歌姫たちと復讐の騎士   作:アキ1113

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 今回はいよいよ、あのプリキュアがデビューとなります。

 それでは、どうぞご覧ください。



第27話 こころの叫び

 

 ビターガヴとの戦闘の後、ハルマはデンテから人間界の菓子を受け取るために、隠れ家へと戻っていた。すると……

 

 「!ハルマ君!」

 

 「おぉ!戻ったか!」

 

 目が覚めたショウマとデンテがハルマのことを見つけ、そう声を掛けてきたのだ。

 

 「それで……どうじゃった?」

 

 デンテからビターガヴについて訊かれたハルマは……

 

 「強くはなかった……でも―――」 

 

 「でも……?」

 

 「放っておくと、厄介なことになるかもしれないよ」 

 

 戦闘の中で何かを感じ取ったのか、そう答えたのだ。すると……

 

 「あと……ショウマは特に気を付けた方がいいよ。中身は何故か、姿が一緒らしいし」

 

 「!……そう、だね。気を付けるよ」

 

 ハルマはショウマにそう忠告した。

 

 「ハルマ君」

 

 「?」

 

 「まずは、ここまで俺のこと運んでくれてありがとう」

 

 「礼なら自分のゴチゾウに言った方がいいよ。ゴチゾウがいなかったら、僕もショウマのところに行ってなかったし……僕が来なくても、デンテ叔父さんが来てたよ」

 

 ハルマはいつものようにそう言ったが……

 

 「ハルマよ、こういうのは素直に受け取っておいた方がいい!それにお前たちは従兄弟なのじゃから、もっと仲良くせい!」

 

 デンテはそう言い、2人の肩に手を置く。

 

 「おぉそうじゃハルマ、これからはショウマのことを兄と呼んではどうかの?」

 

 その言葉に対し……

 

 「俺はいいけど、ハルマ君は―――」

 

 ショウマは自身はいいものの、ハルマの方はどうかと思い、そう言ったのだが……

 

 「……ショウマ兄」

 

 「えっ?」

 

 「ショウマ兄っていうのは?」

 

 ハルマはすぐさま、ショウマにそう訊いていたのだ。どうやら、ショウマのことを兄と呼ぶことが嫌というわけではないようだ。

 

 「!……分かった。改めてよろしく!」

 

 「……よろしく」

 

 こうしてハルマは、ショウマのことを「ショウマ兄」と呼ぶことにしたのだ。

 

 「あと……デンテ叔父さんから聞いたんだ。俺の叔父さん……ハルマ君のお父さんのこと」

 

 「!」

 

 ハルマはそれを聞き、思わずデンテの方を向いた。

 

 「あぁ、ショウマにもお主にした話をしておいた。一応、ショウマも知っておいた方がよいと思っての」

 

 「……」

 

 ショウマはハルマがいない間に、デンテからオースのことについて聞いていたようだ。

 

 「俺、頑張るよ」

 

 「……?」

 

 「オースさん―――ううん、オース叔父さんのためにも、人間を守るよ」

 

 「そっか……それよりも調子は?」

 

 「うん、気を失う前よりは大分ましになったよ」

 

 その言葉を聞いたハルマは……

 

 「なら……早く仲直りしてきたら?」

 

 「えっ?それってどういう―――」

 

 「叔父さん、これありがとう」

 

 「ん?もう行くのか?」

 

 「また何かあったら来るよ」

 

 デンテから貰った菓子を持ち、隠れ家から去っていくのだった……。

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 「ん……?」

 

 ハルマがビターガヴと戦った次の日の朝、ダンスの練習に行っていたこころが帰り道を歩いていると……

 

 「本日開催、キュア―――2人のライブ?今日……これから……?」

 

 アイドルとウインクのライブの看板を見つけたのだ。その看板を見て疑問を覚えながらも、こころはその場所へと行ってみることにした。

 

 「こんなところでホントに……」

 

 こころがライブ会場へと到着すると、既に多くの人々が集まっていた。その中には……

 

 「あっ、寸田先輩……!」

 

 こころをダンス部に誘ってきていた寸田もいたのだ。すると……

 

