それでは、どうぞご覧ください。
「ハァッ!」
「ぐっ!?」
ダークショウマが変身したビターガヴと対峙する絆斗だったが、変身する隙を与えられないまま胸ぐらをつかまれ、近くにあった柱に押し付けられてしまう……。
「容赦ねぇな……ならこっちも、遠慮なくやれるぜ!」
「っ!?」
だが、絆斗はヴァレンバスターを至近距離でビターガヴの腹の部分に向けて撃ち、その手を離させたのだ。
「チョコ!」
「Setチョコ!Setチョコ!」
その隙に絆斗はチョコドンゴチゾウをセットし、変身しようとした。
「このっ!」
「うおっ!?」
絆斗はビターガヴに投げ飛ばされるものの……
「変身!」
「チョコドン、パキパキ」
「ハァッ!」
地面を滑りながらも変身し、バスターから銃撃を放っていく。
「っ……まだ、身体が硬ぇようだ……!」
ビターガヴは、攻撃を受けたことで外れた腕の関節をもとに戻すと……
「フッ!ハァッ!オラッ!」
「ぐあっ!?」
ヴァレンに連続してパンチを浴びせていく。その後、ヴァレンを蹴り飛ばしながら空中で一回転し、着地しようとしたが……
「オラッ!」
「ぐっ!?」
着地する直前に、ヴァレンが体を後ろに仰け反らせながらもバスターを撃ち、ビターガヴに攻撃を命中させたのだ。
「グラニュートは、俺がぶっ倒す!それがショウマ、お前でもだ!」
「ごちゃごちゃと……何言ってるか分かんねぇな!」
「ぐっ!?」
向かってくるヴァレンに対し、ビターガヴは自身のガヴからショウマの使う武器を禍々しくした見た目のビターガヴガブレイドを、ヴァレンに向けて発射したのだ。それはヴァレンに命中し、そのまま地面へと倒れる。
「っ……おぉ?」
ビターガヴは地面に落ちているブレイドを拾ったが、持ち上げた瞬間によろけてしまっていた。
「ハァッ!」
それを隙と見たヴァレンは、接近戦を仕掛けるが……
「フッ!」
「ぐっ!?」
「ハァッ!」
ビターガヴは武器の重さを利用し、連続して斬撃を加えていったのだった……。
◇
「!いた―――って、ヴァレンもいるのか……」
デンテの隠れ家から駆けつけたハルマは、その足の速さのおかげで時間をかけずにビターガヴを見つけた……が、戦っているヴァレンもいるのを見て、思わずそう呟いた……グロッタによってショウマや自身の正体をばらされた時、絆斗はショウマに殴りかかろうとしていたため、ハルマの絆斗に対する好感度は下がっている状態なのだ……。
「ヴラスタムギア」
「……どちらにしろ、黒いガヴの方はここで倒す」
「カップオン!」
「変身」
「プディングヴラムシステム!」
ハルマはヴラムへと変身すると……
「セット!」
すぐさま弓モードのヴラムブレイカーにゴチゾウをセットした。そして……
「ヴラムシューティング!」
「っ!」
そのまま矢を放ったのだ。放たれた矢は……
「ぐっ!?」
「!」
見事にビターガヴの方へと命中したのだ。
「ヴラム……!?」
「あ?もう1人いたか……」
ビターガヴはヴラムを見つけると……
「ハァァァァッーー!!」
手に持ったブレイドを地面に引きずりそうにながらも、ヴラムへと攻撃を仕掛けるために走り出していく……が、
「っ!」
「ぐっ!?」
ヴラムはそれを歩きながら軽々と避け、確実に攻撃を加えていく。ビターガヴは続けて攻撃を仕掛けるも、ヴラムは回避と攻撃を繰り返していく。それを続けているうちに、ビターガヴの持つブレイドは地面へと突き刺さった。
