そして、先日この小説のUAが10000を突破しました。ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございます。これからもこの作品を、どうぞよろしくお願いします。
それでは、どうぞご覧ください。
「……」
ガヴとヴァレンを攻撃した蠍の尻尾をもつ人物は、攻撃するでもなくそのまま2人を見据えていた……だが尻尾の先は2人の方に向いており、いつでも攻撃できるようにしていた。
「っ……このままやられるかよ!」
「ケーキ」
「Setケーキ、Setケーキ」
ヴァレンはブシュエルゴチゾウをバスターにセットし……
「ブシュエル、フワフワ」
ブシュエルフォームへと姿を変え、武器である斧を持って駆け出していく。
「ハァッ!」
ヴァレンは謎の人物へと斧を振りかぶったが……
「……」
「なっ!?」
最小限の動きで避けられ、斧の柄まで掴まれてしまい……
「ぐあっ!?」
至近距離で蹴りを入れられてしまう。それによって吹き飛ばされ、ヴァレンは武器を手放してしまう……それを見たガヴは……
「やめろ!」
「ケーキ!」
「Eatケーキ!Eatケーキ!」
自身のガヴにケーキングゴチゾウをセットし……
「ケーキング!アメイジング!」
ケーキングフォームへと姿を変えた。
「ホイップパーティー!」
「行って!」
そしてガヴホイッピアからホイップ兵を2体召喚し、謎の人物へと向かわせた……が、
『『っ!?』』
「あっ!?」
尻尾の針で纏めて貫かれ、そのまま消えてしまったのだ。
「っ!ハァッ!」
ガヴはホイップ兵が一撃で倒されたことに驚いたが、すぐさまホイッピアからクリームを飛ばして攻撃を仕掛ける。だが、その攻撃を謎の人物は尻尾で落としたり、軽々と避けたりしていた。そして、隙を見て尻尾を伸ばし……
「ぐあっ!?」
突きの攻撃を連続で食らわせ、ガヴを吹き飛ばしたのだ。
「つ、強い……!」
ガヴは立ち上がり、再び立ち向かおうとしたが……
「っ!?な、何だこれ……体が痺れて……?」
その瞬間に体が痺れ、その場で膝をついて動けなくなってしまったのだ。
「……」
「!まずい……!」
謎の人物は、動けなくなったガヴに尻尾を伸ばし、攻撃を加えようとした……が、
「!」
「俺のことを忘れんじゃねぇ!」
ガヴに攻撃が届く前に、ヴァレンが尻尾に銃撃を放って防いだのだ。それを受けて、謎の人物は尻尾をヴァレンへと伸ばし、そのまま体を締め上げる。
「ぐっ……離せ……!」
そして、そのままヴァレンを地面に叩きつけようとした時……
「ハァッ!!」
「っ!?」
丁度その場に現れたヴラムが、謎の人物に鎌モードのブレイカーで攻撃を加えるのだった……。
◇
エージェントたちを倒したハルマは、逃げたアベクを追っていた。すると……
「!……あっちか」
戦闘音が聞こえてきており、ハルマはその方向へと走り出す。
「!ガヴとヴァレン……」
ハルマはその場所に着くと同時に、誰かを相手に戦闘しているガヴとヴァレンを見つける。そして……
「っ!?」
2人が戦っている相手―――針がついた尻尾を持つ人物を目にした……。
「あいつは……!」
その針がついた尻尾は、ハルマの記憶にあるものと同じで―――
「カップオン!」
「プディングヴラムシステム!」
「ハァッ!!」
ハルマはヴラムへと変身して飛び出し、そのまま謎の人物に急接近して鎌モードのヴラムブレイカーで攻撃していたのだ。
「っ!?」
その攻撃は謎の人物の体を狙ったものであったが、当たる直前で体制を変えられ、避けられてしまう……が、攻撃そのものは尻尾に当たり、それによって拘束は緩み、ヴァレンは解放されて地面に倒れ込む。
「絆斗!」
「……」
そして、変身解除された絆斗はそのまま気を失ってしまう……。
「ハル―――ヴラム、来てくれたのか……!」
ガヴは絆斗を助けたヴラムにそう声を掛けたが……
「……」
「ヴラム……?」
ヴラムはそれに何かを返すことなく、黙ったまま謎の人物の方を見ていた………そして……
「お前が……
お前があああああああ!!」
そう叫びながら、駆け出していったのだ。