 「さてさて、3人目のプリキュアをおびき出すとするか……」

 

 ライブ会場の上にザックリーが現れ、マックランダーにする人間を探し始めた。

 

 「おっ!」

 

 「紫雨さんがハマっているアイドルプリキュアのライブ……きっとダンスの参考になるぞ……!」

 

 ザックリーはアイドルプリキュアのライブを楽しみにしている寸田を見つけ……

 

 「丁度いいキラキラ発見!お前のキラキラ、オーエス!」

 

 「うわあああああ!?」

 

 「えっ!?」

 

 「はい、ザックリ行くぜ!」

 

 そのキラキラを引き抜くと……

 

 「来い!マックランダー!世界中をクラクラの真っ暗闇にしやがれ!」

 

 「マッ!ク!ランダー!」

 

 寸田をブレイクダンサーのマックランダーへとしてしまったのだ。

 

 『うわああああああ!?』

 

 「っ……」

 

 突然出現したマックランダーを見て、集まっていた人々は一斉に逃げ始めた。

 

 「マッ!ク!ランダー!」

 

 マックランダーはステージを蹴りで破壊し、周りに残骸をまき散らした。

 

 「ライブなんてあるわけねぇだろ?こんなザックリとした偽物に引っ掛かるなんてな!」

 

 「偽物……?」 

 

 このライブはザックリーが用意した3人目のアイドルプリキュアをおびき出すための罠であり、そのことを知ったこころは思わずそう呟く。

 

 「さぁ、プリキュア!ヴラム!早く出て来ないと、世界が真っ暗闇になっちまうぜ!」

 

 「ダ、ダ、ダ!マックランダー!」

 

 マックランダーは、ザックリーの言葉に呼応するように周りを破壊し続ける。

 

 「やだ……止めて……」 

 

 こころはそう言うが、声が小さいのかザックリーやマックランダーに届く様子はない……。

 

 「もっとだ!もっとやっちまえ!!」

 

 ザックリーはマックランダーにそう言い、さらにステージを破壊させる……その時、

 

 「止めてってば!!」

 

 勇気を出したこころは、ザックリーやマックランダーに向けて声を上げたのだ。

 

 「あぁん?」

 

 「みんな、楽しみにしてたのに……キュアアイドルとキュアウインクに会えるって……その気持ち、踏みにじって楽しいの?」

 

 こころの中にはまだ恐怖心はあったものの、それよりもザックリーとマックランダーが起こしたことへの怒りの方が大きかったのか、臆せずにそう言ったのだ。

 

 「何だ?お前、やられに来たのか?」

 

 「マックランダー!」

 

 「っ……」

 

 ザックリーは、プリキュアでもないのに前に出てきたこころを見て、そう問いかけた。それと同時に、うたたちがこころのいる場所へと駆け付ける。

 

 「こころちゃん!?」

 

 うたはマックランダーの前にいたこころを見て、思わずそんな声を上げる。

 

 「もう……心に蓋なんてしない」

 

 「何だ?言いたいことがあるならハッキリ言ってみろよ!」

 

 ザックリーにそう言われたこころは……

 

 「忘れるのなんて無理。可愛い、かっこいい、2人みたいになりたい、憧れの人みたいになりたい。たとえ戦うことになったとしても、一緒にステージに立ちたい!憧れは……止められないんです!」

 

 以前のように我慢することなく、自分の本心を叫んだのだ。

 

 「だから何なんだ?マックランダー、行け!」 

 

 「ダ、ダ、ダ!マックランダー!!」

 

 マックランダーはヘッドスピンで回転すると、脚からエネルギーを込めた斬撃をこころに向かって飛ばしてくる。

 

 「こころちゃん!!」

 

 「逃げて!!」

 

 2人はこころに逃げるように叫んだが、こころは逃げることなく……

 

 「私……心、キュンキュンしてます!」

 

 再びそう叫ぶ………すると……

 

 「!?」

 

 こころの目の前に紫色の光が出てきて、マックランダーの攻撃を弾き……

 

 「!ま、まさか……!?」

 

 「プリキュアリボンプリ!」

 

