渡っていて死人も大勢出ている。
そんなアイテムを大勢の衆人観衆の前で使おうとしたのだ。
警察としても新たな不祥事であり、甘い対応は難しい。
亮太郎としても安易に情けを掛けるわけにもいかず、何時もの様に暗示を掛けて二度と犯罪を起こさせないようにし、真面目に生きるように暗示をかけて知ってる事は洗いざらい全部喋るようにしておいた。
谷村 亮太郎は自分のせいでこんな事態を招いた、犯罪者産み出した気分にもなったがあの様子ではどの道何かしらの犯罪を起こして捕まっていただろう。
顔も知らない罪の無い誰かが犠牲になっていた。
そもそもにして不良と言う人種は安易に慈悲の心で接すると、その慈悲を利用して悪さをする人種なのだ。
自警団をしたり、素手の正々堂々なタイマン勝負に拘ったりするカッコいい不良は希少なのだ。
結局この事件は大炎上する事になって、亮太郎は後味の悪さを感じていた。
てな訳で今回はここまで。
何か地の文が増えて来たんでラノベとか読み込んで調節して行けたらなぁと思います。