それでは、どうぞご覧ください。
「ここにいたんだね」
「……」
ショウマと絆斗に再会したハルマは、店の外に出て2人と話をしていた。
「それで……何か用?大体想像はつくけど」
「!この前の話、考えてくれたか?」
絆斗はそれを聞いて早速本題へと入り、ハルマに返事を訊いた。
「……」
「良かった……考えてはくれてるんだ」
ハルマはまだ完全に答えを出せてはいないため黙り込むが、ショウマとしては考えてくれているだけで嬉しいようだ。それに対し……
「あのさ……何か協力できない理由があるなら……聞くぜ?」
絆斗がハルマに対し、ストレートにそう訊いたのだ。
「……僕の目的は復讐。そっちはグラニュートから人間を守ることが目的……だから、組むことはできない」
「!ハルマ君も、ストマック社に誰かを……」
「そっか……そっちも、なのか……」
その言葉を聞いて……
「!もしかして、関係ない人たちを巻き込みたくないから……」
「……捉え方は任せる」
ショウマは、ハルマが周りを巻き込みたくないことを察し、そう訊いてきたのだ。
「てことは……俺たちと一緒に戦っても、何も問題はないわけだ」
「……?」
「……俺たちも、ストマック社に大切な人を殺されてる」
「……」
「だから、俺たちを巻き込んでも問題はないよ」
ショウマは、周りを巻き込むことを良しとしないハルマに対し、優しくそう言った。
「そういうことだ。ハルマが気を遣う必要はないぞ」
さらに、絆斗も気さくにそう言ってきたのだ。
「もちろん、君の友達を巻き込むようなことはしないから」
「……」
(この2人から情報を訊ければ、僕の仇も早く見つかるかもしれない………今のままやってても、限界がある……その分、リスクも大きいけど―――)
それを聞いたハルマは、少し考える素振りを見せた後……
「仇のグラニュートは僕が必ずとどめを刺す……それでいいなら、共闘はする」
「!分かったよ」
「あぁ、もちろんだ」
あくまでも仇のグラニュートはハルマ自身が倒すという条件で、2人と共闘することに決めたのだ……。
「改めて……俺は井上ショウマ。よろしくね」
「辛木田絆斗だ。これからは頼ってくれよ?」
「……
◇
「話、終わったよ」
「!ハルマ君」
2人と話を終えたハルマは、話をしているうたたちのところに向かった。
「あのお客さんたちと何の話をしてたの?」
なながそう訊いて来たが……
「いや、大した話じゃないよ」
「……?」
ハルマは話の内容がバレないように、そう言ってごまかした。すると……
「ハルマ君、だったよね?」
「?そう、だけど……」
カイトがハルマへと声を掛けたのだ。
「ありがとう。君のおかげで、みんなを笑顔にすることができた」
「……?」
その言葉に、ハルマは思わず首を傾げる。
「……それを言うならそっちの方が―――」
「君は見ていないかもしれないけど……お客さんたち、君の料理でも笑顔になってたよ」
「……」
「じゃあ、僕はこれで」
カイトはそう言い残し、この場から去っていった。
「何を言っているんだ……」
ハルマはカイトの言葉に戸惑っていたが……
「それで……さっきからどうしたの?」
うたの方に目を向け、ななにそう訊いたのだ。
「えっとね、カイトさんよりもウェイターの仕事が上手く出来なかったって……」
「……つまりは拗ねていると」
「す、拗ねてないからね!?」
事情を聞いたハルマは状況を理解したが、うたはそれをすぐさま否定した。
「カイトさんはあんなに上手くやっていた。ハルマ君もすごかった……それに比べて、私は―――」
「カイトはうたよりも凄かったプリ!」
「グサッ!?」
「ダメだよプリルン。そんなことを言ったら、うたちゃんがもっと可哀想になるでしょ?」
「もっとグサッ!?」
「……」
悪意はないものの、プリルンはそんな言葉を言い、うたは心にダメージを負ってしまう。それに続いて、ななも悪意はないものの、うたの心にダメージを与えてとどめを刺したのだ。
「良いよ良いよ……どうせ私なんか………」
それによって、うたは完全に意気消沈しまった。すると……
「よしよし、どうしたの~?」
店の中から赤ん坊を抱いた母親が出てきており、赤ん坊は急に泣き出してしまっていた……。
「!」
それを見たうたは、その親子の下へと駆け出していく。一方で……
「あれって、人間の……」
人間の赤ちゃんを初めて見たハルマは、そんなことを口からこぼしていた。
「あっぷ~ぷ♪可愛い~赤ちゃん♪お顔を見せてね♪あっぷ~ぷっぷー♪良い子ー良い子♪」
「えへへっ!」
うたは笑顔で歌を歌い、それによって泣いていた赤ん坊は泣き止み、笑顔を見せていたのだ。
