RE:召喚勇者の現代帰還〜それでも勇者は勇者としてあり続ける〜 作:MrR
*2026年の10月の頭ら辺に追加されたエピソードでもあります。ようするに天川 マリネ編が終わってからそこそこ時間が経過してから公開したエピソードです。
Side 谷村 亮太郎
=昼・谷村 亮太郎の事務所=
大阪日本橋。
メイド喫茶ストレンジがある雑居ビルの三階。
そこに谷村 亮太郎の事務所がある。
まるでそこにあったのが自然かのようにそこはある日突然出現した。
内装は綺麗だがどうもオタク部屋感が漂う。
ゲーム機にロボットのプロモデル、漫画やゲームソフト、ラノベ、DVDやBDまである。まだやらしい美少女フィギュアとかRー18のギャルゲーとか置いてないだけ良心的か。
ネクプラバトルをやるためのマシンまで部屋に置かれている。
まるで谷村 亮太郎と言う人間の一面が表された事務所だ。
しかしよくよく見てみればテーブルやソファー、デスクにカーテン、絨毯は素人目でも高そうに感じる物ばかり。
これは全部谷村 亮太郎の異世界で培ったクラフト系スキルで作り出された物であり、価格はそれ程掛かってないらしい。
空調も程良く利かせ、谷村 亮太郎は部屋の中央の南側、窓側に置かれた応接用の高級そうな寝転がれそうな感じのソファーに座り込んでいた。
おかっぱ頭で不思議な雰囲気の平凡そうな少年。
今は落ち着いた感じの服装をしていた。
ある種の仕事着なのだろう。
テーブルを挟んで反対側のソファーでは天川 マリネがいる。
茶色い髪の毛に凛々しめに整った顔立ち。
年相応ではあるが引き締まった体付き。
今は現代若者向けのカジュアルな衣装を着こんでいてそのままファッション雑誌の表紙の撮影とかも出来そうだった。
「芸能事務所の方はいいのかい?」
と、亮太郎に問いかけられる。
「今休業中。社長は善人者だったみたいでね。今とある人から渡された匿名のリストを片手に謝罪行脚したり、最大限の賠償金の支払いやアフターケアに走っていて芸能活動云々どころじゃないみたい」
「あとあの警備会社は問答無用で契約打ち切りね。こんな大事件にまで発展してもう二度と警備会社続けられないんじゃないかしら? それどころか就職とかも難しいんじゃない?」
と語るマリネは。
芸能事務所スターズでも上の方にコネとかパイプとかあるのか社内の事に詳しいらしい。
「ここまでの大騒ぎになって悪い事……したかな?」
そう言うしおらしい姿勢にマリネは嬉しく感じる。
「仕方ないわよ。あんな事件に発展したんだし。考え方を変えてこの程度で済んだと思わなきゃ」
「そうだな……」
そう言われて何故だかホッと出来た亮太郎。
幾ら転生だの何だのを重ねて異世界を救っても人間一人に出来る事など限界はある。
今はそう思って自分自身の心を納得させる亮太郎。
「ところで話は変わるが」
「なに? デートの誘い?」
「マリネ」
「はっ、はい!?」
何だか真剣な様子だ。
一体何だろうかとマリネは思わず身構えてしまう。
「君の依頼はまだ終わっていなかったな」
「え? 依頼?」
そう言われてちょっとガッカリした。
拍子抜けだった。
だがそれよりも。
「依頼は終わったでしょ? こんな結果になったけど倒す奴は全員倒したんだし」
「まあ確かにな。自分もこれで事件は終わったと思ってしまうぐらいに終わった感があったけどさ。でも、まだ君の依頼は終わってない」
「え?」
「君の依頼はストーカーをどうこうすると言う事だ」
「あっ」
それを聞いて天川 マリネは自分の依頼内容とそれに至る経緯を思い出した。
ストーカーに狙われている。どうにかして欲しい。
そう言う依頼だった。
確かにストーカーへ情報を受け渡している情報は片付けたが、肝心のストーカーは宙ぶらりんだ。
「色々と事後処理で忙しかったが、金城や警備員が残した情報を元に容疑者をリスト化し、闇乃 影司の力も借りてようやく突き止めた」
そう言って亮太郎はタブレットを手渡した。
陰気そうな眼鏡の少年。個人情報や犯罪歴などがビッシリと並べられている。
「こいつ……撮影現場に来た奴だ」
流石のマリネも嫌悪感を露にした。
この場面でタブレットに表示された犯罪歴は嘘ではないのだろう。
「既にコイツの家族や学校、警察にも情報を共有している。ネットで僕に十万円の賞金を懸けたのもこいつだ」