「ハアアアアアアッ!!」
「っ!」
ヴラムはブレイカーを謎の人物へと振り、連続で攻撃を加えていく……だが、その攻撃は逆手に持たれた2本の短剣で正確に防がれており、ヴラム自身も普段とは違い、冷静ではない様子だった。
「!」
そんなハルマに向けて、謎の人物は尻尾を伸ばして刺突攻撃を連続で繰り出してきたが、ハルマは自身の足の速さを活かして避け、避け切れない攻撃はブレイカーの柄を盾にしながら逸らすことで防いでいく……が、
「ぐっ……!?」
逸らした尻尾がすぐさま方向を変えてハルマに向かってきており、そのまま背中に尻尾の先の針が刺さったのだ。それを受け、ヴラムはガヴと同じように体に痺れを感じた。
「こいつ……!」
だが、ガヴよりも軽いものだったのか、ヴラムは体を動かし、刺さった尻尾を掴んで反撃しようとする。その動きに反応し、謎の人物は咄嗟に尻尾を自身のところへと戻した。ヴラムは今までのダメージや痺れが効いてきたのか、その場に膝をついた……が、
「っ……お前は……お前だけは!!」
「セット!」
ブレイカーを弓に変形させ、そこにゴチゾウをセットして思い切りレバーを引き絞った。そして……
「ハァッ!!」
「ヴラムシューティング!」
謎の人物に向け、矢を何本も放った。その攻撃は、全て命中したものの……
「……」
「!ちっ……!」
謎の人物は無傷で立っていたのだ。すると……
「っ!」
ヴラムの攻撃によってマントがボロボロになってしまったのか、謎の人物はそれを体から取って地面に落とした。
「―――!」
その姿は体にはフード付きの黒のロングコートを着ており、顔には左目の部分がひび割れたように穴の空いている紫の仮面が……そして、仮面と同じ紫のサソリの尻尾が腰の部分から伸びたグラニュートの姿をしていたのだ。
「―――」
「っ……?」
そのサソリのグラニュートは、ヴラムの方を見つめながら何かを呟き、両手に持った短剣を腰のホルダーへとしまい……
「っ!」
「なっ!?」
この場から、ヴラム並かそれ以上のスピードで去っていったのだ。
「待て!!」
ヴラムはその後を追いかけようとしたが……
「っ!?」
ここに来る前の戦いで使ったゼリーカスタムでの副作用と、今の戦いでのダメージや体の痺れのせいか、その場に再び膝をついてしまった……。
「っ!!」
ヴラムはその状態のまま変身を解除し、黙ったまま自身の拳を地面に打ち付ける………その拳からは、血が流れていたのだった……。
◇
『チョワ!チョワチョワ!』
「ここが……?」
ハルマは、まだサソリのグラニュートからの攻撃の影響が残っているショウマの代わりに重傷の絆斗を抱え、チョコドンの案内に従ってとある場所に訪れていた。そこには寂れた平屋があり、ハルマとショウマはその中へと入り、地下へと続く階段を下っていく。
「すみません!誰かいますか?」
その中は研究室のようになっていて、ホルマリン漬けにされたものが所々に置いてあったのだ。そして、その奥からは……
「はいはいはいはい―――って、絆斗君?これは酷いねー……って君たちも大分……」
眼鏡を掛け、白いロングコートを着た若々しい壮年の男がいたのだ。
「あー、とりあえずそこに寝かせて」
「は、はい!」
「……」
その言葉に従い、ハルマとショウマは近くのソファーに絆斗を寝かせる。
「これから絆斗君の治療しちゃうから―――あっ、ちなみに俺は酸賀ね」
「!い、井上ショウマです……」
「……湊ハルマ」
「ショウマ君とハルマ君か……あ、どっかに救急箱あると思うから、適当に座って傷の手当て出来そうだったらしといて?」
酸賀はそう言い、絆斗の治療を始める。それを見たハルマは……
「……あった」
床にあるものの中から救急箱を見つける。
「……座らないの?」
「えっ?」
「傷の手当て」
「!あ、ありがとう」
近くの椅子に座り、救急箱の中を漁り始めたハルマは、立ったままでいるショウマにそう声を掛けた。椅子にショウマが座ったのを見て、ハルマは傷の手当てを始める。
「……」
「……」
「……あのさ」
「……何?」
