それでは、どうぞご覧ください。
「す、姿が変わったところで……!」
プシーはそう言い、杖の水晶玉を光らせて攻撃を放とうとした。それに対し……
「カップREADY!」
ヴラムは冷静にギアのレバーを上げた。すると、ギアから2本の茨がヴラムの心臓へと伸びていき……
「っ!?」
「インビジブルゼリー!」
レバーを下げると茨は心臓に巻き付き、ヴラムはその姿を消したのだ。
「「えっ!?」」
「プリ!?」
「なっ!?」
そんな光景に、その場にいる面々は揃って驚きを露わにしていた。
「!ど、どこに行った……」
プシーは周りを見渡したものの、ヴラムの姿は何処にも見当たらない……その時、
「ぐっ!?」
突然、プシーに攻撃が当たり、その場で体制が崩れてしまう。
「そこか!」
それに反応してプシーは杖を振って反撃したが、当たった様子はない。
「ぐあっ!?」
それどころか連続して攻撃を食らい、最後には吹き飛ばされてしまっていた。
「ゼリーOVER!」
「っ!?」
プシーを吹き飛ばした後、姿を現したヴラムだったが……
「っ……そういうことか……いかにもニエルブがやりそうなことだ……」
何故か胸の辺りを左手で抑えていた………どうやらこのゼリーカスタムは、心臓を止めることで仮死状態にし、透明化する仕組みとなっているようだ……。
「やはり強い……だが、何やら様子がおかしい………ならば!」
「マックランダー!」
それを見たカッティーがそう呟き、マックランダーにヴラムを攻撃させようとしたが……
「「はぁっ!」」
「!?」
「ハルマ君の邪魔はさせないよ!」
アイドルとウインクが、マックランダーに向かって攻撃を仕掛けたのだ
「セット!」
一方でヴラムも、ブレイカーにゴチゾウをセットしてレバーを3回引き……
「インビジブルゼリー!」
ギアのレバーを再び倒し、その姿を消す。
「くそっ!またかよ!」
プシーはそう言いながら炎の弾を大量に浮かべ、手当たり次第に放ったのだ。
「何っ!?」
「マックランダー!?」
「うわっ!?」
それはマックランダーと戦っているアイドルとウインクたちのところにも飛んできており、プシーの攻撃によって周りの建物に被害が出てしまっていた………すると……
「!あれって……れんじいちゃん!?」
アイドルは崩れそうな建物の近くで、グリッターの常連客であるれんじいちゃんこと城蓮司が歩いているのを見つけた。
「ダメーー!!」
それを見たアイドルはそう叫んで走り出したが、既に上からは瓦礫が落ちてきていた……が、
「っ!」
「カイトさん!?」
偶然その場に居合わせたカイトが、蓮司を助け出したのだ。
「大丈夫ですか?怪我は―――」
「あぁ、ありがとう……おぉ!ワシの若い頃にそっくりじゃ!」
カイトに礼を言った蓮司であったが、その姿を見てそんなことを口にする………だが、安心するのはまだ早く……
「2人とも逃げて!!」
2人のところに、プシーが放った攻撃がいくつか迫っていたのだ。アイドルは2人に大声で逃げるように言うが、炎の弾は目の前にまできていた………その時、
「ゼリーOVER!」
「フッ!」
「ヴラムスラッシュ!」
「「!」」
ヴラムは2人の目の前に現れ、斬撃を飛ばして炎の弾を全て相殺したのだ。
「っ……死にたくないなら、さっさと逃げて」
「!君は……それにその声……」
カイトはヴラムを見て、何かに気付いた様子でいたが……
「!分かった。さぁ、こっちに―――」
「あ、あぁ……」
蓮司を連れてこの場から逃げていった。
「「ハルマ君!」」
その直後、ヴラムのところにアイドルとウインクが駆け寄ってきた。
「大丈夫?」
「けがはない?」
アイドルとウインクはヴラムに対し、心配そうな表情でそう訊いてきたのだ。
「……何で、そんなことを訊くの?」
それを疑問に思ったのか、ヴラムがそう訊き返した。
「何でって……さっきからハルマ君、何だか苦しそうだから………どこか具合が悪いの?」
「それに、胸のあたりを押さえてたけど……」
どうやら2人は、ゼリーカスタムの副作用による影響に、何となくだが気付いているようだ……。
「……何でもないよ。それよりも―――」
ヴラムがそう言い、目線を向けた先では……
「グラニュートハンターめ……こうなったらもう一度……!」
「どちらも小賢しい……マックランダー!」
「マックランダー!」
プシーとマックランダーが、再びヴラムやプリキュアたちに攻撃しようとしていた。
「さっさと終わらせる……あっちは任せた」
「う、うん!」
アイドルの返事を訊いたヴラムは……
「インビジブルゼリー!」
再び透明となり、プシーの方へと向かっていく。
「ここで終わってたまるか!」
プシーは再び、周りに攻撃を放とうとしたが……
「ぐっ!?」
透明になったヴラムの攻撃を受けたのか、上へと打ち上げられ……