「容赦ないけどガンガンやっちゃって。見せしめに一人惨たらしい末路を辿った奴が出れば大人しくなると思うし」
「それアイドルとしてどうなんだ……」
と苦言を漏らすが、亮太郎としてはその気である。
白王寺の時みたいに殺し屋とか出張ってこられても困るからだ。
殺し屋派遣会社、アサシンズギルドも大事件に継ぐ大事件で大阪府内での活動から
手を引いている段階だが、フリーランスの殺し屋とかが出張って来る可能性が高い。
白王寺に雇われた殺し屋がその類だった。
☆
Side 山潟 セイ
山潟 セイ。
何処にでもいる普通の高校生。
親が裕福であり、その親から貰う金を元手に金を増やし、色々な事をしているぐらいには能力がある男だ。
学校には行っておらず、用がある時だけ外に出て外泊したりする。
最近の趣味は潤沢な資金力を用いて人気アイドルのストーカー行為だ。
最初はクラスの女子とかから始め、地下アイドル、そして人気アイドルの天川 マリネへと移っていった。
そして人気アイドル、大売り出し中の天川 マリネ。
芸能事務所スターズのアイドル達に興味を移した。
大手の芸能事務所などであり、セキリティは盤石かと思ったが拍子抜けした。
警備会社が情報を横流ししていたり、何なら芸能事務所のプロデューサーが売春の斡旋をしていた。
それだけでも大スキャンダルだ。
これをネタに芸能事務所を脅迫してもいいかもしれない。
そうして色々と調べていく過程である情報を耳にした。
(谷村 亮太郎?)
モニターに映るおかっぱ頭の中性的な感じの不思議な雰囲気の少年。
黒鳥中学校出身で今は琴乃学園の高校一年生。
しかしある情報が山潟 セイの怒りを掻き立てた。
何と人気アイドル天川 マリネと同じクラスの人間であり、更に細かく調べて行けばそれなりの仲だったと言う。
自分は財産をはたいてでも振り向いて貰う努力をしているのに。
。ストーカーの八つ当たりでしかないが、犯罪者とか言う人種に一般社会の常識が通用するのは稀である。
山形 ミツルは谷村 亮太郎を痛い目に遭わせてやろうと思った。
十万円の懸賞金を懸けたのもそう言う理由だ。
その当時、まだ谷村 亮太郎は藤崎 シノブの腰巾着、虎の威を借る狐、軍師気取りの調子乗ってる奴と言うのが山形 ミツルの印象だった。
多少腕は立つらしい。
藤崎 シノブの武勇伝もフェイクだかAIだろう。
その時のミツルはそう思っていた。
☆
そして現在——日本橋での騒動。
権藤 セイトが差し向けた連中は壊滅。
少し時間が経過して若干落ち着きを取り戻した時だった。
山潟 セイは「クソッ、クソッ!!」と部屋を力の限り破壊していた。
そうでもしないと正気を保てないからだ。
(クソックソッ!! クソッ!! 金城の野郎も警備会社のクソッたれどももしくじりやがって!!)
あまり表沙汰にはなってないが逮捕された。
色々な方法で遠巻きに今回の事件を監視していたが、ちゃんと顧客情報を処分出来ていたとは考えにくい。
そしてここまでの大惨事。
仮に逮捕されなくても遠からずのウチに逮捕される。
何よりも―—
『ちょっとセイ!? 一体なにしたの!?』
『ストーカーとか売春とか冗談よね!?』
親からも悲鳴に近い電話が掛かって来る。
一々相手にするのもメンドイので通話拒否した。
『おい山潟!! 問題児だとは思っていたが一体全体何をしたんだ!?』
『早く学校に来い!! お前のせいで今こっちは大騒ぎだ!!』
生徒の事よりも自分の保身が大事なのか教師からも怒声が響いた。
通話を切って山潟はスマホを投げ捨てた。
(バレてる……親にも、学校にも全部全部……)
最悪の事態だった。
社会的に死んだ。
裕福な暮らしどころか、常人としてマトモな生活すらも危うい。
この分だと十万円の懸賞金を懸けて殺そうとした事もバレているだろう。
だがそれすらもまだマシな結末だ。
(警察に捕まるのはまだマシだ!! 何者かが口封じに殺し屋を嗾けて来るかもしれない!! 捕まってエグイ目に遭わされるかもしれない!!)
想像力と言う怪物に脳内が蝕まれていく山潟。
こうなってはただのクソガキでしか無かった。
(出来うる限り証拠を処分して警察に出頭するしかない!! そうした方がマシだ!!)