しばらく黙ったままでいたが2人であったが、ショウマからハルマへと話しかけた。
「助けてくれてありがとう」
「……別にいいよ……これでどう?」
「うん、ありがとう」
すると、ショウマの傷の手当てが終わったタイミングで……
「君たちさ……
仮面ライダーのガヴとヴラム……だよね?」
絆斗の治療をしている酸賀がそう訊いてきたのだ。
「いや、人違―――」
「あ、はいそうで……!?いや、違いま―――」
「やっぱり!やっと会えたよ……!」
「……」
「ご、ごめん……」
ハルマはすぐに誤魔化そうとするが、その前にショウマが正直に肯定してしまう……そんなショウマに、ハルマは思わずジト目を向けた。
「あ、ショウマ君の方は久し振り!」
「……知り合い?」
「うーん………あっ!」
「おっ?思い出してくれたようで何よりだよ」
そう言って酸賀は、絆斗の治療を続けながらも自身の話を続けた。
「俺はグラニュート研究家でねー……あっ、絆斗君をグラニュートと戦えるようにしたのも俺だよ」
「……!」
(じゃあこの人が、絆斗を改造したのか……)
「……」
(人間にもニエルブみたいな奴がいるとはね……それにこれだけの研究資料、一体どこで……?)
ショウマは素直に絆斗を改造した酸賀に驚き、ハルマは周りにあるビンに入っているこの世界では手に入らなさそうなものの出処を疑問に思いながら、絆斗の治療が終わるのを待った。そして……
「……よし。このまま休んでいれば、意識も体も回復するでしょ」
「良かった……」
治療をした酸賀の言葉を聞き、ショウマは安心したようにそう呟いた。
「さて、コーヒーでも淹れますかねー……あ、君たちも飲むでしょ?」
「え?いや俺は―――」
「いいっていいって、遠慮しなくても―――」
そう言って酸賀はフレンドリーにショウマに触れた……その瞬間、酸賀はショウマの服についていた何かを取った………その後、ショウマは酸賀の淹れるコーヒーを待っている間……
「それでさ、さっきのことなんだけど……」
「さっきって……あぁ……」
ハルマにサソリのグラニュートと戦っていた時のことを訊いた。
「あのグラニュートと、何かあったの……?」
「……」
それを訊かれたハルマは、ガーゼや消毒液を片付ける手を止めながら、少しの間黙り込んだ。
「!ごめん……言いたくないなら―――」
「仇だよ……父さんと母さんの」
「!……そう、なんだ」
すると、ハルマは立ち上がり……
「どこに行くの?」
「あいつを探しに行く。それに、もうここに用はないし」
仇であるサソリのグラニュートを探しに行こうとする。
「!待って!」
「……何?」
「ハルマ君もケガしてるし、無理はしない方が―――」
ショウマはハルマのことを心配し、そう言ったのだが……
「無理なんてしてない………いや、無理をしてでもあいつを……!」
「ハルマ君……」
「それにやっと見つけたんだ……絶対に逃がさない」
「!」
ハルマはそのまま、ショウマの言葉も聞かずに、外へと出て行ってしまった………そんなハルマを見て……
「ハルマ君のこと、頼める?」
『ニョワニョワ!』
ショウマは自身のゴチゾウにハルマの後を追わせ、何かあれば知らせるように頼んだ。その直後……
「コーヒー淹れてきたよー」
コーヒーを淹れた酸賀が戻ってきたのだ。
「ってあれ?ハルマ君帰っちゃったの?」
「はい……」
「そっか……まぁ、ヴラムの方は今度見せてもらうとしよう」
「?何か言いました……?」
「ううん、独り言だから気にしないで」
「あ、ありがとうございます……」
ハルマが帰ったことを知り、酸賀は少し肩を落とした様子だったが、そう呟きながらもショウマにコーヒーを渡すのだった……。
読んでくださりありがとうございます。
ちなみに、ハルマの両親の仇である蠍のグラニュートの外見は、あるキャラクターの外見を参考にさせていただきました。そして、何気に酸賀も初登場しました……これからどのようにハルマと関わっていくのでしょうか……。
それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いいたします。