それでは、どうぞご覧ください。
「はい、ホットミルク。気持ちがほっこりするよ」
「!うた……ありがとうプリ」
「ありがとう、うたちゃん」
「うん、どういたしまして」
うたとななとプリルンは、ハルマやこころと別れた後グリッターに集まっており、3人でホットミルクを飲んでいた。
「こころちゃん、大丈夫かな……」
「こころちゃんはきっと、驚いちゃったんだと思う……私たちのことにも、ハルマ君のことにも……私だって、ハルマ君のことは、まだ少し混乱してるし……」
「ななちゃん……」
「でも、ハルマ君はみんなを攫うグラニュートとは違う。初めて会った時から、みんなを守ってくれてた……それは確かだから」
ななはうたの方を見つめながら、そう口にした。
「うたちゃんは……大丈夫?」
「……実を言うと、私もびっくりしちゃってる……だからって、ハルマ君のことを嫌いになるわけないんだけどね」
あの場でのグロッタの話を聞いても、うたとななはハルマのことを信じてくれているようだ。一方で……
「……」
「……プリルン?大丈夫?」
プリルンはうたたちとの会話に入らず、黙り込んでしまっていた。
「プリルンのせいプリ!」
「プリルン……」
「プリルンのせいで、こころは……」
アイドルハートブローチをこころに渡したプリルンは、自分たちの戦いに巻き込んでしまったことで自身を責めていたが……
「……あなたが弱気になってどうするのです?」
「!タナカーン……」
「プリルンは最後のアイドルハートブローチを一度はこころさんに渡した……それには理由があるのでしょう?」
タナカーンはそう言い、プリルンを励ました。
「プリ……こころはすっごくキラキラしていたプリ。だから……こころはきっとアイドルプリキュアだって思ったプリ……!」
「ならば、その輝きを信じてみてはどうです?」
「プリ……?」
「どういうことですか?」
「彼女の持っている輝きが本物なら……そう簡単に消えはしないのでは?」
そんな話をしていると、うたのアイドルハートブローチが鳴り出し……
『お久し振り……というほどではありませんね』
「!女王様……?」
そこからピカリーネの姿が映し出されたのだ。
「急にどうしたんですか?」
『あの子の……ハルマの正体を知ったのですね』
「!もしかして女王様、初めから……」
『えぇ……最初に見た時から、あなたたちとは何かが違いましたから。ただ、グラニュートだということは、私も初耳でしたが……』
ピカリーネはハルマを初めて見たときから、人間ではないことに気付いていたようだ……その正体までは、予想できていなかったが。
『彼が自分から明かすまで、このことは隠しておくつもりでした……彼が明かすことが無ければ、私もこのまま黙っておくつもりでしたが……』
ピカリーネはハルマ本人が話すまでは、黙っているつもりだった……が、今回のように知られてしまうとは思いもしなかったようだ。すると……
「……私、ハルマ君のことちゃんと知りたい!それに……あのままなんて、私はいやだ」
「うたちゃん……うん、私も!」
「プリルンもプリ!」
3人は揃ってそう言い、ハルマの口から話を聞くことを決めた。
『あなたたちなら、そう言うと思いましたよ』
その言葉に、ピカリーネも安心した表情を浮かべる。その直後……
『すぃー』
「ん?今―――」
何やら聞き覚えのない声が聞こえてきたのに気付いたうたは、その声が聞こえてきた方を見た。そこには……
『すぃー!』
「「えっ!?」」
「プリ!?」
「!?」
『これは……』
いつの間にかうたたちについてきていた、すぃ~ヨウカンゴチゾウがいたのだった……。
◇
「……」
(すっごく、キラキラしてたな……あんなに強い気持ちでモンスターに立ち向かって……笑顔は、キラキラで―――)
こころはダンスの練習をした後で座り込み、ふと今日の出来事を思い出していた……。
(ハルマ先輩も、あんなのに物怖じ一つせずに立ち向かって……でも―――)
『さすが処刑人、いえ……私たちの従兄弟ね』
「!違う……ハルマ先輩が化け物と同じわけ―――ううん、そうだったとしても……」
こころは自身が嫌なことを考えてしまっているのに気付き、思わずそう呟いた。
「……帰ろう」
こころはそう呟くと、自身の家へと帰っていった。そうして扉を開け、玄関へと入った………すると……
「お帰り、こころ」
「!お母さん……うん、ただいま」
普段は仕事が忙しく、この時間にはいないこころの母……愛がこころを出迎えたのだ。
「今日は仕事が早く終わったの」
「そ、そうなんだ」
「……こころ、何かあったの?」
「えっ……!ううん、何でもないよ」
そう言いながら、こころは自身の部屋へと戻っていく。
「やっぱり、何かあったのかしら……」
愛はそう呟き心配していたが、何があったのかを深く訊くようなことはぜずに、そっとしておくことにした。
「……」
部屋に戻ったこころは、壁に貼ってあるキュアアイドルとキュアウインクのポスターが視界に入ると……
「っ……」
それを剝がし、さらにはアクリルスタンドも段ボール箱の中へと仕舞っていく……そして……
「私、こころキュンキュン……して……ません………っ!」
そのまま蓋をし、押入れの中へと入れてしまった。
「これで、いいんだ………私には先輩みたいなこと、できっこないんだから……」
そうしてこころは、涙を流しながらもそう呟くのだった……。
◇
その日の夜……
「!」
「プリ!」
うたとプリルンはベッドの上で眠っていたが、途中で目を覚ましてしまう……。
「やっぱり、こころのことも気になるプリ!」
「私も……2人ともキラッキランランにしてあげたい!」