「ぐあっ!?」
下へと落ちてきたところで連続攻撃を食らい、そのまま吹き飛ばされてしまった。
「くそっ……こんなはずじゃ……俺はもっと闇菓子を―――」
プシーはそう言いながら何とか立ち上がった……が、
「ゼリーOVER!」
「っ!?」
背後に現れたヴラムが、その首元に鎌モードのブレイカーを引っ掛けるようにして突き付けたのだ。すると……
「……1つ訊く」
「っ……?」
「お前は―――――」
ヴラムはプシーに対し、とあることを訊いたのだ。
「な、なんのこ「答えろ」!……そ、そんなやつ、見たことあるわけがないだろう!?」
「……?」
ヴラムの問いに対し、プシーは戸惑いながらもそう返した。それが聞こえていたのか、アイドルはプシーの様子が変わったことに対し、疑問を覚えた。
「そっか……なら……
消えろ」
返答を聞いたヴラムは、プシーの首元に当てていたブレイカーを振り抜き……
「ヴラムスラッシュ!」
「ぐあああああああ!?」
とどめを刺したのだった……。
◇
一方で、プリキュアたちとマックランダーの戦いも佳境へと入っていた。
「マックラン……ダー!!」
マックランダーは何やら力を貯めている様子でいたが、その直後にストローからプリキュアたちに向かい、勢い良くソーダを発射してきたのだ。
「させないよ!」
ウインクはそう言い、胸の部分にあるブローチをタップし……
「ウインクバリア!」
アイドルの前に出て、バリアでその攻撃を防いだ。だが、攻撃の勢いが強いのか、だんだんと押されてしまっていた。すると……
「ウインクナイス!」
ウインクの背後からアイドルが飛び出してきており……
「ふっ!はぁ!」
「!?」
そのままマックランダーに連続してパンチやキックを入れた……が、
「うわっ!?」
アイドルは反撃を受け、後ろへと吹き飛ばされてしまう……。
「とどめですぞ!好きなものは最後に食べるタイプの大爆発!」
「っ!?」
「マックランダー!」
それをチャンスと見るや、カッティーはマックランダーに指示を飛ばした。すると、マックランダーは頭に乗っている黒いさくらんぼを掴んで振り回し、アイドルに向かって投げようとした……その時、
「マッ!?」
「「えっ?」」
突然、マックランダーのさくらんぼを持った腕が、何かが当たったように後ろに引っ張られた。その衝撃で、持っていたさくらんぼを真上へと手放してしまう……。
「な、何が起きたのですぞ!?」
その状況に驚くカッティーだったが……
「んん……?」
マックランダーの腕に、透明だった鎌モードのヴラムブレイカーが突き刺さっているのが徐々に見えてきたのだ。
「!あれって……」
アイドルが目を向けた先では……
「ゼリーOVER!」
「っ……」
透明化から姿が戻っているヴラムが立っていた。そして……
「マックランダー!?」
マックランダーには、先ほどのさくらんぼが直撃し、そのまま爆発を引き起こしていた。その爆発の衝撃でブレイカーは腕から抜け、そのままヴラムの方へと飛んでいった。
「っ!」
それをヴラムは、難無く片手でキャッチした
「アイドル!」
「オッケー!クライマックスは私!」
マックランダーが爆発でダメージを受けるのを見たウインクはアイドルの名前を呼び、それに応えるようにアイドルはアイドルハートインカムを装着する。
「盛り上がって行くよー!」
それと同時に辺りを満員のライブ会場の空間へと変え、マックランダーはその中の席のうちの1つに強制的に着席させられる。そして……
「キミのハートにとびっきり♪元気をあげるね♪ゼッタイ!(ゼッタイ!)アイドル!(アイドル!)ドキドキが止まらない!急接近♪笑顔のユニゾン、応えてほしいな~サンキュー♪最高のステージで~キミと花を咲かそう♪」
アイドルは、自分の歌を披露し……
「プリキュアアイドルスマイリング!」
技でマックランダーを浄化し、閉じ込められていた女性を助け出した。
「くっ……またしても……!」
マックランダーが浄化されていくのを見て、カッティーはそう言って悔しがった……が、
「ですがストマック社……それにグラニュート。収穫も、ありましたな」
カッティーはそう言い残し、この場から消えていくのだった……。
◇
ハルマがプシーを倒し、プリキュアたちもマックランダーを浄化した直後……
「……」
全身をマントのようなもので覆った1つの影が、プシーの攻撃で傷ついた建物の上からその様子を………正確には、変身解除したハルマのことを見ていた。そのマントの後ろの方からは、長い尻尾のようなものが見えていて―――
「……?」
ハルマはその気配に気付いたのか、その影のいる方を向いたが……
「!」
影はその姿を見られる前に、何処かに去っていったのだ……。
「ハルマ君どうかしたの?」
「……いや、何でもない」
(気のせい……なのか……?)
