RE:召喚勇者の現代帰還〜それでも勇者は勇者としてあり続ける〜   作:MrR

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クラスメイトの反応・佐々木シンヤ

Side 佐々木 シンヤ

 

佐々木 シンヤ。

琴乃学園の一年で藤崎 シノブと谷村 亮太郎と同じクラス。

背が高く、体付きもしっかりしていて運動部に所属していのかとよく言われるが、ガンネクスのプラモデルを戦わせるネクプラバトル部の人間だ。

佐々木 シンヤと藤崎 シノブ、谷村 亮太郎は元々関係は良好だった。

大親友と言うワケではないが、遊びに誘ったら来てくれる程度には仲はいい。

 

そんな二人は、ある日を境として致命的に変わった。

正門の騒ぎで黒川 さとみを助け出し、大阪日本橋でも誘拐されそうになったところを身体を張って阻止。

 そして日本橋で不良五十人抜き。サカキ高校の大スキャンダルにも何らかの形で関わっているとか言われている。

 その後も次々と闇討ち気味に襲い来る不良達を返り討ちにし、ファミレスで拳銃を持った男達を制圧。

 そして最近は熊をも一撃で沈める。

 

 気が付けば藤崎 シノブは全国的な有名人になった。

 谷村 亮太郎も不良達相手に披露した暗殺拳動画とかで、格闘技関係の人達から注目を集めている。

 

 学校の体育授業何かでは、分かり易い例がサッカーやバスケだ。

 ディフェンスやパスに終始し、時折攻めに向かうぐらいのプレイだ。

 見様によっては消極的なプレイに見えるかもしれないが、皆何となく二人が本気を出したら一方的な試合になるのは分かっていたから口を出さないでいる。

 

 二人がやっているのはどんなヘボチームでも、どんな相手にも試合に負けてもいいから恥を掻かない程度の面子を保たせるような試合運びだ。

 これはこれで十分に凄い事だ。

 

 武術系の部活では熱心な部員達が二人に教えを受けたりする。

 ボクシング部などは何度もダウンを奪われたらしい。

 クラスのボクシング部の部員は言う。

 

「いいか、あの二人は才能があったかもしれねえ。だがそれだけでは説明がつかない事が多い。アレはある日突然覚醒したとかじゃねえ。特に体力なんかそうだ。体育の授業でも、俺達とトレーニングした時も、疲れた様子なんか見た事がねえ」

 

「不良五十人抜きの動画なんかそうだ。最初見た時はフェイクかと思った。誰だってそう思う」

 

「考えてみろ? 五十人の人間を一人一人、一撃で無力化する理想のパンチを四方八方から迫る相手の攻撃を受けずに五十回連続で放てるワケがないんだ。大して疲れた様子も見せずにだ。ただ腕力が強いとか、反射神経が良いとか言う次元を超えてるんだよ」

 

「信じられないが、間違いなくシノブはプロのレベルすら凌駕している。漫画に出て来るヤバイ地下格闘技団体のチャンピオンですと言っても驚かないぞ俺は」

 

 と、ベタ褒めの様子だった。

 

 他にも同じクラスの剣道部の女性部員は——

 

「藤崎君は基礎的な剣道は確かに素人だ。だが何かしらの剣術の師事は受けているし、それを実戦で振るった事があるのだと思う。剣道とVRMMOゲームで鍛えた剣とかじゃない」

 

「我々が良く知る、名のある剣客達の剣はこう言う剣だったのかと思う程だ。それでいて藤崎君と谷村君の剣は対極に位置している」

 

「藤崎君の剣は活人剣、谷村君の剣は殺人剣。素人でも分かり易い例だ。だから谷村君は基本的な事を教えて、藤崎君の剣を参考するように言っている。空手や柔道の人達に対してもそんな感じだ」

 

「二人のケンカの動画も見た事はある。まぁケンカと言うよりある種の演舞だったな。芸術的と言っていい。針の穴に糸を通すよりもさらに困難なレベルの技を何度も連続で行い無力化する。アレを見せられたら、武道に深く精通する人間は黙るほかないだろう」

 

「それでいて教え方も上手い。剣を振るうのが楽しいと感じる程だった。ただ強いだけじゃなく、人の引っ張り方も上手いのだろう」

 

 此方もべた褒めだった。 

 

 そして最後にプロレス部の部員はと言うと——

 

「男と女だから、どうしてもギクシャクするところはあるんだけどね。それに二人とも最初プロレスはあまり詳しくはなかったんだけど——スグにそう言う一日の長? は無くなっちゃったかな?」

 

「二人とも柔術に関しては、経験はあるけど素人でちょっと変な感じだったけど、見る見る上達していってマスターしていって——最初は才能ある人は凄いな~とは思ってたんだけど」

 

「だけど努力も凄くする。何度も二人で物にするまで練習してるの。他の部活でもそうだけど、許されるのなら居残り練習とかも平然としてるの」

 

