それでは、どうぞご覧ください。
「僕が戦っているのは……そもそも仇討ちのため」
「その仇っていうのが……あの化け物?」
『そもそも、あの化け物は何なのです?』
ピカリーネにそう訊かれたハルマは……
「あれはグラニュート……この世界とは別の世界に住む種族だよ」
「「「『!?』」」」
グラニュートが人間界とは別の世界の種族であることを教えたる。
「「べ、別の世界……!?」」
「プリ!?」
『まさかキラキランドと人間界以外にも、別の世界があるとは……』
その事実に、4人は各々違う反応で驚いていた。
「そのグラニュートってさ、何で私たち人間を襲っているの?もしかして……お腹の口で食べるため、とか……?」
続いてうたが、前に見たグラニュートの特徴から恐る恐るそんな質問をした……。
「いや、そもそもほとんどのグラニュートはこっちの世界の存在のことすら知らない。人間を襲っているのは、あいつら……ストマック社だよ」
「「ストマック社……?」」
「プリ……?」
『それは、何かの会社……なのですか?』
初めて聞く言葉に、うたとなな、プリルンは揃って首を傾げ、ピカリーネはハルマにそう訊いてきた。
「グラニュート界にあるお菓子会社………表向きは普通のお菓子を売っている」
「表向き……?」
「……裏じゃあいつらは、闇菓子を作っているんだ」
「闇菓子……?」
「見た目は箱のような形に、ストマック社のマークが入った菓子―――」
「羊羹……みたいなものなのかな……?」
見た目を想像したのか、なながそんなことを呟く。
「それが何かは知らないけど……例えるなら、麻薬」
「麻薬……?」
「一度食べたら最後……あっという間にそれの虜になって抜け出せなくなる」
すると……
「でも何で、それが人間を襲うことになるの?」
ななが今までのハルマの話を聞いた上で、そんなことを尋ねてきたのだ。
「……」
「ハルマ君……?」
「……闇菓子の材料には、あるスパイスが使われている」
「あるスパイス……何のスパイスなの?」
ハルマは少し間を空け……
「……人間」
「「えっ……?」」
「……あいつらはこの世界の人間を攫って、闇菓子のスパイスにしているんだ。特に、幸せそうな人間をね」
闇菓子のスパイスの材料に、人間が使われていることを告げた。
「何、それ……」
「じゃあ私も、ハルマ君が助けてくれなかったら……」
「うたちゃん……」
自分が闇菓子の材料にされてしまっていたかもしれないという事実を知り、うたは思わずそう呟いた……が、
「!大丈夫、ちょっとびっくりしただけ。それよりも……キラッキランランになっている人を攫って食べちゃうなんて許せないよ!」
「プリルンもプリ!」
「そうだね……私も許せないよ」
『同感です』
4人はそう言い、ストマック社に対して憤りを見せる。
「あっ、もしかして……危険だから、今まで私たちを遠ざけようとしてくれたの?」
うたは、ハルマが今まで危険から遠ざけようとして敢えてああいう態度をとっていたと思い、ハルマの方に目を向けたが……
「……どう思うかは任せるよ」
ハルマ自身は、少し顔を逸らしながらそう言ったのだ。
「ふふっ……そんなに心配しなくていいよ?私だって戦える。それにあの時、もう覚悟はしたから」
「私だって、ストマック社のこと放っておけない……それに、大切な人たちが巻き込まれるのはいやだ」
うたは微笑みながら、ななは真剣な表情をしてハルマにそう言った。そんな2人を見て……
「はぁ………ただ、無理だと思ったらすぐに逃げて」
「!うん、分かったよ!」
ハルマは何を言っても無駄だと思い、条件付きでプリキュアたちが戦いに協力することを認めたのだ。
「そう言えばさ……ハルマ君は何であんなところにいたの?」
ふと思ったのか、うたがそう問いかけると……
「?何でって……今はあそこで寝泊まりしてるからだけど」
「「!?」」
ハルマはチョコを摘まみつつ、平然とそう言った。
「それって、復讐のために……?」
「そうだけど……」
ハルマはそう言い、今度はグミを口の中に入れた。
