RE:召喚勇者の現代帰還〜それでも勇者は勇者としてあり続ける〜 作:MrR
Side 藤崎 シノブ
=夜・フュチャーテック、極秘エリア内=
『侵入者はライドセイバー!! 繰り返す侵入者はライドセイバー!!』
『アルファチーム全滅!! ベータチーム通信途絶!! ガンマチーム壊滅寸前、他のチームは至急鎮圧にあたられたし!!』
『能力者部隊を投入する!! 繰り返す、能力者部隊を投入する!!』
谷村 亮太郎も知らないところで激しく暴れているのか、地面の揺れと一緒に爆音が響いてくる。
藤崎 シノブは次々と素手で敵を制圧していく。
(能力者部隊?)
戦いの最中にふと能力者の事を気にする。
レールガン撃ったり、全ての攻撃を反射したり、はたまたこの世には本当に存在しない物質を作り出したりとかそんなヤバイ能力が出てきたりするのだろうか?
単純に炎とか雷撃とか出す能力なら、まだ完全武装した特殊部隊の自衛隊員とかの方が驚異的であるが。
(うん? この感覚は—―)
体を覗かれているような感覚。
敵の能力によるものだろう。
異世界ではその辺りの防護を徹底していたが地球の異能の力にどの程度効果があるのか疑問だ。
打てる手は一つ。
とにかく致命打を打たずに素早く行動することだ。
『いた!! ライドセイバーのコスプレしてる!!』
『いくら銃弾は防げても!!』
そう言って火炎系の能力者と氷系の能力者が襲い掛かって来る。
炎と氷。
狭い通路内では面制圧範囲が驚異だ。
軍隊装備の人間でも一溜りもないだろう。
シノブは両腕で障壁を張って両サイドから迫る炎と氷の渦を防ぐ。
『こいつ!? 攻撃を防いで――』
『なら俺が――』
そして高速移動系能力者が飛び込んできた。
だがシノブは冷静である。
藤崎 シノブはアサルトライフルの連射モードの銃弾を全てキャッチ出来るほどの事は出来る。
つまり何が言いたいかと言うと、高速移動する能力者を捉える事が出来ると言う事だ。
『嘘だろ!?』
高速移動する能力者の顔面を右の拳で捉える。
もちろん殺しはしていない。
無力化である。
この施設で人を殴ってきたおかげで大分手加減のやり方も分かって来た藤崎 シノブであった。
☆
Side 能力者部隊のリーダー
(ふざけんな!? どうしてこんな化け物が単独で乗り込んでくるんだ!?)
(て言うかアレ本物のライドセイバー!?)
(どうしろって言うんだ!? こっちの最高戦力は撃破されてるしこのままだと—―)
能力者部隊の士気は元々低い。
須藤 正嗣は少しでも弱味を見せると反乱を起こされると本気で信じ込んでおり、部下達もそれを分っているので士気など上がりようがない。
どっかの正義の味方が組織を潰してくれないかなと不満を漏らしていた。
実際そう言う手合いは何人もいた。
が、返り討ちにしてきた。
この世に希望も正義も何もなく、ただ悪が笑う時代なのかと諦めていたそんな時、ライドセイバーのコスプレした何かが現れた。
(戦闘力が今迄の連中と桁違いだ!? 一体全体何処から湧いてきた!?)
とにかく戦闘力が群を抜いている。
それでいて手加減してくれていた。
誰も死んでいない。
その事実に希望を持って良いのかどうか迷った。
現在は体を鋼鉄化する能力者と戦ってこれを真正面から楽々KOしたところだ。
『どの道このままじゃ全滅だ—―後退するぞ』
『いいんですか?』
『いいんだ—―』
どの道戦力は半壊。
一度交代して立て直さなければならない。
だから交代を選択した。
(次にぶつけられるのは改造人間部隊か—―)
改造人間部隊。
組織で主力になりつつある連中。
昭和の特撮物に出て来る怪人を現代科学の力でガチ再現した存在だ。
そいつらを跳ね退けた時は組織の離反を考えてやってもいいかも知れない、などと能力者部隊のリーダーは考えた。
☆
Side 谷村 亮太郎
=フューチャーテック、極秘エリア内某所=
ライドセイバーの背格好をした少年、谷村 亮太郎。
施設内を駆け回り、闇乃 影司から借りた特注のデバイスを使って次々と情報を拾い集めていく。
パスワードが必要な部分は魔法で強引に突破できた。
そしたら次々と出るわ出るわ。
須藤 正嗣の隠し財産の在り処とか、繋がりのある政治家達や財界の有力者、主な警察の構成員の名前。
退魔師やら魔法使い組織との繋がりだけでなく、能力者、あるいは能力者と思われる人間のリストまで保管されていた。
大阪日本橋の襲撃計画書、闇乃 影司抹殺計画などの物騒なタイトルだけでなく、藤崎 シノブや谷村 亮太郎が所属する琴乃学園の名前もあった。