「二人とも以前はあんな感じじゃなかったんだけどな——何か理由でもあるのか」

 

 その子もベタ褒めだった。

 

 

(まさかこんな簡単に快諾してもらえるとは)

 

 そんなスターになりつつある二人を佐々木 シンヤはネクプラバトルの世界に引き込んだ。

 結果、OKだった。

 勿論、学業とか他の部活の手伝いとかもあるので席を空けなければならない場合があると言われた上での合意だ。

 

 ともかく、朗報である事には間違いない。

 それにネクプラバトルは生身で強ければバトルも強いと言われているぐらいには、身体能力が重要な要素になっている。 

 

ネクプラバトルは戦闘機のパイロット程ではないが、普通のゲームよりも素の身体能力は重要な要素だ。

生身でも強い人間はネクプラバトルでも強いと言う言葉があるぐらいで、操縦技術を高めるために体を鍛える人間もいるぐらいだ。

中にはPMCで軍事のイロハを教えてもらうプレイヤーもいて、PMC側もそう言う人間向けの講座を開いたりしている。

 

 生身での戦闘能力の凄さは十分に知れ渡っている二人。

 ネクプラバトルもきっと強いのだろうとシンヤは確信している。

 

☆ 

 

 =大阪日本橋・谷村 亮太郎の事務所=

 

 せっかくなので佐々木 シンヤは谷村 亮太郎の事務所にお邪魔した。

 と言うか同じ高校生なのに仕事の事務所持ってるとは、何者なのだろうか。

 現在、ネクプラバトル用のマシーンでは激しい戦いが行われていた。

 

 ガンネクファイターズ。

 ガンネクスシリーズが大きな方向転換を迎えた作品。

 世界各国のガンネクファイターが戦う当時の格闘ブームを取り入れた異色作品だ。

 

 その作品に出て来る二機。

 漆黒のGマスターと白いバニシングネクスがアニメで行われた最終決戦さながらの互角の戦いを繰り広げていた。

 

 ネクプラバトルは人間がやるお遊びだ。

 例えどんなに高性能なネクプラを用意したとしても、人間が動かす以上はそれ相応の動きしか出来なくなるが——

 

 二人はネクプラの限界値を遥かに超えた領域でバトルしている。

 目視出来ない程のスピードを完全に制御した上で一発一発が、並のネクプラなら即死級の一撃を放っている。

分身、残像は当たりまえ、両者ともに黄金に光輝き、巨大な竜巻になってぶつかり合う。

 操縦者も規格外だが、ネクプラの方も規格外だ。

 

(二人とも既に世界レベル!? こんな凄いネクプラファイターがいたとは!?)

 

 内心興奮気味に二人の激戦を見守る。

 ドン引きする前に、後で師事してもらう気満々だった。

 二人が黄金に輝いているのも気にしていない様子だ。

 佐々木 シンヤ、常識人ぽいが、実のところネクプラ馬鹿だった。

 

 ちなみにこのバトルは下の階のメイド喫茶ストレンジのモニターでも放映されていて、バトルの熱気に当てられたのか歓声が凄く伝わってくる。

 

演出がインフレしているホビーアニメのラストバトルのような戦いは最終的に、ガンネクファイターズの主人公とその師匠が使う流派・無双次元流・最終奥義、次元咆哮波が放たれる。

 互いに金色になり、大気を振るわせて地面を割り、自信を中心に軽くクレーターを作り、金色の闘気で天を割りながら黄金に輝く閃光を放つ両者。

 勝ったのは——

 

『バニシングフィスト!!』

 

『なんと!?』

 

 藤崎 シノブが駆るバニシングネクスの必殺技バニシングフィストと次元咆咆哮波が混ざり合った一撃。

 黄金の闘気を纏うGマスターを飲み込んだ。

 

 勝者は藤崎 シノブ。

 谷村 亮太郎はその場に崩れ落ち、藤崎 シノブもバトルシステムに持たれかかる。

 

「ちょっ、大丈夫か!?」

 

 シンヤは慌ててシノブの方に寄りかかる。

 汗を流して疲れ切っている様子。

 

「ああごめん。生身の模擬戦でやり合うよりも全力出したかもしんない」

 

「君ら生身であんな事できんの!?」

 

 何かそんな気がして来たシンヤだった。

 と言うか体力お化けの二人がここまで消耗するとは。

 どれ程の全力を尽くして戦っていたのだろうか。

 

「ネクプラは今、基礎から勉強し直している感じだけど、まあよろしく頼む」

 

「ああうん、此方こそよろしく——」

 

 これでもっとネクプラの出来栄えが良くなればどんだけ強くなるのだろうか。

 想像も出来なかった。

 だけど二人なら全国どころか、世界にまで行きそうな。

 そんな気がして来た。

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