それでは、どうぞご覧ください。
エスコルと戦ってから数日後、ハルマは街中の怪しい場所に足を運び、エスコルのことを探し回っていた。
「♪~」
すると前の方から、ハルマが前に助けた紫髪のツインテールの少女が、音楽を聴きながら歩いてきていた。すると……
「うわっ!?」
「!」
その少女はつまづいてしまい、転びそうになってしまっていた。ハルマは咄嗟に、転びそうになった紫髪の少女を支える。
「大丈夫?」
「!は、はい……」
「なら良かった……次からは気を付けて」
怪我がないことを確かめたハルマは、すぐに紫髪の少女から離れようとする。
「あ、あの!」
「?」
「ありがとうございました!」
「……別にいいよ。それじゃ」
紫髪の少女から礼を言われたハルマはそう答え、すぐにエスコルを探しに戻っていく。
「あれ……あの感じどこかで……?気のせいかな……」
助けられた紫髪の少女は、ハルマに対して何かを感じたものの、そのまま学校へと向かって行った。
「……」
ハルマは少女と別れた後、人気のない倉庫のような建物へと辿り着いた。ハルマはここがヒトプレスの集積場だと思い、中にバイトやエージェントがいるときには情報を訊き出そうと中へと入って行く………が、その中には……
「!お前は……ジープ」
「!?処刑人……何でお前がここに……?」
その中には、ハルマにとっても予想外の人物……ストマック家から離れたジープとそのエージェントたちがいたのだ。
「!まさか……ランゴ兄さんの命令で、私を始末しに来たのか?」
「……は?」
ハルマがストマック社から追われている立場であることを知らないジープはそんなことを言い、エージェントたちもジープを守るように前へと出る。
「……」
(シータとジープが家出(?)をしたっていう話は聞いていたけど、まさかここで会うとは………それにしても、あっちは今の僕がどういう状況かを知らないのか……いや、そんなことよりも―――)
「……訊きたいことがある」
「?何を言って―――」
「……サソリのグラニュートの居場所を教えろ」
「サソリ……エスコルの……?」
(何でそんなことを……私を始末しに来たわけじゃないのか……?)
ハルマはジープに、自身の仇であるエスコルの居場所を訊いた。
「エスコル……ね」
(それが奴の名前か……)
「……で、どうなの?」
「……そんなこと知るわけないでしょ」
もちろん、今のストマック社のことを知る由もないジープに、エスコルの居場所など分かるはずもなく、ハルマに対してそう答えた。すると……
「それよりも、私を始末しに来たわけじゃないなら依頼したいことがある」
「依頼……?」
今度はジープがハルマにあることを依頼しようとしていた。
「……シータを奪った赤ガヴを殺して」
「……」
(なるほど……シータが死んだ話は本当だったのか……)
ジープはハルマに、ショウマを殺すように言ったのだ。ジープはハルマを使い、シータの仇を取るつもりでいるようだ……それを聞いたハルマは……
「……返答はこれだ」
「ヴラスタムギア」
「!お前、それは……!?」
「カップオン!」
「……変身」
「プディングヴラムシステム!」
ジープの前で、ヴラムへと変身する。
「お前、何でグラニュートハンターに……!?」
「教える気はないし、ショウマを殺す気もない……お前がエスコルの居場所を知らないなら……
ここでお前は終わりだ、ジープ……!」
「くっ……ガヴすらないくせに偉そうに……!」
それを見て、ジープは自身のミミックデバイザーからキーを抜き、姿をグラニュートのものへと変えた。その姿は薄い青を基調とした白い装甲を纏った狼の姿で、武器として双短剣を装備していた。
「フッ!」
「ハァッ!」
ヴラムは鎌モードのブレイカーを、ジープは双短剣を構え互いに駆け出していく。ジープの後ろからは、エージェントたちも銃で攻撃を仕掛けてきていた。エージェントたちの銃撃をブレイカーで防ぎながら、ヴラムはジープへと向かっていく。
「ハァッ!」
「っ!」
その銃弾を避け切った後、ジープがヴラムに連続で近接攻撃を仕掛けてきたが、それをヴラムは難無く防ぎ……