こうして裏の裏を覗いてみると、シノブと亮太郎はどの道フューチャーテックに乗り込んで須藤 正嗣と対決する宿命とか運命だったのだろう。
紙媒体の資料は片っ端からアイテムボックスに保管。
抜き取った情報も念のためPCもろともアイテムボックスに放り込んでいく。
やってる事はスマートな工作員とかではなく、紛争地帯とか治安の悪い国とかで湧き出る金目の物なら根こそぎ食らい尽くす強盗のソレだ。
(今回は殺しは控えるけど、控えた結果報復するとたまらないからな)
本来なら皆殺しをしても許されるような連中であるがどうも異世界での旅路とかこれまでの思い出とか仲間の事とかが頭をちらついてしまう。
現在は高そうなコンピューターが並び冷んやりしたサーバールームらしき場所に侵入してデーターを根こそぎ奪い去っている最中だ。
重要機密が詰まった心臓部であるが魔法などのスキルを併用して力技で侵入した。
(それにしても派手にやってるなシノブ君)
攻撃が激しいと言う事はシノブは元気に戦っていると言う事だ。
思えば藤崎 シノブには出来うる限りの戦闘技術を異世界で伝授した物だ。
明鏡止水だの闘気だの、並行世界の闘法まで教え込んだ。
調子に乗って北〇神〇やら波〇やら色々な漫画投法とかも試した。
かくいう亮太郎も超〇プロレ〇とかを身に付けていた。
色々試したがラー〇ンマンとかウォー〇マン、ロビ〇マスクとかあの辺が肌に合うが、ヘ〇ミッショ〇ルズのクロ〇ボン〇ーも捨て難い。
そして口直しするかのようにシノブ共々サン〇ーの史上〇強の弟〇とかにも走ったりもした。
今ではいい思い出である。
(さてと―—)
結局高そうなサーバールームのコンピューターを片っ端からアイテムボックスに放り込んでおいた。そんな事しなくてもいいが念のためである。
他にも機密がありそうなお部屋は施設内に感知魔法を探って施設内を探索すると人が大勢集まっている、捕まっているらしい部屋を感知した。
(念のため脱出させておくか)
相手が相手だ。
人質として自決を強要してくる可能性がある。
危険ではあるが同時進行で人質を解放した方が良いだろうと判断した。
『敵のライドセイバーは二体!!』
『いいか、必ず殺せ!! どんな手段を使っても構わん!!』
『ここでしくじったら死ぬより酷い目に遭うぞ!!』
などと社畜根性丸出しの裏社会の人々が亮太郎の方に駆け寄って来た。
上手い具合に敵の戦力は分散してくれているようだ。
(何だかんだで裏の上澄みの施設、思ったより敵が釣れたね)
全部シノブに任せる事も考えたがそれはそれで申し訳ない。
亮太郎は魔法やスキル、技術で気配を完全に殺し、認識阻害まで発動させながら相手に高速移動して意識を刈り取っていく。
☆
Side 藤崎 シノブ
シノブは走る走る。
能力者部隊は後退した。
戦意を喪失したのか、態勢を立て直すためかは分からない。
『改造人間部隊を投入!! 繰り返す!! 改造人間部隊を投入!! 残存戦力はもう片方のライドセイバーに対応されたし!!』
(改造人間なんているのか……)
(もう片方のライドセイバーって谷村さんの事だよね……)
谷村 亮太郎の心配はしなくてもいい。
その人の戦闘能力はイヤと言う程に理解している。
自分とマトモに戦闘すら成り立たない連中が倒せるワケがないと、相棒の心配をせずに施設内を突き進む。
=フュチャーテック、極秘エリア内、試験場=
『お前らが改造人間か』
そして辿り着いた場所は真っ白い闘技場の様な開けた場所だ。
いわゆる実験室かもしれない。
生物モチーフでどいつもこいつもスタイリッシュな外観をしている。
昭和ライドセイバーの最新リメイク版とかに出てきても違和感無さそうな連中だ。
こんな事なら亮太郎に頼み込んでリメイク版のスーツを用意してもらうんだったとシノブは変なところで残念がる。
『その通りだ。時折お前のような侵入者を狩るために我々は駆り出される』
『何処の人間かは分からないが、本物のライドセイバーと言うワケではあるまい』
『腕に覚えがあるようだが快進撃はここまでだ!! 死ね!!』
一斉に襲い掛かる改造人間達。
シノブは次々と殴り、蹴り飛ばす。
が、流石改造人間、壁に叩きつけられた程度では撃沈しないらしい。
ダメージは入ってるみたいだが次々と起き上がって来る。
あまり実力を出し過ぎて殴ると、普通の人間は肉塊になるのでセーブしているがそのセーブを幾らか外して殴った方が良さそうだ。