ハルマは疑問に思ったものの、一先ずはこの場を後にしたのだった……。
◇
「……」
戦いが終わった後、うたたちは海辺の展望台へと訪れていた。
「うたちゃん、どうかしたの?」
「……うん、ちょっと反省」
「プリ?今日のステージも最高だったプリ!」
「うん、ありがとう……でも、カイトさんが助けてくれなかったら、れんじいちゃんがどうなっていたか分からなかった。その後だって、またハルマ君に助けてもらったし……私は……」
どうやらうたは、自分の不甲斐なさに対して悩み、落ち込んでしまっているようだ……。
「カイトさんが私よりも上手くウェイターできるからって、勝手に……拗ねて……ありがとうも、ちゃんと言えなかった……」
「プリ……」
「うたちゃん……」
すると……
「♪~」
「ん……?」
「この声って……」
どこからか歌声が聞こえてきたのだ。その歌声が聞こえた方に向かい、うたは駆け出して行った。ななとプリルンはその後を追いかけていき、ハルマもその場所へと向かった。その途中で……
「やぁ」
「……カイトさん」
うたが向かった方向から歩いてきたであろうカイトに出会った。そして……
「あの時はありがとう。おかげで助かったよ」
ハルマはカイトにそう礼を言われたのだ。
「……何のこと?」
どうやら声で正体がバレているらしく、ハルマはそう言って誤魔化そうとした。
「そっか……うん、そういうことにしておこう」
「……」
「じゃあ、またね」
カイトは事情を察している様子で、そう言い残してこの場から去っていった。
「……あの様子なら、言いふらしはしなさそうか」
ハルマはそう判断し、うたたちのところへと向かった。
「うたちゃん、どうしたの?」
「えっ!?ううん、何でもないよ?」
「「……?」」
合流すると、何故かうたが顔を赤くしており、ななとプリルンはその様子を見て首を傾げていた……が、
「あっ!ハルマ君!」
うたは自身のことから話題を逸らそうとし、合流したハルマへと声を掛ける。さらに……
「!そういえば……さっきグラニュートに何か訊いてたけど、何を訊いてたの?」
ハルマに向かい、そう訊いてきたのだ。
「大したことじゃないよ……それに、あいつは結局知らなかった」
『……1つ訊く』
『っ……?』
『お前は……
尻尾に針のあるグラニュートを知っているか?』
あの時、ハルマはプシーに両親の仇であるグラニュートのことを訊いていたのだ……。
「……」
(どこにいる………その時になったら、父さんと母さんが味わった以上の苦しみを―――)
「ハルマ君……もしかして、あの時訊いていたのって―――」
黙り込んだハルマを見て、うたが何かを訊こうとすると……
「お話し中のところ失礼します」
「「「!」」」
「……」
4人の目の前に、赤い眼鏡を掛けてスーツを着た男が現れたのだ。そして……
「あなた達、プリキュア……ですね?」
「「え……?」」
「プリ……?」
「そして、そちらは仮面ライダー……」
その男は3人の正体を知っている様で……
「お前……誰だ?」
ハルマはうたたちの前に出て、警戒しながらそう尋ねるのだった……。
読んでくださりありがとうございます。
今回は、ゼリーカスタムの戦闘を書いていきました。そして、ハルマの両親の仇であるグラニュートの情報も少しだけ出しました………その正体は、一体何者なのでしょうか……?
それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いいたします。