 その光は紫色のプリキュアリボンとなったのだ。その直後、プリルンの持つポシェットから最後のアイドルハートブローチが飛び出したのだ。

 

 「っ!行くよ!」

 

 こころはブローチをノールックで掴み取ると……

 

 「プリキュア!ライトアップ!」

 

 プリキュアリボンをセットし、その部分を3回タップした。

 

 「キラキラ!ドレスチェンジ!YEAH♪」

 

 ブローチの両側を押すと、水色のメッシュの入った紫髪のお団子型のツインテールへと髪型が変化し、開かれた目は紫色から黄色になっていた。

 

 「キミと~!YEAH♪」

 

 もう一度押すと、髪色と同じ紫を基調としたデザインで、左肩がオフショルダーとなったアシンメトリーのワンピースへと服装が変化していく。そのワンピースのスカートは、バルーンスカートとなっていた。

 

 「一緒に~!YEAH♪」

 

 さらに押すと、両腕に手元が前腕を覆うほどの長さのフィンガーレスグローブがつけられ、足元には白いブーツと紫のニーハイソックスを着用されたのだ。そして……

 

 「キミと踊る、ハートのリズム!心キュンキュン、キュアキュンキュン!」

 

 こころは3人目のアイドルプリキュア……キュアキュンキュンへと姿を変えたのだった。

 

 「なにーー!?」

 

 「ダーー!?」

 

 「「やった!」」

 

 「プリー!」

 

 それを見て、ザックリーは信じられないものを見る表情で驚き、うたとなな、プリルンの3人は喜びの声を上げた。

 

 「キュア……キュンキュン」

 

 キュンキュンは自身の手を空へと翳し……

 

 「私、アイドルプリキュアに……!」

 

 憧れのアイドルプリキュアになれたことを実感していた。

 

 「キュアキュンキュンに、心キュンキュンプリー!」

 

 プリルンもキュンキュンに向け、紫色に光らせたペンライトを振る。

 

 「くそっ!3人目かよ!」

 

 「マックランダーー!!」

 

 「!行っくよー!」

 

 キュンキュンはマックランダーに向けて走り出し、マックランダーもキュンキュンに向けて攻撃を繰り出したが……

 

 「っ!」

 

 キュンキュンはそれを上体を逸らしながら回避する。

 

 「ふっ!」

  

 それからキュンキュンは、再びマックランダーへと向かっていく。 

 

 「マックランダー!」

 

 「!」

 

 マックランダーはキュンキュンに連続で攻撃を仕掛けるが、キュンキュンはそれを次々と避け……

 

 「やぁっ!」

 

 「!?」

 

 その度に隙を見て、蹴りを食らわせていったのだ。マックランダーはすっかり翻弄されており、強力な一撃をキュンキュンに食らわせようとした。

 

 「ふっ!」

 

 「!?」

 

 だが、キュンキュンはそれを飛び上がることで難無く回避し……

 

 「はぁっ!」

 

 「マックランダー!?」

 

 逆にマックランダーへと真上からの蹴りを食らわせ、そのまま地面に叩きつけたのだ。

 

 「!あの戦い方って……」

 

 その戦い方は、まるでヴラムの戦い方を彷彿とさせるようだったのだ。

 

 「やった!出来た!」

 

 「キュアキュンキュン、最高プリ!」

 

 「!ななちゃん、私たちも!」

 

 「うん!」

 

 そんなキュンキュンを見て……

 

 「「プリキュア、ライトアップ!」」

 

 2人はブローチにプリキュアリボンをセットして、その部分を3回タップした。

 

 「「キラキラ、ドレスチェンジ!YEAH♪」」

 

 それからブローチの両側を押すと、髪型と髪色が変わり……

 

 「「キミと~!YEAH♪」」

 

 もう1度押すと服装がコスチュームへと変化する。

 

 「「一緒に~!YEAH♪」」

 

 さらにもう1度押すと、フィンガーレスグローブやブーツ、アクセサリーが装着されていく。そして……

 

 「キミと歌う、ハートのキラキラ!笑顔ニッコリ、キュアアイドル!」

 