「ハルマ君、家に帰った方がいいよ……誰かを巻き込みたくないのは分かるけど、ハルマ君のお父さんとお母さんも心配し―――」
「いないよ」
「えっ……?」
「いないって―――!っ」
「まぁ……そういうこと」
「ご、ごめん!私そんなつもりじゃ―――」
うたはすぐさまハルマに謝ったが……
「悪気がないのは分かってる。だから謝る必要もないよ」
ハルマはまったく気にしていない様子だった。
「じゃあ、両親が闇菓子にされたから、ハルマ君は……」
ななはハルマが、両親が闇菓子にされたことから復讐を決意したのだと思い、そう呟く……が、
「いや、僕は………」
『?違うのですか……?』
ピカリーネにそう訊かれたハルマは……
「……父さんと母さんは……
僕の目の前で、グラニュートに直接殺された」
「「「『!?』」」」
ハルマの両親は闇菓子のスパイスにされたわけではなく、幼いハルマの目の前で殺されてしまったようだ……。
『なら、あなたの目的は……』
「……僕の目的は、父さんと母さんを奪ったグラニュート……そして、ストマック社とそれに関わる全てのグラニュートを潰すことだよ」
◇
「ありがとう……辛かったのに、色々教えてくれて」
ハルマが話し終えた後、うたはそう礼を言った。
「大したことは教えてないよ。僕が話さなくても、いずれは分かったこ―――」
「「「『じーっ』」」」
「……どういたしまして」
ハルマがうたにそう言った後……
「よーし!この世界をチョッキリ団とストマック社から守るために、一緒に頑張ろう!」
うたはいつもの調子で、明るくそう言ったのだ。
「おー!プリ!」
「お、おー……!」
プリルンやななは、うたに続いて拳を上げた。
『これからよろしくお願いしますね、ハルマ』
そんな3人を見ながら、ピカリーネはハルマにそう言葉を掛ける。
「……信じるの?」
『何をです?』
「さっきの話………僕が噓をついているとは思わないの?それに、もし僕が―――」
簡単に自身の話を信じたことを疑問に思ったのか、ハルマはピカリーネにそう訊いたが……
『噓をついているのなら、あんな顔はしませんよ』
「あんな顔……?」
『それにあなたが何者でも、あの子たちは仲間でいてくれますよ』
「……!」
ハルマが何かを隠していることを察しているような言葉に、ハルマは少しだけだが驚いた表情を見せた………その表情は、ピカリーネ以外には見られなかったが。
『うた、なな、プリルン……そしてハルマ………チョッキリ団とストマック社のこと、頼みましたよ?』
「「はい!」」
「プリ!」
ピカリーネはそう言ってから、通話を切ろうとしたが……
『……1ついい忘れていましたが、プリルン』
「プリ?」
『ライブの動画をネットにアップするのは、言い伝えで禁じられていると前に言いましたよね?』
「!プリーー!?」
「あっ……」
「な、何これ……?」
「髪型が……変わった……?」
どうやら、キュアウインクのライブの動画がアップされているのがバレていたのか、プリルンの髪の毛がモッサモサになってしまう……。
『3度目は、ないかもしれませんからね?』
「プ、プリ……!?」
『あと、これからのことを考えて言っておきますが……アイドルプリキュアではないからといって、仮面ライダーの動画をアップするのも、禁止ですよ?』
ピカリーネは笑顔で……ただし目は笑っていない表情で、プリルンにそう釘を刺した。ただ、釘を刺したからといって、プリルンが動画をアップしないかと言われると、怪しいところではあるが……。
「わ、分かったプリ……」
『では、よろしく頼みましたよ?』
ピカリーネはそう言い残し、今度こそ通話を切るのだった……。
読んでくださりありがとうございます。
ハルマは今回、グラニュートやストマック社のことについては話しましたが、自身のことに関してはほとんど話していません……この判断が今後、どう響いてくるのでしょうか……。
それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いいたします。