「セット!」
鍔迫り合いになった後でブレイカーを弓に変形させ、ゴチゾウをセットしてからジープの至近距離でレバーを引いた。
「ヴラムシューティング!」
「!?」
その攻撃は目の前のジープに当たるかと思われたが……
『『ぐあああああ!?』』
「なっ!?」
後ろからジープを援護しようと駆けつけていたエージェントたちに命中し、そのまま倒されたのだ。それに一瞬驚き、ジープに隙が生まれる……それを見逃さなかったヴラムは……
「っ!」
「ぐっ!?」
再び鎌モードへとブレイカーを変形させてジープの右腕に引っ掛け、そのまま地面に叩きつける。そして……
「ハアアアアアッ!!」
「ぐああああああっ!?」
そのまま地面を引きずるように走り出した。
「ハァッ!!」
「ぐあっ!?」
そうしてある程度引きずった後で、ヴラムはジープを地面に転がすようにして吹き飛ばした。
「ぐっ……こいつ、前よりも強く……!」
「ジープ……これでとどめだ」
「セット!」
ヴラムはブレイカーにゴチゾウをセットし、レバーを3回引き……
「……」
ゆっくりとジープへと近づいていく。
「ヴラムスラッシュ!」
「っ!」
ヴラムはブレイカーを振り下ろし、ジープにとどめを刺そうとした……が、
「ここで……終わってたまるか!!」
「っ!?」
ジープはとどめが刺される直前で自身の眷属を目の前に生み出したのだ。ヴラムの攻撃は、生み出された直後のエージェントに当たってしまった。
「くっ……!」
それによって爆発が起き、辺りは煙に包まれた。ヴラムは爆発が起きた瞬間に後ろへと飛び退いており、その後すぐさま煙の中へと走り、ジープのことを探した。
「っ……逃がしたか」
だが、ジープは既に逃げており、それを確認したヴラムは変身を解除する。
「……今はエスコルだ……早くあいつを―――」
ハルマはそう呟き、建物の外へと出ていくのだった……。
◇
「初めましてですね。うた先輩、なな先輩。私、キュアアイドル&キュアウインク研究会の会長で1年生の紫雨こころです」
一方で、紫髪の少女……こころは登校の途中でうたやななと出会い、礼儀正しく自己紹介をしていた。
「キュアアイドルとキュアウインクの大ファンなんだよ」
「はい!心キュンキュンしてます!」
「「心……キュンキュン?」」
その言葉にうたとななの2人は首を傾げる。
「こころちゃんはダンスが上手でね、振り付けとかを教えてくれたりするんだよ!」
「良かったら先輩たちも研究会来てください。今日の昼休みに活動しますから」
こころは2人にそう言ってから、先に行こうとしたが……
「あっ、そうだ―――」
「「「?」」」
急に足を止めて振り向き……
「お2人は……
ヴラムさんのことって、知ってますか?」
「「!?」」
「ヴラムって……仮面ライダーの?」
「はい……私、その人を探していて―――」
急にそんなことを訊かれ……
「な、なななな何で―――」
うたは思い切り動揺していた。
「!もしかしてうた先輩、ヴラムさんのこと―――」
そんなうたを見て、こころは何かを知っていると思いそう言ったが……
「こころちゃんは、何でその人を探しているの?」
「えっ?」
ななにそう訊かれたこころは、3人と歩きながら自身がヴラムのことを探している理由について話し始めた。
「私、この前助けてもらったんです……でも、ヴラムさんはすぐに何処かに行っちゃって……」
「!だから探して……」
「はい……私、ちゃんとお礼を言いたいんです!」
どうやらこころは、助けてもらったときにお礼を言えなかったことを気にしているようで、ヴラムに直接会って礼を言いたいらしい。
「あっ、それじゃあ私はここで」
「うん、また昼休みにね!」
「はい!」
そうして学校に着き、こころは学年の違う3人とは別れ、1年生の教室へと向かっていく。
「こころちゃん、ハルマ君のことを探してるなんてね……」
「うん、何とかしてあげたいけど……あっ―――」
(もしかしたら……)
うたは自身の教室に向かいながら、あることを考えるのだった……。
◇
「くそっ……もう直接あっちに乗り込むしかないのか……」