「すごいな……」
それを見たハルマは、素直に感心していた。
「ありがとうございます」
「いえいえそんな……良かったら、またお店に来てくださいね!」
赤ん坊の母親とうたがそんな会話をしていると……
『ぷるん』
「おかえり。何か見つかった?」
『ぷる!』
「!……分かった。案内して」
ハルマの肩の上に乗ってきたぷるゼリーゴチゾウが何かを伝えた後……
「あれ?ハルマ君、もう行くの?」
「……グラニュートの居場所が分かった」
「「「!?」」」
ハルマは、3人に向けてそう言ったのだ。
「なら、私たちも―――って、早っ!?」
うたたちも一緒にその場所に向かおうとしたものの、ハルマは3人を置いて先に行ってしまった……。
「どうしよう……私たち場所分かんないよ?」
「と、とにかくハルマ君が行った方向に行こう!」
「うん!」
そんなハルマを追い掛け、3人もグラニュートのいるであろう場所へと向かうのだった……。
◇
「ザックリ言って……ここだ!」
チョッキリ団のアジトとなっているバーでは、ザックリがダーツに興じていた……が、
「よっしゃ!」
「そんなことで喜んでいる場合かい?」
「!チョッキリーヌ様……」
「アンタもプリキュアにやられたようだね?」
「そ、それは―――」
「それに仮面ライダーの方は、何やら怪しい連中と戦っていたそうじゃないか」
チョッキリーヌはそう言うが、ザックリーは尚も言い訳を続けていた。そんな様子を見て……
「言い訳は見苦しいですぞ。ケリをつけてきますぞ。自分、カッティーが―――」
「とか言って、本当はキュアウインクに会いたいだけじゃねーの?」
「なっ!?そ、そんなことあるはずが……」
カッティーが出ようとしたが、ザックリーがそう訊くと、図星だったのか動揺しながらもそう返した。
「やっぱりお前、アイドルプリキュアにはまってるじゃねーか!」
「違いますぞ!ただ、運動不足を解消したいだけですぞ!」
「怪~しい!」
そんな風に言い合いをしている2人を見て……
「はぁ……いつになれば、ダークイーネ様に良い報告ができることやら。それに、仮面ライダーと戦っている存在………一体何者なんだい?」
チョッキリーヌは呆れた様子でそう言ったのだ。そんな中……
「今回は私、カッティーが。それと、仮面ライダーと戦っている存在についても情報を集めてきますぞ」
今回もカッティーが、情報収集を含めて行くことになるのだった……。
◇
「ここか……」
ぷるゼリーゴチゾウの案内によって、ハルマは街中にあるショッピングモールへとやってきた。
「こんな人気の多いところで……」
『ぷる』
「ん?」
ゴチゾウが示した先には、紫色のテントが建っていたのだ……どうやらそれは占い店の様で、今回のグラニュートはここでヒトプレスを集めているらしい……。
「この中か……」
ハルマは早速、その中へと入ろうとした……が、
「お主のキラキラ、オーエス!」
「きゃあああああ!!」
「っ!」
突然悲鳴が聞こえ、ハルマもその方向を向いた。そこには……
「あいつは……」
「カッティーン!出でよマックランダー!世界中をクラクラの真っ暗闇にするのですぞ!!」
「マックランダー!」
カッティーがキラキラしている人間を狙い、グリッターの名物であるクリームソーダを模したマックランダーを生み出していたのだ。
「こっちもか……」
ハルマはそれを見て、思わずそんな言葉をこぼした。その時……
「な、何なんだあれは!?」
「ん?」
外での騒ぎが聞こえたのか、占い屋の店主らしき女性がテントの中から出てきたのだ。
「この世界にあんなのがいるなんて、聞いてないぞ!?」
その声が耳に入ったのか、カッティーとマックランダーは店主が立っている方を向いた。
「!お主は仮面ライダー……今日はお前も一緒に倒してやるのですぞ!」
ハルマを見つけたカッティーは、そんな風に宣言をした。
「……」
「お主!無視するでないのですぞ!」
その宣言に対し、ハルマは黙ったままそっぽを向いた。すると……
「なっ!?お前が、グラニュートハンターだと!?」
それを聞いた占い屋の店主は、ハルマの方を向きながら驚愕していた。
「その反応……やっぱりお前、ストマック社のバイト?」
「くっ……!」
「ストマック社……ですと……?」
店主はハルマの言葉に対して何も言い返すことが出来なくなり、カッティーは初めて聞く言葉に首を傾げていた。
「仕方がない……こうなれば……!」
店主は服を捲り、腹のガヴからミミックキーを抜いた。その後、店主は羊のような姿をしたグラニュートへと姿を変化させ、その手には武器である水晶玉がついた杖を持っていたのだ。声も人間の姿の時よりも低くなっており、本当の性別は男だったようだ。
