RE:召喚勇者の現代帰還〜それでも勇者は勇者としてあり続ける〜   作:MrR

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ハンドレッド編その5・戦場と化したショッピングモール

 Side 黒川 さとみ

 

 =ショッピングモール内=

 

 突如として発生した戦い。

 さとみは困惑しながらも、シノブ達を遠方から見守っていた付き人達の手で避難誘導される。

 人々がいる前だと言うのに銃を取り出し、シノブ達の援護に向かおうとしたその時——爆発が起きた。

 

 ショッピングモール内の混乱が加速。

 窓ガラスが割れて建物内が揺れる。

 居合わせて避難している最中の人々も悲鳴を挙げていた。

 

「ちょっと!? シノブ大丈夫なの!? ねえ!?」

 

 シノブの強さは理解している。

 50m級の巨大ロボットだろうと怪獣だろうと平然と立ち向かうような奴だ。

 それでもこんな爆発が起きては 

 

(聞こえる? さとみ?)

 

「えっ? あっ? シノブ?」

 

 そこでシノブの念話が入って来た。

 

(このショッピングモールはハンドレッドに囲まれていて、既に戦闘が発生している)

 

「それって―—」

 

 自分達が呑気にショッピングモールでデートしている最中にはそんな事になっていたのは知らなかった。

 

(どうにか戦いをショッピングモールの外へと誘導する。その広場ならまだ戦いを抑えられる筈だから)

 

(分かった。気を付けなさいよ)

 

 と、さとみは返した。

 さとみはさとみで自分の出来る事をやろうと決意する。

 

 

 Side 藤崎 シノブ

 

 =昼・ショッピングモールの外=

 

『どりゃあああああああああああ!!』

 

『テメェ!!』 

 

 シノブはライドセイバー1号に変身。

 思いっきり殴り飛ばす。

 手加減抜きにしての一撃だ。

 それでも変身した赤霧は立ち上がる。

 変身して頑丈になってるのだろう。

 だがそれでも足下がふら付いている。 

 

 シノブは構わず、相手の胴体にある人体の急所目掛けて容赦のない攻撃を加えた。

 激しい火花を撒き散らしながら赤霧はゴロゴロと倒れ込んだ。

 

『まだだ!! まだ俺はこんなもんじゃねえ!!』

 

 そう言って体中のマフラーから煙を吹き出し、赤熱化を始める。

 鑑定の結果、受けたダメージをエネルギーに変換し、戦闘能力を挙げる能力と他の怪人の吸収、パワーアップ能力があるらしい。

 また本人は限定的ではあるが未来予知のような能力を持っているそうだ。

 だが本当に限定的な物であり、そこまで便利な能力だったらこうして苦戦する事はなかったのだろうとシノブは思う。

 

『大丈夫ですかリーダー!?』

 

 先程吹き飛ばされた戦車の怪人が現れた。

 砲弾を撒き散らされると厄介だ。

 赤霧は戦車怪人に近づくと——

 

『テメェの力を寄こせ!!』

 

『え、でもリーダー!?』

 

 赤霧から放たれた赤いエネルギーが戦車怪人を包み込んでいく。 

 

『ちょっと待て!? 何をするつもりだ!?』

 

 嫌な予感がしたシノブは慌てて止めようとするがハンドレッドの構成員達に邪魔をされた。

 

『こうするんだよ!?』

 

『えっあっ——!? な、なにを!? リーダー!? リーダーぁああああああああああああ!?』

 

 そして赤霧 キョウマは戦車怪人を取り込んだ。

 

『お前、なんてことを!?』

 

『役立たずを俺なりに役立ててやったんだ!! むしろ光栄に思ってほしいね』

 

 友情合体とかではない。

 その逆。

 変身した怪人を、元は人間だった奴を無理やり取り込んで自分の力に変えたのだ。

 この暴挙に流石のハンドレッドの構成員達も手が止まった。 

 

『どうして次から次へとこんな真似を!? お前に人の心はないのか!?』

 

 叫ぶシノブ。

 赤桐 キョウマの姿が変貌していく。

 戦車のパーツが追加された。

 右手に戦車の砲身パーツ、左手にキャタピラがついた車体のパーツ。

 両足の裏側にキャタピラが追加された。

 

『んなもんが世の中の役に立つかよ!! 俺を馬鹿にした連中を!! お前みたいに見下す連中を全員この手で、この力で見下してやる!! そのためには絶対的な力がいるんだよ!! それが手に入るなら悪魔に幾らでも魂捧げてやる!!』

 

『そんな悪の独裁者みたいな倫理で人がついてくるか!?』

 

『俺はそうやってハンドレッドを作り上げた!! 親も教師もそうやって黙らせてきた!! それによぉ!! 未来が囁くんだよ!!』

 

『未来が囁く?』

 

『どんな手を使ってでもお前や谷村を殺さないと俺に未来がないって事がなぁ!!』

 

『クッ!!』

 

 そう言って味方諸共右腕の砲塔から放たれた砲弾で吹き飛ばそうしてくる。

 思わず庇うシノブ。

 赤桐 キョウマは構わず砲弾を連射。

 同時に胸部から大砲が形成され、発射された。 

 一際大きな爆発が起きた。

 

『ハハハハ!! 流石のライドセイバーもここまでやれば一溜りもねえだろ!?』

 

 そう高笑いを挙げてその場を去っていく赤霧 キョウマ。

 残ったのは倒れ伏して気絶したハンドレッドの面々だけだった。

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