ジープと交戦した後も、ハルマはエスコルを探し回ったものの、見つかるのはバイトばかりでこれと言った情報は入手できていなかった……すると……
「?あれは……」
「さいなランランプリ~!」
「ちょ、待ってよ!」
何故かうたたちと離れて行動しているプリルンと、それを追いかけるこころを見つけたのだ。
「今朝の………あれは何してるんだろ……」
こころから逃げるプリルンの方を見て、ハルマは呆れたようにそう言うが……
「……」
(仕方ない……)
そう思いながらも、2人の後を追っていく。
「……あなた、ぬいぐるみじゃないでしょ」
「プリ!?」
ハルマが2人に追いついた頃には、プリルンは路地裏まで逃げたところでこころに追いつかれていた。ちなみにハルマは、2人に気付かれないようにその様子を建物の上から見ていた。
「……一体何者なの?」
「プリルンはぬいぐるみのふりをしないといけないプリ!本当は……キラキランドの―――」
「オッケー、大体把握したから」
プリルンが全部言ってしまいそうになるが、その前にこころがそれを止めた。
「ねぇプリルン。プリルンがあのCMに出ていたってことは、アイドルプリキュアと知り合いなんだよね?」
「そうプリ」
「!なら、お願いがあるんだけど」
「お願いプリ?」
「うん」
そうしてこころがプリルンに何かを頼もうとした………その時、
『人間……?ここで何をしている』
「「!?」」
近くにあったドアから、ストマック社のエージェントが出てきており、こころとプリルンを見つけてしまったのだ……近くの建物が丁度集積場だったらしく、その手にはヒトプレスの入ったケースがあった。
「だ、誰なんですか?」
『知る必要はない』
「っ!?」
エージェントはそう言って、銃を向けてこころとプリルンに迫っていく………が、
「フッ!」
『!お前は……!』
「!あなたは今朝の―――」
ハルマが建物の上から飛び降り、エージェントの前に立ちはだかる。
「ハルマ!」
「えっ!?まさかプリルンと知り合いなの!?」
「そうプリ!」
プリルンがハルマの名前を呼んだことで、こころに2人が互いに知り合いであることがばれてしまった……。
「っ………とにかく下がってて」
「カップオン!」
「変身」
「ゼリーヴラムシステム!」
プリルンに何か文句を言いたげなハルマだったが、今は目の前の敵を倒すことを優先してゼリーカスタムへと変身する。
「え……ええええええっ!?」
目の前でハルマがヴラムに変身したことに対し、こころは声を上げて驚く……何せ、今朝会った人物が自身が探していたヴラムであるとは、夢にも思わなかったのだろう……。
「フッ!」
『ぐっ!?』
そんなこころを余所に、ヴラムは鎌モードのブレイカーでエージェントに攻撃を食らわせていく。
『っ!』
エージェントも反撃をしていくが、ヴラムは最小限の動きで攻撃を避け……
「っ!」
『ぐあっ!?』
そのままパンチでカウンターを入れて吹き飛ばしたのだ。そして……
「お前に構っている暇はない」
「セット!」
「インビジブルゼリー!」
ヴラムはブレイカーにゴチゾウをセットし、ギアのレバーを下げてからその姿を消した。
「き、消えた……!?」
『!どこにいる……』
物陰に隠れて戦いを見ていたこころはヴラムが姿を消したことに驚き、エージェントは後ろにゆっくりと下がりながら、ヴラムが姿を消した方に銃を向けて警戒していた。だが……
『っ!?』
「……」
「ヴラムスラッシュ!」
ヴラムは処刑人時代に培った技術で気配を悟らせずにエージェントの背後を取り、鎌モードのブレイカーで急所を突いた。
『―――』
「ゼリーOVER!」
そのままエージェントは断末魔を上げることなく消滅し、それを確認したヴラムは近くにあったヒトプレスの入ったケースを開け、攫われた人たちを解放しようとするのだった……。
読んでくださりありがとうございます。
今回で、こころがヴラム……ハルマと再会しました。ここから2人の関係はどうなっていくのでしょうか……。
それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いいたします。