「プリルンもプリ!」
やはり2人とも、こころとハルマのことが気になって眠れないようだ。
『すぃー……すぃー……』
一方ですぃ~ヨウカンゴチゾウは、2人の近くで眠ったままでいた………どうやら今夜は、ここにいることに決めたようだ。
「決まりだね!それじゃあ……まずは寝よう!」
「プリ!」
そうして2人は、すぐにまた眠りにつくのだった……。
◇
ショウマと別れたハルマはゴチゾウたちとともに、いつの間にかいなくなっていたすぃ~ヨウカンゴチゾウを探していた……が、
『ぷる』
「そっちにもいないか……」
中々見つけられずにいた。すると……
『ザク!』
「ん?ショウマのゴチゾウ……?」
ハルマのもとに、ザクザクチップスゴチゾウがやってきたのだ。その様子は、何処か焦っているように見えた。
『ザク!ザクザク!』
「!ショウマが?」
ゴチゾウによると、ショウマが外で倒れてしまったようで、助けを求めにハルマのところへ来たようだ……。
「分かった。案内して」
『ザク!』
ハルマはゴチゾウに案内され、ショウマのところへと向かう。そして……
「!いた……ん?」
ハルマは倒れているショウマを見つけたが……
「!誰だ」
「ややっ!?」
ショウマの近くにいた人影が何かをしようとしているのを見て、ハルマはそう問いかけた。
「!グラニュート……!」
その人影は人間の服装で変装していたものの、カエルとクジラの中間のような顔をしたグラニュートだったのだ。ハルマは鎌モードのヴラムブレイカーを構え、その切っ先を目の前のグラニュートに向けた。
「ショウマから離れろ」
「ま、待っとくれ!ワシは―――」
ハルマは今にも、攻撃を加えようとしたが……
『ザク!』
「っ!なに?」
『ザクザク!ザク!』
「味方?……こいつが……?」
『ザク!』
肩に乗ってきたゴチゾウに止められ、目の前のグラニュートを見つめる。
「そ、そうなんじゃよ!お主は……ショウマの友達かの?」
「!……そう、だけど」
(このグラニュート、何でショウマのことを……)
ハルマは目の前のグラニュートに対し、そう答えた。
「なら、ショウマのことを運んでくれんか?ワシなら、ショウマの治療ができる」
「……」
ハルマは警戒した様子でいたが、気を失っているショウマを見て……
「……分かった」
「おぉ!助かるぞい!」
そのグラニュートの言葉を信じることにし、ブレイカーを下ろしてショウマを抱え、そのグラニュートの後をついて行くのだった……。
◇
「あいつら……絶対に許さねぇ!」
酸賀のところから去った絆斗は、自身の母親が攫われた場所にあるベンチに座り、今日の出来事を思い出しながらそんなことを呟いていた……すると……
「ん?社長から……?」
何でも屋はぴぱれの社長である幸果が、とある連絡をしてきたのだ。その連絡というのが……
『行方不明だった人たち、全員帰ってきたよ!もちろんタケシ君も!』
「!?」
今まで行方が分からなくなっていた人々が、戻ってきたというものだった。
「どういうことだ……何で急に……?」
絆斗は行方不明者たちが突然帰ってきたことに疑問を覚えたが……
「!まさか、あの時―――」
ふと、ショウマとハルマが同じグラニュートであるはずのグロッタと戦っていたことを思い出した。
「あいつらは、攫われた人々を取り戻そうとして……そもそも、ショウマは最初から……いや、でもハルマは……ん?また社長から―――」
『あとあと、何かもう1人仮面ライダーもいるっぽい。最近じゃ、その仮面ライダーに助けてもらったっていう投稿がSNSで増えてきてるらしいしね』
「新しい仮面ライダー……あいつ、俺の知らないところで―――」
さらにはハルマが、自身の知らないところで多くの人間を助けていたことを知り……
「……もう一度、話を聞くべきだな。あいつらの……ショウマとハルマの口から直接」
絆斗は冷静になり、2人の口から話を聞くことを決めた……その時、
「……」
「!早速いた……おーいショウマ!」
ショウマらしき人物を見つけ、咄嗟に声を掛けた……が、その人物はそのままどこかへ歩いていってしまう……。
「!待ってくれショウマ!お前に話が―――って、いねぇ……」
絆斗はその人物を追い掛けたが、その姿を見失ってしまった。
「……また、明日だな……」
ショウマらしき人物を見失った絆斗は、明日改めてショウマに会うことにするのだった……。
◇
絆斗がショウマらしき人物を見てから少しして……
「……」
「おう!兄ちゃんいらっしゃい!」
別の場所でとある人物が、屋台に来店していた。その人物は絆斗が見たのと同じ人物で………何故かショウマと完全に同じ顔をしており、着ている服もショウマがいつも着ている服を黒色にしたものだったのだ。
「何が食いたいんだ?」
その屋台の店主は、ショウマ(?)にそう言ったが……
「っ!」
「お、おい!?」
ショウマ(?)は目の前の食べ物を素手で勝手に食べ始めてしまったのだ。
「ちょ!?な、何してんだ!」
店主はそれを止めようとしたが……
「うるせぇ!」
「ぐあっ!?」
逆に突き飛ばされ、地面へと倒れてしまう……。
「ちっ、これでもねぇのか……」
ショウマ(?)は舌打ちをしながらそう言い、自身が突き飛ばした店主には目もくれず、その場から去っていくのだった……。
読んでくださりありがとうございます。
そして今回、ハルマとあるグラニュートが出会うこととなりました。そのグラニュートとは一体……さらには、黒いショウマ(?)も出て来ましたが……?
それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いいたします。