 「キミと瞬く、ハートの勇気!おめめパッチン、キュアウインク!」

 

 キュアアイドルとキュアウインクへと、その姿を変えたのだ。

 

 「マックランダーー!!」

 

 マックランダーは立ち上がると、キュンキュンに攻撃を仕掛けようとしたが……

 

 「「はぁっ!」」

 

 「!?」

 

 アイドルとウインクによって、それは阻止されたのだ。

 

 「キュンキュン!」

 

 「キュアアイドル、キュアウインク……!」

 

 「超キラッキランランだね!」

 

 「!本当ですか!?」

 

 「うん!」

 

 キュンキュンは憧れのアイドルとウインクにそう言われ……

 

 「~~~!」

 

 歓喜の声を上げられないほどに、喜んでいるようにみえた。

 

 「ちっ……ゾロゾロ増えやがって!」

 

 「マックランダー!」

 

 マックランダーは地面を足で踏み込むことで割り、その時に出てきた岩などを3人に次々と蹴り飛ばしてきた。

 

 「「「!」」」

 

 3人はそれを避けると……

 

 「「はぁっ!」」

 

 アイドルとウインクがマックランダーへとパンチとキックで攻撃したのだ。その攻撃は跳ね返されるが、同時にマックランダーも体制を崩す。その隙を狙い……

 

 「キュンキュンレーザー!」

 

 キュンキュンは胸のブローチをタップし、ツインテールを束ねたリボンから、マックランダーに無数のレーザービームを放ったのだ。

 

 「!?」

 

 それは全て命中し、マックランダーは地面へと倒れる。

 

 「やるぅ!」

 

 「すごい……!」

 

 その技を見て、アイドルとウインクはそんな声を上げた。そして……

 

 「!……行きます!」

 

 キュンキュンは自ら展開したステージの上へと立つ。

 

 「クライマックスは私!」

 

 マックランダーが観客席へと強制的に座らせられる中、キュンキュンは流れている音楽に合わせて手拍子をし……

 

 「準備はオッケー?」

 

 『ハイ!ハイ!ハイ!ハイ!』

 

 周りの観客たちは掛け声に合わせ、紫のペンライトを振っていたのだ。

 

 「ねぇ、キミも!かわいーな♪(キュンキュン!)かっこいーな♪(キュンキュン!)完全同意上がるテンションコーレスプリーズ♪(イェイ☆)とびきりキュンキュン響かせて~踊ろっ♪(Let's dance!!)もう1回♪(キュンキュン!)アンコール♪(キュンキュン!)完全ダイスキハイなステップがナンバーワン♪もっと~夢中になれるね~♪こころビートYES!!キュンキュン♪」

 

 そして、キュンキュンは自身の周りに複数の紫の水滴を生み出し……

 

 「プリキュア!キュンキュンビート!」

 

 それらを破裂させることでビームを放ち、マックランダーを浄化するのだった……。

 

 「な、なんてこった……ザックリ最悪だぜ!」

 

 その光景を見たザックリーは、そう呟きながら撤退していった。キュンキュンはこころへと戻り、マックランダーはへとなっていた寸田と何かを話した後……

 

 「……うた先輩、なな先輩」

 

 「「?」」

 

 「2人を追いかけるって言っても、私はもう……ただのファンじゃありません。プリキュアになったからには、どこまでもどこまでも追いかけ続けて……いつかきっと、先輩たちを追い抜いてみせます!」

 

 (そして絶対に、ハルマ先輩とも一緒に……)

 

 2人に対し、そう宣言したのだ。

 

 「うん、良いよ!追いかけてきて!私ももっと頑張るから!」

 

 「私も!よろしくね、こころちゃん!」

 

 「よろしくプリ~!」

 

 「はい!あ、あと……うた先輩、なな先輩、私の事はこころって呼んでください!」

 

 そうしてこころは、憧れのアイドルプリキュアの仲間入りを果たすのだった……。

 

 

 

 

 

 




 読んでくださり、ありがとうございます。

 今回でようやく、キュンキュンがデビューとなりました。さらには、ハルマとショウマの距離が少し縮まったようで……?

 それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いいたします。
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