「やっぱり……」
「あやつ、人間ではない……!?」
「俺の……このプシーの狩り場を荒らしやがって……許さんぞ!」
グラニュート……プシーはハルマに向かってそう文句を言った。
「僕はまだ何もしていないんだけど……でも、どちらにしろ―――」
「ヴラスタムギア」
「お前はここで終わりだ」
「カップオン!」
ハルマはヴラスタムギアを腰に装着し、続けてゴチゾウをセットした。
「……変身」
「プディングヴラムシステム!」
「ヴラムブレイカー」
ヴラムは変身したのと同時に、プシーとマックランダーに弓モードのヴラムブレイカーを向け……
「っ!」
間髪入れずに矢を放ったのだ。
「マッ!?」
その矢はマックランダーには命中し、ダメージを与えたが……
「くっ……!」
プシーには杖で上手く防御され、ダメージを与えることができなかった。
「っ!」
ハルマはさらに矢を放とうとするものの……
「ハァッ!」
プシーは杖の水晶玉を光らせ、自身の分身のようなものを4体作り出した。
「「「「「食らえ!」」」」」
それから5体になったプシーは、ヴラムに向けて同時に魔法のような攻撃を放ってきたのだ。
「っ!」
その攻撃をヴラムは最小限の動きで避けていき、全ての攻撃を避け切った後、迷わず左から2番目のプシーを撃った。
「何っ!?」
その矢に当たったプシーは本物だった様で、その場で体制を崩した。その後、プシーが出した分身は消え、それを見たヴラムはブレイカーを鎌モードへと変え、プシーに急接近していく。
「フッ!」
「ぐっ!?」
急接近すると同時に放たれたヴラムの蹴りを食らったプシーは吹き飛ばされ、そのまま地面を転がっていく……その時、
「我らを忘れてもらっては困るのですぞ?」
「マックランダー!」
今まで隙を狙っていたのか、ヴラムの背後にいたマックランダーが、カッティーの指示でストローからソーダを射出し、攻撃しようとしてきたのだ。
「っ!」
それに気付いたハルマは、即座にブレイカーを鎌から弓へと戻し、マックランダーに背を向けたまま後ろに向けて矢を放った。
「マックランダー!?」
その矢はストローの部分に命中し、マックランダーに攻撃される前にそれを防いだのだ。すると……
「見つけたプリ!」
「それに……羊の化け物……?」
「!お腹に口……あれ、グラニュートだよ!」
「!あれが……それに、マックランダーまで……」
うたたちも追いついて来ていたのだ。その時、ヴラムの肩の上にぷるゼリーゴチゾウが乗って来ていて……
『ぷるぷる!』
ヴラムに何かを伝えていたのだ。
「……いいよ。なら……
試してみようか」
ヴラムはそう言い、ギアからどっプリンゴチゾウを外し……
「カップオン!」
ぷるゼリーゴチゾウをセットし、ギアのレバーを下げた。
「ゼリーヴラムシステム!」
すると、ヴラムの上からゼリーの容器のようなバリアが降ってきて、その中はゼリー状のもので満たされる。そして、ヴラムが手に持ったブレイカーでバリアを壊すと、その身体にチェリー味のゼリーを模した装甲が付けられ、特に肩や腕の円形の装甲や口元にある装甲が特徴的なものとなっていた。
「何っ!?」
「す、姿が……!」
「今度はゼリー!?」
ヴラムの姿が変わったのを見て、プシーもカッティーもうたたちも、同じように驚いていた……が、
「ななちゃん、私たちも!」
「うん!」
うたとななは、すぐさま自身のアイドルハートブローチを構える。
「「プリキュア、ライトアップ!」」
2人はブローチにプリキュアリボンをセットして、その部分を3回タップした。
「「キラキラ、ドレスチェンジ!YEAH♪」」
それからブローチの両側を押すと、髪型とその色が変わり……
「「キミと~!YEAH♪」」
もう1度押すと服装が変化し……
「「一緒に~!YEAH♪」」
さらにもう1度押すと、フィンガーレスグローブやブーツ、アクセサリーが装着されていく。そして……
「キミと歌う、ハートのキラキラ!笑顔ニッコリ、キュアアイドル!」
「キミと瞬く、ハートの勇気!おめめパッチン、キュアウインク!」
うたとななは同時に、キュアアイドルとキュアウインクへと姿を変えるのだった……。
読んでくださりありがとうございます。
ガヴの本編よりも早いタイミングですが、ゼリーカスタムを登場させました。次回はこの続きからになります。
それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いいたします。