そこからの決断は早かった。
PCのハードディスクやスマホは過激な方法だが電子レンジを最大出力にして処分。
自分の犯罪歴に結び付けられそうなストーカーの記録も全部全部処分する。
いっそ放火でもしようかと考えた。
「悪いがゲームセットだ。その前に色々と処置をさせてもらうがな」
「え?」
黒いローブを着た死神の様な人物。
誰なのか、どう言う人物なのか、男なのか、女なのか認識できない。
そもそも実体はあるのか?
幽霊なのか?
それすらも理解できなかった。
☆
=パトカー車内=
「あ、あれ?」
気が付いたら警察に逮捕されていた。
パトカーの後部座席に放り込まれ、腕に手錠を掛けられていた。
自分が詰んでしまった。
終わってしまったのだと認識するのに時間が掛かった。
だがこれは地獄への歩みの始まりでしかなかった。
☆
=数日後、昼・取調室=
(アンタなんか産まなきゃ良かった!! もう知らない!!)
(テメェがやらかしたせいで教師を辞める羽目になったんだ!! 地獄に落ちろこのクソガキ!!)
面会室で殺気を当てられながら罵声を浴びせられた事を思い出しながら、簡素な部屋で警官と向き合いながら取り調べを受けている。
部屋の片隅にいる記録係の警官のペンの音とかがどうしてか、鮮明に聞こえた。
努力は全て無駄に終わった。
ネットで残されたデーターは全て確保され、親や学校、警察にも行き届いていた。
それだけでなく、証拠を隠滅しようとした様子も動画化されて警察に行き渡っていた。プライバシーの侵害だ、越権行為だと叫んだが、それはそれ。有力な証拠として親や学校も警察もその動画の内容を受け入れた。
「はい、そうです。全部自分がやりました」
「正直どうして捕まったのか納得いきませんが事実です」
「ちょっと仲良かったからムカついたので十万円の懸賞金を懸けました。それで死んでくれれば万々歳だと思いました。それでも無理なら殺し屋でも雇うつもりでした」
「過去に無理やり言う事を利かせてレ〇プした女の子は好き放題に〇りまくった後に女に縁のないおじさんとかに捨てて金に変えました」
何故だか淡々と全ての罪を認めるマシーンと化していた。
警察官は警察官で「ケンカを売ってるのか!?」、「少年法で守られてるから何をしても良いのかと考えているのか!?」、「君と話していると警察とか日本の法の限界を突きつけられた気分になる」と殺気立てて漏らしていた。
もし殴られても、組織的にもアウトだが社会的には歓迎されるだろう。
学校では人殺しはダメ、人殺しは良くないと言うが、皆心の奥底で犯罪者とかに対しては「死んだ方が良い」とか「事故にでもあってくたばった方が世の中のためになる」とかそう言う本音を奥底に仕舞い込みながら生きているのだ。
自分もそう言う立場になったのだと山潟は罵声を浴びせられる。
「どうせ少年法が守ってくれますし、警察なんて内弁慶で偽善者の集団だからあまり怖くないですね。少年院から出たら絶対片っ端から復讐してやりますよ」
先程から口を開こうとすると本音ばかり行ってしまう。
まだ警察官に殴られていないのが不思議なぐらいだ。
何度何度も警察は机にドンと拳を振り下ろしていた。
それでも限界が来たらしく、胸倉を掴んで調書を記録する警察官が止めに入ろうとした。
☆
=夜・留置所=
臭い留置所で臭い飯を食う山潟 セイ。
まさか自分がこうなるとは想像だにしなかった。
親は行方を眩ませた。
学校も生徒が洒落にならない事件を引き起こしたので保護者への対応に追われているらしい。
(どうしてこうなったんだ……)
警察の取り調べを受けていたり、弁護士と相談していても口が正直に語ってしまう。
トゥレット症候群にでもなってしまったのだろうか。
弁護士も匙を投げ捨てて、全てを諦めたような、まるで養豚場から出荷される豚でも見るかのような冷たい視線で「君は新手の自殺志願者かね?」とガチ目なトーンで言われた。
裁判で加害者の伝家の宝刀である精神障害云々で罪を軽くする作戦を提案しようにもついつい本音で語ってしまう。
この作戦も絶望的だった。
その後、山潟 セイは裁判で裁判長に向かって「地獄に落ちろ!!」、「少年院から出たら必ず住所探り当ててぶっ殺してやる!!」、「偽善者の警察も役に立たない弁護士も全員死ねばいい!!」と叫んで少年院に放り込まれたが、口の悪さが災いして少年院に放り込まれた連中や大人の職員などの全てを敵に回し、軍隊の訓練すら生温いような地獄のような日々を過ごす事になる。