「ちっ、避けんな!」
それにしびれを切らしたビターガヴは、地面からブレイドを引き抜くのと同時に、ブレイドにあるボタンのガルプダウを押した。それと同時に引き金を引き、ヴラムに向かってエネルギーを纏った斬撃を食らわせようとした。
「っ!」
その攻撃はヴラムに回避されたが、地面を激しく破壊したのだ。
「……さっさと終わらせる」
「カップオン!」
「ゼリーヴラムシステム!」
それを見たヴラムは、早く倒してしまう方がいいと判断したのか、ゼリーカスタムへと姿を変え……
「カップREADY!」
「インビジブルゼリー!」
すぐさまレバーを倒し、その姿を消したのだ。
「!どこ行きやがった……」
突然姿を消したヴラムを、ビターガヴは探そうとしていたが……
「ぐっ……!」
背後からの攻撃を食らい、ヴラムがいるであろう方向へ攻撃を仕掛ける。その攻撃は透明なヴラムに当たるはずもなく……
「ぐあっ!?」
そのまま連続で攻撃を食らったのだ。
「ゼリーOVER!」
「!?」
ヴラムはビターガヴの背後に姿を現すと……
「ハァッ!」
「ぐあっ!?」
右脚に力を込め、思い切り蹴り飛ばしたのだ。蹴り飛ばされたビターガヴは壁へと叩きつけられ、そのまま地面へと倒れていく。そして……
「終わりだ」
「セット!」
ヴラムは弓モードのブレイカーにゴチゾウをセットすると、ビターガヴへと狙いを定め……
「ヴラムシューティング!」
矢を放ちとどめを刺そうとした……が、
「っ!?」
何故かヴァレンがブレイカーを狙って攻撃してきたのだ……。
「!」
その隙にビターガヴは、近くのフェンスを乗り越えて逃げてしまったのだ。
「っ……逃げたか………」
そう呟き、ヴラムは変身を解除する。そして……
「……で、どういうつもり?」
急に攻撃してきた絆斗を、少しだけ睨み付けながらそう訊いた。
「っ……それはこっちの台詞だ。お前、ショウマと手を組んでたんじゃないのか?」
「ショウマ……?」
ハルマは絆斗の言葉に疑問を覚えたが……
「何を言って―――あぁ……そういう………」
何かを察すると納得したようにそう言い、それから冷たい目で絆斗の方を見る。
「!な、何だよ……」
「別に……そっちこそ、グラニュートだからってだけで、ショウマを倒そうとしたんじゃないの?」
「!それは……」
ハルマの言葉に、絆斗は思わず黙り込んでしまう……。
「……」
(普通、人間なんてそんなもんか………でも、このままにしておくのも―――)
そんな絆斗を見て……
「……1つだけ言っておく」
「……?」
「さっきのはショウマじゃない」
「は?どういうこ―――って、おい!」
ハルマはそれだけ言い残すと、この場から去っていった……。
「どういうことなんだよ……」
絆斗はハルマが去った後、1人そう呟くのだった……。
◇
「はぁ……はぁ……!」
その頃、アイドルプリキュアの研究会を休んだこころは、1人でダンスの練習をしていた。
「っ……」
(おかしい……踊っても踊っても、頭から離れない……2人のことが……!)
こころはアイドルプリキュアの2人のことが頭から離れないことに、戸惑いを覚えていた……。
(それに……何でハルマ先輩のことまで……!)
