あらすじにも書きましたが、この小説には原作改変の要素が含まれます。
それでも良いという方は、どうぞご覧ください。
人間の暮らしている世界とは異なる世界………グラニュート界。その世界のとある街に、2つの影があった。
「はぁ……はぁ……はぁ……!!」
1つはこの世界の住人……腹に口のある異形の姿をしたグラニュートという種族だ。グラニュートは、人間よりも遥かに丈夫かつ身体能力も高い。このグラニュート界は、人間界とは違う景色ではあるものの基本的には平和だ。だが……
「な、何なんだあれは……!」
そのグラニュートは何かに追われているようで、街の路地を逃げ回っていた。そして……
「……」
「っ!?」
もう1つは、そのグラニュートを始末するためにやってきた存在………処刑人とでも呼んでおこう。その処刑人は自身の正体を隠すために、頭からフードを被り、顔には仮面をしていた………分かることと言えば、追っているグラニュートよりも処刑人は小柄で、その右手には得物である短剣、左手には銃が握られているということだろうか。その処刑人は、グラニュートを追って来ていたものの……
「!……撒いたのか……?」
突然、グラニュートの前から姿を消した………
「に、逃げ切―――」
「……」
「!?」
かと思えば、素早い動きでグラニュートの前へと立ちはだかった。
「くそっ!」
それを見たグラニュートは、他の路地へと逃げようとするが……
「ぐっ!?」
その前に処刑人が左手の銃の引き金を引き、両脚に銃弾を命中させる。逃走を図ったグラニュートは、そのまま地面に倒れて込んでしまう……。
「……」
「や、やめてくれ!見たことは誰にも話さない!だ、だから見逃してくれ!!」
逃げることが出来なくなったグラニュートは、近づいてくる処刑人に向かって必死に命乞いをする………が、目の前の処刑人は、黙ったままその手に持った短剣をグラニュートへと向け―――
「し、死にたくな―――」
◇
グラニュートを始末した処刑人は、とある人物に会っていた。
「言われた通り、ターゲットは始末しました」
「ご苦労だった」
ここは、グラニュート界でストマック家が経営している大手製菓メーカー、ストマック社………その裏では、人間をスパイスにした中毒性の高い麻薬のような菓子である『闇菓子』の製造を行い、違法に販売していたのだ。そのストマック社にある一室……ストマック社の社長であるランゴ・ストマックのいる会議室で、処刑人は始末したグラニュートについての報告を行っていた。
「次の指示があるまで、お前は待機だ」
「……了解しました、ランゴ様」
処刑人はそう返した後、会議室から去っていった。処刑人がいなくなった後、ランゴは……
「やつは優秀だ………が、不安要素は排除するに限る」
そう呟き、自身のエージェントたちにとある指示を出すのだった……。
◇
ランゴのいる部屋を去った処刑人は、誰もいない廊下で頭から被っていたフードと顔につけていた仮面を取った。
「っ……」
その処刑人は、この世界にいるはずのない人間………しかも、中性的な少年の姿をしていたのだ。
「父さん、母さん………あいつらは、必ず僕が―――――」
そう呟き、処刑人はフードを被り、仮面をつけ直した………処刑人の名はハルマ―――ストマック家の末弟、ショウマと同じく、グラニュートの父親と人間の母親の間に生まれたハーフである……。
◇
「……よし、完成だ」
ハルマがランゴに報告している頃、ストマック社の研究施設のある部屋に1人の男がいた。その男の名はニエルブ・ストマック………眼鏡を掛けた人間の姿をしているが、その正体はグラニュートで、ストマック社を経営しているストマック家のきょうだいたちの次男にあたる。
そんなニエルブはこの数日間、とあるものの開発に勤しんでいた。そしてつい先ほど、それが完成したのだ。
「さて……あとは誰が使うかだけど……」
そう言ってニエルブは、手元のタブレット端末を操作する。その端末には、ストマック社でバイトをしているグラニュートたちのデータが映し出されている………が、ニエルブはその手を止める。
「……やっぱり、あいつが一番適任だな」
その目線の先には、溶鉱炉にレバーがついた形をした青とオレンジを基調としたバックル……それと、プリンとゼリーが入った容器を模したようなものが置かれているのだった……。
読んでくださりありがとうございます。今回は1話なので、短いですがここまでとなります。
次回以降から、ガヴやプリキュアに登場するキャラたちも少しずつ出していきますので、どうぞお楽しみに。
それでは、次回の話もよろしくお願いいたします。