☆
Side 谷村 亮太郎
=夜・谷村 亮太郎の事務所=
事件が本当に終わりを迎えた。
念のため監視の手は緩めない。
もう既に魔法と言うか呪いの類を掛けて犯罪は出来ないようにしている。
何かしらの方法でその呪いを解除しようとしたら亮太郎にお報せが届くようにしてあった。
これから先の人生、山潟 セイは産まれて来た事を後悔する人生を歩む事になる。
ただ自分の獣のような本性を晒しながら、悪い事は何一つできない。
そんな人生を歩む事になるのだ。
「他のストーカーやその予備軍らしき連中の処置も随時行っている。これで一先ずは依頼完了だ」
と言って一人乾杯をする。
中はジュースだ。酒は飲まない主義であるし、タバコもやらない主義だ。そんな金があるのなら趣味に金を費やすタイプが亮太郎なのだ。
傍には煌びやかな大人っぽいパープルカラーのアイドル衣装で天川 マリネがジュースを注いでくれていた。
現役アイドルのステージ衣装で二人きり。
世の男子が聞いたら羨ましがる事間違いなしだ。
「本当にお疲れ様。正直どう報酬を支払えばいいのか分からないわ」
「まあ報酬の話とかする前に事件が起きて、その流れでこうなったからな」
「十万か二十万ぐらいなら出せるわよ?」
「やめとこう」
「え? どうしてよ?」
「絵面の問題だ。現役アイドルを独占しておいて金銭を要求するとか人としてどうなんだ」
「あ~そう言われるとそうね~。だけどお礼がそれだけって言うのも何だし」
マリネはうーんと考え込む。
何故か顔を赤くしている。
「このステージ衣装で多少な過激な撮影会とかも考えたんだけどね。何ならゲームキャラのHな衣装とかも来てあげるし」
「もっと自分の身を大切にしなさい。」
「んじゃあ亮太郎らしくビジネスストライク的な奴で行きましょう。継続依頼出すわ」
「うん?」
「私のボディガードとか、あと家のセキリティ対策のチェックとかそう言うの。金は幾らでも準備するからね? 何ならウチの会社の上の方と仲介して挙げてもいいわよ」
「そう言うのなら乗っておこう」
亮太郎は一方的な善意よりも、ある程度のビジネスとかそう言うのを挟んだ方が関係が長続きすると考えている人間である。
何でも屋を続けるに辺り承諾しておいた。
「でも本音を言えば他のアイドルとかに目移りして欲しくないんだけど、亮太郎も男の子だと思うし、あり得ないレベルのハイスぺ男子だから仕方ないわよね」
「おいおい……」
芸能事務所の他のアイドルに手を出す前提で話を進んでいる。
「確かに僕は男の子だけどそこまで女に飢えてないからね」
「とか言っちゃって~。どうしてエロいソシャゲとかギャルゲーとか薄い本とかにも手を出したりしてるんでしょ? スマホの画像フォルダは二次元のやらしいイラストばかりで、電子同人とかもヤバいのがギッシリとか」
「君の頭の中で僕はどうなってんだ?」
苦笑しつつ、アイドル衣装で自分の事務所で二人きりになって過激な撮影会をしても良いとか言い出してるのが答えなんだろうなと亮太郎はあえて口に出さないでおいた。
「でもでも異世界で過酷な人生歩んで来たんでしょ? 好きな人とか親しい人の二、三人ぐらいいたでしょ?」
「それは……」
確かに過酷な旅路だ。
平穏な日々もあったが基本は精神が擦り減るような日々だった。
人間を指揮しているのか、人間と言う名の肉の盾を投げつけているのか分からなくなる。
そんな激戦続きだった。
いっそ何もかも異世界勇者のチートパワーで全てを薙ぎ倒せたらどれだけ楽だったろうか。
女に走って何もかも忘れたくなる気持ちは凄く分かる。
「その辺りじっくり聞かせて欲しいな。過激な撮影会もキチンと応じてあげるから」
などと何が嬉しそうのか、笑顔で顔を赤らめてト゚意地悪そうに問い質してくる。
「ある意味聖女すぎるよ君は」
まるで二次元のオタクが考えた都合の良過ぎる女の子だ。
漫画のオタクに優しいギャルとかのレベルを超越している。
間違いなく聖女とかその類だと亮太郎は確信しつつ、観念したかのように異世界の旅路について語り始めた。
天川 マリネ編・今度こそEND
どうもこんばんわ。
色々と思い悩んでと〇る魔術の禁書〇録の最新刊とか8〇、ガン〇イルオ〇ラインとか呼んで地分がくどい、説教臭くなってると思うようになったMrRです。
あんま慌てて修正し過ぎのも何なのでちょいとこのまま行かせてもらいます。
後で修正するかもです。
よろしければご意見、ご感想お待ちしております。