それに加えて、助けられた時からにはなるものの、アイドルプリキュアと同じくらい追いかけていたヴラム……ハルマのことも忘れられずにいたのだ………すると……
「キミのハートにとびっきり♪」
キュアアイドルの歌である笑顔のユニゾンを口ずさんでいた……。
「っ……」
(追いかけないって、決めたのに……)
すると……
「キミのハートにとびっきり♪元気をあげるね♪」
「!……うた先輩、なな先輩、プリルン……」
「ここでダンスの練習してるかもって、おばあさんから」
「そうなんですね……見られちゃいましたね、踊っちゃってるところ……」
『……』
「アイドルプリキュアにも、ハルマ先輩みたいにもなれないって、分かってるのに………こころキュンキュンしてないって……さよならしたのに……忘れられないんです!!」
涙を流しそうになりながらも、そう言うこころを見て……
「プリーー!!」
「……!」
プリルンも涙を流しそうになりながら、こころへと飛びついたのだ。こころはそんなプリルンを優しく抱きしめた。
「大好きでも、憧れでも、なれないなら……忘れたいのに……!」
そんな言葉をこぼしながら、こころはついに涙を流し始めた……。
「!泣いてませんから……」
自身が涙を流していることに気付いたこころは、自身の顔を隠すように2人から顔を逸らした……そんなこころを見て、うたとななはゆっくりと近づいていき……
「こころちゃん」
「……何ですか……」
「我慢しなくて、いいんだよ?」
「!……何ですか、それ……!」
「泣きたいときは、泣いていいってこと」
「うん、きっと辛くなっちゃうから……こころに蓋をしちゃうとね」
「!……うぅ……うああああああ!!」
その言葉を聞いたこころは、これまで我慢していたものの、ついに3人の目の前で大泣きしてしまった。それから少しして……
「ありがとう、プリルン」
「プリ!」
「ありがとうございました。気持ち、何だかスッキリしました」
「ううん、こころちゃんは……ゼッタイ♪アイドル♪」
「!」
「ドキドキが止まらない!急接近♪笑顔のユニゾン、応えてほしいな~サンキュー♪最高のステージで~キミと花を咲かそう♪」
うたとななはこころの手を引き、プリルンはこころの肩に乗った。こころはそれに釣られ、日の当たる明るい方へと連れ出されていった。
「先輩……突然歌うの、ずるいです」
「そう?」
「普通は歌いませんもん……!」
「えへへ……歌いたいときに歌う!それが咲良うたです!」
「そうだね!」
「プリ!」
そんなやり取りをして、こころも少しだけ笑顔を取り戻した。すると……
「あ、そうだ……こころちゃん」
「!な、何ですか?」
こころは、急に真剣な表情になったうたにそう訊くと……
「私たちと一緒に、またハルマ君に会ってくれない……かな?」
「!ハルマ先輩に……?」
「うん……ハルマ君のこと、私たちちゃんと知らないなって……」
「……!」
その言葉を聞き、こころは……
「……」
(私も、ハルマ先輩の秘密を知ったんだ。だから―――)
「こころちゃん……?」
「分かりました。私もハルマ先輩のこと、もっと知りたいですから」
「!ありがとう……!」
こころはそう言い、ハルマと会うことを約束した。
「あ、でも……ハルマ先輩が何処にいるか分かるんですか?私が見つけたときは、偶然だったのに……」
「!そ、そういえば……」
そんな風に心配するこころであったが……
「!それなら……」
「「「……?」」」
『?すぃー?』
ななは何かを思いついたように、いつの間にかうたの肩に乗ってきていたすぃ~ヨウカンゴチゾウを見るのだった……。
◇
「で、ザックリ言って何だよ?」
「プリルンとか言う妖精、『こころは絶対に、アイドルプリキュアプリ!』とか言っておいて、全然違ったっていう話ですぞ」
「はぁ?何だよそれ……」
カッティーは、この前あった出来事を拠点であるバーでザックリーに話していた。
「カッティー、あんたって奴は……全然分かってないね」
「チョッキリーヌ様?」
「少しでも可能性のある奴の芽は摘むんだよ……容赦なく、チョッキリとね」
そう言ってチョッキリーヌは、ビリヤードの球を突いた。すると……
「!あぁそういえば……」
「何だよ、まだ何かあんのか?」
「ヴラムの正体はどうやら、グラニュートらしいですぞ」
「「……はぁ!?」」
カッティーから話されたハルマの正体に、2人は思わず驚きの声を上げた。
「その話、マジなのか!?」
「えぇ、何でもヴラムと戦っていたグラニュートが『さすがは、私たちの従兄弟ね』……とか、言っていましたので―――」
「そんな大事なこと、何ですぐに言わないんだい!」
「!す、すみません……」
すぐさま謝ったカッティーであったが……
「まぁいい………ザックリー!今回はあんたが行きな」
チョッキリーヌはザックリーに対し、そう指示をするのだった……。
読んでくださりありがとうございます。
余談ですが、作者は本日ガヴの映画を観てきました。この小説でも、映画の話は書いていきたいと思います。ただ、結構先の話になると思いますので、気長に待っていただけると幸いです。
それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いいたします。